注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:国際収支、米CPI、G7サミット
配信日時:2025/06/07 18:10
配信元:FISCO
*18:10JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:国際収支、米CPI、G7サミット
■株式相場見通し
予想レンジ:上限38800円-下限37200円
6日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比443.13ドル高の42762.87ドル、ナスダックは同231.51ポイント高の19529.95で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比220円高の37990円で取引を終えた。注目された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比13万9000人の増加と、市場予想を上回った。失業率は前月比横ばいの4.2%にとどまり、過度な景気減速への懸念が後退する形になっている。また、トランプ米大統領は、米中が9日にロンドンで通商問題を巡り協議すると明らかにしており、協議進展への期待が高まることにもつながっている。雇用統計を受けて為替市場でもドル高・円安反転の動きとなっている。
米中協議に関しては、6月5日にトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の電話協議が行われ、両政府の閣僚級協議などが近く開催される見方はすでに強まっていた。交渉の進展にはなお予断を許さないであろう。また、日米貿易交渉に関しても、6月15日から17日に開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)において、日米首脳会談が行われる可能性が高いとされている。引き続き、米国の関税政策の行方を見極めるべき相場展開が継続する公算が大きい。とりわけ、日本株にとっては、自動車関税の大幅縮小・撤廃が早い段階で決定すればポジティブサプライズとなり得るが、現状ではその可能性は低いように見える。
また、G7を週末に控える中、為替市場での円高進行なども翌週はリスク要因となってこよう。加えて、再翌週には日米金融政策決定会合の開催を控えており、これも来週の株式市場の方向感を乏しくさせよう。ともに大きな政策変更は想定されないが、米国ではトランプ大統領と連邦準備制度理事会(FRB)の軋轢が再度強まってこないか注視する必要もある。ちなみに、トランプ大統領はFRBに1.00%の利下げを要請したとも伝わっている。
月末にかけては株主総会の集中日を迎える。企業側も株高をより意識するタイミングとみられ、実際に6月相場は、11月~4月相場と比べてパフォーマンスの悪い5月~10月相場の中にあって、相対的に堅調な株価推移となりやすい。特に近年では、株主還元の強化や再編の動きなどが増加傾向にあるため、ポジティブ材料の出現も期待しやすい局面であるといえよう。ファンドの大量保有が直近で明らかになっているような銘柄、親子上場の関係にある銘柄などへの思惑買いが強まりやすいだろう。また、9日にはアップルが年次世界開発者会議「WWDC25」を開催予定で、電子部品株などアップル関連銘柄の動意につながるかなども注目されるところだ。
プライム市場と比較して足下で堅調な推移が目立つグロース市場だが、6月6日には前日比17ポイント安と4月9日以来の大幅下落となっている。米関税策や為替の影響が乏しい内需株のウェイトが高いという優位性が高い状況下、週前半には押し目買いの勢いの程度が計れることとなる。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。米トランプ政権の流動的な政策運営で不透明感が高まっており、日米関税協議に向けドル高・円安是正への思惑も根強い。しかしながら、米中貿易交渉への期待感は根強く、リスク回避的な米ドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。トランプ米大統領は鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税について、現行の2倍にあたる50%に引き上げる方針を示し、適用された。政策方針の予測ができず、経済見通しの不透明感は消え去っていない。ただ、来週発表される5月消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致、または上回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ再開について一層慎重となるため、ドル買い・円売りがやや強まるとみられる。
一方、今週発表された5月ISM景況指数は製造業、サービス業とも低調な内容だった。5月消費者物価指数(CPI)でインフレ再加速の可能性が示された場合、物価高と成長率の鈍化に対する警戒感が再び高まり、リスク回避のドル売りにつながる可能性も残されている。
■来週の注目スケジュール
6月9日(月):GDP改定値(1-3月)、国際収支(経常収支)(4月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(5月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(5月)、貸出動向 銀行計(5月)、米・卸売在庫(4月)、米・ニューヨーク連銀インフレ期待(5月)、中・消費者物価指数(5月)、中・生産者物価指数(5月)、中・貿易収支(5月)、中・資金調達総額(5月、15日までに)、中・マネーサプライ(5月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(5月、15日までに)、米・アップル年次世界開発者会議「WWDC25」(13日まで)など
6月10日(火):工作機械受注(5月)、英・失業率(5月)、英・ILO失業率(2-4月)など
6月11日(水):国内企業物価指数(5月)、今国会3回目の石破総理大臣と野党党首による党首討論、米・消費者物価コア指数(5月)、米・財政収支(5月)など
6月12日(木):景況判断BSI大企業全産業(4-6月)、景況判断BSI大企業製造業(4-6月)、東京オフィス空室率(5月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(5月)、英・鉱工業生産指数(4月)、英・商品貿易収支(4月)など
6月13日(金):鉱工業生産(4月)、設備稼働率(4月)、第3次産業活動指数(4月)、東京都議選2025告示(22日投開票)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(6月)、欧・ユーロ圏貿易収支(4月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)、独・CPI(5月)など
