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デリカフHD Research Memo(1):持続可能な農業の実現に向けて青果物サプライチェーンの構造改革に取り組む
配信日時:2024/12/23 13:01
配信元:FISCO
*13:01JST デリカフHD Research Memo(1):持続可能な農業の実現に向けて青果物サプライチェーンの構造改革に取り組む
■要約
デリカフーズホールディングス<3392>は、外食・中食業界向けにカット野菜やホール(丸)野菜等を卸す業務用青果物流通加工業の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する創造型企業である。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.7%増の28,056百万円と過去最高を更新したものの、経常損失73百万円(前年同期は379百万円の利益)を計上した。売上高はインバウンドを含む人流増加により外食業界向けが好調で期初計画(27,000百万円)を上回ったが、利益面では人件費や物流費の増加に加えて、天候不順に伴う野菜の市況高騰による仕入率の悪化や、2024年4月から稼働を開始した大阪FSセンター※の立ち上げ費用増などが減益要因となった。期初計画(300百万円)に対する下振れ要因としては、仕入率の悪化で210百万円と過半を占め、そのほか大阪FSセンター立ち上げに伴う一過性費用の増加や人件費増などが挙げられる。
※ FS(Fresh & Speedy)センターは、物流機能とカット野菜等の製造加工機能を持つ拠点。既に東京、埼玉、名古屋、奈良、福岡、仙台(提携拠点)に開設し、今回の大阪での開設により主要大都市でのFSセンター設置が完了した。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.0%増の56,000百万円、経常利益で同44.4%減の700百万円と期初計画(売上高55,000百万円、経常利益1,050百万円)を修正した。中間期の下振れ分をほぼ反映した格好で、下期については期初計画とほぼ変わらない見通しとなっている。従来であれば、市況高騰により中間期に仕入率が悪化した場合は顧客との価格交渉によって下期に挽回するケースが多かったが、今回は高騰した品目が複数品目に渡ったことで、価格交渉に時間を要することを想定し、期末までにすべての交渉が纏まらないリスクを考慮した計画となっている。なお、大阪FSセンターについては既に本稼働に入っており、下期は新たな顧客獲得によって売上増に貢献する見通しだ。
3. 中期経営計画
同社は期初に2027年3月期までの第5次中期経営計画を発表した。事業戦略として、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大、の3点に取り組み、青果物の流通加工企業としてさらなる飛躍を目指している。経営数値目標としては、2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE(自己資本当期利益率)10.2%を掲げた。ここ数年、異常気象による野菜の生育不良・市況高騰が続くなか、同社ではサプライチェーンの強化が喫緊の経営課題と認識しており、2025年4月に玉葱の専用加工工場(旧大阪工場)を稼働させるほか、同年6月には貯蔵センターを首都圏に増設する方針である。また、国内における持続可能な農業の実現に向けた取り組みとして、国産野菜の調達率引き上げプロジェクトに着手している。玉葱からスタートしており、輸入に頼っている他の品目についても顧客企業と丁寧な交渉を進めていくことで実現していく考えだ。
4. 株主還元方針
株主還元方針は継続的かつ安定的な配当を行うことを基本に、2025年3月期からは連結配当性向の目安を従来の20%程度から30%程度に引き上げた。2025年3月期は利益の下方修正を行ったものの、同方針に基づき1株当たり配当金は当初計画どおり前期と同額の12.0円(配当性向45.4%)とする予定だ。また、株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品またはクオカードの贈呈を行っている。
■Key Points
・2025年3月期中間期は過去最高売上を更新するも仕入率悪化や人件費等の経費増により経常損失を計上
・2025年3月期業績は利益段階で下方修正するもやや保守的な印象
・中長期的には、持続可能な農業の実現と国民の健康に貢献する野菜の総合加工メーカーとして売上高1,000億円企業を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
デリカフーズホールディングス<3392>は、外食・中食業界向けにカット野菜やホール(丸)野菜等を卸す業務用青果物流通加工業の国内最大手で、農産物の流通を通じて農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献する創造型企業である。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月-9月)の連結業績は、売上高で前年同期比10.7%増の28,056百万円と過去最高を更新したものの、経常損失73百万円(前年同期は379百万円の利益)を計上した。売上高はインバウンドを含む人流増加により外食業界向けが好調で期初計画(27,000百万円)を上回ったが、利益面では人件費や物流費の増加に加えて、天候不順に伴う野菜の市況高騰による仕入率の悪化や、2024年4月から稼働を開始した大阪FSセンター※の立ち上げ費用増などが減益要因となった。期初計画(300百万円)に対する下振れ要因としては、仕入率の悪化で210百万円と過半を占め、そのほか大阪FSセンター立ち上げに伴う一過性費用の増加や人件費増などが挙げられる。
※ FS(Fresh & Speedy)センターは、物流機能とカット野菜等の製造加工機能を持つ拠点。既に東京、埼玉、名古屋、奈良、福岡、仙台(提携拠点)に開設し、今回の大阪での開設により主要大都市でのFSセンター設置が完了した。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.0%増の56,000百万円、経常利益で同44.4%減の700百万円と期初計画(売上高55,000百万円、経常利益1,050百万円)を修正した。中間期の下振れ分をほぼ反映した格好で、下期については期初計画とほぼ変わらない見通しとなっている。従来であれば、市況高騰により中間期に仕入率が悪化した場合は顧客との価格交渉によって下期に挽回するケースが多かったが、今回は高騰した品目が複数品目に渡ったことで、価格交渉に時間を要することを想定し、期末までにすべての交渉が纏まらないリスクを考慮した計画となっている。なお、大阪FSセンターについては既に本稼働に入っており、下期は新たな顧客獲得によって売上増に貢献する見通しだ。
3. 中期経営計画
同社は期初に2027年3月期までの第5次中期経営計画を発表した。事業戦略として、1) 各種ポートフォリオの変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大、の3点に取り組み、青果物の流通加工企業としてさらなる飛躍を目指している。経営数値目標としては、2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE(自己資本当期利益率)10.2%を掲げた。ここ数年、異常気象による野菜の生育不良・市況高騰が続くなか、同社ではサプライチェーンの強化が喫緊の経営課題と認識しており、2025年4月に玉葱の専用加工工場(旧大阪工場)を稼働させるほか、同年6月には貯蔵センターを首都圏に増設する方針である。また、国内における持続可能な農業の実現に向けた取り組みとして、国産野菜の調達率引き上げプロジェクトに着手している。玉葱からスタートしており、輸入に頼っている他の品目についても顧客企業と丁寧な交渉を進めていくことで実現していく考えだ。
4. 株主還元方針
株主還元方針は継続的かつ安定的な配当を行うことを基本に、2025年3月期からは連結配当性向の目安を従来の20%程度から30%程度に引き上げた。2025年3月期は利益の下方修正を行ったものの、同方針に基づき1株当たり配当金は当初計画どおり前期と同額の12.0円(配当性向45.4%)とする予定だ。また、株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品またはクオカードの贈呈を行っている。
■Key Points
・2025年3月期中間期は過去最高売上を更新するも仕入率悪化や人件費等の経費増により経常損失を計上
・2025年3月期業績は利益段階で下方修正するもやや保守的な印象
・中長期的には、持続可能な農業の実現と国民の健康に貢献する野菜の総合加工メーカーとして売上高1,000億円企業を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
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