注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:さくらリポート、ノーベル各賞発表、米FOMC議事要旨
配信日時:2025/10/04 16:35
配信元:FISCO
*16:35JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:さくらリポート、ノーベル各賞発表、米FOMC議事要旨
■株式相場見通し
予想レンジ:上限47000円-下限45000円
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比238.56ドル高の46758.28ドル、ナスダックは同63.54ポイント安の22780.51で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比140円高の46080円。根強い利下げ継続期待に加えて、政府機関閉鎖問題が短期に収束に向かうとの楽観的な見方からダウは堅調。一方、シカゴ連銀グールズビー総裁の利下げに慎重な姿勢を受けた金利高警戒でナスダックは失速した。
自民党総裁選は4日に投開票となり、来週の株式市場は新総裁が明らかになったうえでのスタートとなる。小泉氏、高市氏、林氏の3候補が有力とされ、決選投票にまでもつれ込む可能性が高いとみられている。ちなみに、米国の賭けサイトでは小泉首相誕生の可能性が8割とされており、株式市場でもこうした方向性は織り込まれているとみられる。仮に、高市氏が逆転勝利すれば、週明けの株式市場ではポジティブなインパクトが先行する公算だが、小泉氏の場合は全体相場へ与える影響は限定的で、政策期待銘柄へのテーマ物色が中心の展開となろう。
ただ、小泉氏の場合、日銀の利上げへの制約が強まりにくいという点で、足下で強まってきている10月利上げ観測がより注視されることになる。内田副総裁や植田総裁の講演を受けても、国内債券市場では新発10年物国債利回りが一時1.67%にまで上昇し、2008年7月以来およそ17年ぶりの高水準となっている。株価の上昇も日銀のタカ派姿勢を強めさせることになるとみられ、全体相場の重しとなる可能性は残ろう。
米国では政府機関閉鎖に伴うショック安は避けられており、むしろ、ADP雇用統計が下振れたことから、雇用統計の上振れによる利下げ休止への警戒感が後退したことをポジティブに捉える動きともなっている。ちなみに、週末の雇用統計の発表は延期された。いずれにせよ、ADP雇用統計が下振れているため、短期的に利下げ期待が急速に低下するような事態にはなりにくいだろう。半導体・AI関連株には過熱警戒感が拭い切れないものの、当面は利下げ継続期待が下支えする可能性も高い。
とりわけ、関連する国内企業では、日立製作所<6501>がオープンAIと提携、キオクシアホールディングス<285A>や富士通<6702>が米エヌビディアと連携して製品を開発するなど、新たなポジティブ材料が相次いで表面化してきている。電子部品や半導体材料で高シェアを占めている日本企業は多く、今後もこのような動きが多く顕在化する余地も大きいと考えたい。
来週は日米とも主だった経済指標の発表は少ないが、週を通してノーベル賞の発表が相次ぐこととなる。関連しそうな銘柄群への先回り的な動きなどは注目しておきたい。また、主要な小売企業の決算発表が集中する。こちらは、足下の残暑の影響などが警戒されるところだが、国慶節の中国人観光客の動静などが伝わることで、インバウンド需要への期待は高まりやすいと考える。ほか、今週末には安川電機<6506>の決算が発表され、コンセンサス水準まで業績予想が上方修正されている。中国関連銘柄の刺激になる可能性も想定しておきたい。なお、中国関連に関しては、トランプ米大統領と習近平中国国家主席の会談が1カ月以内に開催される予定であることも期待材料とされよう。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は下げ渋りか。米国の政府機関閉鎖の問題で、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性は残されている。ただ、未発表の米雇用統計を含めて重要経済指標を見極めたいとの理由から、投機的な米ドル売りが一段と拡大するとの見方は少ないようだ。新会計年度入り前に「つなぎ予算」が期限切れとなり、上院で与野党の対立が収束せず、米国の政府機関の一部が閉鎖された。それにより重要経済指標の発表が見送られており、不透明感が深まっている。そうしたなか、9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が注目を集めそうだ。連邦準備制度理事会(FRB)は6会合ぶりの利下げを決定、利下げ継続に向かうとの見方が広がればドル売り要因となる。
■来週の注目スケジュール
※米国の政府機関の一部閉鎖に伴い、以下米国の経済指標の発表は延期される可能性があり、また延期された経済指標がいつ発表されるかについては現時点で未定です。
10月6日(月):地域経済報告(さくらリポート)(10月)、植田日本銀行総裁が記者会見、日銀支店長会議、欧・ユーロ圏小売売上高(8月)、ノーベル生理学・医学賞など
10月7日(火):家計支出(8月)、景気一致指数(8月)、景気先行CI指数(8月)、米・貿易収支(8月)、米・NY連銀インフレ期待(9月)、米・消費者信用残高(8月)、中・外貨準備高(9月)、独・製造業受注(8月)、加・貿易収支(8月)、香港・株式市場は祝日のため休場(中秋節の翌日)、ノーベル物理学賞など
10月8日(水):国際収支(経常収支)(8月)、毎月勤労統計-現金給与総額(8月)、実質賃金総額(8月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(9月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(9月)、植田日銀総裁がパリ・ユーロプラス主催のフォーラムで講演、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月16-17日会合分)、独・鉱工業生産指数(8月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、ノーベル化学賞など
10月9日(木):工作機械受注(9月)、東京オフィス空室率(9月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(8月)、中・資金調達総額(9月、15日までに)、中・マネーサプライ(9月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(9月、15日までに)、中・株式市場取引再開(8日まで国慶節・中秋節の連休で休場)、ノーベル文学賞など
