注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:GPIF運用目標議論、米パウエルFRB議長発言、米雇用統計
配信日時:2024/11/30 16:45
配信元:FISCO
*16:45JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:GPIF運用目標議論、米パウエルFRB議長発言、米雇用統計
■株式相場見通し
予想レンジ:上限39200円-下限37700円
29日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比188.59ドル高の44910.65ドル、ナスダックは同157.69ポイント高の19218.17で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比10円安の38160円で取引を終えた。為替市場では、植田和男日銀総裁の円安是正発言を受けて、12月利上げ観測が強まり、一時1ドル=149円40銭台まで円高ドル安が加速した。
今週末の日経平均は75日移動平均線(75MA:38207円)付近を意識した展開となり、終値はほぼ同じ水準となった。25日移動平均線(25MA)や200日移動平均線(200MA)は上に位置しており、75日移動平均線より下は目立ったサポートラインが存在しないことから、一般的なテクニカルではこの水準を割り込むと、「調整局面入りで下値模索に警戒」といった流れになる。ただ、今週は幾度も75日移動平均線を下回り37000円台に突入したが、終値では38000円を維持し続けるなど底堅い動きが見られた。輸出関連銘柄が総じて軟調でも、日銀による12月利上げ観測が強まったことから、メガバンクや地銀、保険など金融株が買われたことが一定の下支えとなった。
28日に「米国政府による対中半導体規制が従来よりも踏み込まない」と伝わったことで東京エレクトロン<8035>が買われ、NT倍率は一時14.33倍まで拡大したが、週末は時価総額が大きいメガバンクの上昇によってTOPIX優勢となり、14.2倍台まで縮小。12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合までは、利上げ観測を材料に金融株は買われやすい一方、円高進行が重しとなり輸出関連銘柄は弱く、綱引きの展開が続きそうだ。来週の日経平均も引き続き、38000円から75日移動平均線水準を中心帯とした狭いレンジ推移となろう。
29日の15時から衆参両院の本会議において、石破首相が所信表明演説を行った。所得税の納付が必要になる「年収103万円の壁」の引き上げに関しては、「2025年度税制改正で議論し引き上げる」と言明したほか、能動的サイバー防御法案の早期国会提出や、地方創生2.0スタート、防災に関する国際基準に基づいた整備などを述べた。既に22日に総合経済対策として伝わっている内容の範囲内で目新しい話は無かったため、改めて防災関連や地方創生関連、防衛関連などを物色する動きは手控えられよう。
景気のソフトランディング観測やトランプ次期政権の政策期待などが先行し、米国株の強さは世界でも際立っている。一方、東京市場は方向感に乏しい。来週から12月相場がスタートするが、国内では目立ったイベントも予定されていないことから、プライム市場の売買代金は4兆円前後にとどまり、日経平均の方向性は定まらないままと考える。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。日本銀行植田総裁は金融正常化を推進する方針を堅持し、金融政策決定に関してはその時点で入手できるデータで判断するとの考えを伝えている。直近発表の日本のインフレ関連指標などから、12月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げが決まる可能性がある。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げは今年12月が最後になる可能性があること、パウエルFRB議長はインフレ持続の可能性があるため、利下げを急がない方針のためドルは売りづらい。日米金利差の大幅な縮小は期待できないことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが一段と縮小する可能性は低いとみられる。
なお、米トランプ次期政権は中国とカナダ、メキシコに対する関税強化の方針を打ち出し、今後は欧州(特にドイツ)への対応も警戒される。こうした貿易面での衝突で世界経済の収縮が一段と懸念された場合、リスク回避の円買いがやや強まると予想される。一方、ウクライナとロシアの緊張は継続しており、ユーロ売り・米ドル買いが再び拡大した場合、米ドル・円の取引でも米ドル買いがやや強まる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
12月2日(月):法人企業統計(7-9月)、厚労省の審議会が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の次期運用目標など議論、米・サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)、米・ISM製造業景況指数(11月)、米・製造業PMI(11月)、中・財新製造業PMI(11月)など
12月3日(火):マネタリーベース(11月)、米・JOLT求人件数(10月)、豪・経常収支(7-9月)など
12月4日(水):サービス業PMI(11月)、総合PMI(11月)、米・パウエルFRB議長がニューヨーク・タイムズ(NYT)紙主催「ディールブック・サミット」の討論会で発言、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・ISM非製造業景況指数(11月)、米・ADP全米雇用報告(11月)、米・耐久財受注(10月)、中・財新サービス業PMI(11月)、中・財新総合PMI(11月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(10月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(11月)など
12月5日(木):中村日銀審議委員が広島県金融経済懇談会で講演・同記者会見、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(10月)、欧・ユーロ圏小売売上高(10月)、独・製造業受注(10月)、加・貿易収支(10月)、豪・貿易収支(10月)など
12月6日(金):毎月勤労統計-現金給与総額(10月)、景気一致指数(10月)、景気先行CI指数(10月)、米・非農業部門雇用者数(11月)、米・失業率(11月)、米・平均時給(11月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(12月)、など