6月15日(日):主要7カ国首脳会議(G7サミット、17日まで)など
<YU>
予想レンジ:上限38800円-下限37200円
6日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比443.13ドル高の42762.87ドル、ナスダックは同231.51ポイント高の19529.95で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比220円高の37990円で取引を終えた。注目された米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比13万9000人の増加と、市場予想を上回った。失業率は前月比横ばいの4.2%にとどまり、過度な景気減速への懸念が後退する形になっている。また、トランプ米大統領は、米中が9日にロンドンで通商問題を巡り協議すると明らかにしており、協議進展への期待が高まることにもつながっている。雇用統計を受けて為替市場でもドル高・円安反転の動きとなっている。
米中協議に関しては、6月5日にトランプ米大統領と中国の習近平国家主席の電話協議が行われ、両政府の閣僚級協議などが近く開催される見方はすでに強まっていた。交渉の進展にはなお予断を許さないであろう。また、日米貿易交渉に関しても、6月15日から17日に開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)において、日米首脳会談が行われる可能性が高いとされている。引き続き、米国の関税政策の行方を見極めるべき相場展開が継続する公算が大きい。とりわけ、日本株にとっては、自動車関税の大幅縮小・撤廃が早い段階で決定すればポジティブサプライズとなり得るが、現状ではその可能性は低いように見える。
また、G7を週末に控える中、為替市場での円高進行なども翌週はリスク要因となってこよう。加えて、再翌週には日米金融政策決定会合の開催を控えており、これも来週の株式市場の方向感を乏しくさせよう。ともに大きな政策変更は想定されないが、米国ではトランプ大統領と連邦準備制度理事会(FRB)の軋轢が再度強まってこないか注視する必要もある。ちなみに、トランプ大統領はFRBに1.00%の利下げを要請したとも伝わっている。
月末にかけては株主総会の集中日を迎える。企業側も株高をより意識するタイミングとみられ、実際に6月相場は、11月~4月相場と比べてパフォーマンスの悪い5月~10月相場の中にあって、相対的に堅調な株価推移となりやすい。特に近年では、株主還元の強化や再編の動きなどが増加傾向にあるため、ポジティブ材料の出現も期待しやすい局面であるといえよう。ファンドの大量保有が直近で明らかになっているような銘柄、親子上場の関係にある銘柄などへの思惑買いが強まりやすいだろう。また、9日にはアップルが年次世界開発者会議「WWDC25」を開催予定で、電子部品株などアップル関連銘柄の動意につながるかなども注目されるところだ。
プライム市場と比較して足下で堅調な推移が目立つグロース市場だが、6月6日には前日比17ポイント安と4月9日以来の大幅下落となっている。米関税策や為替の影響が乏しい内需株のウェイトが高いという優位性が高い状況下、週前半には押し目買いの勢いの程度が計れることとなる。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。米トランプ政権の流動的な政策運営で不透明感が高まっており、日米関税協議に向けドル高・円安是正への思惑も根強い。しかしながら、米中貿易交渉への期待感は根強く、リスク回避的な米ドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。トランプ米大統領は鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税について、現行の2倍にあたる50%に引き上げる方針を示し、適用された。政策方針の予測ができず、経済見通しの不透明感は消え去っていない。ただ、来週発表される5月消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致、または上回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ再開について一層慎重となるため、ドル買い・円売りがやや強まるとみられる。
一方、今週発表された5月ISM景況指数は製造業、サービス業とも低調な内容だった。5月消費者物価指数(CPI)でインフレ再加速の可能性が示された場合、物価高と成長率の鈍化に対する警戒感が再び高まり、リスク回避のドル売りにつながる可能性も残されている。
■来週の注目スケジュール
6月9日(月):GDP改定値(1-3月)、国際収支(経常収支)(4月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(5月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(5月)、貸出動向 銀行計(5月)、米・卸売在庫(4月)、米・ニューヨーク連銀インフレ期待(5月)、中・消費者物価指数(5月)、中・生産者物価指数(5月)、中・貿易収支(5月)、中・資金調達総額(5月、15日までに)、中・マネーサプライ(5月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(5月、15日までに)、米・アップル年次世界開発者会議「WWDC25」(13日まで)など
6月10日(火):工作機械受注(5月)、英・失業率(5月)、英・ILO失業率(2-4月)など
6月11日(水):国内企業物価指数(5月)、今国会3回目の石破総理大臣と野党党首による党首討論、米・消費者物価コア指数(5月)、米・財政収支(5月)など
6月12日(木):景況判断BSI大企業全産業(4-6月)、景況判断BSI大企業製造業(4-6月)、東京オフィス空室率(5月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(5月)、英・鉱工業生産指数(4月)、英・商品貿易収支(4月)など
6月13日(金):鉱工業生産(4月)、設備稼働率(4月)、第3次産業活動指数(4月)、東京都議選2025告示(22日投開票)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(6月)、欧・ユーロ圏貿易収支(4月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(4月)、独・CPI(5月)など
6月15日(日):主要7カ国首脳会議(G7サミット、17日まで)など
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