注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:日米中銀イベントだが、米中や日米関税交渉の行方が相場の方向性を左右へ
配信日時:2025/06/14 14:11
配信元:FISCO
*14:11JST 国内株式市場見通し:日米中銀イベントだが、米中や日米関税交渉の行方が相場の方向性を左右へ
■米中協議進展で買い先行後は地政学リスク台頭で伸び悩む
今週の日経平均は週間で92.64円高(+0.25%)の37834.25円で取引を終了。米雇用統計の上振れや米中通商交渉の進展期待で週初から買い先行、週央にかけては38529円まで上昇し、2月21日以来の水準まで一時上昇した。ただ、週後半にかけては軟化し、一時25日移動平均線(25MA)を割り込む展開になっている。なお、6月メジャーSQ値は38172.67円だった。
9日から10日にわたって開催された米中通商協議では、両国の交渉担当者が貿易に関する枠組みで合意したと発表、半導体関連などハイテク株高の流れにつながった。一方、週後半には、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したと伝わるなど地政学リスクの台頭が株価の調整要因となった。日本株にとっては、ドル・円相場が一時1ドル=142円台にまで下落したこと、トランプ米大統領が輸入自動車にかける追加関税を「遠くない将来に引き上げるかもしれない」と発言したことなども買い手控え要因になった。
6月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3932億円、先物を2176億円買い越したことから、合計6108億円の買い越しとなった。8週連続での買い越しとなっている。個人投資家も現物を1890億円買い越すなど合計で1681億円買い越し、事業法人も合計で3455億円買い越した。一方、信託は合計で7844億円の大幅売り越しだった。
■日米金融政策イベントが注目点に
今週末の米国株式市場は大幅に下落。ダウ平均は前日比769.83ドル安の42197.79ドル、ナスダックは同255.66ポイント安の19406.82で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比130円高の37910円で取引を終えた。イスラエルがイランの核施設や軍事施設などを攻撃し、イランが報復としてミサイル反撃を行っており、中東の地政学リスクの高まりがリスク回避の動きに向かわせた。ただ、こうしたリスクは今週末の東京市場で反映済み、有事のドル高も進んでおり、週末の情勢次第ではあるが、一段の売り材料にはつながらないだろう。ただし、インフレ懸念がくすぶる中、原油相場の動向は今後注視すべき点とはなる。
来週は日米の金融政策会合が注目イベントとなるが、米国の関税政策の影響が不透明な中、ともに金融政策の変更は想定されていない。日本銀行金融政策決定会合では、国債の買い入れ減額計画の中間評価が発表されるが、26年4月以降の減額ペース縮小が示される可能性もあるとみられる。また、20日には国債市場特別参加者会合が開催され、今年度の超長期国債の発行減額が議論される。足下における超長期国債の不安定化の解消につながっていくか注目される。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長会見では、先行きのインフレ見通しなどが注目されよう。足下で米国インフレ指標は落ち着きを見せているが、関税発動前の在庫積み増しの影響がこの要因とみられる。また、政策金利据え置きが予想される中、トランプ米大統領との軋轢が広がらないかにも懸念は残ろう。なお、関税政策の影響という点では、中国の工業生産の状況なども注視すべき。
■株主総会集中日接近で売り手控えムード強まりやすく
日本株にとっては、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米首脳会談が実施されるのか、実施された場合、自動車・自動車部品の関税率低減で合意がなされるのかが大きな関心事となろう。12日にトランプ米大統領が自動車関税の引き上げを示唆していることなどは、日本側の交渉にとってはプレッシャーとなってこよう。また、米中協議への注力度が高いとみられること、中東情勢の緊迫化などから、すぐに交渉が大きく前進するような状況は想定しにくいとみられる。一方、米中通商交渉の進展は、半導体輸出規制の緩和につながるとみられ、ハイテクセクターにとっては今後も期待材料とされる可能性が高い。地政学リスクの高まりに伴う防衛関連株とともに、株式市場のリード役になっていく余地がある。ほか、株主総会の集中日が接近する状況下、株主還元策などに対する期待感から売り手控えムードなども強まりやすいタイミングともいえよう。インフレ懸念につながる原油相場の動向を睨みながらだが、目先は日経平均38000円水準での底固めを意識した堅調な相場展開も想定される。
■日米で金融政策決定会合が開催
来週、国内では、16~17日にかけて日銀金融政策決定会合が開催され、17日には植田日銀総裁の会見が行われる。18日に5月貿易統計、4月機械受注、5月訪日外客数、19日に5月首都圏新築マンション発売、20日に5月消費者物価指数、4月30日・5月1日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、財務省の国債市場特別参加者会合開催などが予定されている。週末、22日には東京都議会議員選挙が行われる。
海外では、16日に中・5月小売売上高、5月工業生産、5月都市部固定資産投資、米・6月NY連銀製造業景気指数、17日に独・6月ZEW景況感指数、米5月小売売上高、5月輸出入物価、5月鉱工業生産・設備稼働率、6月NAHB住宅市場指数、FOMC(~18日)、18日に英・5月消費者物価指数、米・5月住宅着工件数、5月建設許可件数、4月対米証券投資、新規失業保険申請件数、パウエルFRB議長会見、19日に英・金融政策委員会、20日に米・6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数などが予定されている。そのほか、17日にかけてG7サミットが開催されている。なお、19日はジューンティーンスデーにより米国市場が休場となる。
