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品川リフラ Research Memo(10):先端機材セクター、エンジニアリングセクター、各セクターのビジョン
配信日時:2025/01/15 16:20
配信元:FISCO
*16:20JST 品川リフラ Research Memo(10):先端機材セクター、エンジニアリングセクター、各セクターのビジョン
■品川リフラクトリーズ<5351>の今後の見通し、中長期の成長戦略
c) 先端機材セクター(旧セラミックスセクター)
「金属代替品としての構造材料から、先端産業における機能性材料への軸足移行」「技術開発力と生産能力の拡充」「M&AやJVによる事業拡大」をセクタービジョンとする。ファインセラミックスや無機塗料・無機接着剤など「高付加価値」に属する製品を取り扱っている。主力製品であるファインセラミックスは、金属や樹脂などの素材と比べて耐熱性・耐食性や機械的強度などで優れ、半導体・自動車・産業用機械など幅広い分野で使用されており、軽量素材などとしても今後需要がさらに伸びることが期待される。生産能力の増強、競争力強化や事業規模の拡大が重要な課題となる。米国で高性能ポンプの需要が増加しており、セラミック部材の増産対応中である。無機塗料・無機接着剤は、主力の事業である耐火物研究の成果を応用しており、有機物を含む通常の塗料・接着剤では実現できない耐熱性・電気絶縁性・耐候性や離型性が特長である。足元では加工工程の移設、自動加工機導入、設備更新など設備投資を積極的に進め生産能力を拡大している。
また、新しい成長分野として、半導体製造装置向け部材、航空機向け関連製品や特殊蒸着材、航空宇宙業界向け特殊耐熱セラミックス、リチウムイオン電池向けの耐摩耗部材・溶湯部材、高機能金属製造用ファインセラミックスノズル、高機能ファインセラミック塗料・接着剤、鉄鋼向け窒化ケイ素ロールなどの市場参入・拡販、製品ラインナップの拡充、外部技術の導入・組織強化による規模の拡大を図る。第6次中期経営計画期間は半導体製造装置分野を主要ターゲットとして本格参入するとともに、第7次中期経営計画期間での本格参入を狙う航空宇宙・エネルギー関連などの製品開発強化と生産基盤整備期と位置付けている。その生産基盤強化と生産能力の拡大を目的に、加工設備・検査装置の増設、最新鋭設備の導入による品質向上、用地確保による新ライン建設など第6次中期経営計画期間では総額約30億円の設備投資を進めることとした。そのほか、高機能金属製造用ファインセラミックスノズル、高機能ファインセラミック塗料・接着剤などは既に販売を開始しており、窒化ケイ素ロールは第6次中期経営計画期間中に開発の完了を予定する。
M&A、JVによる事業ポートフォリオの拡大も目指し、2024年3月には半導体製造装置の組み立てを主な事業とするコムイノベーションを買収したが、品川ファインセラミックスとの緊密な技術連携により半導体製造装置市場向けファインセラミックス製品の開発強化に取り組んでいる。
2027年3月期の売上高は54億円(2024年3月期比54.3%増)、営業利益は4億円、EBITDAは8億円とそれぞれ2024年3月期の4倍、ROICは9.9%(同5.9ポイント上昇)を目標とし、各セクターの中で特に成長を期待している。
d) エンジニアリングセクター
「カーボンニュートラル案件の確実な受注」「成長が見込まれる工業炉分野(非鉄、半導体関連)への積極参入」「工事対応力の強化(新技術の開発、工事体制の見直し、M&Aの推進)」をセクタービジョンとする。エンジニアリングセクターは、近年の国内粗鋼生産の縮小やカーボンニュートラルの加速などにより経営環境が大きく変わろうとしている。既存分野への対応に加え、今後の成長分野を見据えた新事業創出への挑戦が重要な課題と同社は認識している。高炉メーカーが進めるスタンプチャージコークス炉の新設、カーボンリサイクル小型試験高炉建設、高品質鋼材製造小型試験電気炉建設などカーボンニュートラル開発案件については、取引先の検討段階から参画し、技術の蓄積と確実な受注につなげる戦略だ。カーボン焼成炉など工業炉分野については、成長分野として人材を投入し受注拡大を目指す。既存分野においても、新たな施工技術・点検技術の導入・開発により働き方改革と作業効率を推進する。現在、次世代セメントレス吹付技術(SIG)の開発、小型ドローンを活用した点検・測定技術の開発などを進めている。また、国内外での業務提携・M&Aを推進し、労働力を確保しながらシナジー効果を追求していく。
