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LeTech Research Memo(4):「LEGALAND」「LEGALAND+」の開発実績は累計123棟
配信日時:2024/11/26 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST LeTech Research Memo(4):「LEGALAND」「LEGALAND+」の開発実績は累計123棟
■LeTech<3497>の事業概要
1. 賃貸住宅・マンション市場の概況
東京23区の新築分譲マンションの平均価格は、2024年上半期は前年同期から低下してはいるものの、依然として1億円を超え、高値が続いている。供給戸数は2024年上半期が3千戸台と低かったものの、下半期は供給が増える予想である。東京及び大阪では賃貸住宅市場も堅調である。同社事業の主体となる都区部のマンションは、売却後に主に賃貸用として活用されるため、賃料や空室率がその価値に影響する。東京及び大阪のマンションの平均賃料は、過去5年間右肩上がりで推移している。これは需給がタイトに推移しているのに加え、建築費の高騰などの影響もあったと考えられる。空室率に関しては、両エリアにおいて低位安定で推移していると言えるだろう。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においてオフィスや商業不動産の空室率が上昇したのに対して、住宅においてはその影響がほぼ見られず、むしろ低下傾向にあった。東京や大阪は、そのほかの都市部と比較すると賃料が高く設定でき、空室率が低位安定という特長がある。同社では、特に高い賃料が期待できる東京都心、特に城南・城西エリアに集中して展開を行っている。
2. 不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業は、同社の主力事業である。様々なソースの物件情報から不動産を仕入れて、最適なバリューアップを実施し資産価値を高めたうえで、個人富裕層や資産保有目的の事業法人に対してニーズに即した物件を販売している。販売する収益不動産は、独自の営業ルートにより仕入れた物件を建物管理状態の改善やテナントの入れ替え、大規模修繕のほか、土地有効活用、住宅(マンション)開発、オフィス・ホテル・民泊マンションなどの商業開発、コンバージョン(既存の建物を全面的に改装して用途変更すること)、リノベーション(既存の建物に対して大規模な改装工事を行うことで建物を新築に近い状態に回復して価値を高めること)などによってバリューアップを図り、売却をしている。
同社の主力商品「LEGALAND」は、敷地面積30~200坪程度、総戸数10~35戸、狭小な敷地や地域特有の制限下でも開発可能な少人数世帯向け低層賃貸マンションである。外観・ディテールにこだわり、地下フロアの設置、エレベーターや梁・柱をなくすなど企画開発ノウハウを詰め込んだ設計構造が特徴である。富裕層の相続税対策ニーズに対応しており、販売単価約3~8億円、販売利回り約4~6%で、1棟販売をしている。城南エリアや城西エリアを中心とした東京都心に112棟、関西エリアに11棟、累計123棟(2024年7月末現在の開発中物件を含む)の開発実績があり、2024年7月期には18棟の開発用地を取得し今後も拡大を目指す。また、新ブランドとして「LEGALAND+」シリーズを展開している。大阪エリアでは既に2棟の開発実績があり、現在は大阪市都島区の「LEGALAND+高倉町(「猫」と暮らす層向け)」を開発中のほか、東京でも「LEGALAND+江古田(音楽・芸術大学生向け)」といったユニークなプロジェクトが進行中である。「LEGALAND」の良さは引き継ぎつつ、モダニズム建築の次の一手を担うべく、個性豊かな企画やIoTを含めた様々なプラスワンを取り込むことをコンセプトとしている。
不動産ソリューション事業の業績は、セグメント業績を開示し始めた2017年7月期から2020年7月期まで右肩上がりで推移してきた。2021年7月期からはコロナ禍によるマイナス影響が出始め、2022年7月期にもインバウンド向け大型開発案件の処分により大幅な損失を余儀なくされた。本来はセグメント利益率で10%前後を維持する収益性の高い事業である。2023年7月期の利益率は11.6%、2024年7月期は15.1%と回復し、財務健全化、順調な仕入れなど事業サイクルが正常化している。
