みんかぶニュース 市況・概況
明日の株式相場に向けて=「円安・株高」のセオリー崩壊はあるか
配信日時:2025/10/08 17:30
配信元:MINKABU
きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比215円安の4万7734円と5日ぶり反落。高市トレードもきょうの朝方までで概ね一巡した感がある。きょうは日経平均構成比で上位を占めるソフトバンクグループ<9984.T>と東京エレクトロン<8035.T>が不調であったため、日経平均が下押す展開を強いられるのは仕方のないところであった。TOPIXの方は7.7ポイント高で4日続伸している。
気になるのは外国為替市場での円安が加速していることだ。きょうは1ドル=152円台半ばまで一気に円安が進んだ。周知の通り、通常は株式市場にとって円安は追い風材料となり得る。日本は輸出主導型の経済であり、マーケット目線でも全体指数に占める割合が大きいハイテクや自動車株には収益押し上げ効果をもたらすため、株価にもポジティブに作用する。ただ実際のところそうしたロジックよりも、リスクオンはイコール「株高・円安」のセットで、またリスクオフはその逆の「株安・円高」というのが、大袈裟な言い方をすれば投資家のマインドに歴史的に刷り込まれたセオリーともいってよい。したがって、きょうも為替の円安が加速する過程で、朝方はこれを好感する形で買いが先行したのはうなずける。しかし、日経平均は軟化した。きょう1日の5分足チャートをみると、ドル・円相場と日経平均の連動が外れたことがはっきり分かる。
怖いのは為替の円安と株安が同時進行で起こった場合である。加えて同じ時間軸で長期金利が上昇する、つまり債券が売られる展開となると、これが俗に言われる「トリプル安」で、キャピタルフライト(当該国からの資金逃避)という言葉に置き換えられることも多い。きょうの円安はリスクオンとは異質で、このトリプル安の可能性をおぼろげながら警戒させる動きともいえた。高市新総裁が財政拡張路線を目指しているから、財政バランスが崩れ円の価値が下がるという説明は、論理的には成立しているが、ここまで円がフリーフォール状態に売り込まれる根拠としては希薄である。ここからは長期金利の動向にも目を配りながら、株価と為替の絡みを注意深く見ていく必要がある。
世界的な株高も目先は一服商状となっているが、金市況の高騰は依然として止まらない。まさに昇り竜を思わせる上昇トレンドを構築している。果たして世界的なインフレの大波が押し寄せる予兆なのか。もしそうであればFRBはこのまま利下げモードに切り替えていいのかという話にもなるのだが、それは置くとして、株式市場でもこの金市況の動きが改めてテーマとして意識されている。実際、金のETF以外に関連銘柄の一角に物色の矛先が向いている。代表的なのは新値街道をまい進している住友金属鉱山<5713.T>だが、このほかきょう1カ月ぶりに年初来高値を更新したAREホールディングス<5857.T>も要マークといえる。そして、足もとで再び動意含みとなってきたのがアサカ理研<5724.T>だ。日足一目均衡表の雲から脱し、もう一段の上昇があれば前方には青空が広がる。
一方、内需の好業績株を探すと、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援ビジネスを展開する企業が多いことに気付かされる。そのなか、DX化コンサルで成長路線を突き進むULSグループ<3798.T>はここにきて上げ足を加速、きょうは大幅高で株式分割前の9月2日につけた上場来高値の更新を果たしており、戻り売りを浴びないエリアへと突入した。また、電子カルテを主力に医療DX推進を支援するCEホールディングス<4320.T>は9月11日の年初来高値827円をブレーク。こちらは、今から23年以上前の2002年1月につけた950円(分割後修正値)まであと100円あまりに迫っている。25年9月期業績は売上高、営業利益ともに過去最高を更新する見通しにあり、最高値へのチャレンジも早晩実現する可能性がある。
半導体関連は主力どころが目先利食いをこなす時間帯に入っているが、中小型の半導体周辺株に人気化素地を開花させている銘柄も相次いでいる。25年12月期に売上高、営業利益いずれも3期ぶりの過去最高更新見通しにあるテクノフレックス<3449.T>は半導体製造装置向け真空機器を製造している。株価は上場来高値近辺で強含みの推移をみせており、満を持して本格上放れへの期待が膨らむ。また、半導体クリーンルームを手掛ける日本エアーテック<6291.T>も地味な値動きではあるが上値を慕う強いチャートだ。1200円台の踊り場は24年の年初を起点としたボックス上限ラインでもあり、ここを突破して新局面入りとなるかどうかに注目。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に9月のオフィス空室率が発表される。このほか、6カ月物国庫短期証券と5年物国債の入札も予定されている。午後3時過ぎに9月の工作機械受注額が発表される。なお、この日はファーストリテイリング<9983.T>とセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>の決算発表も注目される。海外ではフィリピン中銀が政策金利を発表、米国では30年物国債の入札が行われる。また、パウエルFRB議長に発言機会があるほか、ボウマンFRB副議長、バーFRB理事が講演を予定している。韓国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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