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紀文食品 Research Memo(6):中期経営計画に沿って国内食品事業を再編
配信日時:2025/01/10 15:06
配信元:FISCO
*15:06JST 紀文食品 Research Memo(6):中期経営計画に沿って国内食品事業を再編
■紀文食品<2933>の業績動向
3. 中期経営計画の進捗
中期経営計画については、実施から半期が過ぎたばかりだが、すでに様々な策が動き始めた。なかでも大きなものとして、国内食品事業の再編が挙げられる。長期経営戦略に掲げた「総合食品グループ」の実現に向けて、BtoC事業の紀文西日本と北食を親会社の同社に吸収合併し、国内食品事業に属する4社を、BtoC事業の同社とBtoB事業の紀文産業の2社体制に再編する。経営資源の効率化を進めることで、生産拠点の最適化と増強、マーケティング・商品開発機能などの強化を図る。特に老朽化と供給能力拡大への対応が急がれており、足もとで工場再編の検討を開始、第2次中期経営計画では具体的なアクションが見られそうだ。なお、紀文西日本は2025年4月1日、北食は2025年1月1日を効力発生日として同社に吸収合併される予定である。また、中期経営計画発表前2024年3月末というタイミングで、マルハニチロ<1333>との資本業務提携契約を締結した。すり身調達トップのマルハニチロとすり身販売トップの同社が提携したことで、すり身の風上から風下までをカバーすることになり、調達面では高品質で安定した原材料調達、製品面では両社の強みを生かした相乗効果により収益への貢献が期待されている。中期経営計画を先取った資本業務提携だが、中期経営計画には成果を織り込んでいないようだ。
中間期好調にもかかわらず下期営業減益予想はやや保守的
4. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績について、同社は売上高110,951百万円(前期比4.0%増)、営業利益4,727百万円(同1.8%増)、経常利益4,221百万円(同4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,855百万円(同0.7%増)を見込んでいる。国内食品事業及び食品関連事業では引き続き秋冬期の需要を捉えて収益拡大に取り組む一方、海外食品事業では各国・各エリアにおけるマクロ経済動向や地政学リスクの影響を注視していく考えである。特に国内では、最繁忙期である年末年始商戦に向け積極的に事業展開し、期初予想を達成する方針である。足もとでは、おでんが好スタートを切りほぼ想定どおりに進行しているようだ。ただし、原価面ですり身や鶏卵価格の再上昇や、積極施策に伴う販管費の増加を想定しているため、下期は減益を見込んでいる。中間期業績が好調だった分、やや保守的な業績予想ということができる。なお、国内食品事業再編の通期業績への影響は、グループ内の完全子会社との合併であるため軽微と考えられる。
下期のセグメント別の取り組みについて、国内食品事業では、健康や環境を意識した商品展開やプロモーション、情報発信によって、食のシーンを広げるメニューを提案する方針である。特にタンパク質を手軽に取れる水産練り製品や、糖質オフを実現しつつ手軽で満足感のある「糖質0g麺」で、プロモーションを積極的に展開する。年末年始商戦では、年末にTVCMを積極的に投下して“正月の価値”を訴求、イベントやキャンペーンを通じてファミリー向けに紀文ブランドの浸透を図るほか、市場拡大に向けて若年層やシニア層などを見据えた商品ラインの展開も図る。海外食品事業では、ローカル市場を念頭に自社製品や仕入商品の展開を推進する方針である。カニカマや「Healthy Noodle」など既存人気商品についてはもちろん着実に販売していくが、加えてとうふそうめん風などの麺状商品やたこやき、納豆といった新提案の日本食材の販売も強化する。食品関連事業では、配送品質の高さを背景に共同配送など既存事業を深掘りするとともに、新規取引の獲得を着実に実行する。運送費や人件費などのコストアップには料金改定や効率化、システム活用による収益向上で対応し、安定したサービスの提供を継続する。
■株主還元策
中期的に配当性向を20%程度へ引き上げていく考え
1. 配当政策
同社は株主に対する利益還元を経営の重要課題の1つと考えており、将来の事業展開と財務体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績及び将来の見通しを総合的に勘案して安定した配当を継続して実施する考えだ。内部留保資金については、中長期的な観点から既存事業の効率化や拡大に向けた投資及び新規の事業投資を中心に充当し、企業競争力と経営基盤の長期安定化に取り組み、企業価値の向上を図る。連結配当性向については、財務体質の強化及び事業業績の拡大に応じて、中期的に20%程度を目標に徐々に引き上げていく考えである。これらの方針に基づき、2025年3月期の配当については、前期比3.0円増配の1株当たり20.0円(配当性向16.0%)を予定している。
株主優待として、同社商品詰合せを贈呈
2. 株主優待制度
同社は株主優待制度を有しており、9月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主を対象に、保有株式数に応じて同社の商品詰合せを贈呈している。同社株式を300株(3単元)以上1,000株(10単元)未満保有する株主には同社商品詰合せ(約3,300円相当)を11月中旬〜下旬に発送、1,000株(10単元)以上保有する株主には同社商品詰合せ(約5,500円相当)または同社おせち商品詰合せ(約5,500円相当)を12月中旬(おせち商品詰合せは12月下旬)に発送した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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3. 中期経営計画の進捗
