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株価指数先物 【週間展望】―ジャクソンホール会議控え神経質に

配信日時:2025/08/17 17:00 配信元:MINKABU
 今週の日経225先物は、21日~23日開催の「ジャクソンホール会議」を控え、いったん持ち高調整の動きが意識されそうである。ただし、海外投資家とみられるインデックスに絡んだ資金流入が続いており、現在の強いトレンドではロング優勢の需給状況であろう。  先週の日経225先物は、利下げ期待の高まりを受けた米株高を追い風に、前週からの強い基調を継続し、13日まで6営業日続伸。14日には大幅に下落(750円安)したものの、翌15日にはこの下落分を埋め、前週末比1650円高の4万3470円で終えた。夏休みシーズンで市場参加者は限られるとみられていたが、東証プライムの売買代金は5兆~6兆円レベルの高水準が続き、インデックスに絡んだ主力大型株主導の展開だった。  日経225先物は拡大傾向をみせるボリンジャーバンドの+2σと+3σによるレンジを継続。週前半の上昇で+3σを捉え、過熱感が警戒されて14日に大きく調整し+2σを割り込んだが、翌日の大幅な上昇で+2σを上回って終えていた。ただし、ナイトセッションで+2σは4万3510円まで切り上がってきている。ナイトセッションは4万3370円で終えていることもあり、週初は同バンド水準で強弱感が対立しそうである。  +2σ水準で底堅さがみられると、4万4740円まで切り上がってきた+3σとのレンジが意識されることになろう。一方で、+2σが抵抗に変わるようだと、+1σ(4万2290円)とのレンジに移行する。もっとも、週足では上向きで推移する+1σ(4万2040円)と+2σ(4万3930円)によるレンジを続けているため、4万2000円辺りまでの調整が入ったとしても現在の上昇トレンドは変わらず、押し目狙いのロングに向かわせよう。  今週はワイオミング州で開かれる年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に市場の関心が集まるとみられる。22日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行う予定。米国では7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことに加え、 ベッセント米財務長官が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ再開に言及し、9月の利下げ確率は9割を超えた。さらに、通常の倍となる0.50%の利下げを織り込む動きをみせている。  パウエルFRB議長の講演内容に市場の関心が集まるなかで、発言を受けた市場反応は翌週になるが、講演を前に持ち高調整が強まる可能性はありそうだ。9月の利下げを織り込む形で米国市場は強い基調を続けているため、過度に偏ったポジションを週後半に向けて調整する動きは意識しておく必要があろう。  また、トランプ米大統領は15日、来週か再来週にも半導体関税を設定すると発言した。当初言及していた100%を上回る「200%か300%」に引き上げる可能性にも言及している。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になる可能性はあるが、来週27日には、エヌビディアの決算発表を控えており、ショートは仕掛けにくいところだ。  そのため、オプション権利行使価格の4万3500円を中心とした上下の権利行使価格である、4万2500円から4万4500円と広めのレンジを想定する。日経225先物は連日で500円を超える大幅な変動をみせているため、レバレッジ型ETFによるヘッジ対応の動きも強まりやすく、トレンドが出やすい状況が続きそうである。  そのほか、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領による首脳会談が15日に行われた。共同会見では、停戦について言及はなかった。ただし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、18日にトランプ大統領と会談すると表明しており、停戦に向けた協議が進展するようだと地政学リスクの後退が買い材料になるだろう。  15日の米VIX指数は15.09(14日は14.83)に上昇した。週間(8日は15.15)では低下となった。13日には14.30まで低下し、昨年12月以来の水準まで下げている。25日移動平均線(16.25)を大きく割り込み、ボトム圏での推移をみせている。ジャクソンホール会議やトランプ関税を控えて上昇する可能性もあるが、25日線辺りまでの上昇は想定内であり、リスク選好に向かいやすいだろう。  先週末のNT倍率は先物中心限月で13.95倍(14日は13.93倍)に上昇した。週間(8日は13.81倍)でも上昇。週初の上昇で75日線(13.81倍)を明確に上抜け、25日線(13.96倍)まで上昇。14日には200日線(13.98倍)を突破し、14.05倍まで上昇する場面もみられた。先週の14.00倍台回復でいったんは達成感も意識されやすく、トランプ関税が警戒されてハイテク株の弱さが目立つ局面では、NTショートに振れそうである。  8月第1週(8月4日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの買い越しであり、買い越し額は3610億円(7月第5週は3407億円の売り越し)だった。なお、現物は53億円の売り越し(同1892億円の売り越し)と2週連続の売り越し。先物は3663億円の買い越し(同1515億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しだった。個人は現物と先物の合算で7680億円の売り越しと2週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で1852億円の売り越しとなり、6週連続の売り越しだった。  