注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:植田日銀総裁講演、G20首脳会議、米エヌビディア決算発表
配信日時:2024/11/16 17:17
配信元:FISCO
*17:17JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:植田日銀総裁講演、G20首脳会議、米エヌビディア決算発表
■株式相場見通し
予想レンジ:上限39200円-下限37900円
トランプ次期政権の掲げる経済政策によってインフレ再燃懸念が高まり、週末の米10年債利回りは一時6月上旬以来の4.5%台まで上昇した。日本の10年債利回りも今年最も高い水準である1.07%まで上昇しているが、米金利の急ピッチな上昇に伴う日米金利差拡大を背景とした円安ドル高の流れは強い。15日に加藤勝信財務大臣が口先介入を行ったが、「投機的な動きを含めて極めて高い緊張感をもって為替を注視」「行き過ぎた動きには適切な対応をとる」と軽い口先介入にとどめたことから、政府・日本銀行による為替介入への警戒感はさほど高まっていない。トランプ次期政権の財務長官がまだ決まっていないことや、18日から開催されるG20 (主要20カ国・地域首脳会議)開催を前に、政府・日銀は積極的な為替対応がとりにくい様子だ。ドル独歩高の状況だが、日本政府の対応を見越した投機筋による円売りポジション構築も積み上がっていると考える。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演において「米経済は強く、速やかな利下げの必要性がない」との考えを示していることから、為替市場では7月11日以来の1ドル160円台を意識した展開を指摘する声も出始めている。週末の海外時間では1ドル154円台と円安ドル高は一服したが、G20のイベント通過後も円安ドル高の流れが継続すれば、日本の政府要人による口先介入が一気に強まる可能性はある。株式市場への影響は限定的かもしれないが、為替動向の急変には気を付けたい。
15日の米国市場では、ダウ平均は前日比305.87ドル安の43444.99ドル、ナスダックは同427.53ポイント安の18680.12で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比630円安の38040円で取引を終えた。ハイテク株の大幅安を受けて、週明けの日経平均は38000円の攻防となりそうだ。足下のサポートラインだった200日移動平均線(200MA)を割り込むことになるが、早い段階でこの水準を回復できなければ心理的な重しとなりそうだ。今週の日経平均は、4日連続で陰線を残すなど上値の重さが目立つ。後場の上値の重さは、トランプ次期政権での貿易摩擦を懸念した欧州経由の売りが原因と思われる。トランプトレードによってビットコインなど暗号資産は急騰しており、暗号資産関連銘柄を物色する動きは強まったが、大型株への資金流入は限定的だ。
来週は、決算発表が一巡したことで証券会社のアナリストレポートを材料視する展開となりそうだが、足下の上値の重さを見る限り、腰が据わった長期投資資金の流入は期待しにくい。日経平均の方向性は引き続き定まりにくく、短期資金の流出入中心となり、プライム市場の売買代金は徐々に減少すると推測する。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米インフレ再加速の可能性が浮上していること、トランプ次期政権への政策期待で、リスク選好的なドル買いがただちに縮小する状況ではないが、日本政府による為替介入が引き続き警戒され、米ドル買い・円売りはある程度抑制されそうだ。
11月13日に発表された米国の10月消費者物価指数(CPI)と14日の10月生産者物価指数(PPI)はいずれも前回を上回り、インフレ再加速の可能性が示された。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を伝えている。12月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの追加利下げが決まる可能性があるが、来年1月開催の次回会合では政策金利は据え置きとなる可能性が高い。追加緩和観測は一段と後退し、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。一方、11月22日発表の日本の10月消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想と一致、または下回った場合、日本銀行が12月に追加利上げを決定する可能性は低下する。
ただ、米ドル・円が1ドル=160円に再接近した場合、日本政府は一段の円安を阻止するための為替介入(ドル売り・円買い)に踏み切るとの見方は残されており、日本の通貨当局や政府要人の円安牽制的な発言に対して市場は敏感に反応し、ドル買い・円売りは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月18日(月):G20首脳会議、コア機械受注(9月)、米・対米証券投資(9月)、欧・ユーロ圏貿易収支(9月)など
11月19日(火):石破首相がG20終了後に内外記者会見、米・住宅着工件数(10月)、米・住宅建設許可件数(10月)、欧・ユーロ圏CPI(10月)、欧・ユーロ圏経常収支(9月)、加・消費者物価指数(10月)など
11月20日(水):貿易収支(10月)、工作機械受注(10月)、訪日外客数(10月)、米エヌビディア決算発表、中・1年物・5年物ローンプライムレート(LPR)、英・消費者物価コア指数(10月)、英・生産者物価産出指数(10月)など
11月21日(木):植田日銀総裁が講演・質疑応答、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・中古住宅販売件数(10月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(11月)、米・景気先行指数(10月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、中・SWIFTグローバル支払いCNY(10月)など
11月22日(金):消費者物価コア指数(10月)、製造業PMI(11月)、サービス業PMI(11月)、総合PMI(11月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(11月)、米・製造業PMI(11月)、米・サービス業PMI(11月)、米・総合PMI(11月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(11月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(11月)、独・GDP改定値(7-9月)、独・製造業PMI(11月)、独・サービス業PMI(11月)、英・小売売上高指数(10月)、英・製造業PMI(11月)、英・サービス業PMI(11月)、加・小売売上高(9月)など
