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三和HD Research Memo(1):「中期経営計画2024」の目標達成に向けて順調に推移
配信日時:2024/06/17 15:31
配信元:FISCO
*15:31JST 三和HD Research Memo(1):「中期経営計画2024」の目標達成に向けて順調に推移
■要約
三和ホールディングス<5929>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、シャッター、ドアの分野でグローバルに事業展開している。日本では、鋼製シャッター、スチールドアなどで市場シェアトップを誇る。早くから海外進出を果たし、欧米ではM&Aを活用して業容を拡大してきたが、アジアでも事業基盤の確立による収益貢献の拡大を急ぐ。さらなる発展を目指して、中期経営計画2024の目標達成に向けて邁進している。
1. 2024年3月期決算は、修正予想を上回り、過去最高を記録
2024年3月期決算は、売上高611,107百万円(前期比3.9%増)、営業利益65,360百万円(同16.1%増)、経常利益64,903百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益43,228百万円(同30.7%増)の増収増益決算となった。売上高・利益ともに修正予想を上回り、過去最高を記録した。売上高は、欧米は数量減により現地通貨ベースでは減収となったが、日本は数量増と売価転嫁により、またアジアは新規連結効果により増収を確保した。営業利益では、欧米は市場環境の悪化による数量減の影響を受けた。販売価格は米州で下落に転じたが、日本と欧州では上昇となった。世界的なインフレによりコストアップとなったものの、米州でのコストダウン効果が利益に貢献した。この結果、営業利益率は10.7%(同1.1ポイント上昇)であった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が大きいのは、特別損益の改善による。以上から、自己資本比率は57.7%、ROEは16.5%と、2023年3月期の東証プライム市場上場の全産業平均の自己資本比率31.8%、ROE9.2%を大きく上回る高い安全性と収益性を確保している。また、2023年3月期より、配当性向の目安を従来の35.0%から40.0%に引き上げたことから、好業績に伴い年間配当金を78.0円(同20.0円増)と大幅増配を実施し、株主・投資家重視の経営姿勢を示していることは評価できる。
2. 2025年3月期は、減益予想ながら中計目標を超える利益を見込む
2025年3月期については、売上高625,000百万円(前期比2.3%増)、営業利益62,500百万円(同4.4%減)、経常利益62,000百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益42,500百万円(同1.7%減)と、増収減益を予想する。売上高では、日本は数量増と売価転嫁により増収予想で、米州も販売価格の下落を折り込むが数量増により増収を見込む。欧州はさらなる市場の縮小を販売施策で補い、前年並みを維持する見込みである。営業利益では、日本と米州で数量増の効果を見込む。日本では引き続き売価転嫁に努めるが、米州では販売価格下落インパクトが大きい。各セクターでコストアップとなる見込みだが、米州ではコスト削減策に努める計画だ。この結果、営業利益率は10.0%(同0.7ポイント低下)の見込みである。親会社株主に帰属する当期純利益の減益率が小さいのは、前期より特別損失が大きく減少する予想のためである。以上のとおり減益予想ながら、年間配当金については前期と同額の78.0円を予定し、安定配当を維持する方針だ。また、成長のために必要な戦略的投資を行い、手元資金を考慮しつつ自社株取得を検討するスタンスに変わりはない。ただ、期初の業績予想は例年どおり慎重な予想であり、想定以上の事業環境の悪化がなければ、超過達成する可能性が高いと弊社では考える。
3.「中期経営計画2024」も順調に進捗
2023年3月期から取り組んでいる長期ビジョン「三和グローバルビジョン2030」では、“高機能開口部のグローバルリーダーへ”を掲げ、「中期経営計画2024」(2023年3月期~2025年3月期)では、(1) 日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大、(2) アジア事業の成長力強化、(3) 防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進、(4) デジタル化とものづくり革新による生産性向上、(5) サステナビリティ経営の推進、などを基本戦略とする。数値目標としては売上高5,800億円(年平均成長率7.3%)、営業利益450億円(同8.2%)、ROE13.5%(2022年同期比1.5ポイント増)などの計画である。定量目標は2024年3月期実績、2025年3月期予想ともに最終年度の目標利益を上回る順調な推移である。同社では引き続き定性目標の達成に向けて注力する計画であり、最終年度の進捗に期待したい。
■Key Points
・シャッター、ドアのトップメーカーで、早くから海外展開にも積極的
・2024年3月期決算は、増収増益で過去最高を記録。グループ中核の日本が増益を確保し、海外では米州、アジアで大幅増益に。高い安全性と収益性を維持。配当性向の目安40.0%に従って大幅増配を実施し、株主・投資家重視の姿勢を示す
・2025年3月期は、減益を予想するものの、中計目標を超える利益を見込む。前期と同額の配当を予定
