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スマサポ---入居者アプリを起点としたプラットフォーマー
配信日時:2025/12/29 14:12
配信元:FISCO
*14:12JST スマサポ---入居者アプリを起点としたプラットフォーマー
スマサポ<9342>の株価と将来見込みに乖離が見える。巡航速度で想定され得る業績でも株価に割安感があり、プラットフォーマーとしての位置づけが明確化すれば、株価は大きく評価替えすることが期待される。
スマサポは「不動産管理会社」と「賃貸入居者」の一方向のコミュニケーションをデジタルの力でスムーズにすべく、安定的な収益基盤である「スマサポサンキューコール」をもとに、「totono」で大きな飛躍を目指している。
スマサポの前期2025年9月期の売上高は前期比5.3%増の2,816百万円、営業利益は同75.6%増の190百万円と、特に利益面で大きく伸ばした。今期2026年9月期は売上高で前期比11.8%増の3,150百万円、営業利益で同20.8%増の230百万円が見込まれている。「totono」の大幅な顧客数の上積み(後述のtotono 2.0で客数は前期比で約3.1倍の20万ユーザーが見込まれている)でトップラインの伸びが加速し、2025年9月期に比べてAI投資額を150%拡大しても利益率が向上する。AI投資では、問い合わせのオンライン化、受付対応業務の自動化、管理会社ごとの解決ルールの分析・作成などAIへの積極投資を実施することにより、将来的なBPOコストの削減を目指している。
足もとから想定される業績成長の巡航速度であると、2028年9月期で売上高3,750百万円、営業利益で340百万円程度が見込まれることになる。今期予想を起点とする営業利益のCAGRは+20%強だ。最終年度のPER15倍、営業利益のCAGR+20%の今期予想PEGレシオ1倍は、時価総額で約3,000百万円(現在2,354百万円)となる。
ただし、この試算はあくまでも巡航速度である。入居者を消費者と捉えれば、「totono」をプラットフォームとしてアライアンスは賃貸管理業務以外にも大きく広がり、対象とするマーケットも大きく拡大する。現状、アライアンスはブックオフとの不用品買取、リリカラのインテリア、マルシェの引っ越し、HISモバイルの格安SIM、セキュアルのホームセキュリティーなどとなる。
なお、「スマサポサンキューコール」は、不動産管理会社の先にいる入居者に対して生活サポートを提供するサービス。入居者に新生活をスタートするにあたって必要不可欠となる付帯商品の販売を行っている。具体的には、インターネット回線やウォーターサーバーなどを入居者に案内し、商品を提供する企業から顧客紹介料を得るビジネスモデルとなっている。
「totono」は入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを円滑にし、入居中に快適なサービスを届けるプラットフォーム。電話が主になっている不動産管理会社と入居者のアナログなコミュニケーションを「totono」でデジタル化した。不動産管理会社は業務コストの削減ができ、入居者もアプリの中で必要な情報が網羅できる。不動産管理会社に月額のサブスクモデルで提供しており、チャットなどの問い合わせ代行などBPOとしてのアップセルも強化している。その他の機能としては契約情報の連携、スマートロックなどIoT機器連携なども備えている。2025年9月期末のアプリダウンロード数は、32.9万、今期末には46.6万ダウロードを見込む。
「totono」はリリース以来、不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受するSaaSモデルで提供しており、入居者側は無償でアプリをダウンロードし、掲示板・チャット・クレーム対応のほか、契約更新などの機能が利用できる。スマサポはこれを「totono 1.0」と呼ぶ。
スマサポは「totono 2.0」へとビジネスモデルの変革を進めている。不動産管理会社は、物件の獲得が収益に直結するため少ないリソースで物件を獲得する必要があるが、物件の獲得に伴って管理する物件も増えることに加えて、物件は徐々に老朽化していくため、入居者からの問い合わせやトラブル・クレーム対応は増える一方である。「totono 2.0」では、「totono」は単なる不動産管理会社と入居者のコミュニケーションの窓口としてのITサービスに留まらず、不動産管理会社の入居者に関する業務全般をアウトソーシングするサービスを付加し、「アウトソーシング×SaaSモデル」=「BPaaS※」としてのサービス提供を目指している。入居者とのチャットのやり取りなどの対応業務、入居者サポートの代行業務、問い合わせ内容のデータ分析業務などを同社が巻き取り、不動産管理会社がコアビジネスに集中できる環境を提供する。
