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ジャパン・ティッシュエンジニアリング:再生医療等製品の適応を拡大し成長フェーズへ
配信日時:2025/10/20 12:58
配信元:FISCO
*12:58JST ジャパン・ティッシュエンジニアリング:再生医療等製品の適応を拡大し成長フェーズへ
ジャパン・ティッシュエンジニアリング<7774>は、日本で初めて再生医療等製品の商用化を実現した企業であり、再生医療分野を牽引する存在である。同社は「再生医療製品事業」「再生医療受託事業」「ラボサイト事業」の3事業を展開する。前者では重症熱傷治療に用いる自家培養表皮「ジェイス」や、変形性膝関節症などを対象とする自家培養軟骨「ジャック」、メラノサイト含有自家培養表皮「ジャスミン」などの製品群を持ち、患者自身の細胞を用いた治療を提供している。こうした製品はこれまでの医薬品や医療機器で治療が難しかった一部の傷病にとっての新たなソリューションとなる。再生医療受託事業では、培った技術を活かし他社製品の開発・製造を受託。さらにラボサイト事業では動物実験代替として研究用培養組織を提供し、化粧品や創薬分野の試験ニーズに応えている。これら複数事業の相乗効果により、同社は再生医療の社会実装を推進している。
同社の強みは、第一に、再生医療のパイオニアとして自家培養表皮「ジェイス」の国内第1号の承認取得をはじめとする豊富な開発実績とそのノウハウを持つことである。累計3,000例を超える治療提供実績があり、高度な再生医療を保険適用を見据えながら展開できる数少ない企業である。保険適用の対象となることは非常にハードルが高いこととされているが、現時点で同社の5製品がすでに保険適用となっている。第二に、再生医療に関連する各機関との深いネットワークを持つ点である。黎明期から医療機関や規制当局と深く連携して日本の再生医療の仕組みをつくってきた同社は、常に医療現場や政府からの恒常的なフィードバックを得ており、それらを活かした高度なソリューション設計が可能である。第三に、プラットフォーマーとして製造から薬事、販売後対応までを自社で一貫して担う体制を構築しており、品質の安定化とコスト効率の向上を同時に実現している点である。再生医療等製品は使用期限などもシビアであるため、配送まで総合的にコーディネートすることで高い規格を満たす生産体制を構築することができている。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高426百万円(前年同期比3.6%減)、営業損失244百万円(前年同期は193百万円の損失)となった。再生医療製品事業のうち、皮膚領域では「ジャスミン」の売上は進捗したものの、「ジェイス」の熱傷症例の一時的な減少で減収となった。軟骨領域「ジャック」も一部施設での利用が停滞したが、変形性膝関節症への保険適用の手続きが進展しており、その進捗次第で今後の急拡大が期待できる。再生医療受託事業は100百万円(同16.3%増)と増収となり、帝人との協業や他社からの受託が拡大した。またラボサイト事業も欧州での需要増を受け63百万円(同17.1%増)と大きく成長している。通期では売上高2,900~3,100百万円、営業利益100~200百万円の黒字転換を計画している。「ジャック」の保険適用は12月頃を想定しており、実現すれば大きく業績に寄与するものとみられる。また「ジャスミン」については広報や導入医療機関の増加を加速させており、これらの主力製品の売れ行きが計画通りに伸びれば同社は新たな収益拡大フェーズに突入する。
今後の成長見通しとして、中期経営計画では2028年3月期に売上高50億円、営業利益率10%の達成を掲げる。重点施策として、「ジャック」の変形性膝関節症適応拡大、同種培養表皮「Allo-JaCE03」の2027年3月期上市などを成長ドライバーと位置づける。特にジャックの保険適用が実現すれば普及速度が大幅に上がることが見込まれ、すでに導入済みの医療機関を起点にしながら積極的に拡販を進めていく。こうした主力製品の売上が安定成長期に入ると、同社としてのプロモーション施策、他の再生医療企業との連携、海外展開などがさらなる成長のためのオプションとなる。海外展開においては、再生医療のプラットフォーマーとして海外患者の日本での治療・海外医療現場での活用という双方向の導入を拡大していくこととしている。
株主還元については、2026年3月期も無配を予定しているものの、黒字転化後には配当を開始する方針を示している。配当開始後も中期的には成長フェーズが続くため、まずは研究開発や設備投資を通じて長期的な収益基盤の確立を優先しつつ、業績向上に応じた株式還元を継続的に実施していく。
