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伸和HD Research Memo(1):主に北海道で飲食・物販等を事業展開。2024年10月に札幌アンビシャスに上場
配信日時:2024/12/20 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST 伸和HD Research Memo(1):主に北海道で飲食・物販等を事業展開。2024年10月に札幌アンビシャスに上場
■要約
伸和ホールディングス<7118>は、北海道を中心とする居酒屋チェーン等の飲食事業及び惣菜店チェーン等の物販事業、全国の商社等を対象とする冷凍食品等の卸売事業を展開している。北海道の特産品・食材を活用する地産地消モデルを特徴として、食の全業態(外食・中食・内食分野)をカバーする企業である。2024年10月21日付で札幌アンビシャスに株式上場した。
1. 居酒屋業態等の飲食事業と惣菜販売業態等の物販事業が両輪
同社は外食分野の飲食事業、中食分野の物販事業、内食分野の卸売事業を展開している。飲食事業と物販事業は直営店で展開し、売上構成比で見ると飲食事業が6割強、物販事業が3割強で推移し、両輪となっている。飲食事業は居酒屋業態「炭火居酒屋 炎」が主力、物販事業は惣菜販売業態「美唄焼鳥・惣菜 炎」が主力で、卸売事業は自社ブランド冷凍加工食品の企画・製造・卸売販売を行っている。同社の特徴・強みは、1) 飲食事業と物販事業を両輪として事業展開していること、2) 食材仕入・商品製造から店舗運営・販売まで自社で一貫した体制を構築していること、3) 地元食材活用と地元顧客獲得により地域に根付いた地産地消のビジネスモデルであること、4) ドミナント出店により効率的な店舗運営を実現していることなどである。
2. 2024年3月期は大幅営業増益
2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.6%増の5,871百万円、営業利益が同250.3%増の188百万円、経常利益が同23.7%減の208百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の140百万円と、大幅な営業増益となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う行動制限がなくなったことなどにより飲食事業が大幅増収、物販事業も堅調に推移した。全社の売上総利益は同16.1%増加し、売上総利益率は同3.5ポイント上昇し62.5%となった。単価上昇や工場の生産性向上などが寄与した。販管費は同12.0%増加し、販管費率は同1.3ポイント上昇し59.3%となった。この結果、全社の営業利益率は同2.2ポイント上昇し3.2%となった。なお経常利益については、営業外収益で補助金収入が213百万円減少(2023年3月期は220百万円計上、2024年3月期は7百万円計上)したため減益だった。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失で減損損失が47百万円減少(同65百万円計上、同18百万円計上)したため横ばいだった。
3. 2025年3月期は小幅ながら増収・営業増益予想
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%増の6,048百万円、営業利益が同5.1%増の198百万円、経常利益が同4.7%減の199百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.9%増の141百万円を見込んでいる。食材価格や人件費の増加があるものの、飲食事業と物販事業の既存店売上が堅調に推移すると見込み、小幅ながら増収・営業増益予想としている。経常利益については営業外収益での協賛金収入の減少等により減益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益については特別利益に固定資産売却益を計画しているため横ばい予想としている。なお通期予想に対する上期の進捗率は売上高で50.6%、営業利益で53.9%、経常利益で54.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で54.5%と順調だった。通期予想の達成は可能だろうと弊社では考えている。
4. ドミナント出店加速、東北・関東エリア進出、冷凍食品事業強化を推進
同社は中期経営計画を公表していないが、成長戦略として北海道内におけるドミナント出店の加速、東北・北関東エリアへの進出、冷凍食品事業の強化を推進する。ドミナント出店では、飲食事業の主力ブランド「炭火居酒屋 炎」が多様なエリア・ロケーションでの出店モデルを確立しており、今後は主に北海道内の地方都市において加速させる方針だ。また、地方都市における店舗運営ノウハウが豊富である強みを生かし、東北・北関東エリアへの進出を推進する。東北エリアについては、北海道内において物販事業の主要な既存出店先である大手スーパーマーケットチェーンが店舗網を有しており、同店舗への物販事業の出店を起点として、飲食事業の出店にもつなげていく計画である。冷凍食品事業の強化では、自社ブランド冷凍食品の企画・販売を強化して卸売事業を第3の柱に育成する方針だ。
5. 成長戦略の進捗状況に注目
同社は食の全業態(外食・中食・内食分野)をカバーする企業であり、個人消費動向の影響を受けやすい面があるものの、一方で飲食事業と物販事業を両輪とすることにより、柔軟な店舗展開や仕入のスケールメリットを実現するとともに、収益の安定性にもつながるビジネスモデルとなっている。コロナ禍の影響が一巡した後は飲食事業がけん引する形で売上が拡大基調であり、新たな成長ステージに入った可能性があると弊社では考えている。したがって今後は、店舗網拡大に向けた人財採用・育成なども課題となるが、北海道内におけるドミナント出店の加速、東北・北関東エリアへの進出、冷凍食品事業の強化という成長戦略の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・北海道を中心に外食分野の飲食事業、中食分野の物販事業、内食分野の卸売事業を展開
・2024年3月期は大幅営業増益を達成し、2025年3月期は増収・営業増益を見込む
