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シュッピン Research Memo(3):価値ある「新品」「中古品」に特化したEC事業を展開(2)
配信日時:2025/01/24 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST シュッピン Research Memo(3):価値ある「新品」「中古品」に特化したEC事業を展開(2)
■シュッピン<3179>の企業特長
2. 同社の特長(強み)
(1) 独自のEC特化型モデル
同社は、創業以来「価値あるもの」に限定したEC特化型モデルにこだわってきた。高付加価値商材に対する専門性とECによる利便性により、独自のポジションを確立してきたと言える。固定費を抱えないことで景気変動に柔軟に対応できるうえ、規模拡大に向けてボトルネックが少ないこと、売上高の伸びとともに高い収益性が実現できるところに着眼し、そのメリットを享受している。また同業他社が他社モールへの依存度が高いことに対しては、独自サービスの提供により自社サイト比率(2024年9月末は86.0%)を高めてきたところにも強みがあり、それによって手数料負担の軽減やプラットフォーム型の事業モデルを可能としてきた。一方、店舗についても、この数年はインバウンド需要(免税売上)などの追い風もあって一定の業績貢献や情報発信基地としての役割を担ってきた。同社では、これからもEC(特にプラットフォームとしての自社サイト)を軸とした事業を展開する方針である。
(2) 新品と中古品による相乗効果
売上高全体に占める「新品」「中古品」の比率はおおむね1:1で推移している、というのが同社の認識だ。同社にとって、それぞれに重要な役割があり、相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びに貢献してきた。「中古品」は一品ものが多く利益率が高いのに対して、「新品」は競争が厳しい。しかし同社が「新品」を取り扱うことの意義は、業績への貢献のほか、新規会員の獲得(新たな顧客の囲い込み)や「中古品」を下取りする機会を得られるところにある。特に新製品の発売時は業績インパクトが大きいうえ、新規会員獲得のチャンスとなっている。したがって、「中古品」の販売拡大のために「新品」の取り扱いが触媒として機能している一方、「新品」の販売にとっても顧客の所有する「中古品」の下取り(納得のいく買取金額の提示)により差別化を図ることができ、相乗効果を生み出している。
(3) 「価値ある財庫」を集める仕組み
同社の成長は前述のとおり、いかに「価値ある財庫」(中古品)を集めるかにかかっている。良質な在庫をとりそろえることは、同社のブランド価値を高め買い手を引きつけるほか、売り手の信頼にもつながり、良質な在庫を集める正の循環を生み出す。同社は、1) 細かい査定基準により商品価値に見合った納得の買取金額を提示していること、2) 新品を取り扱うことで下取りニーズに対応していること、3) ネット上で手軽に買取目安金額が検索できること、といった機能の充実を図ることで他社との差別化を実現してきた。またワンプライス買取や先取交換※1など、独自のEC買取の仕組みを導入し売り手の利便性を高めることで、EC買取額の拡大に結び付けている。AI活用にも積極的であり、AI顔認証によるオンライン本人確認※2やAIMDの導入による効率化(機会損失の削減)にも取り組んでいる。最近では、時計事業においてもAIやデータを活用した仕入判断、価格決定の仕組みを導入し運用を開始している。
※1 所有するカメラで下取り(交換)に出して、新たに商品を購入する際に、先に顧客が商品を受け取ることができるサービス(2014年9月より開始)。
※2 従来、本人確認には利用者の本人確認書類(住民票写しの原本)を郵送する必要があったが、利用者の顔と身分証の画像確認の一致が可能なシステムの導入により、オンライン上で本人確認が完結する(2回目以降の買取については、IDとパスワードだけで本人確認手続きが完了)。
(4) プラットフォーム型の事業モデル
「購入前→購入時→購入後」の流れのなかで、価値ある情報を提供し、継続購入を促すプラットフォーム型の事業モデルを構築してきたところも特長と言える。すなわち、「カメラを楽しむ情報(購入前)→購入しやすいサービス(購入時)→購入後に楽しめるサービス(購入後)」といった循環をつくり、その輪を大きくすることで会員基盤の拡大と活性化、さらに業績の伸びに結び付ける戦略である。特に購入時のサービスについては、ECサイトのパーソナライズ化(欲しいリスト、入荷お知らせメール、パーソナルレコメンドなど)により、One to Oneマーケティングを取り入れている。また、情報の充実やファンの醸成などを目的としたCGMの活用やWebマガジン※の配信などにも取り組んでおり、日本最大級のカメラ専門のポータルサイトを目指している。この数年においては、AIMDやAIコンテンツレコメンドといった、AI活用による独自機能の導入やコンテンツクリエイティブ機能の充実により、同社ならではの進化を続けている。YouTubeコンテンツやLINE配信の強化も進めており、2023年4月には専門部署の新設、2025年1月に自社内に3つのスタジオ新設を計画しておりクオリティとクリエイティブのさらなる向上によりEC事業販促力を強化している。また、LINEについては配信強化実施後配信数を17倍に成長させており、顧客との接点を広げブランド認知を向上するとともに売上成長を促進させる。
