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一正蒲 Research Memo(5):2026年6月期は、商品の拡販や価格改定などにより増収増益を見込む
配信日時:2025/10/15 12:05
配信元:FISCO
*12:05JST 一正蒲 Research Memo(5):2026年6月期は、商品の拡販や価格改定などにより増収増益を見込む
■一正蒲鉾<2904>の今後の見通し
1. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の連結業績は、売上高36,200百万円(前期比4.7%増)、営業利益1,100百万円(同23.4%増)、経常利益1,150百万円(同26.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円(同0.4%増)と、増収増益を見込む。
同社は、創業60周年キャンペーンを2025年12月まで展開しながら、好調な「サラダスティック」や「小判てんぷら」などの主力商品にフォーカスした生産体制の構築、販売増強に取り組む。一方で、コスパやタイパ、健康、保存性や利便性といった消費者ニーズに合った商品づくりを進める。まいたけは、気温上昇による生育不良などの供給体制を改善し、安定供給による拡販を目指す。外食など業務用の販路も広げていく。主原料となる北米産スケソウすり身価格は、2024年Bシーズン(7〜12月)から生産コストや米国の人件費の上昇に伴い再び上昇し、2025年Aシーズン(1〜6月)は緩やかな価格上昇が続いた。2025年Bシーズン(7〜12月)は、ロシア産すり身の供給増加により価格の上昇はいったん落ち着いたものの、高止まりが続いている。また、おでんの原料となる卵や大根なども、猛暑や干ばつなど気候変動の影響による生産の制約から価格上昇も想定されており、エネルギーコストや人件費の上昇などを含め、コストの上昇や高止まりは避けられない経営環境だ。
2025年3月の価格改定の通期寄与が大きいが、コスト増を吸収するためには、計画されている生産の省人化・合理化投資による効率化の継続的な取り組みと、消費者ニーズを捉えた商品づくりと拡販による販売数量増加が期待される。
営業利益の増減分析では、2025年3月に実施した価格改定が通期で寄与する効果で11.4億円、主力商品の販売数量増加による増収効果で4.7億円、生産の省人化・合理化投資の効果で2.3億円の計18.4億円の利益拡大を見込む。一方、販売数量増に伴うすり身購入量の増加や価格上昇リスクを織り込み、油脂・包材など副原料・補助材料価格の高止まりによる原価の大幅なコストアップ14.1億円、販売数量・売上高増加に比例した販売費・運賃の増加1.0億円、ベースアップなどの人件費の増加1.1億円の計16.2億円のコスト増を見込み、2025年6月期を2.1億円上回る営業利益での着地を見込む。
2. 事業セグメント別の見通し
(1) 水産練製品・惣菜事業
主力商品については、さらなる拡販を進める。「サラダスティック」の生産体制では、2025年2月に本社第二工場の一部ラインを最新設備に入れ替えて生産能力を向上させるとともに、元の生産ラインを他工場へ移設し、全体の生産能力をさらに20%増強した。また、売上が好調な「小判てんぷら」の生産拠点も増設する計画で、地域限定販売から全国規模での売上拡大を目指す。2025年6月には同社では初のカニかまのバータイプの新製品「パクッとたんぱく ピリッと一味マヨinカニかまバー」「パクッとたんぱく ぎっしり明太マヨinカニかまバー」の2品を発売した。魚由来のタンパク質とカルシウムを含み、手軽に栄養補給できる点を訴求している。また、つまみとしての酒との相性に加え、コスパやタイパを両立することで、新規ユーザーの獲得を目指す。同年9月には、少量タイプの調理済おでんの新製品「お椀で食べるおでん」を発売した。この商品は、温かい煮物や汁物を求める高齢層、コスパやタイパを重視し、バランスの取れた食事を志向する若年層をターゲットにしている。