・長期ビジョンと中期経営計画2024を推進中。5つの基本戦略の推進により順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<AS>
三和ホールディングス<5929>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場し、シャッター、ドアの分野でグローバルに事業展開している。日本では、鋼製シャッター、スチールドアなどで市場シェアトップを誇る。早くから海外進出を果たし、欧米ではM&Aを活用して業容を拡大してきたが、アジアでも事業基盤の確立による収益貢献の拡大を急ぐ。さらなる発展を目指して、中期経営計画2024の目標達成に向けて邁進している。
1. 2024年3月期決算は、修正予想を上回り、過去最高を記録
2024年3月期決算は、売上高611,107百万円(前期比3.9%増)、営業利益65,360百万円(同16.1%増)、経常利益64,903百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益43,228百万円(同30.7%増)の増収増益決算となった。売上高・利益ともに修正予想を上回り、過去最高を記録した。売上高は、欧米は数量減により現地通貨ベースでは減収となったが、日本は数量増と売価転嫁により、またアジアは新規連結効果により増収を確保した。営業利益では、欧米は市場環境の悪化による数量減の影響を受けた。販売価格は米州で下落に転じたが、日本と欧州では上昇となった。世界的なインフレによりコストアップとなったものの、米州でのコストダウン効果が利益に貢献した。この結果、営業利益率は10.7%(同1.1ポイント上昇)であった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が大きいのは、特別損益の改善による。以上から、自己資本比率は57.7%、ROEは16.5%と、2023年3月期の東証プライム市場上場の全産業平均の自己資本比率31.8%、ROE9.2%を大きく上回る高い安全性と収益性を確保している。また、2023年3月期より、配当性向の目安を従来の35.0%から40.0%に引き上げたことから、好業績に伴い年間配当金を78.0円(同20.0円増)と大幅増配を実施し、株主・投資家重視の経営姿勢を示していることは評価できる。
2. 2025年3月期は、減益予想ながら中計目標を超える利益を見込む
2025年3月期については、売上高625,000百万円(前期比2.3%増)、営業利益62,500百万円(同4.4%減)、経常利益62,000百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益42,500百万円(同1.7%減)と、増収減益を予想する。売上高では、日本は数量増と売価転嫁により増収予想で、米州も販売価格の下落を折り込むが数量増により増収を見込む。欧州はさらなる市場の縮小を販売施策で補い、前年並みを維持する見込みである。営業利益では、日本と米州で数量増の効果を見込む。日本では引き続き売価転嫁に努めるが、米州では販売価格下落インパクトが大きい。各セクターでコストアップとなる見込みだが、米州ではコスト削減策に努める計画だ。この結果、営業利益率は10.0%(同0.7ポイント低下)の見込みである。親会社株主に帰属する当期純利益の減益率が小さいのは、前期より特別損失が大きく減少する予想のためである。以上のとおり減益予想ながら、年間配当金については前期と同額の78.0円を予定し、安定配当を維持する方針だ。また、成長のために必要な戦略的投資を行い、手元資金を考慮しつつ自社株取得を検討するスタンスに変わりはない。ただ、期初の業績予想は例年どおり慎重な予想であり、想定以上の事業環境の悪化がなければ、超過達成する可能性が高いと弊社では考える。
3.「中期経営計画2024」も順調に進捗
2023年3月期から取り組んでいる長期ビジョン「三和グローバルビジョン2030」では、“高機能開口部のグローバルリーダーへ”を掲げ、「中期経営計画2024」(2023年3月期~2025年3月期)では、(1) 日・米・欧のコア事業(シャッター・ドア、サービス)の強化、領域拡大、(2) アジア事業の成長力強化、(3) 防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化推進、(4) デジタル化とものづくり革新による生産性向上、(5) サステナビリティ経営の推進、などを基本戦略とする。数値目標としては売上高5,800億円(年平均成長率7.3%)、営業利益450億円(同8.2%)、ROE13.5%(2022年同期比1.5ポイント増)などの計画である。定量目標は2024年3月期実績、2025年3月期予想ともに最終年度の目標利益を上回る順調な推移である。同社では引き続き定性目標の達成に向けて注力する計画であり、最終年度の進捗に期待したい。
■Key Points
・シャッター、ドアのトップメーカーで、早くから海外展開にも積極的
・2024年3月期決算は、増収増益で過去最高を記録。グループ中核の日本が増益を確保し、海外では米州、アジアで大幅増益に。高い安全性と収益性を維持。配当性向の目安40.0%に従って大幅増配を実施し、株主・投資家重視の姿勢を示す
・2025年3月期は、減益を予想するものの、中計目標を超える利益を見込む。前期と同額の配当を予定
・長期ビジョンと中期経営計画2024を推進中。5つの基本戦略の推進により順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<AS>
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