2027年3月期の売上高は249億円(2024年3月期比1.6%増)、営業利益は17億円、EBITDAは20億円とそれぞれ2024年3月期比横ばい、ROICは15.1%(同0.4ポイント上昇)を目標とする。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
c) 先端機材セクター(旧セラミックスセクター)
「金属代替品としての構造材料から、先端産業における機能性材料への軸足移行」「技術開発力と生産能力の拡充」「M&AやJVによる事業拡大」をセクタービジョンとする。ファインセラミックスや無機塗料・無機接着剤など「高付加価値」に属する製品を取り扱っている。主力製品であるファインセラミックスは、金属や樹脂などの素材と比べて耐熱性・耐食性や機械的強度などで優れ、半導体・自動車・産業用機械など幅広い分野で使用されており、軽量素材などとしても今後需要がさらに伸びることが期待される。生産能力の増強、競争力強化や事業規模の拡大が重要な課題となる。米国で高性能ポンプの需要が増加しており、セラミック部材の増産対応中である。無機塗料・無機接着剤は、主力の事業である耐火物研究の成果を応用しており、有機物を含む通常の塗料・接着剤では実現できない耐熱性・電気絶縁性・耐候性や離型性が特長である。足元では加工工程の移設、自動加工機導入、設備更新など設備投資を積極的に進め生産能力を拡大している。
また、新しい成長分野として、半導体製造装置向け部材、航空機向け関連製品や特殊蒸着材、航空宇宙業界向け特殊耐熱セラミックス、リチウムイオン電池向けの耐摩耗部材・溶湯部材、高機能金属製造用ファインセラミックスノズル、高機能ファインセラミック塗料・接着剤、鉄鋼向け窒化ケイ素ロールなどの市場参入・拡販、製品ラインナップの拡充、外部技術の導入・組織強化による規模の拡大を図る。第6次中期経営計画期間は半導体製造装置分野を主要ターゲットとして本格参入するとともに、第7次中期経営計画期間での本格参入を狙う航空宇宙・エネルギー関連などの製品開発強化と生産基盤整備期と位置付けている。その生産基盤強化と生産能力の拡大を目的に、加工設備・検査装置の増設、最新鋭設備の導入による品質向上、用地確保による新ライン建設など第6次中期経営計画期間では総額約30億円の設備投資を進めることとした。そのほか、高機能金属製造用ファインセラミックスノズル、高機能ファインセラミック塗料・接着剤などは既に販売を開始しており、窒化ケイ素ロールは第6次中期経営計画期間中に開発の完了を予定する。
M&A、JVによる事業ポートフォリオの拡大も目指し、2024年3月には半導体製造装置の組み立てを主な事業とするコムイノベーションを買収したが、品川ファインセラミックスとの緊密な技術連携により半導体製造装置市場向けファインセラミックス製品の開発強化に取り組んでいる。
2027年3月期の売上高は54億円(2024年3月期比54.3%増)、営業利益は4億円、EBITDAは8億円とそれぞれ2024年3月期の4倍、ROICは9.9%(同5.9ポイント上昇)を目標とし、各セクターの中で特に成長を期待している。
d) エンジニアリングセクター
「カーボンニュートラル案件の確実な受注」「成長が見込まれる工業炉分野(非鉄、半導体関連)への積極参入」「工事対応力の強化(新技術の開発、工事体制の見直し、M&Aの推進)」をセクタービジョンとする。エンジニアリングセクターは、近年の国内粗鋼生産の縮小やカーボンニュートラルの加速などにより経営環境が大きく変わろうとしている。既存分野への対応に加え、今後の成長分野を見据えた新事業創出への挑戦が重要な課題と同社は認識している。高炉メーカーが進めるスタンプチャージコークス炉の新設、カーボンリサイクル小型試験高炉建設、高品質鋼材製造小型試験電気炉建設などカーボンニュートラル開発案件については、取引先の検討段階から参画し、技術の蓄積と確実な受注につなげる戦略だ。カーボン焼成炉など工業炉分野については、成長分野として人材を投入し受注拡大を目指す。既存分野においても、新たな施工技術・点検技術の導入・開発により働き方改革と作業効率を推進する。現在、次世代セメントレス吹付技術(SIG)の開発、小型ドローンを活用した点検・測定技術の開発などを進めている。また、国内外での業務提携・M&Aを推進し、労働力を確保しながらシナジー効果を追求していく。
2027年3月期の売上高は249億円(2024年3月期比1.6%増)、営業利益は17億円、EBITDAは20億円とそれぞれ2024年3月期比横ばい、ROICは15.1%(同0.4ポイント上昇)を目標とする。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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