3. 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、同社保有の収益不動産や、販売に至るまでの所有不動産からの賃貸収入の確保を収益としている。ソリューション力を生かした効率の良い運用、情報力を生かした仕入れによる良質な資産、不動産開発のノウハウを駆使した幅広い用途への投資などが同社の強みである。保有物件の種別ポートフォリオは、住居用マンションを主体に、事務所ビルやホテル、民泊マンションなどがある。近年は戦略的に売却を積極化しているため、保有数は減少している。
プロパティマネジメント事業とファシリティマネジメント事業も行っている。プロパティマネジメント事業では、2021年7月期より同分野の拡充を目指し、専門部門を立ち上げ、順調に管理受託件数を伸ばしてきた。ファシリティマネジメント事業では、物件の退去時の立会いや原状回復工事、リノベーション工事、補修工事などを行っている。これらの事業によって、開発物件を「売却して終了」ではなく、継続的な管理収入を獲得し「循環型事業」の構築に継続して取り組む計画である。
不動産賃貸事業の業績は、セグメント業績を開示し始めた2017年7月期から2019年7月期まで堅調に推移してきたが、コロナ禍に入ってからは保有不動産を売却し財務体質を強化する戦略に転換している。そのため、売上高、セグメント利益ともに減少してきたが、2023年7月期以降はインバウンド需要が回復傾向にあり関西のホテル、民泊マンションが好調に推移し下げ止まり傾向である。
4. その他事業
その他事業は、不動産仲介事業及び国内外の富裕層ニーズに応えるウェルスマネジメント事業を行っている。法人・個人にかかわらず、顧客のニーズに合った不動産売買の仲介を主な対象としている。同社は祖業として、弁護士からの民事訴訟案件や金融機関等からのローン延滞案件に対して、任意売却の仲介及びコンサルティング等、課題解決法を提案するコンサルティング事業を営んでいた。現在では、法的案件整理以外でも同社が培った不動産コンサルティングのノウハウや情報網を生かして不動産仲介を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 賃貸住宅・マンション市場の概況
東京23区の新築分譲マンションの平均価格は、2024年上半期は前年同期から低下してはいるものの、依然として1億円を超え、高値が続いている。供給戸数は2024年上半期が3千戸台と低かったものの、下半期は供給が増える予想である。東京及び大阪では賃貸住宅市場も堅調である。同社事業の主体となる都区部のマンションは、売却後に主に賃貸用として活用されるため、賃料や空室率がその価値に影響する。東京及び大阪のマンションの平均賃料は、過去5年間右肩上がりで推移している。これは需給がタイトに推移しているのに加え、建築費の高騰などの影響もあったと考えられる。空室率に関しては、両エリアにおいて低位安定で推移していると言えるだろう。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)においてオフィスや商業不動産の空室率が上昇したのに対して、住宅においてはその影響がほぼ見られず、むしろ低下傾向にあった。東京や大阪は、そのほかの都市部と比較すると賃料が高く設定でき、空室率が低位安定という特長がある。同社では、特に高い賃料が期待できる東京都心、特に城南・城西エリアに集中して展開を行っている。
2. 不動産ソリューション事業
不動産ソリューション事業は、同社の主力事業である。様々なソースの物件情報から不動産を仕入れて、最適なバリューアップを実施し資産価値を高めたうえで、個人富裕層や資産保有目的の事業法人に対してニーズに即した物件を販売している。販売する収益不動産は、独自の営業ルートにより仕入れた物件を建物管理状態の改善やテナントの入れ替え、大規模修繕のほか、土地有効活用、住宅(マンション)開発、オフィス・ホテル・民泊マンションなどの商業開発、コンバージョン(既存の建物を全面的に改装して用途変更すること)、リノベーション(既存の建物に対して大規模な改装工事を行うことで建物を新築に近い状態に回復して価値を高めること)などによってバリューアップを図り、売却をしている。
