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IXナレッジ Research Memo(6):2025年3月期中間期は、売上高及び各利益が堅調に推移
配信日時:2025/01/15 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST IXナレッジ Research Memo(6):2025年3月期中間期は、売上高及び各利益が堅調に推移
■アイエックス・ナレッジ<9753>の業績動向
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の業績は、売上高が前年同期比1.5%増の11,114百万円、営業利益が同7.2%増の935百万円、経常利益が同6.8%増の980百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.5%増の667百万円と売上高及び各利益が堅調に推移した。
売上高については、システム開発において大手ベンダー経由の金融関連システム開発案件や社会公共関連システム開発案件が堅調に推移した。一方で、総合物流企業や通信事業者向けの案件は開発フェーズ進行に伴い縮小し、システム開発売上高は微減となった。進行期は、不採算案件が発生し、人員を投入して収拾を図ったため、売上の機会損失もあった。運用サービスにおいては、社会公共分野の基盤・環境構築案件が堅調に推移した。エンドユーザー業種別では、金融・証券業界及び社会公共・土木建築業界向けが伸びた。顧客別では日立グループ、NECグループなどの構成比が上昇した。事業環境としては、企業のビジネス変革や働き方改革に向けたDXの取り組みが継続しており、それを支えるIT需要は堅調に推移している。内部組織としては、これまで進めてきた人的資本経営施策などにより、人材の確保やパートナーとの連携が充実しており、事業機会をタイムリーに捉えることができている。
営業利益については、前年同期比7.2%増となった。不採算案件の発生による見込み損失計上(33百万円)があったものの、増収による売上総利益の増加、技術者の育成による単価の向上、継続的な販管費の抑制などにより利益を増加させた。売上総利益率は同0.2ポイント上昇、売上高販管費率は同0.3ポイント低下した。
自己資本比率約65%、安全性が高く堅実な財務体質。将来のM&Aにも資金余力あり
2. 財務状態と経営指標
2024年中間期末の総資産は前期末比400百万円増の14,053百万円となった。このうち流動資産は同387百万円増加したが、現金及び預金の同315百万円増加及び受取手形、売掛金及び契約資産の同117百万円増加が主な要因である。固定資産は同13百万円増と大きな変化はなかった。現預金の残高は同6,114百万円となった。
負債合計は前期末比29百万円減の4,809百万円となった。このうち流動負債は同92百万円増加したが、賞与引当金等が増加したことによる。固定負債は同121百万円減少したが、主に退職給付に係る負債が減少したことによる。有利子負債の残高は同170百万円と極めて少ない水準であり、実質無借金経営に近い。
純資産合計は前期末比430百万円増の9,243百万円となった。主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が同380百万円増加したこと等による。
流動比率は306.6%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は65.8%であり、中長期の安全性も高い。2023年2月のM&A後も健全な財務体質を維持しており、将来的にはさらなるM&Aに向けた財務的な余力もある。
2025年3月期は売上高予想222億円、営業利益予想17億円に向けて進捗順調
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績については、売上高で前期比2.2%増の22,231百万円、営業利益で同5.9%増の1,752百万円、経常利益で同4.5%増の1,817百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%減の1,216百万円と堅調な増収及び営業増益を見込んでいる(期初予想どおり)。
受注環境については、コロナ禍で加速したDXによる企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。緊迫化する世界情勢や急激な為替変動、物価高騰など経済の先行きに不透明感は残るものの、国内システムインテグレーション業界への影響は軽微であると考えられる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。DX案件売上高の構成比では期初に4ポイント増の34%を計画したが、中間期に既に39%を超えており進歩が期待できる。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2024年4月に90名(IKI単体では89名)を新卒採用)に加えて、中途採用(年間10人前後)及びパートナーとの連携も強化しており、機会を逃さない体制が整う。育成に関しては、PM育成や新技術習得(AWS、Azureの認定資格取得など含む)を継続するのに加え、進行期はリスキリング(スキルの見える化、再教育、最適配置など)を強化する。1人ひとりのキャリアを考慮して適正なスキルの習得に時間をかける。売上高の成長率が2.2%予想と低めになった背景には、このような中長期を見据えた人的資本への先行投資がある。通期の売上高目標に対する中間期の進捗率は、50.0%(前年同期は50.8%)と前期並みであり、順調に進捗している。
営業利益は前期比5.9%増、営業利益率で7.9%(前期は7.6%)を見込む。売上総利益率は21.0%(前期比0.9ポイント上昇)と収益性が高まるのは、DX案件が増加するなか、単価の高い有資格者が増えてきたことも要因である。販管費率13.1%(同0.7ポイント増)と人件費などを中心に増加するものの、売上総利益の増加が上回る予想だ。通期の営業利益目標に対する中間期の進捗率は、53.4%(前年同期は56.1%)と順調に進捗している。上半期は不採算案件が発生して、売上高・各利益に対してマイナス要因となったが、既に手当を完了しており下半期には影響を残さない。弊社では、進行期は人的資本の充実に注力し、意図的に業績の“踊り場”を作り、成長スピードを一定程度抑制する戦略と理解している。短期的には教育投資などが先行するが、DX・クラウド化の動きが依然として活発であることから、中期的にはスキルアップした人材の単価の上昇などで十分回収できると考えている。戦略遂行のKPIとして、DX案件売上高比率(2025年3月期中間期39.2%)、クラウド関連取得資格数(2024年3月期588資格)などにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の業績は、売上高が前年同期比1.5%増の11,114百万円、営業利益が同7.2%増の935百万円、経常利益が同6.8%増の980百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.5%増の667百万円と売上高及び各利益が堅調に推移した。
