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ニッポンインシュア Research Memo(1):2024年9月期は創業以来過去最高の売上高・営業利益を更新
配信日時:2025/01/10 15:31
配信元:FISCO
*15:31JST ニッポンインシュア Research Memo(1):2024年9月期は創業以来過去最高の売上高・営業利益を更新
■要約
ニッポンインシュア<5843>は、賃貸管理会社から派生した経歴を有し、賃貸住宅などにおける家賃債務を保証する家賃債務保証サービスを中核に、今後の高齢化などの社会問題解決のための介護費債務保証サービス、入院費債務保証サービスを提供する。
1. 2024年9月期業績の概要
2023年10月上場後、最初の事業年度となる2024年9月期の業績は、売上高3,220百万円(前期比12.0%増)、営業利益418百万円(同43.4%増)、経常利益410百万円(同40.5%増)、当期純利益280百万円(同42.3%増)と、売上高と営業利益については、創業以来過去最高を更新した。2024年5月に上方修正した通期業績予想の達成率は、売上高は101.0%、営業利益は同119.2%、経常利益は同120.0%、当期純利益は同121.3%といずれも計画を超過する好業績となった。売上面については、主力の保証事業において売上高3,013百万円(同12.7%増)を記録した。シェア拡大を図るべくエリア拡大と新規取引先の開拓を積極的に進めたことで、保証契約件数が増加した。同社では売上高増加に向けた重要指標値(KPI)として、「初回保証契約件数×初回保証料契約単価」を採用しており、初回保証契約件数は33,474件(同5.0%増)、初回保証料契約単価は46,954円(同0.7%減)と堅調に推移した。初回保証契約件数は居住用、事業用ともに増加したが、特に居住用の契約獲得に注力した結果、居住用の伸びが大きかった。その他については売上高207百万円(同2.6%増)となった。ランドリーサービスやフィットネスサービスにおいて、安定した事業運営を進めたことで売上を確保した。利益面では求償債権発生率が6.2%(同0.4pp上昇)となったが、要因は延滞債権増加ではなく、主に支払委託型の契約増加に伴う、費用引き落し用口座登録の不備等の一時的な事務手続きエラーである。債権管理業務においてもWeb請求やオートコール等のデジタル化を進めて業務効率化を図った結果、増益を確保した。なお営業利益率は13.0%と前期比で2.9pp改善した。
2. 2025年9月期業績の見通し
2025年9月期の業績は、売上高3,622百万円(前期比12.5%増)、営業利益516百万円(同23.5%増)、経常利益517百万円(同26.2%増)、当期純利益360百万円(同28.6%増)と増収増益を見込んでいる。同社は不動産管理会社から派生した家賃保証会社としての強みを生かし、地元の福岡や、東京、神奈川といった首都圏地域を中心に、他の主要都市でも不動産管理会社の開拓を進めている。これらの地域は市場規模が大きく、家賃相場も高いため、同社は引き続き営業活動を積極展開する。既存の不動産管理会社に対しては、不動産業界の課題を機敏に捉えるほか、不動産管理会社が直面する課題に真摯に向き合い、基本パッケージをカスタマイズして最適なソリューションを提案し、契約件数の増加を図る。売上高の伸び率は2024年9月期と同程度と控えめで、同社は十分達成可能と見込んでいるようだ。利益面では収益確保とデジタル化推進による業務効率化の2点が柱となる。収益確保については、KPIの求償債権発生率と求償債権回収率の管理を徹底する。積極的な契約獲得の推進と並行して厳格な審査を継続するほか、契約後のモニタリングにより求償債権の発生そのものを抑制する。発生した求償債権については、システム化により督促処理を初期の段階で効率的に進め、培ったノウハウで回収業務をより早期かつ確実に実行し、貸倒債権発生を抑制する。デジタル化推進については、処理能力を増強することで、契約件数の増加に対して人材を増員することなく、業務効率化とコスト削減を図る。2025年9月期は特に大きなシステム投資を予定していないが、利益成長とのバランスを取りながら業界や顧客ニーズを見据え、必要な投資を行う。一方、生産性向上に向け顧客対応力を強化すべく、従業員の能力開発を促進することから、人材関連投資による費用増加の可能性もあり、各段階利益の前期比伸び率を控えめに見通している。
3. 成長戦略
成長戦略として、「事業展開(エリア展開と新しい商品展開)」「システム開発によるコストリーダーシップの実現」「接客技術の継続的向上」の3点を掲げる。不動産会社から生まれた家賃保証会社という経歴に基づく独自の営業力とシステム開発力、質の高いサービスの提供により、顧客満足度を向上させるとともに業績向上を図る。今後の重点取り組みとして、売上、収益、システムの3領域における戦略を掲げている。売上面では、サービスの多角化による事業拡大、業務効率化の推進、継続的な業務改善と革新の3戦略を掲げ、売上の向上を目指す。収益面では、債権管理領域における戦略として、業務の自動化、能力の平常化、効率的な回収と業務品質の維持を掲げ、債権回収を効率的に実施し収益性向上を図る。システム領域における戦略として、Cloud Insureの利便性改修による顧客ロイヤルティの向上、DX推進による業務効率の向上、稼働システムの評価と改善の3点の施策を掲げ、業績拡大・向上を支えるシステム基盤の充実を図る。これらの戦略について具体的な目標時期は明示されていないが、業績動向と併せて注目したい。
■Key Points
・不動産管理会社から生まれた家賃保証会社として不動産管理会社他社との強い関係を築き業績拡大
・2024年9月期は新規取引先開拓と契約者数の堅調な増加により、創業以来最高の売上高・営業利益を計上
・独自の営業ノウハウとデジタル化推進によるコストリーダーシップで優位性を確保
