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ステップ Research Memo(6):小学生と高校生がけん引し、2025年9月期も増収増益が続く見通し
配信日時:2024/12/25 16:06
配信元:FISCO
*16:06JST ステップ Research Memo(6):小学生と高校生がけん引し、2025年9月期も増収増益が続く見通し
■ステップ<9795>の今後の見通し
1. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の15,714百万円、営業利益で同4.6%増の3,674百万円、経常利益で同4.1%増の3,709百万円、当期純利益で同1.3%増の2,541百万円と増収増益が続く見通し。2024年10月末の生徒数は前年同月比4.3%増と前期の流れを引き継ぎ堅調な滑り出しとなっており、通期でも4%程度の増加を見込んでいる。なお、物価上昇で授業料の見直しを行う学習塾が増えるなか、同社は新年度も授業料は微調整にとどめる方針としている。
(1) 小中学生部門
新規開校は小中学生部門で「Hi-STEP平塚スクール(平塚市)」を1スクール開校するほか、「STEPキッズ湘南台教室(藤沢市)」を2025年春に開校する。従来は3~4スクールペースで開校してきたが、2025年9月期は校舎展開を抑え、教務面での充実を図る期間と位置付けた。校舎の拡大に合わせて、教師の採用・育成に取り組んできたが、働き方改革への対応や育児休暇取得率の向上が見込まれるなかで、教師のバックアップ体制を強化しておく必要があるとの判断だ。その一環として、1〜2年前から補習授業を専門とした大学生のアルバイト講師(元STEP生)を大型スクールで試験的に採用し始めており、採用数を徐々に広げていくことを検討している。また、新規開校を抑えることによる付随的な効果として、教師の人事異動が少なくなり同じ生徒と長い時間を接するようになることで、より効果的な学習指導が行えるようになるといった点が挙げられる。
新規開校を抑えるかわりに、各スクールで充席率(募集定員に対する生徒数の割合)のアップに取り組むほか、満席になっている既存スクールにおいてクラスの増設を進めていくことで生徒数の増加につなげていく方針だ。小中学生部門の総クラス数は、2024年11月5日時点で前年同月比1.7%増の1,875クラス、充席率は同2.0ポイント上昇の81.7%となっており、既存スクールだけでも生徒数の拡大余地が十分にある。小中学生部門の生徒数は2024年10月末時点で前年同月比3.9%増と前年同時期よりも高い伸び率でスタートしている。小学生が同8.5%増と大きく伸張していることが要因であり、今後も堅調に推移することが予想される。
(2) 高校生部門
高校生部門ではすべての学年で満席に達している横浜校を2024年12月に増床した(生徒数で100名程度の増加が可能)。既存校舎が入っている8階建てビルのうち、従来は4~6階を利用していたが、2階が空いたため新たに賃借した。ただ、入塾希望が多いため、早い段階でさらなる増床が必要になるものと思われる。そのほかにもセンター南校が1年生と2年生で全教科満席となっており、増床が必要となりそうだ。高校生部門の生徒数は2024年10月末時点で前年同月比6.3%増と前年同時期よりも高い伸び率でスタートしている。特に、受験学年の伸びが高くなっており、2025年9月期も1ケタ台後半の増収率が期待される。
(3) 学童保育
2016年から開始した学童保育部門については、まだ業績に与える影響は軽微なものの着実に成長し利益貢献し始めている。2024年9月期は売上高で前期比20%増の2億円強、営業利益率は初めて10%台に乗せ、3期連続で営業黒字を達成した。安心・安全で有意義な放課後ライフの実現、知的な成長の場をコンセプトに、知的好奇心を育む各種教育プログラム※を提供していることが特徴で、生徒や保護者からの評価も高く口コミ効果もあって、生徒数は2024年10月末時点で前年同月比19.0%増の502名と2ケタペースで伸長している。学年別構成比では、小学1年生が34.9%、2年生が27.3%、3年生が22.3%、4年生が15.5%となっており、低学年ほど順調に生徒数を伸ばしている。
