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ミダックHD Research Memo(8):資源循環型社会構築に向けた取り組みを強化
配信日時:2025/01/08 13:08
配信元:FISCO
*13:08JST ミダックHD Research Memo(8):資源循環型社会構築に向けた取り組みを強化
■成長戦略
3. サステナビリティ経営
ミダックホールディングス<6564>は、廃棄物処理という事業活動を通じて廃棄物の減容化や無害化など地球環境保全に寄与しているだけでなく、2022年4月にサステナビリティ推進委員会を設置して脱炭素化への取り組み、より良い職場環境確保への取り組み、地域社会への貢献や地方創生への取り組みなど、サステナビリティ経営への取り組みを強化している。
脱炭素化への取り組みの一例として、学校法人早稲田大学地盤工学研究室(小峯秀雄教授)と共同研究している処分場CCS技術(CO2 Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留技術)がある。廃棄物焼却施設から放出されるCO2を、同じく焼却施設等から副産物として排出されるばいじん等から製造する機能性覆土や廃棄物に固定し、最終処分場に貯留する技術である。
2023年4月には脱炭素社会に向けた微細藻類培養CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:二酸化炭素の分離回収と有効利用)技術に関して、ミダックがパス<3840>の子会社である(株)アルヌールと共同研究契約を締結した。藻類培養は工場等の排気ガスから分離回収されたCO2の固定化方法の一つとして注目される技術で、アルヌールは微細藻類由来の希少物質「フコキサンチン」生成微細藻類の連続培養技術に強みを持っている。アルヌールとの協業により、焼却由来CO2を利用した微細藻類栽培で「フコキサンチン」大量生産・安定供給の技術を加速させ、経済性を確保しながらCO2排出量削減を目指すとしている。
2023年9月にはミダックが、東京工業大学発のゲノムエンジニアリングカンパニーである(株)Logomixと、最終処分場における環境負荷・コスト低減技術の開発を行うことを目的として共同研究契約を締結した。Logomixが強みとしているバイオテクノロジーを用いて最終処分場が抱える課題解決を目指す。
2024年5月には同社が、資源循環事業や資源循環型施設運営等を手掛けるテラレムグループ(株)と、使用済み太陽光パネルの適切なリユース・リサイクルにおける事業スキームの構築を含む資源循環の共同事業化に関する基本合意書を締結した。太陽光パネルの寿命は約25年~30年と言われ、2030年代半ばに年間約80万トンの廃棄が見込まれている。両社の強みを最大限に活用し、資源循環技術の開発や適正な処理を通じて持続可能な循環型社会構築を目指す。また同年5月にミダックこなんが、太陽光パネル アルミフレーム・J-Box分離装置を導入し、太陽光パネルのリサイクルに着手した。
同年7月にはミダックが、(大)佐賀大学と「微細藻類が産生する有用カロテノイドに関する研究」という題目で共同研究契約を締結した。大量培養した微細藻類から抽出した抗酸化物質(カロテノイド色素)を医薬品としても利用可能な純度まで精製することを目的としている。ミダックはカーボンニュートラルの実現に向けて、焼却施設などで発生する排気ガスから二酸化炭素を分離・回収して微細藻類の培養に有効活用する研究を進めており、佐賀大学農学部 川添嘉徳准教授と共同で微細藻類からフコキサンチン(海洋性カロテノイドの一種)を高純度で精製する手法を開発する。純度を高めたフコキサンチンを使用して、ヒトが抱える生活習慣病を予防する効果、抗炎症効果、抗腫瘍効果などを検証する。
同年11月には同社が中部リサイクル(株)と資源循環事業の共同事業化に関する基本合意書を締結した。サーキュラーエコノミーなど資源循環システムの自律化・強靭化への機運が高まっているため、両者の強みを最大限に活用し、資源循環技術の開発や適正な処理を通じて持続可能な循環型社会の構築を目指す。
