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クオールHD Research Memo(4):第一三共エスファはAG製品を主力とする後発医薬品のファブレス企業大手
配信日時:2024/12/25 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST クオールHD Research Memo(4):第一三共エスファはAG製品を主力とする後発医薬品のファブレス企業大手
■会社概要
4. 製薬事業
製薬事業は、藤永製薬と第一三共エスファの2社で構成されるが、大半は第一三共エスファで占められる。第一三共エスファは、第一三共が後発医薬品市場への参入を目的に2010年に設立した企画と販売に特化したファブレスメーカーで、後発医薬品で国内第3位の売上規模を誇り、AG製品に限ってみれば2022年度で約26%とトップ企業である。売上高の約75%がAG製品で占められ、販売品目は第一三共以外にも複数の製薬企業とAG製品の開発販売権許諾契約を結び製品化している。2024年3月末時点で18製品を販売しており、生産委託先は国内の製薬企業となる。ここ数年、後発医薬品企業で製造品質基準の不正が発覚し、供給が滞る状況となっているが、クオールホールディングス<3034>の委託先ではこうした問題は発生していない。
藤永製薬は1941年設立(創業は1924年2月)の製薬企業で、精神科・皮膚科を主な事業領域とし、製造品目としては抗てんかん薬のフェノバールやヒダントール(いずれも先発薬)、睡眠障害やうつ病などを適応症とした炭酸リチウム「フジナガ」(ジェネリック薬)などがある。また、2022年12月より対外診断用医薬品としてSARSコロナウイルス抗原検査キット「テガルナ(R)スティックSARS-CoV-2 Ag」を製造販売している。
■業績の動向
2025年3月期中間期はM&A効果により売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比40.9%増の124,771百万円、営業利益で同71.3%増の6,096百万円、経常利益で同69.2%増の6,220百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同35.8%減の1,211百万円となり、売上高、営業利益、経常利益で過去最高を大きく更新した。第一三共エスファの連結子会社化により製薬事業の業績が大きく伸張したことが要因だ。ただ、第一三共エスファの株式段階取得に係る差損214百万円を計上したこと、また、非支配株主に帰属する中間純利益を1,122百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する中間純利益は減益となった。また、第一三共エスファの業績が想定を上回ったことにより、営業利益と経常利益は期初計画を13%程度上回ったが、特別損失を計上したことで親会社株主に帰属すると中間純利益は未達となった。
事業セグメント別の業績を見ると、薬局事業は売上高で前年同期比3.8%増の84,080百万円、営業利益で同10.2%減の4,232百万円となり、営業利益率は同0.8ポイント低下の5.0%となった。売上高は、M&Aも含めた新規出店効果などによる処方箋枚数の増加と処方箋単価の上昇により増収となった。ただ、仕入コストや人件費などの店舗運営コストの増加を増収効果で吸収しきれず減益となった。仕入環境については、後発医薬品の供給不足が続いていることや、外資系製薬企業を中心に医薬品の卸先を1品目1社に絞る傾向となっていることから、医薬品卸会社との価格交渉において厳しい状況が続いているものと見られる。ただ、2024年6月に実施された調剤報酬改定により技術料単価が上昇したことから、第2四半期(2024年7月〜9月)だけで見ると営業利益は前年同期比13.5%増の2,602百万円と増益に転じている。
一方、BPO事業は売上高で前年同期比1.2%増の6,755百万円、営業利益で同15.9%増の928百万円となった。売上高が伸び悩んだように見えるが、CSO事業の顧客先であった第一三共エスファを子会社化したことで、内部売上高が前年同期の173百万円から622百万円に増加したことが一因であり、内部取引高も含めた増収率で見ると7.7%増であった。CSO事業が伸張したほか、薬剤師を中心とした医療人材紹介派遣事業が好調に推移した。また、製薬事業は売上高で33,936百万円(前年同期は897百万円)、営業利益で2,742百万円(同142百万円の損失)と第一三共エスファの子会社化により収益が大幅に伸長し、期初計画に対しても超過した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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4. 製薬事業