10月10日(金):国内企業物価指数(9月)、貸出動向 銀行計(9月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(10月)、米・財政収支(9月)、加・失業率(9月)、北朝鮮・朝鮮労働党創建記念日(80周年)、ノーベル平和賞など
<YU>
予想レンジ:上限47000円-下限45000円
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比238.56ドル高の46758.28ドル、ナスダックは同63.54ポイント安の22780.51で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比140円高の46080円。根強い利下げ継続期待に加えて、政府機関閉鎖問題が短期に収束に向かうとの楽観的な見方からダウは堅調。一方、シカゴ連銀グールズビー総裁の利下げに慎重な姿勢を受けた金利高警戒でナスダックは失速した。
自民党総裁選は4日に投開票となり、来週の株式市場は新総裁が明らかになったうえでのスタートとなる。小泉氏、高市氏、林氏の3候補が有力とされ、決選投票にまでもつれ込む可能性が高いとみられている。ちなみに、米国の賭けサイトでは小泉首相誕生の可能性が8割とされており、株式市場でもこうした方向性は織り込まれているとみられる。仮に、高市氏が逆転勝利すれば、週明けの株式市場ではポジティブなインパクトが先行する公算だが、小泉氏の場合は全体相場へ与える影響は限定的で、政策期待銘柄へのテーマ物色が中心の展開となろう。
ただ、小泉氏の場合、日銀の利上げへの制約が強まりにくいという点で、足下で強まってきている10月利上げ観測がより注視されることになる。内田副総裁や植田総裁の講演を受けても、国内債券市場では新発10年物国債利回りが一時1.67%にまで上昇し、2008年7月以来およそ17年ぶりの高水準となっている。株価の上昇も日銀のタカ派姿勢を強めさせることになるとみられ、全体相場の重しとなる可能性は残ろう。
米国では政府機関閉鎖に伴うショック安は避けられており、むしろ、ADP雇用統計が下振れたことから、雇用統計の上振れによる利下げ休止への警戒感が後退したことをポジティブに捉える動きともなっている。ちなみに、週末の雇用統計の発表は延期された。いずれにせよ、ADP雇用統計が下振れているため、短期的に利下げ期待が急速に低下するような事態にはなりにくいだろう。半導体・AI関連株には過熱警戒感が拭い切れないものの、当面は利下げ継続期待が下支えする可能性も高い。
とりわけ、関連する国内企業では、日立製作所<6501>がオープンAIと提携、キオクシアホールディングス<285A>や富士通<6702>が米エヌビディアと連携して製品を開発するなど、新たなポジティブ材料が相次いで表面化してきている。電子部品や半導体材料で高シェアを占めている日本企業は多く、今後もこのような動きが多く顕在化する余地も大きいと考えたい。
来週は日米とも主だった経済指標の発表は少ないが、週を通してノーベル賞の発表が相次ぐこととなる。関連しそうな銘柄群への先回り的な動きなどは注目しておきたい。また、主要な小売企業の決算発表が集中する。こちらは、足下の残暑の影響などが警戒されるところだが、国慶節の中国人観光客の動静などが伝わることで、インバウンド需要への期待は高まりやすいと考える。ほか、今週末には安川電機<6506>の決算が発表され、コンセンサス水準まで業績予想が上方修正されている。中国関連銘柄の刺激になる可能性も想定しておきたい。なお、中国関連に関しては、トランプ米大統領と習近平中国国家主席の会談が1カ月以内に開催される予定であることも期待材料とされよう。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は下げ渋りか。米国の政府機関閉鎖の問題で、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性は残されている。ただ、未発表の米雇用統計を含めて重要経済指標を見極めたいとの理由から、投機的な米ドル売りが一段と拡大するとの見方は少ないようだ。新会計年度入り前に「つなぎ予算」が期限切れとなり、上院で与野党の対立が収束せず、米国の政府機関の一部が閉鎖された。それにより重要経済指標の発表が見送られており、不透明感が深まっている。そうしたなか、9月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が注目を集めそうだ。連邦準備制度理事会(FRB)は6会合ぶりの利下げを決定、利下げ継続に向かうとの見方が広がればドル売り要因となる。
■来週の注目スケジュール
※米国の政府機関の一部閉鎖に伴い、以下米国の経済指標の発表は延期される可能性があり、また延期された経済指標がいつ発表されるかについては現時点で未定です。
10月6日(月):地域経済報告(さくらリポート)(10月)、植田日本銀行総裁が記者会見、日銀支店長会議、欧・ユーロ圏小売売上高(8月)、ノーベル生理学・医学賞など
10月7日(火):家計支出(8月)、景気一致指数(8月)、景気先行CI指数(8月)、米・貿易収支(8月)、米・NY連銀インフレ期待(9月)、米・消費者信用残高(8月)、中・外貨準備高(9月)、独・製造業受注(8月)、加・貿易収支(8月)、香港・株式市場は祝日のため休場(中秋節の翌日)、ノーベル物理学賞など
10月8日(水):国際収支(経常収支)(8月)、毎月勤労統計-現金給与総額(8月)、実質賃金総額(8月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(9月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(9月)、植田日銀総裁がパリ・ユーロプラス主催のフォーラムで講演、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月16-17日会合分)、独・鉱工業生産指数(8月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、ノーベル化学賞など
10月9日(木):工作機械受注(9月)、東京オフィス空室率(9月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(8月)、中・資金調達総額(9月、15日までに)、中・マネーサプライ(9月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(9月、15日までに)、中・株式市場取引再開(8日まで国慶節・中秋節の連休で休場)、ノーベル文学賞など
10月10日(金):国内企業物価指数(9月)、貸出動向 銀行計(9月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(10月)、米・財政収支(9月)、加・失業率(9月)、北朝鮮・朝鮮労働党創建記念日(80周年)、ノーベル平和賞など
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