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フルテック Research Memo(2):自動ドアの総管理台数は31万台超、保守契約台数も9万台超(1)

配信日時:2024/10/08 16:12 配信元:FISCO
*16:12JST フルテック Research Memo(2):自動ドアの総管理台数は31万台超、保守契約台数も9万台超(1) ■会社概要

1. 会社概要
フルテック<6546>は、事業セグメントとして自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスなどを行う「自動ドア関連事業」、ステンレス建具の製造・建築金物の制作・販売などの「建具関連事業」のほか、「その他事業」として駐輪システム、分煙システムの販売、セキュリティボックスなどの制御システムの企画・開発・製造事業を展開する。ステンレスサッシなどの建具を製造する連結子会社のアートテックス(株)、セキュリティ関連システムの企画・開発・設計・製造を行う連結子会社の(株)ワイズ・コーポレーションの2社とグループを構成する。札幌に本社を構え、東日本・九州に販売・サービス網38支店・営業所を展開し、全国規模で営業する。

同社は自動ドアの据付台数において、北海道で58%、東北地区で42%とトップシェアを占めている。しかし、関東地区でシェア15%、九州を除く西日本は未進出エリアであり、今後、これら地域での成長が期待できる。他社を含めた業界全体の全国の据付台数の地域別構成比は、関東地区が37%と最も高く、大型のオフィスビル・マンション・商業施設・公共施設などの建設が多い関東・中部・関西・九州地区で過半を占める。同社は大型のオフィスビル、商業ビルには一度に数十台、全国に展開するビル・商業施設のグループ単位になると累計で数百台規模の自動ドアを納入している。

同社は、自動ドア開閉装置(エンジン)※とサッシ(枠・框)などの建具をジョイントし、一つのユニットとして自動ドアを販売・施工しているが、自動ドア開閉装置を持たないサッシメーカーからの受注、リニューアルによるパーツ取替など、個別部材のみの販売も行っている。同社は、営業から設計、建具の製造、施工、保守サービスや、それを支える技術管理・商品開発・仕入まで社内一貫体制を整備している。顧客の様々な要望やエントランスの様々な形態に沿った商品が提供できるワンストップ営業が最大の強みだ。グループ会社のアートテックスは札幌、盛岡にステンレス建具の製造工場を持ち、顧客の様々な要望に応えることが可能だ。商品開発は一部外部と共同開発を行っているが、内製化を進めるために、2024年1月にワイズ・コーポレーションを子会社化した。

※ 自動ドア開閉装置とは、ドアを開閉させるためのモーターやコントローラー(制御装置)などから構成される駆動装置(自動ドアエンジン)であり、通行者を感知するセンサーも含む。センサー以外は、通常サッシ(建具)に内蔵されている。

同社が据え付け、現在稼働している自動ドアの総管理台数は2024年12月期第2四半期末で312,495台(前期末比1.4%増)にのぼり、毎期新規受注に伴って純増している。そのうち保守サービスを契約している台数は91,405台と約3割を占める。また、同社の据え付けた自動ドアの老朽化などに伴う取替台数も増加しており、2023年12月期では6,279台と前期比で8.7%増加している。オフィスビルや商業施設など人の出入りの多い自動ドアは開閉回数が非常に多いため、数年単位で取替サイクルが訪れるケースもあるようだ。

2024年12月期第2四半期の売上高構成比は、自動ドア関連事業が全体の59.8%を、建具関連事業が34.0%、その他事業が6.2%を占める。自動ドア関連事業の売上高は、新規受注の「新規」、保守・修理の「メンテナンス」、取替受注の「リニューアル」の部門別に区分されている。新規の顧客はゼネコンやサッシメーカーなどだが、メンテナンスやリニューアルの顧客は施主やビル管理会社といったエンドユーザーになる。メンテナンスは同社が据え付けた自動ドアが対象となる。新規の売上高は全体の12.3%を占め、メンテナンス売上高は29.0%、リニューアル売上高は18.5%を占める。メンテナンス売上高の過半は年間の定額保守契約料でありストック型売上である。新規自動ドアの3割程度は保守契約が伴うため、新規受注に伴い確実に売上が積み上がる。解約も一部発生するが、過去60年間保守契約台数が前期を下回ったことはないという。加えて、総管理台数から保守契約台数を引いた約22万台が、保守契約の締結が見込める潜在的なストック市場となっている。

また、リニューアルも、同社の総管理自動ドア台数の増加に伴って積み上がるストック市場だ。新規受注を増やしながら、ストック市場を創出・拡大する同社のビジネスモデルは、同社の持続的な成長を可能とするであろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

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