※ Business Process as a Serviceの略であり、業務プロセスをクラウド上で提供するアウトソーシングサービス。
料金面については不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受する流れは変わらないが、利用料の課金体系が変わる。「totono 1.0」では、管理戸数などにより個社ごとに算出した固定金額を収受していたのに対し、「totono 2.0」では入居者のアプリのダウンロード(以下、DL)数に応じて利用料を支払う。すなわち「totono」の売上高は、DL数×単価により計上される。
Phase2.0では、入居者のアプリDL数に応じて売上高が計上されるため、新規導入時には不動産管理会社の管理戸数に対するDL数の比率が低く、1社当たりの利用料の収受金額はPhase1.0と比較して一時的に低くなる可能性がある。しかし、「totono」のDLを促進する施策によって同比率が高まっていけば、「totono 1.0」より多額の収受金額が見込まれる。また、「totono」は入居者側の日々の生活に密接に結びついており、不動産管理会社側の業務効率化にも重要な役割を果たしていることから高い顧客エンゲージメントが見込まれるため、解約率は低水準で推移するだろう。
前期には株主優待も新設された。株主優待は初回基準日を2025年9月末日として、以降は毎年9月末日および3月末日現在の株主名簿上に記載または記録され、同社株式を3単元(300株)以上保有していることが付与の条件となる。3単元(300株)以上6単元(600株)未満の株主はQUOカード2,000円分(年間4,000円分)、6単元(600株)以上の株主はQUOカード8,000円分(年間16,000円分)が付与され、株主優待利回りは300株保有の場合で1.35%、600株保有の場合で2.70%となる。業績が復調から拡大に移る状況下、配当に先んじて株主優待を実施して、業績拡大の裏書をすることになる。
<NH>
スマサポは「不動産管理会社」と「賃貸入居者」の一方向のコミュニケーションをデジタルの力でスムーズにすべく、安定的な収益基盤である「スマサポサンキューコール」をもとに、「totono」で大きな飛躍を目指している。
スマサポの前期2025年9月期の売上高は前期比5.3%増の2,816百万円、営業利益は同75.6%増の190百万円と、特に利益面で大きく伸ばした。今期2026年9月期は売上高で前期比11.8%増の3,150百万円、営業利益で同20.8%増の230百万円が見込まれている。「totono」の大幅な顧客数の上積み(後述のtotono 2.0で客数は前期比で約3.1倍の20万ユーザーが見込まれている)でトップラインの伸びが加速し、2025年9月期に比べてAI投資額を150%拡大しても利益率が向上する。AI投資では、問い合わせのオンライン化、受付対応業務の自動化、管理会社ごとの解決ルールの分析・作成などAIへの積極投資を実施することにより、将来的なBPOコストの削減を目指している。
足もとから想定される業績成長の巡航速度であると、2028年9月期で売上高3,750百万円、営業利益で340百万円程度が見込まれることになる。今期予想を起点とする営業利益のCAGRは+20%強だ。最終年度のPER15倍、営業利益のCAGR+20%の今期予想PEGレシオ1倍は、時価総額で約3,000百万円(現在2,354百万円)となる。
ただし、この試算はあくまでも巡航速度である。入居者を消費者と捉えれば、「totono」をプラットフォームとしてアライアンスは賃貸管理業務以外にも大きく広がり、対象とするマーケットも大きく拡大する。現状、アライアンスはブックオフとの不用品買取、リリカラのインテリア、マルシェの引っ越し、HISモバイルの格安SIM、セキュアルのホームセキュリティーなどとなる。