その他(SDGs、ガバナンス、職場環境改善、地域社会への貢献など)の取り組みでは、2022年5月に取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会及び特別委員会を設置、同年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明した。2023年6月には、CO2排出量抑制に向けた取り組みを推進している岩原果樹園(非連結子会社)が、山梨県の「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」において「エフォート認証」を取得した。今後は土壌への炭素貯留量の実績を集計して「アチーブメント認証」取得を目指す。同年9月には、ヤマダホールディングスと戦略的共創パートナーシップ関係構築や資源循環型インフラ事業への成長投資に向けて、合弁会社グリーン・サーキュラー・ファクトリーを設立した。
より良い職場環境づくりでは時差出勤制度「ミダックおもいやり制度」の運用、社員の都合や希望に合わせて休みを取得できる年次有給休暇の個別指定方式の採用、育児・介護や女性従業員の支援などを実施している。地域社会との良好な関係構築では、地方自治体との地震等大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定書の締結、SDGsへの取り組みを紹介するYouTube企業チャンネルの開設・運営、ミダックSDGs応援団制度の導入、体験型リサイクル教室の開催、「天浜線 人と時代をつなぐ花のリレー・プロジェクト」としての気賀駅の植栽・除草作業、「子ども食堂」への食料品寄付などを実施している。2023年11月には子ども食堂活動支援の一環として、NPO法人サステナブルネットのキッチンカー購入資金の一部を寄附した。
高利益率のビジネスモデルを評価
4. アナリストの視点
同社の業績は利益率も上昇基調で、直近では30%台後半の営業利益率となり、規模の拡大と利益率の上昇を両立させている。廃棄物一貫処理体制の強みを生かしながら、利益率の高い最終処分の拡大を推進している成果だと考えられ、この高利益率を実現している同社のビジネスモデルを弊社では評価している。今後の成長戦略として、最終処分場の新設にはかなりの期間を要するが、同社は中長期的な視点で事業計画を作成している。また産業廃棄物処理業は地味な印象がある業種だが、持続可能な社会の実現、循環型社会の確立、2050年カーボンニュートラルを目指すSDGs関連において、廃棄物の減容化・無害化によって地球環境保全に寄与するなど重要な役割を果たしている業種であり、中長期成長の余地も大きいと考えられる。したがって、成長加速のための基盤づくりのステージと位置付けている第1次中期経営計画の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. サステナビリティ経営
ミダックホールディングス<6564>は、廃棄物処理という事業活動を通じて廃棄物の減容化や無害化など地球環境保全に寄与しているだけでなく、2022年4月にサステナビリティ推進委員会を設置して脱炭素化への取り組み、より良い職場環境確保への取り組み、地域社会への貢献や地方創生への取り組みなど、サステナビリティ経営への取り組みを強化している。
脱炭素化への取り組みの一例として、学校法人早稲田大学地盤工学研究室(小峯秀雄教授)と共同研究している処分場CCS技術(CO2 Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留技術)がある。廃棄物焼却施設から放出されるCO2を、同じく焼却施設等から副産物として排出されるばいじん等から製造する機能性覆土や廃棄物に固定し、最終処分場に貯留する技術である。
2023年4月には脱炭素社会に向けた微細藻類培養CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:二酸化炭素の分離回収と有効利用)技術に関して、ミダックがパス<3840>の子会社である(株)アルヌールと共同研究契約を締結した。藻類培養は工場等の排気ガスから分離回収されたCO2の固定化方法の一つとして注目される技術で、アルヌールは微細藻類由来の希少物質「フコキサンチン」生成微細藻類の連続培養技術に強みを持っている。アルヌールとの協業により、焼却由来CO2を利用した微細藻類栽培で「フコキサンチン」大量生産・安定供給の技術を加速させ、経済性を確保しながらCO2排出量削減を目指すとしている。
2023年9月にはミダックが、東京工業大学発のゲノムエンジニアリングカンパニーである(株)Logomixと、最終処分場における環境負荷・コスト低減技術の開発を行うことを目的として共同研究契約を締結した。Logomixが強みとしているバイオテクノロジーを用いて最終処分場が抱える課題解決を目指す。