製薬事業は、藤永製薬と第一三共エスファの2社で構成されるが、大半は第一三共エスファで占められる。第一三共エスファは、第一三共が後発医薬品市場への参入を目的に2010年に設立した企画と販売に特化したファブレスメーカーで、後発医薬品で国内第3位の売上規模を誇り、AG製品に限ってみれば2022年度で約26%とトップ企業である。売上高の約75%がAG製品で占められ、販売品目は第一三共以外にも複数の製薬企業とAG製品の開発販売権許諾契約を結び製品化している。2024年3月末時点で18製品を販売しており、生産委託先は国内の製薬企業となる。ここ数年、後発医薬品企業で製造品質基準の不正が発覚し、供給が滞る状況となっているが、クオールホールディングス<3034>の委託先ではこうした問題は発生していない。
藤永製薬は1941年設立(創業は1924年2月)の製薬企業で、精神科・皮膚科を主な事業領域とし、製造品目としては抗てんかん薬のフェノバールやヒダントール(いずれも先発薬)、睡眠障害やうつ病などを適応症とした炭酸リチウム「フジナガ」(ジェネリック薬)などがある。また、2022年12月より対外診断用医薬品としてSARSコロナウイルス抗原検査キット「テガルナ(R)スティックSARS-CoV-2 Ag」を製造販売している。
■業績の動向
2025年3月期中間期はM&A効果により売上高、営業利益、経常利益で過去最高を更新
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比40.9%増の124,771百万円、営業利益で同71.3%増の6,096百万円、経常利益で同69.2%増の6,220百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同35.8%減の1,211百万円となり、売上高、営業利益、経常利益で過去最高を大きく更新した。第一三共エスファの連結子会社化により製薬事業の業績が大きく伸張したことが要因だ。ただ、第一三共エスファの株式段階取得に係る差損214百万円を計上したこと、また、非支配株主に帰属する中間純利益を1,122百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する中間純利益は減益となった。また、第一三共エスファの業績が想定を上回ったことにより、営業利益と経常利益は期初計画を13%程度上回ったが、特別損失を計上したことで親会社株主に帰属すると中間純利益は未達となった。
事業セグメント別の業績を見ると、薬局事業は売上高で前年同期比3.8%増の84,080百万円、営業利益で同10.2%減の4,232百万円となり、営業利益率は同0.8ポイント低下の5.0%となった。売上高は、M&Aも含めた新規出店効果などによる処方箋枚数の増加と処方箋単価の上昇により増収となった。ただ、仕入コストや人件費などの店舗運営コストの増加を増収効果で吸収しきれず減益となった。仕入環境については、後発医薬品の供給不足が続いていることや、外資系製薬企業を中心に医薬品の卸先を1品目1社に絞る傾向となっていることから、医薬品卸会社との価格交渉において厳しい状況が続いているものと見られる。ただ、2024年6月に実施された調剤報酬改定により技術料単価が上昇したことから、第2四半期(2024年7月〜9月)だけで見ると営業利益は前年同期比13.5%増の2,602百万円と増益に転じている。
一方、BPO事業は売上高で前年同期比1.2%増の6,755百万円、営業利益で同15.9%増の928百万円となった。売上高が伸び悩んだように見えるが、CSO事業の顧客先であった第一三共エスファを子会社化したことで、内部売上高が前年同期の173百万円から622百万円に増加したことが一因であり、内部取引高も含めた増収率で見ると7.7%増であった。CSO事業が伸張したほか、薬剤師を中心とした医療人材紹介派遣事業が好調に推移した。また、製薬事業は売上高で33,936百万円(前年同期は897百万円)、営業利益で2,742百万円(同142百万円の損失)と第一三共エスファの子会社化により収益が大幅に伸長し、期初計画に対しても超過した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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