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MDNT Research Memo(8):「VISION2030」のもと、第2次中期経営計画を推進
配信日時:2025/01/28 12:08
配信元:FISCO
*12:08JST MDNT Research Memo(8):「VISION2030」のもと、第2次中期経営計画を推進
■メディネット<2370>の中期経営計画
1. 第2次中期経営計画の概要
2022年4月より創業者である木村氏から久布白氏へ経営トップが交代し、新たな視点や論点を加味した新中期経営計画の検討を進めている。同社は、2030年を見据えた企業ビジョン(同社の10年後の目指したい姿)を描いた「VISION2030」を発表し、バックキャスティング(未来から現在へとさかのぼり道筋を描く手法)で「VISION2030」を達成するための中期経営計画を推進している。第1次中期計画(2022年9月期~2024年9月期)は終了し、2024年10月より第2次中期経営計画を開始した。
同社は「VISION2030」を踏まえ、「経営方針と事業展開」を定めた。第1に「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」の経営方針の下、事業展開として1) 特定細胞加工物製造受託の拡大、2) CDMO事業の基盤強化、3) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成を掲げた。第2に「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」のもと、1) 同社事業の収益性/生産性の向上、2) 同社事業へのシナジー、VISIONに合致する新規事業の育成を掲げた。第3に「会社基盤の強化」を掲げ、1) 「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化、2) DX実現に向けた社内環境整備の加速化を推進する。
さらに「経営方針と事業展開」を達成するため、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」「再生医療等製品の検証試験の開始」「新規事業の育成・収益化」を掲げた。同社のコア事業である細胞加工業はコロナ禍の影響を大きく受けて、営業損失が拡大した。当初は利益回復と黒字化を2023年9月期と設定していたが、コロナ禍の長期化による患者数回復の遅れと新細胞種による加工受託メニューの提供開始時期の遅れにより黒字化を先送りにした。しかし、再び細胞加工業の複数の売上拡大要因を確実に実行し成果を上げることで、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」に臨むこととなった。
なかでも弊社が注目するのは「経営方針と事業展開」で、第3に掲げた「会社基盤の強化」における取り組みとして運用を開始した「株式報酬制度」は、業績・株価と連動して支給されるインセンティブ報酬制度のことで、簡単に言えば自社株をもらう権利を付与される制度である。企業によって設けられた勤務条件を達成した場合に、一定期間経過後に報酬として株式を受け取ることができる仕組みである。日本企業の慢性的人材不足が言われて久しいが、同社でも若手の優秀な人材(細胞加工技術者やバイオ研究者など)確保が喫緊の経営課題となっており、現有社員のモチベーション高揚と優秀な人材獲得の有効手段として、2023年9月期より導入した。細胞加工業の黒字化と株価が上手く連動すれば、社員にとっては働きがいの動機付けになり得るだろう。
2. 細胞加工業事業の黒字回復時期の変更
これまで、2025年9月期の細胞加工事業の黒字回復を目指してきたが、1) がん免疫細胞治療の患者数がコロナ禍以前の水準まで回復できていないこと、2) 新規加工受託のメニューの提供開始時期の遅延、3) CDMO事業では、ヤンセンファーマの製造販売承認取得済みの製品の市販が開始されていないこと、を主因に赤字幅の縮小が遅れ、2025年9月期中の黒字回復は困難な見通しとなった。今後は特定細胞加工に係る加工数やメニューの拡大、並びにCDMO事業における受注拡大と新規案件の受託、生産効率の向上などを着実に取り進めることにより、細胞加工事業の黒字回復時期を新たに2028年9月期と定めている。黒字化達成時期を少しでも前倒しで達成すべく、全社一丸となって取り組むこととしている。現時点の業績から見ると「黒字化目標の期ずれ」は止むを得ないとするも、第2次中期経営計画では早期黒字化のためのアクションプランとその実行が期待される。
3. 2024年9月期における事業展開の進捗
「VISION2030」で掲げた3つの経営方針における、2024年9月期の戦略推進の進捗状況は以下のとおりである。
(1) 「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」
a) 特定細胞加工物製造受託の拡大
新規加工技術を生かした取り組みの進捗は以下のとおり。
・毛髪再生に係る新たな特定細胞加工物(S-DSC)は2024年8月より受託製造を開始。
・脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)は凍結製品へ変更及び自社製造体制の確立を図り、2025年9月期第4四半期には加工受託を開始予定。
・歯科領域における新たな骨造成治療法のセルアクシアとの共同開発を推進。早ければ来年の臨床研究の開始に向け、現在各種のデータを取得中。
b) CDMO事業の基盤強化
ヤンセンファーマの治験製品「カービクティ点滴静注」の製造受託が順調に推移した。また、同市販製品の製造受託も目指し取り組んでいる。併せて、これまで蓄積してきた実績や経験を生かし、新たなCDMO案件の獲得を強化。
c) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成
・九州大学との共同研究(α-GalCer/DC)について、慢性心不全患者を対象とした医師主導第IIb試験は主要評価項目で未達となり、「開発中止」を決定。
・研究開発段階の各テーマの早期のステージアップと新規の開発候補品の獲得。
(2) 「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」