2024年5月には同社が、資源循環事業や資源循環型施設運営等を手掛けるテラレムグループ(株)と、使用済み太陽光パネルの適切なリユース・リサイクルにおける事業スキームの構築を含む資源循環の共同事業化に関する基本合意書を締結した。太陽光パネルの寿命は約25年~30年と言われ、2030年代半ばに年間約80万トンの廃棄が見込まれている。両社の強みを最大限に活用し、資源循環技術の開発や適正な処理を通じて持続可能な循環型社会構築を目指す。また同年5月にミダックこなんが、太陽光パネル アルミフレーム・J-Box分離装置を導入し、太陽光パネルのリサイクルに着手した。
同年7月にはミダックが、(大)佐賀大学と「微細藻類が産生する有用カロテノイドに関する研究」という題目で共同研究契約を締結した。大量培養した微細藻類から抽出した抗酸化物質(カロテノイド色素)を医薬品としても利用可能な純度まで精製することを目的としている。ミダックはカーボンニュートラルの実現に向けて、焼却施設などで発生する排気ガスから二酸化炭素を分離・回収して微細藻類の培養に有効活用する研究を進めており、佐賀大学農学部 川添嘉徳准教授と共同で微細藻類からフコキサンチン(海洋性カロテノイドの一種)を高純度で精製する手法を開発する。純度を高めたフコキサンチンを使用して、ヒトが抱える生活習慣病を予防する効果、抗炎症効果、抗腫瘍効果などを検証する。
同年11月には同社が中部リサイクル(株)と資源循環事業の共同事業化に関する基本合意書を締結した。サーキュラーエコノミーなど資源循環システムの自律化・強靭化への機運が高まっているため、両者の強みを最大限に活用し、資源循環技術の開発や適正な処理を通じて持続可能な循環型社会の構築を目指す。
その他(SDGs、ガバナンス、職場環境改善、地域社会への貢献など)の取り組みでは、2022年5月に取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会及び特別委員会を設置、同年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明した。2023年6月には、CO2排出量抑制に向けた取り組みを推進している岩原果樹園(非連結子会社)が、山梨県の「やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度」において「エフォート認証」を取得した。今後は土壌への炭素貯留量の実績を集計して「アチーブメント認証」取得を目指す。同年9月には、ヤマダホールディングスと戦略的共創パートナーシップ関係構築や資源循環型インフラ事業への成長投資に向けて、合弁会社グリーン・サーキュラー・ファクトリーを設立した。
より良い職場環境づくりでは時差出勤制度「ミダックおもいやり制度」の運用、社員の都合や希望に合わせて休みを取得できる年次有給休暇の個別指定方式の採用、育児・介護や女性従業員の支援などを実施している。地域社会との良好な関係構築では、地方自治体との地震等大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定書の締結、SDGsへの取り組みを紹介するYouTube企業チャンネルの開設・運営、ミダックSDGs応援団制度の導入、体験型リサイクル教室の開催、「天浜線 人と時代をつなぐ花のリレー・プロジェクト」としての気賀駅の植栽・除草作業、「子ども食堂」への食料品寄付などを実施している。2023年11月には子ども食堂活動支援の一環として、NPO法人サステナブルネットのキッチンカー購入資金の一部を寄附した。
高利益率のビジネスモデルを評価
4. アナリストの視点
同社の業績は利益率も上昇基調で、直近では30%台後半の営業利益率となり、規模の拡大と利益率の上昇を両立させている。廃棄物一貫処理体制の強みを生かしながら、利益率の高い最終処分の拡大を推進している成果だと考えられ、この高利益率を実現している同社のビジネスモデルを弊社では評価している。今後の成長戦略として、最終処分場の新設にはかなりの期間を要するが、同社は中長期的な視点で事業計画を作成している。また産業廃棄物処理業は地味な印象がある業種だが、持続可能な社会の実現、循環型社会の確立、2050年カーボンニュートラルを目指すSDGs関連において、廃棄物の減容化・無害化によって地球環境保全に寄与するなど重要な役割を果たしている業種であり、中長期成長の余地も大きいと考えられる。したがって、成長加速のための基盤づくりのステージと位置付けている第1次中期経営計画の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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