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日産東HD Research Memo(4):売上は新車中心、利益は事業間のバランスが良好
配信日時:2024/12/18 16:14
配信元:FISCO
*16:14JST 日産東HD Research Memo(4):売上は新車中心、利益は事業間のバランスが良好
■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要
1. 事業内容
東京日産コンピュータシステムを売却したことで、同社は自動車関連事業の単一セグメントとなった。同事業は、電動車を主軸にカーライフに関するサービスをワンストップで提供しており、個人リースを含む新車、中古車、整備、収入手数料等、その他の事業に細分される。このうち新車事業が売上高の過半数を占めるが、売上利益は各事業でバランスが取れた収益構造になっており、新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを構築している。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。
(1) 新車事業
子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内に101ある店舗を通じて販売している。日産自動車が継続的に新型車を投入してきことに伴って多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、こうした店舗を「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2024年度実績)。ところで新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーに、独自戦略を展開する必要が生じている。
(2) 個人リース「P.O.P」
個人向けカーリースは、販売先がリース会社という新車の販売形態で、自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスである。個人リースで先行した同社は、「P.O.P」というブランドで1997年より販売を展開し、東京都で約4割という高いシェアを誇っている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」が特徴の「P.O.P」は、通常の新車買い替えサイクルが一般的に8〜9年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えるうえ、リピート率が9割以上に達するため、同社にとって非常に効率のよいビジネスとなっている。同時に、保有期間が通常の半分以下という良質な中古車を確保できるというメリットもある。こうした特徴から、現在、自動車販売会社のみならず様々な業種が個人リースに参入しつつある。消費者にとっても選択肢が広がり、市場が活性化することが期待されており、「P.O.P」にとっても追い風になっている。2023年4月には、中古車個人リース(新たな中古車の販売形態)にも着手した。
(3) 中古車事業
中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えの販売促進という側面もある。買取は、新車販売の際の下取りや店頭での買取に加え、日産自動車が運営する車買取・車査定の情報サイト「日産カウゾー」を通じて各販売店で中間マージンを排除した高価買取を行っている。販売は、厳しいサービスレベルをクリアした「クオリティショップ」が、日産自動車による認定中古車を取り扱っており、充実した保証やアフターサービスも提供している。オークションなどの販売ルートもあるが、収益性の高いエンドユーザー向け「小売販売」が主力である。
(4) 整備事業
整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各拠点を中心に事業展開しており、メンテナンス会員比率47%、グループで車検整備97,000台、点検整備120,000台、安心点検130,000台を誇っている(2024年3月期)。また、子会社の大規模総合自動車整備会社エヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループの整備を集中的に扱うセンター的な役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検については、日産東京販売のほか、車検専門店「車検館」でも扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に12店舗のネットワークを有し、全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員が確かな技術で検査することをセールスポイントにしている。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターと満足度が高く、業績は好調を続けている。
(5) その他の事業
このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸などを行っているが、こうした自動車販売周辺の事業へと多角化することで、グループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 事業内容
東京日産コンピュータシステムを売却したことで、同社は自動車関連事業の単一セグメントとなった。同事業は、電動車を主軸にカーライフに関するサービスをワンストップで提供しており、個人リースを含む新車、中古車、整備、収入手数料等、その他の事業に細分される。このうち新車事業が売上高の過半数を占めるが、売上利益は各事業でバランスが取れた収益構造になっており、新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを構築している。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。
(1) 新車事業
子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内に101ある店舗を通じて販売している。日産自動車が継続的に新型車を投入してきことに伴って多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、こうした店舗を「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2024年度実績)。ところで新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーに、独自戦略を展開する必要が生じている。
(2) 個人リース「P.O.P」
個人向けカーリースは、販売先がリース会社という新車の販売形態で、自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスである。個人リースで先行した同社は、「P.O.P」というブランドで1997年より販売を展開し、東京都で約4割という高いシェアを誇っている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」が特徴の「P.O.P」は、通常の新車買い替えサイクルが一般的に8〜9年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えるうえ、リピート率が9割以上に達するため、同社にとって非常に効率のよいビジネスとなっている。同時に、保有期間が通常の半分以下という良質な中古車を確保できるというメリットもある。こうした特徴から、現在、自動車販売会社のみならず様々な業種が個人リースに参入しつつある。消費者にとっても選択肢が広がり、市場が活性化することが期待されており、「P.O.P」にとっても追い風になっている。2023年4月には、中古車個人リース(新たな中古車の販売形態)にも着手した。
(3) 中古車事業
中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えの販売促進という側面もある。買取は、新車販売の際の下取りや店頭での買取に加え、日産自動車が運営する車買取・車査定の情報サイト「日産カウゾー」を通じて各販売店で中間マージンを排除した高価買取を行っている。販売は、厳しいサービスレベルをクリアした「クオリティショップ」が、日産自動車による認定中古車を取り扱っており、充実した保証やアフターサービスも提供している。オークションなどの販売ルートもあるが、収益性の高いエンドユーザー向け「小売販売」が主力である。
(4) 整備事業
整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各拠点を中心に事業展開しており、メンテナンス会員比率47%、グループで車検整備97,000台、点検整備120,000台、安心点検130,000台を誇っている(2024年3月期)。また、子会社の大規模総合自動車整備会社エヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループの整備を集中的に扱うセンター的な役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検については、日産東京販売のほか、車検専門店「車検館」でも扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に12店舗のネットワークを有し、全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員が確かな技術で検査することをセールスポイントにしている。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターと満足度が高く、業績は好調を続けている。
(5) その他の事業
このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸などを行っているが、こうした自動車販売周辺の事業へと多角化することで、グループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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