・AGCと細胞治療CDMO事業における戦略的パートナーシップ契約を締結
・予防分野などでの新規事業の創出・育成を目指し、外部企業との事業提携などを協議中
(3) 「会社基盤の強化」
・人財活性化に向け、新人事制度を導入(2024年10月~)
・DX実現に向け、情報システム化計画を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 第2次中期経営計画の概要
2022年4月より創業者である木村氏から久布白氏へ経営トップが交代し、新たな視点や論点を加味した新中期経営計画の検討を進めている。同社は、2030年を見据えた企業ビジョン(同社の10年後の目指したい姿)を描いた「VISION2030」を発表し、バックキャスティング(未来から現在へとさかのぼり道筋を描く手法)で「VISION2030」を達成するための中期経営計画を推進している。第1次中期計画(2022年9月期~2024年9月期)は終了し、2024年10月より第2次中期経営計画を開始した。
同社は「VISION2030」を踏まえ、「経営方針と事業展開」を定めた。第1に「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」の経営方針の下、事業展開として1) 特定細胞加工物製造受託の拡大、2) CDMO事業の基盤強化、3) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成を掲げた。第2に「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」のもと、1) 同社事業の収益性/生産性の向上、2) 同社事業へのシナジー、VISIONに合致する新規事業の育成を掲げた。第3に「会社基盤の強化」を掲げ、1) 「先を見据え、自ら一歩先の考動ができる」人財への活性化、2) DX実現に向けた社内環境整備の加速化を推進する。
さらに「経営方針と事業展開」を達成するため、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」「再生医療等製品の検証試験の開始」「新規事業の育成・収益化」を掲げた。同社のコア事業である細胞加工業はコロナ禍の影響を大きく受けて、営業損失が拡大した。当初は利益回復と黒字化を2023年9月期と設定していたが、コロナ禍の長期化による患者数回復の遅れと新細胞種による加工受託メニューの提供開始時期の遅れにより黒字化を先送りにした。しかし、再び細胞加工業の複数の売上拡大要因を確実に実行し成果を上げることで、「細胞加工業の2025年9月期の黒字化」に臨むこととなった。
なかでも弊社が注目するのは「経営方針と事業展開」で、第3に掲げた「会社基盤の強化」における取り組みとして運用を開始した「株式報酬制度」は、業績・株価と連動して支給されるインセンティブ報酬制度のことで、簡単に言えば自社株をもらう権利を付与される制度である。企業によって設けられた勤務条件を達成した場合に、一定期間経過後に報酬として株式を受け取ることができる仕組みである。日本企業の慢性的人材不足が言われて久しいが、同社でも若手の優秀な人材(細胞加工技術者やバイオ研究者など)確保が喫緊の経営課題となっており、現有社員のモチベーション高揚と優秀な人材獲得の有効手段として、2023年9月期より導入した。細胞加工業の黒字化と株価が上手く連動すれば、社員にとっては働きがいの動機付けになり得るだろう。
2. 細胞加工業事業の黒字回復時期の変更
これまで、2025年9月期の細胞加工事業の黒字回復を目指してきたが、1) がん免疫細胞治療の患者数がコロナ禍以前の水準まで回復できていないこと、2) 新規加工受託のメニューの提供開始時期の遅延、3) CDMO事業では、ヤンセンファーマの製造販売承認取得済みの製品の市販が開始されていないこと、を主因に赤字幅の縮小が遅れ、2025年9月期中の黒字回復は困難な見通しとなった。今後は特定細胞加工に係る加工数やメニューの拡大、並びにCDMO事業における受注拡大と新規案件の受託、生産効率の向上などを着実に取り進めることにより、細胞加工事業の黒字回復時期を新たに2028年9月期と定めている。黒字化達成時期を少しでも前倒しで達成すべく、全社一丸となって取り組むこととしている。現時点の業績から見ると「黒字化目標の期ずれ」は止むを得ないとするも、第2次中期経営計画では早期黒字化のためのアクションプランとその実行が期待される。
3. 2024年9月期における事業展開の進捗
「VISION2030」で掲げた3つの経営方針における、2024年9月期の戦略推進の進捗状況は以下のとおりである。
(1) 「メディネットの強み・経験を最大限に活かした成長」
a) 特定細胞加工物製造受託の拡大
新規加工技術を生かした取り組みの進捗は以下のとおり。
・毛髪再生に係る新たな特定細胞加工物(S-DSC)は2024年8月より受託製造を開始。
・脂肪由来間葉系幹細胞(ASC)は凍結製品へ変更及び自社製造体制の確立を図り、2025年9月期第4四半期には加工受託を開始予定。
・歯科領域における新たな骨造成治療法のセルアクシアとの共同開発を推進。早ければ来年の臨床研究の開始に向け、現在各種のデータを取得中。
b) CDMO事業の基盤強化
ヤンセンファーマの治験製品「カービクティ点滴静注」の製造受託が順調に推移した。また、同市販製品の製造受託も目指し取り組んでいる。併せて、これまで蓄積してきた実績や経験を生かし、新たなCDMO案件の獲得を強化。
c) 再生医療等製品の開発の加速化と新規シーズの育成
・九州大学との共同研究(α-GalCer/DC)について、慢性心不全患者を対象とした医師主導第IIb試験は主要評価項目で未達となり、「開発中止」を決定。
・研究開発段階の各テーマの早期のステージアップと新規の開発候補品の獲得。
(2) 「環境の変化に対応し、継続的成長に向けた変革の推進」
・AGCと細胞治療CDMO事業における戦略的パートナーシップ契約を締結
・予防分野などでの新規事業の創出・育成を目指し、外部企業との事業提携などを協議中
(3) 「会社基盤の強化」
・人財活性化に向け、新人事制度を導入(2024年10月~)
・DX実現に向け、情報システム化計画を推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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