総じて、同社は再生医療製品事業における新規製品の上市や適応拡大を軸に成長ドライバーを確立しつつ、受託事業・ラボサイト事業の拡大で収益基盤を多角化し、また積極的な海外展開も見据えている。これまで築いてきたパイオニアとしての信頼・プラットフォーマーとしての生産体制を武器に、再生医療でこれまでになかった治療法を創出し続け、またより一層の成長を目指す姿勢は明確であり、今後の黒字転換と再生医療市場の成長に向けた進捗に注目したい。
<HM>
同社の強みは、第一に、再生医療のパイオニアとして自家培養表皮「ジェイス」の国内第1号の承認取得をはじめとする豊富な開発実績とそのノウハウを持つことである。累計3,000例を超える治療提供実績があり、高度な再生医療を保険適用を見据えながら展開できる数少ない企業である。保険適用の対象となることは非常にハードルが高いこととされているが、現時点で同社の5製品がすでに保険適用となっている。第二に、再生医療に関連する各機関との深いネットワークを持つ点である。黎明期から医療機関や規制当局と深く連携して日本の再生医療の仕組みをつくってきた同社は、常に医療現場や政府からの恒常的なフィードバックを得ており、それらを活かした高度なソリューション設計が可能である。第三に、プラットフォーマーとして製造から薬事、販売後対応までを自社で一貫して担う体制を構築しており、品質の安定化とコスト効率の向上を同時に実現している点である。再生医療等製品は使用期限などもシビアであるため、配送まで総合的にコーディネートすることで高い規格を満たす生産体制を構築することができている。
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高426百万円(前年同期比3.6%減)、営業損失244百万円(前年同期は193百万円の損失)となった。再生医療製品事業のうち、皮膚領域では「ジャスミン」の売上は進捗したものの、「ジェイス」の熱傷症例の一時的な減少で減収となった。軟骨領域「ジャック」も一部施設での利用が停滞したが、変形性膝関節症への保険適用の手続きが進展しており、その進捗次第で今後の急拡大が期待できる。再生医療受託事業は100百万円(同16.3%増)と増収となり、帝人との協業や他社からの受託が拡大した。またラボサイト事業も欧州での需要増を受け63百万円(同17.1%増)と大きく成長している。通期では売上高2,900~3,100百万円、営業利益100~200百万円の黒字転換を計画している。「ジャック」の保険適用は12月頃を想定しており、実現すれば大きく業績に寄与するものとみられる。また「ジャスミン」については広報や導入医療機関の増加を加速させており、これらの主力製品の売れ行きが計画通りに伸びれば同社は新たな収益拡大フェーズに突入する。
今後の成長見通しとして、中期経営計画では2028年3月期に売上高50億円、営業利益率10%の達成を掲げる。重点施策として、「ジャック」の変形性膝関節症適応拡大、同種培養表皮「Allo-JaCE03」の2027年3月期上市などを成長ドライバーと位置づける。特にジャックの保険適用が実現すれば普及速度が大幅に上がることが見込まれ、すでに導入済みの医療機関を起点にしながら積極的に拡販を進めていく。こうした主力製品の売上が安定成長期に入ると、同社としてのプロモーション施策、他の再生医療企業との連携、海外展開などがさらなる成長のためのオプションとなる。海外展開においては、再生医療のプラットフォーマーとして海外患者の日本での治療・海外医療現場での活用という双方向の導入を拡大していくこととしている。
株主還元については、2026年3月期も無配を予定しているものの、黒字転化後には配当を開始する方針を示している。配当開始後も中期的には成長フェーズが続くため、まずは研究開発や設備投資を通じて長期的な収益基盤の確立を優先しつつ、業績向上に応じた株式還元を継続的に実施していく。
総じて、同社は再生医療製品事業における新規製品の上市や適応拡大を軸に成長ドライバーを確立しつつ、受託事業・ラボサイト事業の拡大で収益基盤を多角化し、また積極的な海外展開も見据えている。これまで築いてきたパイオニアとしての信頼・プラットフォーマーとしての生産体制を武器に、再生医療でこれまでになかった治療法を創出し続け、またより一層の成長を目指す姿勢は明確であり、今後の黒字転換と再生医療市場の成長に向けた進捗に注目したい。
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