海外展開については、2025年5月にうなぎの蒲焼風かまぼこ「うな次郎」の海外向け「FROZEN COOKED FISH CAKE UNAGI FLAVOR(輸出うな次郎)」の輸出エリアを拡大し、全世界向けに発売を開始した。加えて、魚肉のすり身を使用し、鶏肉のから揚げ風に仕上げた国内市場向け「お魚ザンギ」をリニューアルし、海外でも食べやすいサイズにした「FROZEN DEEP FRIED FISH CAKE(フィッシュナゲット)」を米国での試験販売を経て、全世界向けに本格販売する。また、子会社化したインドネシアのKIFについては、海外の中核拠点として同社からの人材追加派遣、設備の増強、現地での販売強化(日系チェーンなどへの販売強化)を進め、海外展開を加速する計画である。
なお、合理化設備投資は、引き続き主力商品に焦点を当て、省人化と生産効率化を目指す。
(2) きのこ事業
まいたけについては、引き続き適正な販売単価を維持するため、チャネル別販売単価の管理を徹底するほか、消費者ニーズを捉えた「グラム当たり価格」での店頭販売や、適量適価で消費者が購入できる量り売りまいたけの構成比率を上げていく。さらに、ビタミンD機能の浸透に向けたタイムリーな販促提案など、まいたけの付加価値を訴求する取り組みにより、外食チェーンなど業務用・加工用チャネルへの新規開拓も進める計画である。
猛暑に対するまいたけの生育不良対策として、センター内の空調設備増強や、まいたけ生育時の配置の工夫により、常態化する暑さのなかでも安定して栽培できる環境を整備した。2025年夏の猛暑においても安定した栽培を実現している。2025年6月期に包装工程で効果のあった設備投資の水平展開など、引き続き合理化・省人化を通じたコストダウンを進める。加えて、工程の自動化や作業環境の改善に向けた研究開発を進めてきた接種工程の自動化・省人化にも取り組む予定である。
(3) 運送・倉庫事業
運送部門においては、慢性的な人手不足・輸送能力不足を抱えているが、営業力強化による定期便の獲得に加え、戦略的アライアンス体制の構築により、持続可能な輸送体制を構築して収益増強を図る。倉庫部門においては、社会環境等の変化や顧客ニーズに対応したソリューション型の営業活動及びCS(顧客満足度)の向上活動を展開する。同時に現場業務の効率化や最適化を推進し、一層の収益体質の強化を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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1. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の連結業績は、売上高36,200百万円(前期比4.7%増)、営業利益1,100百万円(同23.4%増)、経常利益1,150百万円(同26.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円(同0.4%増)と、増収増益を見込む。
同社は、創業60周年キャンペーンを2025年12月まで展開しながら、好調な「サラダスティック」や「小判てんぷら」などの主力商品にフォーカスした生産体制の構築、販売増強に取り組む。一方で、コスパやタイパ、健康、保存性や利便性といった消費者ニーズに合った商品づくりを進める。まいたけは、気温上昇による生育不良などの供給体制を改善し、安定供給による拡販を目指す。外食など業務用の販路も広げていく。主原料となる北米産スケソウすり身価格は、2024年Bシーズン(7〜12月)から生産コストや米国の人件費の上昇に伴い再び上昇し、2025年Aシーズン(1〜6月)は緩やかな価格上昇が続いた。2025年Bシーズン(7〜12月)は、ロシア産すり身の供給増加により価格の上昇はいったん落ち着いたものの、高止まりが続いている。また、おでんの原料となる卵や大根なども、猛暑や干ばつなど気候変動の影響による生産の制約から価格上昇も想定されており、エネルギーコストや人件費の上昇などを含め、コストの上昇や高止まりは避けられない経営環境だ。
2025年3月の価格改定の通期寄与が大きいが、コスト増を吸収するためには、計画されている生産の省人化・合理化投資による効率化の継続的な取り組みと、消費者ニーズを捉えた商品づくりと拡販による販売数量増加が期待される。
