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テノックス Research Memo(1):中計好スタート、初年度は大幅増収増益へ
配信日時:2025/01/16 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST テノックス Research Memo(1):中計好スタート、初年度は大幅増収増益へ
■要約
1. 杭工事や地盤改良工事などの基礎工事に特化した建設事業を展開
テノックス<1905>は、杭工事や地盤改良工事などの基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、戸建て住宅やマンション、工場、道路・鉄道の橋梁などの構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、安全に支える工事であることから、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。同社は、基礎工事のパイオニアとして、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇る。同社の売上高の大半がこうした国内の基礎工事だが、子会社で海外建設事業や土木建築コンサルティング全般等事業も展開している。
2. 豊富な施工ラインアップ、高い施工力・施工品質、「折り込む力」などに強み
同社は豊富な施工ラインアップに強みがあり、鋼管杭工事や深層地盤改良工事を得意としているが、コンクリート杭工事や浅層地盤改良工事、既存杭の引抜き工事などへと領域の拡大も進めている。また、施工状況をリアルタイムで確認できる施工管理システムや、子会社が擁する工事技能者集団・各種機材による高い施工力・施工品質、さらには自社で工法提案から施工までの一貫体制を整えていることも強みである。基礎工事は、構造物で最も重要な工程であるがゆえに設計業者や総合建設業者(ゼネコン)と直接的なつながりができるため、同社の技術提案が設計に反映されるケースが多く、ゼネコンからの発注機会も増えているようだ。同社はこれを「折り込む力」と呼び、ビジネスモデル上の大きな強みとなっている。
3. 重要戦略とM&Aによって2027年3月期売上高270億円、経常利益15億円を目指す
同社は長期ビジョンのPhase3として、中期経営計画(2024~2026年度)を策定した。1) 事業別戦略、2) 開発戦略、3) 環境・デジタル戦略、4) 経営基盤の強化、5) 資本効率経営の推進、の5つを重要戦略として展開する計画である。このうち開発戦略では、基礎工法のバリエーションを強化するとともに、ICT技術を活用しながら施工品質の向上や工事現場の働き方改革を推進、また、災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現に向けた技術開発にも注力する。こうした重要戦略に加え、従来から推進しているM&Aによって施工力の強化や新たな技術の取り入れを積極化し、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円を目指す。さらに、資本効率経営の推進によって、株主資本コストを上回るROE8.0%を実現する意向である。
4. 2025年3月期は中計初年度として非常に好調なスタート、大幅増収増益を見込む
2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が12,115百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益が442百万円(同105.6%増)と大幅な増収増益となった。売上高、営業利益ともに北海道新幹線延伸事業が大きく寄与した。持続可能な100年企業を目指す中期経営計画の初年度として、非常に好調な立ち上がりになったと言えよう。2025年3月期業績について、同社は売上高25,000百万円(前期比23.7%増)、営業利益890百万円(同70.8%増)と見込んでいる。下期は、北海道新幹線延伸事業が徐々にピークアウトするが、地盤改良工事で大型の案件が見込まれており、売上高は引き続き高水準の伸びを続ける見通しである。営業利益も引き続き大幅増益予想だが、地盤改良工事の増加による利益ミックスの改善などを考えるとやや保守的な印象と言える。
■Key Points
・基礎工事に特化した建設事業を展開、豊富な施工ラインアップなどに強み
・5つの重要戦略とM&Aによって2027年3月期に経常利益15億円を目指す
・2025年3月期は大幅増益予想、中計初年度として好スタートもやや保守的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
1. 杭工事や地盤改良工事などの基礎工事に特化した建設事業を展開
テノックス<1905>は、杭工事や地盤改良工事などの基礎工事に特化した建設事業を行っている。基礎工事は、戸建て住宅やマンション、工場、道路・鉄道の橋梁などの構造物の荷重を目に見えない地盤に伝え、安全に支える工事であることから、施工への信頼が重要な前提条件となる。近年は大地震や大型台風、集中豪雨といった激甚災害に対する防災意識の高まりから、基礎工事への注目が増している。同社は、基礎工事のパイオニアとして、中低層建築物向けに業界で広く浸透しているテノコラム工法や、高速道路などの土木工事に用いられるガンテツパイル工法を開発するなど、国内有数の技術力と信頼を誇る。同社の売上高の大半がこうした国内の基礎工事だが、子会社で海外建設事業や土木建築コンサルティング全般等事業も展開している。
2. 豊富な施工ラインアップ、高い施工力・施工品質、「折り込む力」などに強み
同社は豊富な施工ラインアップに強みがあり、鋼管杭工事や深層地盤改良工事を得意としているが、コンクリート杭工事や浅層地盤改良工事、既存杭の引抜き工事などへと領域の拡大も進めている。また、施工状況をリアルタイムで確認できる施工管理システムや、子会社が擁する工事技能者集団・各種機材による高い施工力・施工品質、さらには自社で工法提案から施工までの一貫体制を整えていることも強みである。基礎工事は、構造物で最も重要な工程であるがゆえに設計業者や総合建設業者(ゼネコン)と直接的なつながりができるため、同社の技術提案が設計に反映されるケースが多く、ゼネコンからの発注機会も増えているようだ。同社はこれを「折り込む力」と呼び、ビジネスモデル上の大きな強みとなっている。
3. 重要戦略とM&Aによって2027年3月期売上高270億円、経常利益15億円を目指す
同社は長期ビジョンのPhase3として、中期経営計画(2024~2026年度)を策定した。1) 事業別戦略、2) 開発戦略、3) 環境・デジタル戦略、4) 経営基盤の強化、5) 資本効率経営の推進、の5つを重要戦略として展開する計画である。このうち開発戦略では、基礎工法のバリエーションを強化するとともに、ICT技術を活用しながら施工品質の向上や工事現場の働き方改革を推進、また、災害に強い安全な国土形成や脱炭素社会の実現に向けた技術開発にも注力する。こうした重要戦略に加え、従来から推進しているM&Aによって施工力の強化や新たな技術の取り入れを積極化し、2027年3月期に売上高270億円、経常利益15億円を目指す。さらに、資本効率経営の推進によって、株主資本コストを上回るROE8.0%を実現する意向である。
4. 2025年3月期は中計初年度として非常に好調なスタート、大幅増収増益を見込む
2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が12,115百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益が442百万円(同105.6%増)と大幅な増収増益となった。売上高、営業利益ともに北海道新幹線延伸事業が大きく寄与した。持続可能な100年企業を目指す中期経営計画の初年度として、非常に好調な立ち上がりになったと言えよう。2025年3月期業績について、同社は売上高25,000百万円(前期比23.7%増)、営業利益890百万円(同70.8%増)と見込んでいる。下期は、北海道新幹線延伸事業が徐々にピークアウトするが、地盤改良工事で大型の案件が見込まれており、売上高は引き続き高水準の伸びを続ける見通しである。営業利益も引き続き大幅増益予想だが、地盤改良工事の増加による利益ミックスの改善などを考えるとやや保守的な印象と言える。
■Key Points
・基礎工事に特化した建設事業を展開、豊富な施工ラインアップなどに強み
・5つの重要戦略とM&Aによって2027年3月期に経常利益15億円を目指す
・2025年3月期は大幅増益予想、中計初年度として好スタートもやや保守的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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