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CRI・MW Research Memo(6):エンタープライズ事業へのシフトをさらに進める
配信日時:2024/12/10 16:36
配信元:FISCO
*16:36JST CRI・MW Research Memo(6):エンタープライズ事業へのシフトをさらに進める
■CRI・ミドルウェア<3698>の業績動向
4. 2025年9月期の業績見通し
同社は2025年9月期の業績見通しについて、売上高3,360百万円(前期比6.1%増)、営業利益384百万円(同4.2%増)、経常利益394百万円(同2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円(同2.5%増)と着実な成長を見込んでいる。
日本経済は、海外経済が緩やかな成長を続けるなか、緩和的な金融環境などを背景に、所得増加から支出拡大への前向きな循環メカニズムが徐々に強まると見られている。また、企業収益は、内外需要が緩やかに増加していくなかで、改善傾向をたどると見られている。このような環境下、同社は引き続き、成長が見込める事業や市場を見据えた研究開発体制を整備し、事業基盤の拡大とグループシナジーの創出に注力していく考えである。また、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」の技術開発に継続的な投資を行うとともに、リアルタイム処理技術や動画・静止画に係る技術を集約した新製品の研究開発も推進する方針である。TeleXus関連以外の重点施策としては、中国や欧米など海外ゲーム市場のインフラを再構築して海外での事業展開を加速するほか、「CRI Glassco」や「CRI SOLIDAS」「CRI Clovis」といった新製品の拡販、クラウドソリューションの新製品立ち上げに向けた研究開発投資の開始などを推進する予定である。
セグメント別の業績見通しでは、ゲーム事業の売上高1,840百万円(前期比9.7%増)、エンタープライズ事業の売上高1,520百万円(同2.0%増)を見込んでいる。ゲーム事業からエンタープライズ事業へのシフトをさらに進めるが、各分野で過渡期となることに加え、エンタープライズ事業についてはやや保守的な前提となっているように思われる。
ゲーム事業の重点施策として、ミドルウェア/ツールでは新製品「CRI Clovis」の拡販に注力、ヤマハ<7951>の立体音響「Sound xR」とのアライアンス効果により「CRIWARE」の採用を増やしていく計画である。特に、推し活やコミュニティゲームが活性化するなかボイスチャットへのニーズが高まっていることを受け、「CRI TeleXus」の採用タイトルの増加に向け営業を強化する予定である。これにより、ミドルウェア/ツールの売上高1,460百万円(前期比15.1%増)を見込む。ミドルウェア/ツールのうち、海外は、中国市場・欧米市場ともに同社の映像ミドルウェアへのニーズが強く、ドアノック商材として前面に押し出して攻勢をかける方針である。また、直販力を磨くが、当面は複数の販売代理店と契約を締結し、中国と北米は直販と代理店、欧州は代理店中心の営業で再拡大を目指す。この結果、ミドルウェア/ツールのうち海外の売上高280百万円(同77.6%増)を見込む。音響制作は、中国現地法人を持つ地の利や現地コネクションを最大限に生かし、日本の声優需要が高い中国企業からの受注増加に注力する計画である。また、コロナ禍で中断していたイベントを再開することで、ツーファイブの知名度向上を目指す。これにより音響制作の売上高380百万円(同6.9%減)を見込む。
エンタープライズ事業の重点施策として、組込み分野は選択と集中を進め、遊技機の玉貸出機事業を終了して経営資源を成長分野にシフト、新製品「CRI SOLIDAS」の拡販やカラオケの業務分野の受注増を目指す。また、注力中の「CRI TeleXus」で非ゲーム向けも強化するが、既に様々な問い合わせを受けており、第3四半期には大型案件の契約を予定している。この結果、組込み分野は売上高800百万円(前期比7.4%増)を見込む。モビリティ分野では、音声製品「CRI ADX-AT」と高単価なグラフィック製品「CRI Glassco」が2024年9月期にともにソフトウェア投資を完了した。このため、「CRI ADX-AT」が利益回収期入りしてライセンス収入が伸び、遅れて「CRI Glassco」も回収期入りする見込みである。そのためにも、「CRI Glassco」の採用車種拡大を推進する計画である。これにより、モビリティ分野の売上高380百万円(同48.2%増)を見込む。クラウドソリューション分野では、受託していた複数の大型システム開発案件が一部完了したのを機に、売上高への影響は大きいが、受託業務の受注量を調整し、戦略的に許諾ビジネスへシフトしていく方針である。そのため、2026年9月期でのリリースを目指し、リアルタイム処理技術と動画・静止画に係る技術を集約した新製品の研究開発投資を開始する。このため、クラウドソリューション分野の売上高340百万円(同30.5%減)を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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4. 2025年9月期の業績見通し