※ 楽しく学ぶ「探求プログラム」として、サイエンス、プログラミング、はば広教養、ことば、英語、英検講座、英会話、算数、算数(思考)の9種類があり、「エンジョイプログラム(スポーツや趣味の習い事)」として手話、将棋、百人一首、音楽、ダンス、体育の6種類を用意している。
「湘南教室」「辻堂教室」は既に収益貢献しており、「茅ヶ崎教室」も2024年9月期に営業黒字を達成した。2023年春に横浜市で初めて開設した「白楽教室」についてはまだ1~2年生が主体で、生徒数は40名前後と既存教室の2年目と比較すると伸びが緩やかな状況だが、横浜市では各学校に無料で利用できる学童サービスが整備されていることが一因と見られる。ただ、STEPキッズの特徴である知的好奇心を育む多彩なプログラムを受けさせたいという保護者のニーズは一定数あることから、開設4年目となる2026年9月期に収益化することを目指している。
2025年春に新しく開校する「STEPキッズ湘南台」は地盤である藤沢市内の教室ということもあって、事前説明会の参加者数は多く、初年度から順調な滑り出しが期待されている。また、2026年以降の展開については、近隣に「STEP」があり教室を運営するにあたって必要となる人的リソースが確保できれば開設していくことになる。
(4) 費用見通しと採用状況について
2025年9月期の費用については、基幹システムの更新に伴う減価償却費及び運用費の増加で120百万円を見込んでいるほか、人件費や教材費、水道光熱費が増加する見通し。一方で、求人費や広告宣伝費については前期並みの水準を計画しているようだ。ただ、新規開校が2校と少ないことから広告宣伝費については減少する可能性もあると弊社では見ている。
基幹システムの更新時期は2025年春頃を予定している。同システムが稼働すると、本社と各校舎でリアルタイムの情報共有が可能となり、業務効率の向上が見込まれる。新システムでは本社と各校舎のデータ連携をリアルタイムで行い情報を共有するため、事務業務がより効率化されることになる。
採用計画については、新卒採用が30名弱と2024年春から10名程度減少する見込みだが、20名程度の中途採用を行い、全体では前期並みとなる約50名の採用を計画している。採用力強化に向けた施策としては、リファラル採用に加えて採用イベントへの出展やYoutube公式チャンネルを活用した認知度向上に取り組んでいる。なお、離職率に関しては直近3年間で実施した処遇改善の効果により低下している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の15,714百万円、営業利益で同4.6%増の3,674百万円、経常利益で同4.1%増の3,709百万円、当期純利益で同1.3%増の2,541百万円と増収増益が続く見通し。2024年10月末の生徒数は前年同月比4.3%増と前期の流れを引き継ぎ堅調な滑り出しとなっており、通期でも4%程度の増加を見込んでいる。なお、物価上昇で授業料の見直しを行う学習塾が増えるなか、同社は新年度も授業料は微調整にとどめる方針としている。
(1) 小中学生部門
新規開校は小中学生部門で「Hi-STEP平塚スクール(平塚市)」を1スクール開校するほか、「STEPキッズ湘南台教室(藤沢市)」を2025年春に開校する。従来は3~4スクールペースで開校してきたが、2025年9月期は校舎展開を抑え、教務面での充実を図る期間と位置付けた。校舎の拡大に合わせて、教師の採用・育成に取り組んできたが、働き方改革への対応や育児休暇取得率の向上が見込まれるなかで、教師のバックアップ体制を強化しておく必要があるとの判断だ。その一環として、1〜2年前から補習授業を専門とした大学生のアルバイト講師(元STEP生)を大型スクールで試験的に採用し始めており、採用数を徐々に広げていくことを検討している。また、新規開校を抑えることによる付随的な効果として、教師の人事異動が少なくなり同じ生徒と長い時間を接するようになることで、より効果的な学習指導が行えるようになるといった点が挙げられる。
新規開校を抑えるかわりに、各スクールで充席率(募集定員に対する生徒数の割合)のアップに取り組むほか、満席になっている既存スクールにおいてクラスの増設を進めていくことで生徒数の増加につなげていく方針だ。小中学生部門の総クラス数は、2024年11月5日時点で前年同月比1.7%増の1,875クラス、充席率は同2.0ポイント上昇の81.7%となっており、既存スクールだけでも生徒数の拡大余地が十分にある。小中学生部門の生徒数は2024年10月末時点で前年同月比3.9%増と前年同時期よりも高い伸び率でスタートしている。小学生が同8.5%増と大きく伸張していることが要因であり、今後も堅調に推移することが予想される。