なお、「スマサポサンキューコール」は、不動産管理会社の先にいる入居者に対して生活サポートを提供するサービス。入居者に新生活をスタートするにあたって必要不可欠となる付帯商品の販売を行っている。具体的には、インターネット回線やウォーターサーバーなどを入居者に案内し、商品を提供する企業から顧客紹介料を得るビジネスモデルとなっている。
「totono」は入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを円滑にし、入居中に快適なサービスを届けるプラットフォーム。電話が主になっている不動産管理会社と入居者のアナログなコミュニケーションを「totono」でデジタル化した。不動産管理会社は業務コストの削減ができ、入居者もアプリの中で必要な情報が網羅できる。不動産管理会社に月額のサブスクモデルで提供しており、チャットなどの問い合わせ代行などBPOとしてのアップセルも強化している。その他の機能としては契約情報の連携、スマートロックなどIoT機器連携なども備えている。2025年9月期末のアプリダウンロード数は、32.9万、今期末には46.6万ダウロードを見込む。
「totono」はリリース以来、不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受するSaaSモデルで提供しており、入居者側は無償でアプリをダウンロードし、掲示板・チャット・クレーム対応のほか、契約更新などの機能が利用できる。スマサポはこれを「totono 1.0」と呼ぶ。
スマサポは「totono 2.0」へとビジネスモデルの変革を進めている。不動産管理会社は、物件の獲得が収益に直結するため少ないリソースで物件を獲得する必要があるが、物件の獲得に伴って管理する物件も増えることに加えて、物件は徐々に老朽化していくため、入居者からの問い合わせやトラブル・クレーム対応は増える一方である。「totono 2.0」では、「totono」は単なる不動産管理会社と入居者のコミュニケーションの窓口としてのITサービスに留まらず、不動産管理会社の入居者に関する業務全般をアウトソーシングするサービスを付加し、「アウトソーシング×SaaSモデル」=「BPaaS※」としてのサービス提供を目指している。入居者とのチャットのやり取りなどの対応業務、入居者サポートの代行業務、問い合わせ内容のデータ分析業務などを同社が巻き取り、不動産管理会社がコアビジネスに集中できる環境を提供する。
※ Business Process as a Serviceの略であり、業務プロセスをクラウド上で提供するアウトソーシングサービス。
料金面については不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受する流れは変わらないが、利用料の課金体系が変わる。「totono 1.0」では、管理戸数などにより個社ごとに算出した固定金額を収受していたのに対し、「totono 2.0」では入居者のアプリのダウンロード(以下、DL)数に応じて利用料を支払う。すなわち「totono」の売上高は、DL数×単価により計上される。
Phase2.0では、入居者のアプリDL数に応じて売上高が計上されるため、新規導入時には不動産管理会社の管理戸数に対するDL数の比率が低く、1社当たりの利用料の収受金額はPhase1.0と比較して一時的に低くなる可能性がある。しかし、「totono」のDLを促進する施策によって同比率が高まっていけば、「totono 1.0」より多額の収受金額が見込まれる。また、「totono」は入居者側の日々の生活に密接に結びついており、不動産管理会社側の業務効率化にも重要な役割を果たしていることから高い顧客エンゲージメントが見込まれるため、解約率は低水準で推移するだろう。
前期には株主優待も新設された。株主優待は初回基準日を2025年9月末日として、以降は毎年9月末日および3月末日現在の株主名簿上に記載または記録され、同社株式を3単元(300株)以上保有していることが付与の条件となる。3単元(300株)以上6単元(600株)未満の株主はQUOカード2,000円分(年間4,000円分)、6単元(600株)以上の株主はQUOカード8,000円分(年間16,000円分)が付与され、株主優待利回りは300株保有の場合で1.35%、600株保有の場合で2.70%となる。業績が復調から拡大に移る状況下、配当に先んじて株主優待を実施して、業績拡大の裏書をすることになる。
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