同社は2025年9月期の業績見通しについて、売上高3,360百万円(前期比6.1%増)、営業利益384百万円(同4.2%増)、経常利益394百万円(同2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益312百万円(同2.5%増)と着実な成長を見込んでいる。
日本経済は、海外経済が緩やかな成長を続けるなか、緩和的な金融環境などを背景に、所得増加から支出拡大への前向きな循環メカニズムが徐々に強まると見られている。また、企業収益は、内外需要が緩やかに増加していくなかで、改善傾向をたどると見られている。このような環境下、同社は引き続き、成長が見込める事業や市場を見据えた研究開発体制を整備し、事業基盤の拡大とグループシナジーの創出に注力していく考えである。また、オンラインコミュニケーションミドルウェア「CRI TeleXus」の技術開発に継続的な投資を行うとともに、リアルタイム処理技術や動画・静止画に係る技術を集約した新製品の研究開発も推進する方針である。TeleXus関連以外の重点施策としては、中国や欧米など海外ゲーム市場のインフラを再構築して海外での事業展開を加速するほか、「CRI Glassco」や「CRI SOLIDAS」「CRI Clovis」といった新製品の拡販、クラウドソリューションの新製品立ち上げに向けた研究開発投資の開始などを推進する予定である。
セグメント別の業績見通しでは、ゲーム事業の売上高1,840百万円(前期比9.7%増)、エンタープライズ事業の売上高1,520百万円(同2.0%増)を見込んでいる。ゲーム事業からエンタープライズ事業へのシフトをさらに進めるが、各分野で過渡期となることに加え、エンタープライズ事業についてはやや保守的な前提となっているように思われる。
ゲーム事業の重点施策として、ミドルウェア/ツールでは新製品「CRI Clovis」の拡販に注力、ヤマハ<7951>の立体音響「Sound xR」とのアライアンス効果により「CRIWARE」の採用を増やしていく計画である。特に、推し活やコミュニティゲームが活性化するなかボイスチャットへのニーズが高まっていることを受け、「CRI TeleXus」の採用タイトルの増加に向け営業を強化する予定である。これにより、ミドルウェア/ツールの売上高1,460百万円(前期比15.1%増)を見込む。ミドルウェア/ツールのうち、海外は、中国市場・欧米市場ともに同社の映像ミドルウェアへのニーズが強く、ドアノック商材として前面に押し出して攻勢をかける方針である。また、直販力を磨くが、当面は複数の販売代理店と契約を締結し、中国と北米は直販と代理店、欧州は代理店中心の営業で再拡大を目指す。この結果、ミドルウェア/ツールのうち海外の売上高280百万円(同77.6%増)を見込む。音響制作は、中国現地法人を持つ地の利や現地コネクションを最大限に生かし、日本の声優需要が高い中国企業からの受注増加に注力する計画である。また、コロナ禍で中断していたイベントを再開することで、ツーファイブの知名度向上を目指す。これにより音響制作の売上高380百万円(同6.9%減)を見込む。
エンタープライズ事業の重点施策として、組込み分野は選択と集中を進め、遊技機の玉貸出機事業を終了して経営資源を成長分野にシフト、新製品「CRI SOLIDAS」の拡販やカラオケの業務分野の受注増を目指す。また、注力中の「CRI TeleXus」で非ゲーム向けも強化するが、既に様々な問い合わせを受けており、第3四半期には大型案件の契約を予定している。この結果、組込み分野は売上高800百万円(前期比7.4%増)を見込む。モビリティ分野では、音声製品「CRI ADX-AT」と高単価なグラフィック製品「CRI Glassco」が2024年9月期にともにソフトウェア投資を完了した。このため、「CRI ADX-AT」が利益回収期入りしてライセンス収入が伸び、遅れて「CRI Glassco」も回収期入りする見込みである。そのためにも、「CRI Glassco」の採用車種拡大を推進する計画である。これにより、モビリティ分野の売上高380百万円(同48.2%増)を見込む。クラウドソリューション分野では、受託していた複数の大型システム開発案件が一部完了したのを機に、売上高への影響は大きいが、受託業務の受注量を調整し、戦略的に許諾ビジネスへシフトしていく方針である。そのため、2026年9月期でのリリースを目指し、リアルタイム処理技術と動画・静止画に係る技術を集約した新製品の研究開発投資を開始する。このため、クラウドソリューション分野の売上高340百万円(同30.5%減)を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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