12月7日(土):中・外貨準備高(11月)など
<YU>
予想レンジ:上限39200円-下限37700円
29日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比188.59ドル高の44910.65ドル、ナスダックは同157.69ポイント高の19218.17で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比10円安の38160円で取引を終えた。為替市場では、植田和男日銀総裁の円安是正発言を受けて、12月利上げ観測が強まり、一時1ドル=149円40銭台まで円高ドル安が加速した。
今週末の日経平均は75日移動平均線(75MA:38207円)付近を意識した展開となり、終値はほぼ同じ水準となった。25日移動平均線(25MA)や200日移動平均線(200MA)は上に位置しており、75日移動平均線より下は目立ったサポートラインが存在しないことから、一般的なテクニカルではこの水準を割り込むと、「調整局面入りで下値模索に警戒」といった流れになる。ただ、今週は幾度も75日移動平均線を下回り37000円台に突入したが、終値では38000円を維持し続けるなど底堅い動きが見られた。輸出関連銘柄が総じて軟調でも、日銀による12月利上げ観測が強まったことから、メガバンクや地銀、保険など金融株が買われたことが一定の下支えとなった。
28日に「米国政府による対中半導体規制が従来よりも踏み込まない」と伝わったことで東京エレクトロン<8035>が買われ、NT倍率は一時14.33倍まで拡大したが、週末は時価総額が大きいメガバンクの上昇によってTOPIX優勢となり、14.2倍台まで縮小。12月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合までは、利上げ観測を材料に金融株は買われやすい一方、円高進行が重しとなり輸出関連銘柄は弱く、綱引きの展開が続きそうだ。来週の日経平均も引き続き、38000円から75日移動平均線水準を中心帯とした狭いレンジ推移となろう。
29日の15時から衆参両院の本会議において、石破首相が所信表明演説を行った。所得税の納付が必要になる「年収103万円の壁」の引き上げに関しては、「2025年度税制改正で議論し引き上げる」と言明したほか、能動的サイバー防御法案の早期国会提出や、地方創生2.0スタート、防災に関する国際基準に基づいた整備などを述べた。既に22日に総合経済対策として伝わっている内容の範囲内で目新しい話は無かったため、改めて防災関連や地方創生関連、防衛関連などを物色する動きは手控えられよう。
景気のソフトランディング観測やトランプ次期政権の政策期待などが先行し、米国株の強さは世界でも際立っている。一方、東京市場は方向感に乏しい。来週から12月相場がスタートするが、国内では目立ったイベントも予定されていないことから、プライム市場の売買代金は4兆円前後にとどまり、日経平均の方向性は定まらないままと考える。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。日本銀行植田総裁は金融正常化を推進する方針を堅持し、金融政策決定に関してはその時点で入手できるデータで判断するとの考えを伝えている。直近発表の日本のインフレ関連指標などから、12月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げが決まる可能性がある。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げは今年12月が最後になる可能性があること、パウエルFRB議長はインフレ持続の可能性があるため、利下げを急がない方針のためドルは売りづらい。日米金利差の大幅な縮小は期待できないことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが一段と縮小する可能性は低いとみられる。
なお、米トランプ次期政権は中国とカナダ、メキシコに対する関税強化の方針を打ち出し、今後は欧州(特にドイツ)への対応も警戒される。こうした貿易面での衝突で世界経済の収縮が一段と懸念された場合、リスク回避の円買いがやや強まると予想される。一方、ウクライナとロシアの緊張は継続しており、ユーロ売り・米ドル買いが再び拡大した場合、米ドル・円の取引でも米ドル買いがやや強まる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
12月2日(月):法人企業統計(7-9月)、厚労省の審議会が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の次期運用目標など議論、米・サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)、米・ISM製造業景況指数(11月)、米・製造業PMI(11月)、中・財新製造業PMI(11月)など
12月3日(火):マネタリーベース(11月)、米・JOLT求人件数(10月)、豪・経常収支(7-9月)など
12月4日(水):サービス業PMI(11月)、総合PMI(11月)、米・パウエルFRB議長がニューヨーク・タイムズ(NYT)紙主催「ディールブック・サミット」の討論会で発言、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・ISM非製造業景況指数(11月)、米・ADP全米雇用報告(11月)、米・耐久財受注(10月)、中・財新サービス業PMI(11月)、中・財新総合PMI(11月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(10月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(11月)など
12月5日(木):中村日銀審議委員が広島県金融経済懇談会で講演・同記者会見、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・貿易収支(10月)、欧・ユーロ圏小売売上高(10月)、独・製造業受注(10月)、加・貿易収支(10月)、豪・貿易収支(10月)など
12月6日(金):毎月勤労統計-現金給与総額(10月)、景気一致指数(10月)、景気先行CI指数(10月)、米・非農業部門雇用者数(11月)、米・失業率(11月)、米・平均時給(11月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(12月)、など
12月7日(土):中・外貨準備高(11月)など
<YU>
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