・ドミナント出店加速、東北・北関東エリア進出、冷凍食品事業強化を推進。今後の成長戦略の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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伸和ホールディングス<7118>は、北海道を中心とする居酒屋チェーン等の飲食事業及び惣菜店チェーン等の物販事業、全国の商社等を対象とする冷凍食品等の卸売事業を展開している。北海道の特産品・食材を活用する地産地消モデルを特徴として、食の全業態(外食・中食・内食分野)をカバーする企業である。2024年10月21日付で札幌アンビシャスに株式上場した。
1. 居酒屋業態等の飲食事業と惣菜販売業態等の物販事業が両輪
同社は外食分野の飲食事業、中食分野の物販事業、内食分野の卸売事業を展開している。飲食事業と物販事業は直営店で展開し、売上構成比で見ると飲食事業が6割強、物販事業が3割強で推移し、両輪となっている。飲食事業は居酒屋業態「炭火居酒屋 炎」が主力、物販事業は惣菜販売業態「美唄焼鳥・惣菜 炎」が主力で、卸売事業は自社ブランド冷凍加工食品の企画・製造・卸売販売を行っている。同社の特徴・強みは、1) 飲食事業と物販事業を両輪として事業展開していること、2) 食材仕入・商品製造から店舗運営・販売まで自社で一貫した体制を構築していること、3) 地元食材活用と地元顧客獲得により地域に根付いた地産地消のビジネスモデルであること、4) ドミナント出店により効率的な店舗運営を実現していることなどである。
2. 2024年3月期は大幅営業増益
2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.6%増の5,871百万円、営業利益が同250.3%増の188百万円、経常利益が同23.7%減の208百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の140百万円と、大幅な営業増益となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う行動制限がなくなったことなどにより飲食事業が大幅増収、物販事業も堅調に推移した。全社の売上総利益は同16.1%増加し、売上総利益率は同3.5ポイント上昇し62.5%となった。単価上昇や工場の生産性向上などが寄与した。販管費は同12.0%増加し、販管費率は同1.3ポイント上昇し59.3%となった。この結果、全社の営業利益率は同2.2ポイント上昇し3.2%となった。なお経常利益については、営業外収益で補助金収入が213百万円減少(2023年3月期は220百万円計上、2024年3月期は7百万円計上)したため減益だった。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失で減損損失が47百万円減少(同65百万円計上、同18百万円計上)したため横ばいだった。
3. 2025年3月期は小幅ながら増収・営業増益予想
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%増の6,048百万円、営業利益が同5.1%増の198百万円、経常利益が同4.7%減の199百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.9%増の141百万円を見込んでいる。食材価格や人件費の増加があるものの、飲食事業と物販事業の既存店売上が堅調に推移すると見込み、小幅ながら増収・営業増益予想としている。経常利益については営業外収益での協賛金収入の減少等により減益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益については特別利益に固定資産売却益を計画しているため横ばい予想としている。なお通期予想に対する上期の進捗率は売上高で50.6%、営業利益で53.9%、経常利益で54.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で54.5%と順調だった。通期予想の達成は可能だろうと弊社では考えている。
4. ドミナント出店加速、東北・関東エリア進出、冷凍食品事業強化を推進
同社は中期経営計画を公表していないが、成長戦略として北海道内におけるドミナント出店の加速、東北・北関東エリアへの進出、冷凍食品事業の強化を推進する。ドミナント出店では、飲食事業の主力ブランド「炭火居酒屋 炎」が多様なエリア・ロケーションでの出店モデルを確立しており、今後は主に北海道内の地方都市において加速させる方針だ。また、地方都市における店舗運営ノウハウが豊富である強みを生かし、東北・北関東エリアへの進出を推進する。東北エリアについては、北海道内において物販事業の主要な既存出店先である大手スーパーマーケットチェーンが店舗網を有しており、同店舗への物販事業の出店を起点として、飲食事業の出店にもつなげていく計画である。冷凍食品事業の強化では、自社ブランド冷凍食品の企画・販売を強化して卸売事業を第3の柱に育成する方針だ。
5. 成長戦略の進捗状況に注目
同社は食の全業態(外食・中食・内食分野)をカバーする企業であり、個人消費動向の影響を受けやすい面があるものの、一方で飲食事業と物販事業を両輪とすることにより、柔軟な店舗展開や仕入のスケールメリットを実現するとともに、収益の安定性にもつながるビジネスモデルとなっている。コロナ禍の影響が一巡した後は飲食事業がけん引する形で売上が拡大基調であり、新たな成長ステージに入った可能性があると弊社では考えている。したがって今後は、店舗網拡大に向けた人財採用・育成なども課題となるが、北海道内におけるドミナント出店の加速、東北・北関東エリアへの進出、冷凍食品事業の強化という成長戦略の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・北海道を中心に外食分野の飲食事業、中食分野の物販事業、内食分野の卸売事業を展開
・2024年3月期は大幅営業増益を達成し、2025年3月期は増収・営業増益を見込む
・ドミナント出店加速、東北・北関東エリア進出、冷凍食品事業強化を推進。今後の成長戦略の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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