中期経営計画については、実施から半期が過ぎたばかりだが、すでに様々な策が動き始めた。なかでも大きなものとして、国内食品事業の再編が挙げられる。長期経営戦略に掲げた「総合食品グループ」の実現に向けて、BtoC事業の紀文西日本と北食を親会社の同社に吸収合併し、国内食品事業に属する4社を、BtoC事業の同社とBtoB事業の紀文産業の2社体制に再編する。経営資源の効率化を進めることで、生産拠点の最適化と増強、マーケティング・商品開発機能などの強化を図る。特に老朽化と供給能力拡大への対応が急がれており、足もとで工場再編の検討を開始、第2次中期経営計画では具体的なアクションが見られそうだ。なお、紀文西日本は2025年4月1日、北食は2025年1月1日を効力発生日として同社に吸収合併される予定である。また、中期経営計画発表前2024年3月末というタイミングで、マルハニチロ<1333>との資本業務提携契約を締結した。すり身調達トップのマルハニチロとすり身販売トップの同社が提携したことで、すり身の風上から風下までをカバーすることになり、調達面では高品質で安定した原材料調達、製品面では両社の強みを生かした相乗効果により収益への貢献が期待されている。中期経営計画を先取った資本業務提携だが、中期経営計画には成果を織り込んでいないようだ。
中間期好調にもかかわらず下期営業減益予想はやや保守的
4. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績について、同社は売上高110,951百万円(前期比4.0%増)、営業利益4,727百万円(同1.8%増)、経常利益4,221百万円(同4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,855百万円(同0.7%増)を見込んでいる。国内食品事業及び食品関連事業では引き続き秋冬期の需要を捉えて収益拡大に取り組む一方、海外食品事業では各国・各エリアにおけるマクロ経済動向や地政学リスクの影響を注視していく考えである。特に国内では、最繁忙期である年末年始商戦に向け積極的に事業展開し、期初予想を達成する方針である。足もとでは、おでんが好スタートを切りほぼ想定どおりに進行しているようだ。ただし、原価面ですり身や鶏卵価格の再上昇や、積極施策に伴う販管費の増加を想定しているため、下期は減益を見込んでいる。中間期業績が好調だった分、やや保守的な業績予想ということができる。なお、国内食品事業再編の通期業績への影響は、グループ内の完全子会社との合併であるため軽微と考えられる。
下期のセグメント別の取り組みについて、国内食品事業では、健康や環境を意識した商品展開やプロモーション、情報発信によって、食のシーンを広げるメニューを提案する方針である。特にタンパク質を手軽に取れる水産練り製品や、糖質オフを実現しつつ手軽で満足感のある「糖質0g麺」で、プロモーションを積極的に展開する。年末年始商戦では、年末にTVCMを積極的に投下して“正月の価値”を訴求、イベントやキャンペーンを通じてファミリー向けに紀文ブランドの浸透を図るほか、市場拡大に向けて若年層やシニア層などを見据えた商品ラインの展開も図る。海外食品事業では、ローカル市場を念頭に自社製品や仕入商品の展開を推進する方針である。カニカマや「Healthy Noodle」など既存人気商品についてはもちろん着実に販売していくが、加えてとうふそうめん風などの麺状商品やたこやき、納豆といった新提案の日本食材の販売も強化する。食品関連事業では、配送品質の高さを背景に共同配送など既存事業を深掘りするとともに、新規取引の獲得を着実に実行する。運送費や人件費などのコストアップには料金改定や効率化、システム活用による収益向上で対応し、安定したサービスの提供を継続する。
■株主還元策
中期的に配当性向を20%程度へ引き上げていく考え
1. 配当政策
同社は株主に対する利益還元を経営の重要課題の1つと考えており、将来の事業展開と財務体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績及び将来の見通しを総合的に勘案して安定した配当を継続して実施する考えだ。内部留保資金については、中長期的な観点から既存事業の効率化や拡大に向けた投資及び新規の事業投資を中心に充当し、企業競争力と経営基盤の長期安定化に取り組み、企業価値の向上を図る。連結配当性向については、財務体質の強化及び事業業績の拡大に応じて、中期的に20%程度を目標に徐々に引き上げていく考えである。これらの方針に基づき、2025年3月期の配当については、前期比3.0円増配の1株当たり20.0円(配当性向16.0%)を予定している。
株主優待として、同社商品詰合せを贈呈
2. 株主優待制度
同社は株主優待制度を有しており、9月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主を対象に、保有株式数に応じて同社の商品詰合せを贈呈している。同社株式を300株(3単元)以上1,000株(10単元)未満保有する株主には同社商品詰合せ(約3,300円相当)を11月中旬〜下旬に発送、1,000株(10単元)以上保有する株主には同社商品詰合せ(約5,500円相当)または同社おせち商品詰合せ(約5,500円相当)を12月中旬(おせち商品詰合せは12月下旬)に発送した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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