(2) 高校生部門
高校生部門ではすべての学年で満席に達している横浜校を2024年12月に増床した(生徒数で100名程度の増加が可能)。既存校舎が入っている8階建てビルのうち、従来は4~6階を利用していたが、2階が空いたため新たに賃借した。ただ、入塾希望が多いため、早い段階でさらなる増床が必要になるものと思われる。そのほかにもセンター南校が1年生と2年生で全教科満席となっており、増床が必要となりそうだ。高校生部門の生徒数は2024年10月末時点で前年同月比6.3%増と前年同時期よりも高い伸び率でスタートしている。特に、受験学年の伸びが高くなっており、2025年9月期も1ケタ台後半の増収率が期待される。
(3) 学童保育
2016年から開始した学童保育部門については、まだ業績に与える影響は軽微なものの着実に成長し利益貢献し始めている。2024年9月期は売上高で前期比20%増の2億円強、営業利益率は初めて10%台に乗せ、3期連続で営業黒字を達成した。安心・安全で有意義な放課後ライフの実現、知的な成長の場をコンセプトに、知的好奇心を育む各種教育プログラム※を提供していることが特徴で、生徒や保護者からの評価も高く口コミ効果もあって、生徒数は2024年10月末時点で前年同月比19.0%増の502名と2ケタペースで伸長している。学年別構成比では、小学1年生が34.9%、2年生が27.3%、3年生が22.3%、4年生が15.5%となっており、低学年ほど順調に生徒数を伸ばしている。
※ 楽しく学ぶ「探求プログラム」として、サイエンス、プログラミング、はば広教養、ことば、英語、英検講座、英会話、算数、算数(思考)の9種類があり、「エンジョイプログラム(スポーツや趣味の習い事)」として手話、将棋、百人一首、音楽、ダンス、体育の6種類を用意している。
「湘南教室」「辻堂教室」は既に収益貢献しており、「茅ヶ崎教室」も2024年9月期に営業黒字を達成した。2023年春に横浜市で初めて開設した「白楽教室」についてはまだ1~2年生が主体で、生徒数は40名前後と既存教室の2年目と比較すると伸びが緩やかな状況だが、横浜市では各学校に無料で利用できる学童サービスが整備されていることが一因と見られる。ただ、STEPキッズの特徴である知的好奇心を育む多彩なプログラムを受けさせたいという保護者のニーズは一定数あることから、開設4年目となる2026年9月期に収益化することを目指している。
2025年春に新しく開校する「STEPキッズ湘南台」は地盤である藤沢市内の教室ということもあって、事前説明会の参加者数は多く、初年度から順調な滑り出しが期待されている。また、2026年以降の展開については、近隣に「STEP」があり教室を運営するにあたって必要となる人的リソースが確保できれば開設していくことになる。
(4) 費用見通しと採用状況について
2025年9月期の費用については、基幹システムの更新に伴う減価償却費及び運用費の増加で120百万円を見込んでいるほか、人件費や教材費、水道光熱費が増加する見通し。一方で、求人費や広告宣伝費については前期並みの水準を計画しているようだ。ただ、新規開校が2校と少ないことから広告宣伝費については減少する可能性もあると弊社では見ている。
基幹システムの更新時期は2025年春頃を予定している。同システムが稼働すると、本社と各校舎でリアルタイムの情報共有が可能となり、業務効率の向上が見込まれる。新システムでは本社と各校舎のデータ連携をリアルタイムで行い情報を共有するため、事務業務がより効率化されることになる。
採用計画については、新卒採用が30名弱と2024年春から10名程度減少する見込みだが、20名程度の中途採用を行い、全体では前期並みとなる約50名の採用を計画している。採用力強化に向けた施策としては、リファラル採用に加えて採用イベントへの出展やYoutube公式チャンネルを活用した認知度向上に取り組んでいる。なお、離職率に関しては直近3年間で実施した処遇改善の効果により低下している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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