売上高については、システム開発において大手ベンダー経由の金融関連システム開発案件や社会公共関連システム開発案件が堅調に推移した。一方で、総合物流企業や通信事業者向けの案件は開発フェーズ進行に伴い縮小し、システム開発売上高は微減となった。進行期は、不採算案件が発生し、人員を投入して収拾を図ったため、売上の機会損失もあった。運用サービスにおいては、社会公共分野の基盤・環境構築案件が堅調に推移した。エンドユーザー業種別では、金融・証券業界及び社会公共・土木建築業界向けが伸びた。顧客別では日立グループ、NECグループなどの構成比が上昇した。事業環境としては、企業のビジネス変革や働き方改革に向けたDXの取り組みが継続しており、それを支えるIT需要は堅調に推移している。内部組織としては、これまで進めてきた人的資本経営施策などにより、人材の確保やパートナーとの連携が充実しており、事業機会をタイムリーに捉えることができている。
営業利益については、前年同期比7.2%増となった。不採算案件の発生による見込み損失計上(33百万円)があったものの、増収による売上総利益の増加、技術者の育成による単価の向上、継続的な販管費の抑制などにより利益を増加させた。売上総利益率は同0.2ポイント上昇、売上高販管費率は同0.3ポイント低下した。
自己資本比率約65%、安全性が高く堅実な財務体質。将来のM&Aにも資金余力あり
2. 財務状態と経営指標
2024年中間期末の総資産は前期末比400百万円増の14,053百万円となった。このうち流動資産は同387百万円増加したが、現金及び預金の同315百万円増加及び受取手形、売掛金及び契約資産の同117百万円増加が主な要因である。固定資産は同13百万円増と大きな変化はなかった。現預金の残高は同6,114百万円となった。
負債合計は前期末比29百万円減の4,809百万円となった。このうち流動負債は同92百万円増加したが、賞与引当金等が増加したことによる。固定負債は同121百万円減少したが、主に退職給付に係る負債が減少したことによる。有利子負債の残高は同170百万円と極めて少ない水準であり、実質無借金経営に近い。
純資産合計は前期末比430百万円増の9,243百万円となった。主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が同380百万円増加したこと等による。
流動比率は306.6%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は65.8%であり、中長期の安全性も高い。2023年2月のM&A後も健全な財務体質を維持しており、将来的にはさらなるM&Aに向けた財務的な余力もある。
2025年3月期は売上高予想222億円、営業利益予想17億円に向けて進捗順調
3. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績については、売上高で前期比2.2%増の22,231百万円、営業利益で同5.9%増の1,752百万円、経常利益で同4.5%増の1,817百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%減の1,216百万円と堅調な増収及び営業増益を見込んでいる(期初予想どおり)。
受注環境については、コロナ禍で加速したDXによる企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。緊迫化する世界情勢や急激な為替変動、物価高騰など経済の先行きに不透明感は残るものの、国内システムインテグレーション業界への影響は軽微であると考えられる。営業面では、既存案件の拡大とともに、DX・クラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。DX案件売上高の構成比では期初に4ポイント増の34%を計画したが、中間期に既に39%を超えており進歩が期待できる。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2024年4月に90名(IKI単体では89名)を新卒採用)に加えて、中途採用(年間10人前後)及びパートナーとの連携も強化しており、機会を逃さない体制が整う。育成に関しては、PM育成や新技術習得(AWS、Azureの認定資格取得など含む)を継続するのに加え、進行期はリスキリング(スキルの見える化、再教育、最適配置など)を強化する。1人ひとりのキャリアを考慮して適正なスキルの習得に時間をかける。売上高の成長率が2.2%予想と低めになった背景には、このような中長期を見据えた人的資本への先行投資がある。通期の売上高目標に対する中間期の進捗率は、50.0%(前年同期は50.8%)と前期並みであり、順調に進捗している。
営業利益は前期比5.9%増、営業利益率で7.9%(前期は7.6%)を見込む。売上総利益率は21.0%(前期比0.9ポイント上昇)と収益性が高まるのは、DX案件が増加するなか、単価の高い有資格者が増えてきたことも要因である。販管費率13.1%(同0.7ポイント増)と人件費などを中心に増加するものの、売上総利益の増加が上回る予想だ。通期の営業利益目標に対する中間期の進捗率は、53.4%(前年同期は56.1%)と順調に進捗している。上半期は不採算案件が発生して、売上高・各利益に対してマイナス要因となったが、既に手当を完了しており下半期には影響を残さない。弊社では、進行期は人的資本の充実に注力し、意図的に業績の“踊り場”を作り、成長スピードを一定程度抑制する戦略と理解している。短期的には教育投資などが先行するが、DX・クラウド化の動きが依然として活発であることから、中期的にはスキルアップした人材の単価の上昇などで十分回収できると考えている。戦略遂行のKPIとして、DX案件売上高比率(2025年3月期中間期39.2%)、クラウド関連取得資格数(2024年3月期588資格)などにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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