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明日の株式相場に向けて=買い場到来の「フィジカルAI」関連
配信日時:2025/10/15 17:30
配信元:MINKABU
きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比825円高の4万7672円と大幅反発。上にも下にも予測不能のハイボラティリティ相場が続いている。前日の米国株市場でエヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>がいずれも4%を超える下げを示し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も下値を探る展開を余儀なくされた。東京市場でも半導体株への逆風と同時に、日経平均の上値の重い展開が想定されたのだが、朝方高く始まった後は逡巡することなく次第高の展開となった。米株市場の地合いを引き継ぐことなく半導体関連が強さを発揮し、後場に入ると買い気が一段と強まった。
臨時国会が21日に召集され、自民党としてはその初日に首相指名選挙を行う方向で打診したが、野党はこれに応じないという駆け引きが行われた。国民不在の党利党略優先といったら怒られそうだが、野党の政策理念という代物にも疑問符がつかざるを得ない状況となっている。前日の記者会見で、立憲民主党の安住幹事長が「自民党も立民も数合わせをやっている。そんなことこの世界では当たり前。理念は大事だが、きれい事でごまかしているうちは本当ではない」と述べたとされる。本音としても、国民がこの言葉を聞いて立憲民主党の政策に期待するという気持ちになるだろうか。まさに、政策そっちのけで政権奪取に血道を上げるということを憚(はばか)ろうとしない。国民の耳は念頭になかったと思われるが、あまりに無防備な“本音”でこれには驚いた市場関係者も多かったようだ。
きょうはソフトバンクグループ<9984.T>やアドバンテスト<6857.T>などAI・半導体関連株が相場を押し上げた。しかし、見るべきはその傍らで助川電気工業<7711.T>がストップ高カイ気配に張り付き、FFRIセキュリティ<3692.T>が一時13.5%高、アストロスケールホールディングス<186A.T>も一時ストップ高目前まで買われるなど、高市トレードが“怒りのフルスロットル”状態となったことだ。高市首相誕生に向けたマーケットの期待が投影されていたようにも見える。おそらく国民民主党の玉木代表が「内閣総理大臣を務める覚悟はある」という発言を何十回繰り返したとしても、その覚悟の重さが高市氏とはレベルが違うということが、国民側からの目線では覆い隠すすべがない。
一方、日本がトランプ米政権との連携を強くすることは、「アメリカ・ファースト」と「ジャパン・ファースト」が必ずしもトレードオフの関係にはないということを証明する好機ともなる。アベノミクスのDNAを引き継ぐサナエノミクスはトランプ政権との親和性が高く、本格的な株高の切符を手にすることも可能だ。何といってもマグニフィセントセブンの時価総額は今の日本にとって異次元だが、そのマグニフィセント・エフェクトのひとかけらが例えば「スターゲート」に参画するソフトバンクGに舞い降りてきている。ソフトバンクG以外でこの続きを見たいと思っている投資家も多いはずである。
そのソフトバンクGは前週9日に7000億円を超える記録的な売買代金をこなしながら2355円高という爆発的な人気を博した。スイスの大手重電メーカーであるABBのロボット事業を買収することを表明し、AIロボティクス分野における開発に本腰を入れることを発表したことがその背景。これに伴い次代の成長分野と目される「フィジカルAI」への注力方針を明示し、これが大口のグローバルマネーを呼び込む格好となった。AIは既に演算能力は人間とは比べ物にならないが、これに加えて人間のコマンドを必要とせずAI自らが考えて動くAIエージェント時代が迫っている。そのなか、フィジカルAIはロボットの判断や制御をAIが担うというのがコンセプトであり、いわば3次元空間でAIが独立した個体として人間と共生していくことになる。
フィジカルAIの関連銘柄としては、大手ではエヌビディアとの戦略的協業を拡大する富士通<6702.T>や、日立製作所<6501.T>。更にメカトロニクスの雄である安川電機<6506.T>もエヌビディアや富士通と連携を図っていく方針にある。このほかに、フィジカルAI関連として今後スポットライトが当たりそうな中小型株としては、ヒューマノイド開発に意欲を示すヒーハイスト<6433.T>、自律移動できるAIサービスロボットで先駆的存在のCIJ<4826.T>、ロボット向けコネクターソリューションで活躍が期待される山一電機<6941.T>、精密減速機メーカーでヒト型ロボットへの展開の機を探るハーモニック・ドライブ・システムズ<6324.T>、エヌビディアのエリートパートナーでAIロボット開発にも重心を置くジーデップ・アドバンス<5885.T>などが挙げられる。
あすのスケジュールでは、8月の機械受注が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に1年物国庫短期証券の入札が行われる。また、日銀の田村審議委員が沖縄県金融経済懇談会で挨拶を行い、午後に記者会見が予定されている。後場取引時間中に8月の第3次産業活動指数が発表される。このほか、東証プライム市場にテクセンドフォトマスク<429A.T>が新規上場する。海外では8月のユーロ圏貿易収支、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数など。なお、この日はウォラーFRB理事、バーFRB理事、ボウマンFRB副議長の講演が予定されているほか、ミランFRB理事に発言機会があり、複数のFRB高官の発言内容に耳目が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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