<YU>
予想レンジ:上限39200円-下限37900円
トランプ次期政権の掲げる経済政策によってインフレ再燃懸念が高まり、週末の米10年債利回りは一時6月上旬以来の4.5%台まで上昇した。日本の10年債利回りも今年最も高い水準である1.07%まで上昇しているが、米金利の急ピッチな上昇に伴う日米金利差拡大を背景とした円安ドル高の流れは強い。15日に加藤勝信財務大臣が口先介入を行ったが、「投機的な動きを含めて極めて高い緊張感をもって為替を注視」「行き過ぎた動きには適切な対応をとる」と軽い口先介入にとどめたことから、政府・日本銀行による為替介入への警戒感はさほど高まっていない。トランプ次期政権の財務長官がまだ決まっていないことや、18日から開催されるG20 (主要20カ国・地域首脳会議)開催を前に、政府・日銀は積極的な為替対応がとりにくい様子だ。ドル独歩高の状況だが、日本政府の対応を見越した投機筋による円売りポジション構築も積み上がっていると考える。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演において「米経済は強く、速やかな利下げの必要性がない」との考えを示していることから、為替市場では7月11日以来の1ドル160円台を意識した展開を指摘する声も出始めている。週末の海外時間では1ドル154円台と円安ドル高は一服したが、G20のイベント通過後も円安ドル高の流れが継続すれば、日本の政府要人による口先介入が一気に強まる可能性はある。株式市場への影響は限定的かもしれないが、為替動向の急変には気を付けたい。
15日の米国市場では、ダウ平均は前日比305.87ドル安の43444.99ドル、ナスダックは同427.53ポイント安の18680.12で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比630円安の38040円で取引を終えた。ハイテク株の大幅安を受けて、週明けの日経平均は38000円の攻防となりそうだ。足下のサポートラインだった200日移動平均線(200MA)を割り込むことになるが、早い段階でこの水準を回復できなければ心理的な重しとなりそうだ。今週の日経平均は、4日連続で陰線を残すなど上値の重さが目立つ。後場の上値の重さは、トランプ次期政権での貿易摩擦を懸念した欧州経由の売りが原因と思われる。トランプトレードによってビットコインなど暗号資産は急騰しており、暗号資産関連銘柄を物色する動きは強まったが、大型株への資金流入は限定的だ。
来週は、決算発表が一巡したことで証券会社のアナリストレポートを材料視する展開となりそうだが、足下の上値の重さを見る限り、腰が据わった長期投資資金の流入は期待しにくい。日経平均の方向性は引き続き定まりにくく、短期資金の流出入中心となり、プライム市場の売買代金は徐々に減少すると推測する。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米インフレ再加速の可能性が浮上していること、トランプ次期政権への政策期待で、リスク選好的なドル買いがただちに縮小する状況ではないが、日本政府による為替介入が引き続き警戒され、米ドル買い・円売りはある程度抑制されそうだ。
11月13日に発表された米国の10月消費者物価指数(CPI)と14日の10月生産者物価指数(PPI)はいずれも前回を上回り、インフレ再加速の可能性が示された。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は「経済は、利下げを急ぐ必要性についていかなるシグナルも発していない」との見解を伝えている。12月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの追加利下げが決まる可能性があるが、来年1月開催の次回会合では政策金利は据え置きとなる可能性が高い。追加緩和観測は一段と後退し、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。一方、11月22日発表の日本の10月消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想と一致、または下回った場合、日本銀行が12月に追加利上げを決定する可能性は低下する。
ただ、米ドル・円が1ドル=160円に再接近した場合、日本政府は一段の円安を阻止するための為替介入(ドル売り・円買い)に踏み切るとの見方は残されており、日本の通貨当局や政府要人の円安牽制的な発言に対して市場は敏感に反応し、ドル買い・円売りは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月18日(月):G20首脳会議、コア機械受注(9月)、米・対米証券投資(9月)、欧・ユーロ圏貿易収支(9月)など
11月19日(火):石破首相がG20終了後に内外記者会見、米・住宅着工件数(10月)、米・住宅建設許可件数(10月)、欧・ユーロ圏CPI(10月)、欧・ユーロ圏経常収支(9月)、加・消費者物価指数(10月)など
11月20日(水):貿易収支(10月)、工作機械受注(10月)、訪日外客数(10月)、米エヌビディア決算発表、中・1年物・5年物ローンプライムレート(LPR)、英・消費者物価コア指数(10月)、英・生産者物価産出指数(10月)など
11月21日(木):植田日銀総裁が講演・質疑応答、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・中古住宅販売件数(10月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(11月)、米・景気先行指数(10月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、中・SWIFTグローバル支払いCNY(10月)など
11月22日(金):消費者物価コア指数(10月)、製造業PMI(11月)、サービス業PMI(11月)、総合PMI(11月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(11月)、米・製造業PMI(11月)、米・サービス業PMI(11月)、米・総合PMI(11月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(11月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(11月)、独・GDP改定値(7-9月)、独・製造業PMI(11月)、独・サービス業PMI(11月)、英・小売売上高指数(10月)、英・製造業PMI(11月)、英・サービス業PMI(11月)、加・小売売上高(9月)など
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