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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ニッポンインシュア<5843>は、賃貸管理会社から派生した経歴を有し、賃貸住宅などにおける家賃債務を保証する家賃債務保証サービスを中核に、今後の高齢化などの社会問題解決のための介護費債務保証サービス、入院費債務保証サービスを提供する。
1. 2024年9月期業績の概要
2023年10月上場後、最初の事業年度となる2024年9月期の業績は、売上高3,220百万円(前期比12.0%増)、営業利益418百万円(同43.4%増)、経常利益410百万円(同40.5%増)、当期純利益280百万円(同42.3%増)と、売上高と営業利益については、創業以来過去最高を更新した。2024年5月に上方修正した通期業績予想の達成率は、売上高は101.0%、営業利益は同119.2%、経常利益は同120.0%、当期純利益は同121.3%といずれも計画を超過する好業績となった。売上面については、主力の保証事業において売上高3,013百万円(同12.7%増)を記録した。シェア拡大を図るべくエリア拡大と新規取引先の開拓を積極的に進めたことで、保証契約件数が増加した。同社では売上高増加に向けた重要指標値(KPI)として、「初回保証契約件数×初回保証料契約単価」を採用しており、初回保証契約件数は33,474件(同5.0%増)、初回保証料契約単価は46,954円(同0.7%減)と堅調に推移した。初回保証契約件数は居住用、事業用ともに増加したが、特に居住用の契約獲得に注力した結果、居住用の伸びが大きかった。その他については売上高207百万円(同2.6%増)となった。ランドリーサービスやフィットネスサービスにおいて、安定した事業運営を進めたことで売上を確保した。利益面では求償債権発生率が6.2%(同0.4pp上昇)となったが、要因は延滞債権増加ではなく、主に支払委託型の契約増加に伴う、費用引き落し用口座登録の不備等の一時的な事務手続きエラーである。債権管理業務においてもWeb請求やオートコール等のデジタル化を進めて業務効率化を図った結果、増益を確保した。なお営業利益率は13.0%と前期比で2.9pp改善した。
2. 2025年9月期業績の見通し
2025年9月期の業績は、売上高3,622百万円(前期比12.5%増)、営業利益516百万円(同23.5%増)、経常利益517百万円(同26.2%増)、当期純利益360百万円(同28.6%増)と増収増益を見込んでいる。同社は不動産管理会社から派生した家賃保証会社としての強みを生かし、地元の福岡や、東京、神奈川といった首都圏地域を中心に、他の主要都市でも不動産管理会社の開拓を進めている。これらの地域は市場規模が大きく、家賃相場も高いため、同社は引き続き営業活動を積極展開する。既存の不動産管理会社に対しては、不動産業界の課題を機敏に捉えるほか、不動産管理会社が直面する課題に真摯に向き合い、基本パッケージをカスタマイズして最適なソリューションを提案し、契約件数の増加を図る。売上高の伸び率は2024年9月期と同程度と控えめで、同社は十分達成可能と見込んでいるようだ。利益面では収益確保とデジタル化推進による業務効率化の2点が柱となる。収益確保については、KPIの求償債権発生率と求償債権回収率の管理を徹底する。積極的な契約獲得の推進と並行して厳格な審査を継続するほか、契約後のモニタリングにより求償債権の発生そのものを抑制する。発生した求償債権については、システム化により督促処理を初期の段階で効率的に進め、培ったノウハウで回収業務をより早期かつ確実に実行し、貸倒債権発生を抑制する。デジタル化推進については、処理能力を増強することで、契約件数の増加に対して人材を増員することなく、業務効率化とコスト削減を図る。2025年9月期は特に大きなシステム投資を予定していないが、利益成長とのバランスを取りながら業界や顧客ニーズを見据え、必要な投資を行う。一方、生産性向上に向け顧客対応力を強化すべく、従業員の能力開発を促進することから、人材関連投資による費用増加の可能性もあり、各段階利益の前期比伸び率を控えめに見通している。
3. 成長戦略
成長戦略として、「事業展開(エリア展開と新しい商品展開)」「システム開発によるコストリーダーシップの実現」「接客技術の継続的向上」の3点を掲げる。不動産会社から生まれた家賃保証会社という経歴に基づく独自の営業力とシステム開発力、質の高いサービスの提供により、顧客満足度を向上させるとともに業績向上を図る。今後の重点取り組みとして、売上、収益、システムの3領域における戦略を掲げている。売上面では、サービスの多角化による事業拡大、業務効率化の推進、継続的な業務改善と革新の3戦略を掲げ、売上の向上を目指す。収益面では、債権管理領域における戦略として、業務の自動化、能力の平常化、効率的な回収と業務品質の維持を掲げ、債権回収を効率的に実施し収益性向上を図る。システム領域における戦略として、Cloud Insureの利便性改修による顧客ロイヤルティの向上、DX推進による業務効率の向上、稼働システムの評価と改善の3点の施策を掲げ、業績拡大・向上を支えるシステム基盤の充実を図る。これらの戦略について具体的な目標時期は明示されていないが、業績動向と併せて注目したい。
■Key Points
・不動産管理会社から生まれた家賃保証会社として不動産管理会社他社との強い関係を築き業績拡大
・2024年9月期は新規取引先開拓と契約者数の堅調な増加により、創業以来最高の売上高・営業利益を計上
・独自の営業ノウハウとデジタル化推進によるコストリーダーシップで優位性を確保
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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