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今週の日経平均は週間で92.64円高(+0.25%)の37834.25円で取引を終了。米雇用統計の上振れや米中通商交渉の進展期待で週初から買い先行、週央にかけては38529円まで上昇し、2月21日以来の水準まで一時上昇した。ただ、週後半にかけては軟化し、一時25日移動平均線(25MA)を割り込む展開になっている。なお、6月メジャーSQ値は38172.67円だった。
9日から10日にわたって開催された米中通商協議では、両国の交渉担当者が貿易に関する枠組みで合意したと発表、半導体関連などハイテク株高の流れにつながった。一方、週後半には、イスラエルがイランの核関連施設を攻撃したと伝わるなど地政学リスクの台頭が株価の調整要因となった。日本株にとっては、ドル・円相場が一時1ドル=142円台にまで下落したこと、トランプ米大統領が輸入自動車にかける追加関税を「遠くない将来に引き上げるかもしれない」と発言したことなども買い手控え要因になった。
6月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3932億円、先物を2176億円買い越したことから、合計6108億円の買い越しとなった。8週連続での買い越しとなっている。個人投資家も現物を1890億円買い越すなど合計で1681億円買い越し、事業法人も合計で3455億円買い越した。一方、信託は合計で7844億円の大幅売り越しだった。
■日米金融政策イベントが注目点に
今週末の米国株式市場は大幅に下落。ダウ平均は前日比769.83ドル安の42197.79ドル、ナスダックは同255.66ポイント安の19406.82で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比130円高の37910円で取引を終えた。イスラエルがイランの核施設や軍事施設などを攻撃し、イランが報復としてミサイル反撃を行っており、中東の地政学リスクの高まりがリスク回避の動きに向かわせた。ただ、こうしたリスクは今週末の東京市場で反映済み、有事のドル高も進んでおり、週末の情勢次第ではあるが、一段の売り材料にはつながらないだろう。ただし、インフレ懸念がくすぶる中、原油相場の動向は今後注視すべき点とはなる。
来週は日米の金融政策会合が注目イベントとなるが、米国の関税政策の影響が不透明な中、ともに金融政策の変更は想定されていない。日本銀行金融政策決定会合では、国債の買い入れ減額計画の中間評価が発表されるが、26年4月以降の減額ペース縮小が示される可能性もあるとみられる。また、20日には国債市場特別参加者会合が開催され、今年度の超長期国債の発行減額が議論される。足下における超長期国債の不安定化の解消につながっていくか注目される。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長会見では、先行きのインフレ見通しなどが注目されよう。足下で米国インフレ指標は落ち着きを見せているが、関税発動前の在庫積み増しの影響がこの要因とみられる。また、政策金利据え置きが予想される中、トランプ米大統領との軋轢が広がらないかにも懸念は残ろう。なお、関税政策の影響という点では、中国の工業生産の状況なども注視すべき。
■株主総会集中日接近で売り手控えムード強まりやすく
日本株にとっては、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米首脳会談が実施されるのか、実施された場合、自動車・自動車部品の関税率低減で合意がなされるのかが大きな関心事となろう。12日にトランプ米大統領が自動車関税の引き上げを示唆していることなどは、日本側の交渉にとってはプレッシャーとなってこよう。また、米中協議への注力度が高いとみられること、中東情勢の緊迫化などから、すぐに交渉が大きく前進するような状況は想定しにくいとみられる。一方、米中通商交渉の進展は、半導体輸出規制の緩和につながるとみられ、ハイテクセクターにとっては今後も期待材料とされる可能性が高い。地政学リスクの高まりに伴う防衛関連株とともに、株式市場のリード役になっていく余地がある。ほか、株主総会の集中日が接近する状況下、株主還元策などに対する期待感から売り手控えムードなども強まりやすいタイミングともいえよう。インフレ懸念につながる原油相場の動向を睨みながらだが、目先は日経平均38000円水準での底固めを意識した堅調な相場展開も想定される。
■日米で金融政策決定会合が開催
来週、国内では、16~17日にかけて日銀金融政策決定会合が開催され、17日には植田日銀総裁の会見が行われる。18日に5月貿易統計、4月機械受注、5月訪日外客数、19日に5月首都圏新築マンション発売、20日に5月消費者物価指数、4月30日・5月1日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、財務省の国債市場特別参加者会合開催などが予定されている。週末、22日には東京都議会議員選挙が行われる。
海外では、16日に中・5月小売売上高、5月工業生産、5月都市部固定資産投資、米・6月NY連銀製造業景気指数、17日に独・6月ZEW景況感指数、米5月小売売上高、5月輸出入物価、5月鉱工業生産・設備稼働率、6月NAHB住宅市場指数、FOMC(~18日)、18日に英・5月消費者物価指数、米・5月住宅着工件数、5月建設許可件数、4月対米証券投資、新規失業保険申請件数、パウエルFRB議長会見、19日に英・金融政策委員会、20日に米・6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数などが予定されている。そのほか、17日にかけてG7サミットが開催されている。なお、19日はジューンティーンスデーにより米国市場が休場となる。
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