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GPIFの株式運用比率の引き上げへの思惑で買われる【クロージング】

配信日時:2024/12/02 16:40 配信元:FISCO
*16:40JST GPIFの株式運用比率の引き上げへの思惑で買われる【クロージング】 2日の日経平均は反発。304.99円高の38513.02円(出来高概算16億9000万株)で取引を終えた。前週末の米国市場で半導体関連株などが上昇した流れを映して、小幅ながら買いが先行して始まった。ただ、指数寄与度の大きいファーストリテ<9983>が一時5%近く下落したことが響き、日経平均は前場中盤にかけて37958.55円まで下落する場面もあった。後場に入ると、厚生労働省が2025年度から29年度まで5年間の公的年金運用目標を現行の1.7%から1.9%に引き上げる方針を示したため、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式運用比率引き上げへの思惑につながり、日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げ、節目の38500円を回復した。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、小売を除く32業種が上昇。保険、銀行、非鉄金属、証券商品先物の上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、TDK<6762>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、ファーストリテ、資生堂<4911>、ソフトバンクG<9984>が軟調だった。

前週末の米国市場は、短縮取引のなか、長期金利の低下などが支援材料となり、主要株価指数は上昇。なかでも、SOX指数が1.52%上昇と目立ったため、東京市場でも半導体関連株を中心に買い戻された。ただ、ファーストリテの柳井正会長が海外メディアとのインタビューで、「中国・新疆ウイグル自治区の綿を使っていない」と述べたと伝わり、中国などでの不買運動による懸念が高まったことが嫌気され、日経平均の重荷となった。早期利上げ観測から国内長期金利が上昇しているため、銀行や保険など金融株が堅調だった。

日経平均は反発したが、今週はISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、雇用統計など米経済指標にらみながらの動きとなるだろう。また、2日には米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事の講演も予定されている。12月の利下げ観測を後押しする結果になるのか、それとも利下げを停止するほどインフレが強まるのか確認したいところだ。


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