主要スケジュールでは、19日に米国7月住宅着工件数、20日に6月機械受注、7月貿易収支、FOMC議事録(7月29日・30日開催分)、21日に米国8月製造業PMI、米国7月コンファレンスボード景気先行指数、ジャクソンホール会議(~23日)、22日に7月全国消費者物価指数、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール会議講演などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41 10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72 11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26 12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68 01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70 02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06 02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06 03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98 04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70 05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00 06月限 日経225 38172.67  TOPIX  2776.06 07月限 日経225 40004.61  TOPIX  2830.46 08月限 日経225 41368.58  TOPIX  3004.82 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/09 08月15日  42680  43470  42520  43470  +850 25/09 08月14日  43450  43480  42600  42620  -750 25/09 08月13日  42730  43460  42590  43370  +730 25/09 08月12日  41820  43000  41810  42640  +820 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/09 08月15日  3060.0  3114.0  3049.5  3114.0  +55.0 25/09 08月14日  3103.0  3103.5  3054.5  3059.0  -39.5 25/09 08月13日  3067.5  3105.0  3060.5  3098.5  +35.0 25/09 08月12日  3028.0  3084.5  3026.5  3063.5  +37.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日大阪比 08月15日(09月限) 43445 -25 08月14日(09月限) 42845 +225 08月13日(09月限) 43145 -225 08月12日(09月限) 43275 +635 08月11日(09月限) 42295 +475 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 08月08日    1185億円  +370億円 1兆7658億円  +3508億円 08月01日    814億円  -103億円 1兆4149億円  -1366億円 07月25日    918億円  -423億円 1兆5515億円  +3049億円 07月18日    1342億円  +774億円 1兆2466億円  -27億円 07月11日    568億円  -633億円 1兆2493億円  -1410億円 07月04日    1201億円  +184億円 1兆3904億円  -1005億円 06月27日    1016億円  -974億円 1兆4909億円  -1471億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 08月13日    2279万株   -686万株  8億5290万株   +3399万株 08月12日    2965万株   -594万株  8億1891万株   +4296万株 08月08日    3560万株   -1731万株  7億7595万株   +8134万株 08月07日    5292万株   +296万株  6億9460万株   +2550万株 08月06日    4995万株   +146万株  6億6910万株   +4055万株 08月05日    4848万株   +1787万株  6億2855万株   +1286万株 08月04日    3061万株   +410万株  6億1568万株   -1341万株 08月01日    2651万株   -447万株  6億2909万株   +3402万株 07月31日    3098万株   -129万株  5億9507万株   +1641万株 07月30日    3227万株    +36万株  5億7865万株   -2282万株 07月29日    3191万株   +0.9万株  6億0148万株   -4447万株 07月28日    3190万株   +285万株  6億4596万株   -4316万株 07月25日    2904万株   -1024万株  6億8912万株   -1404万株 07月24日    3928万株   -159万株  7億0316万株   +4958万株 07月23日    4088万株    +11万株  6億5357万株   +8529万株 07月22日    4076万株    -32万株  5億6828万株   -643万株 株探ニュース

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