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精工技研 Research Memo(5):2024年3月期は光通信用部品や光部品の製造機器が低調(2)
配信日時:2024/06/13 13:45
配信元:FISCO
*13:45JST 精工技研 Research Memo(5):2024年3月期は光通信用部品や光部品の製造機器が低調(2)
■精工技研<6834>の業績動向
3. 財務状況
2024年3月期末における財務状況を見ると、総資産は前期末比で883百万円増の32,226百万円となった。この増加は主に流動資産の伸びによるもので、特に現金及び預金、売掛金の増加が顕著であった。流動資産全体で見ると、前期末比で979百万円増の22,738百万円になった。これは、同社の即時利用可能な資源が拡大したことを示し、短期的な財務健全性が向上していることを意味する。一方で、固定資産は前期末から96百万円減の9,487百万円となった。この減少は、主に建物や機械装置の減価償却が進行した結果である。これは資産の正常な価値減少を反映しており、計画的な資産管理が行われていることを示唆している。負債に関しては、流動負債が前期末から114百万円増の3,425百万円になった。この増加は未払消費税などの増加によるもので、一定期間内に支払う必要がある短期債務が増加している。また、固定負債も58百万円増の1,614百万円となった。これは退職給付負債や役員株式給付引当金の増加が主な要因である。純資産は前期末から710百万円増の27,186百万円となった。この増加は利益剰余金や為替換算調整勘定の増加が主な要因で、企業の自己資本が強化され、安定した財務基盤が構築されていることを示している。全体として、流動資産の増加による即時の財政健全性の向上、計画的な資産管理による固定資産の減少、短期及び長期負債の管理適正化、そして純資産の増加による自己資本の強化が見られる。これらは、企業が今後の不確実性に対応しつつ、持続的な成長と安定を追求していると見られる。
営業活動によるキャッシュ・フローは2023年3月期に2,299百万円となっており、この期間中に企業の主要な事業活動が健全な収益を上げていたことが示されている。しかし、2024年3月期にはこの数値が1,797百万円へと減少した。この減少は、売上の落ち込みや収益性の低下が原因である可能性があるものの、それでもなお正のキャッシュ・フローを維持している点は同社にとって肯定的である。投資活動によるキャッシュ・フローは、両期において負の値を示しているものの、支出額が2023年3月期の950百万円から2024年3月期には1,533百万円へと増加している。この増加は、新たな設備投資や他の長期資産への投資が活発に行われていることを意味しており、同社が成長または技術革新を目指していることを示唆している。このような投資は短期的にはキャッシュ・フローを圧迫するものの、長期的な収益性と企業価値の向上を図るための重要なステップであると弊社では見ている。財務活動によるキャッシュ・フローは、2023年3月期と2024年3月期の支出額はそれぞれ513百万円、507百万円と安定している。これは、借入金の返済や配当支払いなど、外部からの資金調達が少ないことを意味しており、企業が内部留保を増やしつつ、外部依存度を低く保っていることが窺える。現金及び現金同等物の期末残高は、2023年3月期の5,193百万円から2024年3月期には5,065百万円へとわずかに減少している。この減少は、活発な投資活動によるものである可能性が高く、企業が手元資金を使って将来の成長を見込んでいることが考えられる。
2024年3月期の1株当たりの当期純利益(EPS)は83.42円、自己資本当期純利益率(ROE)は2.8%、総資産経常利益率(ROA)は4.0%となった。収益性の指標であるEPS、ROE、ROAが全体的に減少傾向にある。特に、2020年3月期に高いパフォーマンスを示した後、2024年3月期にかけてこれらの指標が顕著に低下している。EPSは2020年3月期の最高値から減少を続け、2024年3月期には大幅に落ち込んでいる。この傾向は利益生成能力が低下していることを示している。同様に、ROEとROAの低下も見受けられる。これらの低下は運用効率が低下していること、及び資産利用の効果が落ちていることを意味する。この結果は、激しい市場の変動などに起因する可能性もあるため、出来るだけ早い段階で市場動向を捉え、それに向けた経営戦略の見直しが重要になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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3. 財務状況