※ 同社では、月間100万PV以上の4つのコンテンツを集約したWebマガジン「StockShot」(ストックショット)を配信している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 同社の特長(強み)
(1) 独自のEC特化型モデル
同社は、創業以来「価値あるもの」に限定したEC特化型モデルにこだわってきた。高付加価値商材に対する専門性とECによる利便性により、独自のポジションを確立してきたと言える。固定費を抱えないことで景気変動に柔軟に対応できるうえ、規模拡大に向けてボトルネックが少ないこと、売上高の伸びとともに高い収益性が実現できるところに着眼し、そのメリットを享受している。また同業他社が他社モールへの依存度が高いことに対しては、独自サービスの提供により自社サイト比率(2024年9月末は86.0%)を高めてきたところにも強みがあり、それによって手数料負担の軽減やプラットフォーム型の事業モデルを可能としてきた。一方、店舗についても、この数年はインバウンド需要(免税売上)などの追い風もあって一定の業績貢献や情報発信基地としての役割を担ってきた。同社では、これからもEC(特にプラットフォームとしての自社サイト)を軸とした事業を展開する方針である。
(2) 新品と中古品による相乗効果
売上高全体に占める「新品」「中古品」の比率はおおむね1:1で推移している、というのが同社の認識だ。同社にとって、それぞれに重要な役割があり、相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びに貢献してきた。「中古品」は一品ものが多く利益率が高いのに対して、「新品」は競争が厳しい。しかし同社が「新品」を取り扱うことの意義は、業績への貢献のほか、新規会員の獲得(新たな顧客の囲い込み)や「中古品」を下取りする機会を得られるところにある。特に新製品の発売時は業績インパクトが大きいうえ、新規会員獲得のチャンスとなっている。したがって、「中古品」の販売拡大のために「新品」の取り扱いが触媒として機能している一方、「新品」の販売にとっても顧客の所有する「中古品」の下取り(納得のいく買取金額の提示)により差別化を図ることができ、相乗効果を生み出している。
(3) 「価値ある財庫」を集める仕組み
同社の成長は前述のとおり、いかに「価値ある財庫」(中古品)を集めるかにかかっている。良質な在庫をとりそろえることは、同社のブランド価値を高め買い手を引きつけるほか、売り手の信頼にもつながり、良質な在庫を集める正の循環を生み出す。同社は、1) 細かい査定基準により商品価値に見合った納得の買取金額を提示していること、2) 新品を取り扱うことで下取りニーズに対応していること、3) ネット上で手軽に買取目安金額が検索できること、といった機能の充実を図ることで他社との差別化を実現してきた。またワンプライス買取や先取交換※1など、独自のEC買取の仕組みを導入し売り手の利便性を高めることで、EC買取額の拡大に結び付けている。AI活用にも積極的であり、AI顔認証によるオンライン本人確認※2やAIMDの導入による効率化(機会損失の削減)にも取り組んでいる。最近では、時計事業においてもAIやデータを活用した仕入判断、価格決定の仕組みを導入し運用を開始している。
※1 所有するカメラで下取り(交換)に出して、新たに商品を購入する際に、先に顧客が商品を受け取ることができるサービス(2014年9月より開始)。
※2 従来、本人確認には利用者の本人確認書類(住民票写しの原本)を郵送する必要があったが、利用者の顔と身分証の画像確認の一致が可能なシステムの導入により、オンライン上で本人確認が完結する(2回目以降の買取については、IDとパスワードだけで本人確認手続きが完了)。
(4) プラットフォーム型の事業モデル
「購入前→購入時→購入後」の流れのなかで、価値ある情報を提供し、継続購入を促すプラットフォーム型の事業モデルを構築してきたところも特長と言える。すなわち、「カメラを楽しむ情報(購入前)→購入しやすいサービス(購入時)→購入後に楽しめるサービス(購入後)」といった循環をつくり、その輪を大きくすることで会員基盤の拡大と活性化、さらに業績の伸びに結び付ける戦略である。特に購入時のサービスについては、ECサイトのパーソナライズ化(欲しいリスト、入荷お知らせメール、パーソナルレコメンドなど)により、One to Oneマーケティングを取り入れている。また、情報の充実やファンの醸成などを目的としたCGMの活用やWebマガジン※の配信などにも取り組んでおり、日本最大級のカメラ専門のポータルサイトを目指している。この数年においては、AIMDやAIコンテンツレコメンドといった、AI活用による独自機能の導入やコンテンツクリエイティブ機能の充実により、同社ならではの進化を続けている。YouTubeコンテンツやLINE配信の強化も進めており、2023年4月には専門部署の新設、2025年1月に自社内に3つのスタジオ新設を計画しておりクオリティとクリエイティブのさらなる向上によりEC事業販促力を強化している。また、LINEについては配信強化実施後配信数を17倍に成長させており、顧客との接点を広げブランド認知を向上するとともに売上成長を促進させる。
※ 同社では、月間100万PV以上の4つのコンテンツを集約したWebマガジン「StockShot」(ストックショット)を配信している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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