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いちご Research Memo(4):2024年2月期通期は、ALL-IN営業利益が前期比25.4%増の211億円
配信日時:2024/06/17 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST いちご Research Memo(4):2024年2月期通期は、ALL-IN営業利益が前期比25.4%増の211億円
■業績動向
1. 2024年2月期通期の業績概要
いちご<2337>の2024年2月期通期は、売上高が前期比21.5%増の82,747百万円、営業利益が同3.7%増の12,960百万円、ALL-IN営業利益が同25.4%増の21,194百万円、経常利益が同4.2%減の10,391百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.7%増の12,108百万円、キャッシュ純利益が同16.6%増の17,878百万円となった。なお同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
セグメント別では心築事業が牽引し、全体としてストック収益が順調に積み上がり、結果として大幅な増益となった。主力の心築事業では、売上総利益で23,805百万円(前期比37.7%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は9,712百万円(同4,107百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主とした好調なホテルの稼働に加え、全アセットタイプで賃料が伸長した。心築保有資産は、132物件(前期末は177物件)、簿価ベースで255,435百万円(同247,128百万円)。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.2%(同6.4%)となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。フロー収益である不動産譲渡利益が14,109百万円(同2,415百万円増、ALL-INベース)となり、堅調な市場を背景にマルチアセット(ホテル・商業施設など)及びいちごオーナーズ(レジデンスなど)の売却を成功させた。仕入れは、レジデンスやホテルを中心に69,514百万円と十分取得できた。コア事業の選択と集中に向けセルフストレージ事業は売却された(事業譲渡益3,960百万円)。
アセットマネジメント事業は、前期発生したいちごオフィスリートによる物件売却に伴うフィーが剥落したことなどにより、セグメント売上高は2,907百万円(前期比31.4%減)、セグメント利益は1,496百万円(同50.5%減)となった。一方で、ホテルの堅調な需要によりベース運用フィーが伸長した。クリーンエネルギー事業は、前期に竣工した発電所の売電収入が通期で寄与したことや当期に新たに1発電所が売電を開始したこと(約1ヶ月稼働)等により、セグメント売上高は5,935百万円(同4.1%増)となった。一時的な設備のメンテナンスコストの発生がありセグメント利益は1,946百万円(同3.5%減)となった。
全社の売上総利益率が25.4%(前期は28.5%)とやや低下したものの、例年の水準である。販管費は前期比14.2%増の7,911百万円となった。ストック収益(19,417百万円)は過去最高を記録し、固定費(9,060百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SI>
1. 2024年2月期通期の業績概要
いちご<2337>の2024年2月期通期は、売上高が前期比21.5%増の82,747百万円、営業利益が同3.7%増の12,960百万円、ALL-IN営業利益が同25.4%増の21,194百万円、経常利益が同4.2%減の10,391百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.7%増の12,108百万円、キャッシュ純利益が同16.6%増の17,878百万円となった。なお同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
セグメント別では心築事業が牽引し、全体としてストック収益が順調に積み上がり、結果として大幅な増益となった。主力の心築事業では、売上総利益で23,805百万円(前期比37.7%増、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は9,712百万円(同4,107百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主とした好調なホテルの稼働に加え、全アセットタイプで賃料が伸長した。心築保有資産は、132物件(前期末は177物件)、簿価ベースで255,435百万円(同247,128百万円)。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.2%(同6.4%)となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。フロー収益である不動産譲渡利益が14,109百万円(同2,415百万円増、ALL-INベース)となり、堅調な市場を背景にマルチアセット(ホテル・商業施設など)及びいちごオーナーズ(レジデンスなど)の売却を成功させた。仕入れは、レジデンスやホテルを中心に69,514百万円と十分取得できた。コア事業の選択と集中に向けセルフストレージ事業は売却された(事業譲渡益3,960百万円)。
アセットマネジメント事業は、前期発生したいちごオフィスリートによる物件売却に伴うフィーが剥落したことなどにより、セグメント売上高は2,907百万円(前期比31.4%減)、セグメント利益は1,496百万円(同50.5%減)となった。一方で、ホテルの堅調な需要によりベース運用フィーが伸長した。クリーンエネルギー事業は、前期に竣工した発電所の売電収入が通期で寄与したことや当期に新たに1発電所が売電を開始したこと(約1ヶ月稼働)等により、セグメント売上高は5,935百万円(同4.1%増)となった。一時的な設備のメンテナンスコストの発生がありセグメント利益は1,946百万円(同3.5%減)となった。
全社の売上総利益率が25.4%(前期は28.5%)とやや低下したものの、例年の水準である。販管費は前期比14.2%増の7,911百万円となった。ストック収益(19,417百万円)は過去最高を記録し、固定費(9,060百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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