2024年3月期末における財務状況を見ると、総資産は前期末比で883百万円増の32,226百万円となった。この増加は主に流動資産の伸びによるもので、特に現金及び預金、売掛金の増加が顕著であった。流動資産全体で見ると、前期末比で979百万円増の22,738百万円になった。これは、同社の即時利用可能な資源が拡大したことを示し、短期的な財務健全性が向上していることを意味する。一方で、固定資産は前期末から96百万円減の9,487百万円となった。この減少は、主に建物や機械装置の減価償却が進行した結果である。これは資産の正常な価値減少を反映しており、計画的な資産管理が行われていることを示唆している。負債に関しては、流動負債が前期末から114百万円増の3,425百万円になった。この増加は未払消費税などの増加によるもので、一定期間内に支払う必要がある短期債務が増加している。また、固定負債も58百万円増の1,614百万円となった。これは退職給付負債や役員株式給付引当金の増加が主な要因である。純資産は前期末から710百万円増の27,186百万円となった。この増加は利益剰余金や為替換算調整勘定の増加が主な要因で、企業の自己資本が強化され、安定した財務基盤が構築されていることを示している。全体として、流動資産の増加による即時の財政健全性の向上、計画的な資産管理による固定資産の減少、短期及び長期負債の管理適正化、そして純資産の増加による自己資本の強化が見られる。これらは、企業が今後の不確実性に対応しつつ、持続的な成長と安定を追求していると見られる。
営業活動によるキャッシュ・フローは2023年3月期に2,299百万円となっており、この期間中に企業の主要な事業活動が健全な収益を上げていたことが示されている。しかし、2024年3月期にはこの数値が1,797百万円へと減少した。この減少は、売上の落ち込みや収益性の低下が原因である可能性があるものの、それでもなお正のキャッシュ・フローを維持している点は同社にとって肯定的である。投資活動によるキャッシュ・フローは、両期において負の値を示しているものの、支出額が2023年3月期の950百万円から2024年3月期には1,533百万円へと増加している。この増加は、新たな設備投資や他の長期資産への投資が活発に行われていることを意味しており、同社が成長または技術革新を目指していることを示唆している。このような投資は短期的にはキャッシュ・フローを圧迫するものの、長期的な収益性と企業価値の向上を図るための重要なステップであると弊社では見ている。財務活動によるキャッシュ・フローは、2023年3月期と2024年3月期の支出額はそれぞれ513百万円、507百万円と安定している。これは、借入金の返済や配当支払いなど、外部からの資金調達が少ないことを意味しており、企業が内部留保を増やしつつ、外部依存度を低く保っていることが窺える。現金及び現金同等物の期末残高は、2023年3月期の5,193百万円から2024年3月期には5,065百万円へとわずかに減少している。この減少は、活発な投資活動によるものである可能性が高く、企業が手元資金を使って将来の成長を見込んでいることが考えられる。
2024年3月期の1株当たりの当期純利益(EPS)は83.42円、自己資本当期純利益率(ROE)は2.8%、総資産経常利益率(ROA)は4.0%となった。収益性の指標であるEPS、ROE、ROAが全体的に減少傾向にある。特に、2020年3月期に高いパフォーマンスを示した後、2024年3月期にかけてこれらの指標が顕著に低下している。EPSは2020年3月期の最高値から減少を続け、2024年3月期には大幅に落ち込んでいる。この傾向は利益生成能力が低下していることを示している。同様に、ROEとROAの低下も見受けられる。これらの低下は運用効率が低下していること、及び資産利用の効果が落ちていることを意味する。この結果は、激しい市場の変動などに起因する可能性もあるため、出来るだけ早い段階で市場動向を捉え、それに向けた経営戦略の見直しが重要になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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