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アートネイチャ Research Memo(2):トップポジションを誇る日本初の総合毛髪企業
配信日時:2024/06/17 13:42
配信元:FISCO
*13:42JST アートネイチャ Research Memo(2):トップポジションを誇る日本初の総合毛髪企業
■会社概要
1. 会社概要
アートネイチャー<7823>は、男性向け・女性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を主力とした、日本初の総合毛髪企業である。毛髪業界ではトップポジションを誇り、「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、トータル・ヘアコンサルタントとして、顧客により美しく輝きのあるライフスタイルを提案していくことを使命としている。オーダーメイドウィッグは、店舗で3D型取りシステムを用いて顧客頭部の形状を型取りし、作成したデータをもとに海外の自社工場においてハンドメイドで製造される。毛髪に関する顧客ニーズは時代を追って多様化・高度化しており、現在ではオーダーメイドウィッグのほか、既製品ウィッグや増毛商品、育毛ケア・サービス、アフターサービスなど、毛髪に関連する商品・サービスを広範に展開し、男女を問わず一人ひとりの個性に合わせた最適なソリューションを提供している。
厳しい業界環境のなか、積極経営を継続
2. 沿革
1965年に個人営業の「アートネイチャー」として創業された同社は、1967年に株式会社となり、1969年には男性向けウィッグ販売を目的に、顧客相談からアフターサービスまでを一貫して提供できる理容室を備えた店舗体制を確立した。そして1980年には全国販社体制を構築し、「MRP(マープ)」増毛法のヒットや広告展開もあって広くブランドが浸透した。こうしたブランド力を背景に、1987年に「レディースアートネイチャー」など女性向けの市場に本格進出、2002年には全国の販売会社を合併・統合して総合力を十分発揮できる体制を構築するとともに、フィリピンの製造委託先を子会社化して自社製造を開始した。2007年に株式市場への上場を果たした同社は、その後生産体制を拡充するとともに、それまでのノウハウを生かして女性向け既製品ウィッグや医療用ウィッグの分野に進出、自社通販サイトも開設するなど業容を広げていった。2019年以降は、比較的安い価格帯のウィッグ事業会社のM&Aや第1類医薬品である発毛剤の販売などによる隣接市場への参入、医療機関のサポート業務を受託する子会社の設立など、さらなる成長を求めて新領域への進出も強めている。現在同社は、主力分野の新商品を年2回コンスタントに市場投入するなど積極的に製品開発を続ける一方、長期ビジョンに向けて中期経営計画で設定した成長戦略を推進しているところである。
2024年度以降の毛髪業界は着実な成長が見込まれる
3. 毛髪業界
ウィッグなどの毛髪市場は、2008年秋のリーマンショック以降の消費低迷に加え、ヘアケア剤や発毛・育毛剤などの隣接市場との競争激化、スキンヘッドスタイルの社会的認知向上などを背景に低迷したが、毛髪業界各社による女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び、2012年度以降は拡大に転じた。しかし、2016年度になると中小事業者による低価格ウィッグの新規参入が増え、また隣接業界との競合も再び激化、毛髪市場は一転して縮小傾向となった。その後、新規参入や低価格ウィッグが一巡して市場が沈静化すると、1,300億円程度と言われる市場はいったん縮小が止まったようだった。しかし、2020~2021年度の新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による外出機会の減少などの影響を受けて再び毛髪業界は厳しい環境となり、コロナ禍が明けた2023年度も消費が旅行や外食に取られ、期待ほどに毛髪業界には戻ってこない状況である。こうした厳しい時代を乗り越える際、一般に体力のある大手企業が優位性を発揮してシェアを伸ばすことが多い。毛髪業界でも、男性市場でシェア第1位、女性市場で第2位と言われる同社が、男女ともに着実にシェアを伸ばしていると見ることができ、男女合わせてトップポジションを固めつつあると推測される。なお、2024年度以降の毛髪業界は、景気の回復やシニアのアクティブ化などを背景に着実な成長に回帰すると見られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
1. 会社概要
アートネイチャー<7823>は、男性向け・女性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を主力とした、日本初の総合毛髪企業である。毛髪業界ではトップポジションを誇り、「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、トータル・ヘアコンサルタントとして、顧客により美しく輝きのあるライフスタイルを提案していくことを使命としている。オーダーメイドウィッグは、店舗で3D型取りシステムを用いて顧客頭部の形状を型取りし、作成したデータをもとに海外の自社工場においてハンドメイドで製造される。毛髪に関する顧客ニーズは時代を追って多様化・高度化しており、現在ではオーダーメイドウィッグのほか、既製品ウィッグや増毛商品、育毛ケア・サービス、アフターサービスなど、毛髪に関連する商品・サービスを広範に展開し、男女を問わず一人ひとりの個性に合わせた最適なソリューションを提供している。
厳しい業界環境のなか、積極経営を継続
2. 沿革
1965年に個人営業の「アートネイチャー」として創業された同社は、1967年に株式会社となり、1969年には男性向けウィッグ販売を目的に、顧客相談からアフターサービスまでを一貫して提供できる理容室を備えた店舗体制を確立した。そして1980年には全国販社体制を構築し、「MRP(マープ)」増毛法のヒットや広告展開もあって広くブランドが浸透した。こうしたブランド力を背景に、1987年に「レディースアートネイチャー」など女性向けの市場に本格進出、2002年には全国の販売会社を合併・統合して総合力を十分発揮できる体制を構築するとともに、フィリピンの製造委託先を子会社化して自社製造を開始した。2007年に株式市場への上場を果たした同社は、その後生産体制を拡充するとともに、それまでのノウハウを生かして女性向け既製品ウィッグや医療用ウィッグの分野に進出、自社通販サイトも開設するなど業容を広げていった。2019年以降は、比較的安い価格帯のウィッグ事業会社のM&Aや第1類医薬品である発毛剤の販売などによる隣接市場への参入、医療機関のサポート業務を受託する子会社の設立など、さらなる成長を求めて新領域への進出も強めている。現在同社は、主力分野の新商品を年2回コンスタントに市場投入するなど積極的に製品開発を続ける一方、長期ビジョンに向けて中期経営計画で設定した成長戦略を推進しているところである。
2024年度以降の毛髪業界は着実な成長が見込まれる
3. 毛髪業界
ウィッグなどの毛髪市場は、2008年秋のリーマンショック以降の消費低迷に加え、ヘアケア剤や発毛・育毛剤などの隣接市場との競争激化、スキンヘッドスタイルの社会的認知向上などを背景に低迷したが、毛髪業界各社による女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び、2012年度以降は拡大に転じた。しかし、2016年度になると中小事業者による低価格ウィッグの新規参入が増え、また隣接業界との競合も再び激化、毛髪市場は一転して縮小傾向となった。その後、新規参入や低価格ウィッグが一巡して市場が沈静化すると、1,300億円程度と言われる市場はいったん縮小が止まったようだった。しかし、2020~2021年度の新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による外出機会の減少などの影響を受けて再び毛髪業界は厳しい環境となり、コロナ禍が明けた2023年度も消費が旅行や外食に取られ、期待ほどに毛髪業界には戻ってこない状況である。こうした厳しい時代を乗り越える際、一般に体力のある大手企業が優位性を発揮してシェアを伸ばすことが多い。毛髪業界でも、男性市場でシェア第1位、女性市場で第2位と言われる同社が、男女ともに着実にシェアを伸ばしていると見ることができ、男女合わせてトップポジションを固めつつあると推測される。なお、2024年度以降の毛髪業界は、景気の回復やシニアのアクティブ化などを背景に着実な成長に回帰すると見られている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
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