同社の主力商品「LEGALAND」は、敷地面積30~200坪程度、総戸数10~35戸、狭小な敷地や地域特有の制限下でも開発可能な少人数世帯向け低層賃貸マンションである。外観・ディテールにこだわり、地下フロアの設置、エレベーターや梁・柱をなくすなど企画開発ノウハウを詰め込んだ設計構造が特徴である。富裕層の相続税対策ニーズに対応しており、販売単価約3~8億円、販売利回り約4~6%で、1棟販売をしている。城南エリアや城西エリアを中心とした東京都心に112棟、関西エリアに11棟、累計123棟(2024年7月末現在の開発中物件を含む)の開発実績があり、2024年7月期には18棟の開発用地を取得し今後も拡大を目指す。また、新ブランドとして「LEGALAND+」シリーズを展開している。大阪エリアでは既に2棟の開発実績があり、現在は大阪市都島区の「LEGALAND+高倉町(「猫」と暮らす層向け)」を開発中のほか、東京でも「LEGALAND+江古田(音楽・芸術大学生向け)」といったユニークなプロジェクトが進行中である。「LEGALAND」の良さは引き継ぎつつ、モダニズム建築の次の一手を担うべく、個性豊かな企画やIoTを含めた様々なプラスワンを取り込むことをコンセプトとしている。
不動産ソリューション事業の業績は、セグメント業績を開示し始めた2017年7月期から2020年7月期まで右肩上がりで推移してきた。2021年7月期からはコロナ禍によるマイナス影響が出始め、2022年7月期にもインバウンド向け大型開発案件の処分により大幅な損失を余儀なくされた。本来はセグメント利益率で10%前後を維持する収益性の高い事業である。2023年7月期の利益率は11.6%、2024年7月期は15.1%と回復し、財務健全化、順調な仕入れなど事業サイクルが正常化している。
3. 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、同社保有の収益不動産や、販売に至るまでの所有不動産からの賃貸収入の確保を収益としている。ソリューション力を生かした効率の良い運用、情報力を生かした仕入れによる良質な資産、不動産開発のノウハウを駆使した幅広い用途への投資などが同社の強みである。保有物件の種別ポートフォリオは、住居用マンションを主体に、事務所ビルやホテル、民泊マンションなどがある。近年は戦略的に売却を積極化しているため、保有数は減少している。
プロパティマネジメント事業とファシリティマネジメント事業も行っている。プロパティマネジメント事業では、2021年7月期より同分野の拡充を目指し、専門部門を立ち上げ、順調に管理受託件数を伸ばしてきた。ファシリティマネジメント事業では、物件の退去時の立会いや原状回復工事、リノベーション工事、補修工事などを行っている。これらの事業によって、開発物件を「売却して終了」ではなく、継続的な管理収入を獲得し「循環型事業」の構築に継続して取り組む計画である。
不動産賃貸事業の業績は、セグメント業績を開示し始めた2017年7月期から2019年7月期まで堅調に推移してきたが、コロナ禍に入ってからは保有不動産を売却し財務体質を強化する戦略に転換している。そのため、売上高、セグメント利益ともに減少してきたが、2023年7月期以降はインバウンド需要が回復傾向にあり関西のホテル、民泊マンションが好調に推移し下げ止まり傾向である。
4. その他事業
その他事業は、不動産仲介事業及び国内外の富裕層ニーズに応えるウェルスマネジメント事業を行っている。法人・個人にかかわらず、顧客のニーズに合った不動産売買の仲介を主な対象としている。同社は祖業として、弁護士からの民事訴訟案件や金融機関等からのローン延滞案件に対して、任意売却の仲介及びコンサルティング等、課題解決法を提案するコンサルティング事業を営んでいた。現在では、法的案件整理以外でも同社が培った不動産コンサルティングのノウハウや情報網を生かして不動産仲介を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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