営業利益の増減分析では、2025年3月に実施した価格改定が通期で寄与する効果で11.4億円、主力商品の販売数量増加による増収効果で4.7億円、生産の省人化・合理化投資の効果で2.3億円の計18.4億円の利益拡大を見込む。一方、販売数量増に伴うすり身購入量の増加や価格上昇リスクを織り込み、油脂・包材など副原料・補助材料価格の高止まりによる原価の大幅なコストアップ14.1億円、販売数量・売上高増加に比例した販売費・運賃の増加1.0億円、ベースアップなどの人件費の増加1.1億円の計16.2億円のコスト増を見込み、2025年6月期を2.1億円上回る営業利益での着地を見込む。
2. 事業セグメント別の見通し
(1) 水産練製品・惣菜事業
主力商品については、さらなる拡販を進める。「サラダスティック」の生産体制では、2025年2月に本社第二工場の一部ラインを最新設備に入れ替えて生産能力を向上させるとともに、元の生産ラインを他工場へ移設し、全体の生産能力をさらに20%増強した。また、売上が好調な「小判てんぷら」の生産拠点も増設する計画で、地域限定販売から全国規模での売上拡大を目指す。2025年6月には同社では初のカニかまのバータイプの新製品「パクッとたんぱく ピリッと一味マヨinカニかまバー」「パクッとたんぱく ぎっしり明太マヨinカニかまバー」の2品を発売した。魚由来のタンパク質とカルシウムを含み、手軽に栄養補給できる点を訴求している。また、つまみとしての酒との相性に加え、コスパやタイパを両立することで、新規ユーザーの獲得を目指す。同年9月には、少量タイプの調理済おでんの新製品「お椀で食べるおでん」を発売した。この商品は、温かい煮物や汁物を求める高齢層、コスパやタイパを重視し、バランスの取れた食事を志向する若年層をターゲットにしている。
海外展開については、2025年5月にうなぎの蒲焼風かまぼこ「うな次郎」の海外向け「FROZEN COOKED FISH CAKE UNAGI FLAVOR(輸出うな次郎)」の輸出エリアを拡大し、全世界向けに発売を開始した。加えて、魚肉のすり身を使用し、鶏肉のから揚げ風に仕上げた国内市場向け「お魚ザンギ」をリニューアルし、海外でも食べやすいサイズにした「FROZEN DEEP FRIED FISH CAKE(フィッシュナゲット)」を米国での試験販売を経て、全世界向けに本格販売する。また、子会社化したインドネシアのKIFについては、海外の中核拠点として同社からの人材追加派遣、設備の増強、現地での販売強化(日系チェーンなどへの販売強化)を進め、海外展開を加速する計画である。
なお、合理化設備投資は、引き続き主力商品に焦点を当て、省人化と生産効率化を目指す。
(2) きのこ事業
まいたけについては、引き続き適正な販売単価を維持するため、チャネル別販売単価の管理を徹底するほか、消費者ニーズを捉えた「グラム当たり価格」での店頭販売や、適量適価で消費者が購入できる量り売りまいたけの構成比率を上げていく。さらに、ビタミンD機能の浸透に向けたタイムリーな販促提案など、まいたけの付加価値を訴求する取り組みにより、外食チェーンなど業務用・加工用チャネルへの新規開拓も進める計画である。
猛暑に対するまいたけの生育不良対策として、センター内の空調設備増強や、まいたけ生育時の配置の工夫により、常態化する暑さのなかでも安定して栽培できる環境を整備した。2025年夏の猛暑においても安定した栽培を実現している。2025年6月期に包装工程で効果のあった設備投資の水平展開など、引き続き合理化・省人化を通じたコストダウンを進める。加えて、工程の自動化や作業環境の改善に向けた研究開発を進めてきた接種工程の自動化・省人化にも取り組む予定である。
(3) 運送・倉庫事業
運送部門においては、慢性的な人手不足・輸送能力不足を抱えているが、営業力強化による定期便の獲得に加え、戦略的アライアンス体制の構築により、持続可能な輸送体制を構築して収益増強を図る。倉庫部門においては、社会環境等の変化や顧客ニーズに対応したソリューション型の営業活動及びCS(顧客満足度)の向上活動を展開する。同時に現場業務の効率化や最適化を推進し、一層の収益体質の強化を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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