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京葉瓦斯 Research Memo(1):“つぎの「うれしい!」”を提供し、顧客の期待を超える存在となる
配信日時:2024/05/29 15:31
配信元:FISCO
*15:31JST 京葉瓦斯 Research Memo(1):“つぎの「うれしい!」”を提供し、顧客の期待を超える存在となる
■要約
1. 千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造販売
京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造・供給・販売している。千葉県北西部は東京のベッドタウンであるため、人口密度が高いうえ人口そのものも増加傾向にある。このため他の都市ガス事業者と比べて成長性があり、導管輸送や検針などの効率性も良い。同社は都市ガス事業以外にも様々な事業を展開しており、電力小売事業では主として都市ガスの顧客を対象に電気の販売を行っている。不動産事業では不動産賃貸などを展開しており、現在、旧市川工場跡地の再開発事業を手掛けている。また、都市ガス事業に関連してガス機器の販売や顧客からの申し込みによるガス内管工事も行っている。
2. 「長期経営ビジョン2030」では3つの事業領域で4つの重点戦略を展開
同社は、約100万件の都市ガスの顧客と約10万件の電気の顧客の安全・安心な生活を、地域と一体となって支えることでここまで順調に成長してきた。しかし、昨今のエネルギー業界を取り巻く環境は、不確実性が一段と高まる状況となってきており、このため「長期経営ビジョン2030」を策定し、2030年のありたい姿である「“つぎの「うれしい!」”を提供し、お客さまの期待を超える存在となる」ことを目指すこととなった。そのため、地域エネルギー領域、トータルライフサポート領域、エリアマネジメント領域の3つの事業領域において、低炭素・脱炭素社会への貢献、総合生活産業事業者への進化、安全・安心の取り組みの強化、経営基盤の強化という4つの重点戦略を展開しているところである。
3. 「中期経営計画2022-2024」の重点戦略はおおむね順調に推移
「長期経営ビジョン2030」に実行力を持たせるため、同時に「中期経営計画2022-2024」も策定した。中期的に展開する重点戦略として、低炭素・脱炭素社会への貢献では、事業所のガス・電気のカーボンニュートラル化などにより事業活動に伴うCO2の削減を目指す。総合生活産業事業者への進化では、顧客の“くらしのかかりつけ”として、さらに多くの顧客へ新しい価値を提供する。安全・安心の取り組みの強化では、安定供給基盤、人材、レジリエンスの強化を目指す。経営基盤の強化では、地域活性化へ貢献するほか、CX(カスタマーエクスペリエンス)・DX(デジタルトランスフォーメーション)、働き方改革、事業体制の最適化などを推進する。「中期経営計画2022-2024」策定から2年が経過し、異常気象の常態化や資材の高騰など計画策定時と大きく異なる状況となっているが、重点戦略はおおむね順調に推移しているようだ。
4. ガス原料価格上昇によるスライドタイムラグ(差損)により、減益を予想
2023年12月期の業績は、売上高122,853百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,704百万円(同4,253.4%増)となった。電力小売事業の販売単価の上方調整などにより増収を確保したことに加え、ガス事業の採算が大きく改善したことで大幅な営業増益となった。同社は2024年12月期業績見通しについて、売上高117,400百万円(同4.4%減)、営業利益1,100百万円(同35.4%減)と見込んでいる。売上高についてはガス販売単価の下方調整などにより減収を見込んでいる。利益面では、前年はガス原料価格が下落し、原料費調整制度に基づきガス販売価格の値下がりに先行してガス原料価格が値下がりすることによるスライドタイムラグ(差益)が発生したが、2024年はガス原料価格が上昇することによるスライドタイムラグ(差損)が発生することにより減益を見込んでいる。「中期経営計画2022-2024」がおおむね順調に推移していることから、次期中期経営計画ではそれぞれの領域で収益の柱を確立するなど、業績面での成果を期待したいところである。
■Key Points
・肥沃な千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造・供給・販売
・「長期経営ビジョン2030」では3つの事業領域で4つの重点戦略を展開
・重点戦略はおおむね順調に推移も、2024年12月期は減収減益を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
1. 千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造販売
京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造・供給・販売している。千葉県北西部は東京のベッドタウンであるため、人口密度が高いうえ人口そのものも増加傾向にある。このため他の都市ガス事業者と比べて成長性があり、導管輸送や検針などの効率性も良い。同社は都市ガス事業以外にも様々な事業を展開しており、電力小売事業では主として都市ガスの顧客を対象に電気の販売を行っている。不動産事業では不動産賃貸などを展開しており、現在、旧市川工場跡地の再開発事業を手掛けている。また、都市ガス事業に関連してガス機器の販売や顧客からの申し込みによるガス内管工事も行っている。
2. 「長期経営ビジョン2030」では3つの事業領域で4つの重点戦略を展開
同社は、約100万件の都市ガスの顧客と約10万件の電気の顧客の安全・安心な生活を、地域と一体となって支えることでここまで順調に成長してきた。しかし、昨今のエネルギー業界を取り巻く環境は、不確実性が一段と高まる状況となってきており、このため「長期経営ビジョン2030」を策定し、2030年のありたい姿である「“つぎの「うれしい!」”を提供し、お客さまの期待を超える存在となる」ことを目指すこととなった。そのため、地域エネルギー領域、トータルライフサポート領域、エリアマネジメント領域の3つの事業領域において、低炭素・脱炭素社会への貢献、総合生活産業事業者への進化、安全・安心の取り組みの強化、経営基盤の強化という4つの重点戦略を展開しているところである。
3. 「中期経営計画2022-2024」の重点戦略はおおむね順調に推移
「長期経営ビジョン2030」に実行力を持たせるため、同時に「中期経営計画2022-2024」も策定した。中期的に展開する重点戦略として、低炭素・脱炭素社会への貢献では、事業所のガス・電気のカーボンニュートラル化などにより事業活動に伴うCO2の削減を目指す。総合生活産業事業者への進化では、顧客の“くらしのかかりつけ”として、さらに多くの顧客へ新しい価値を提供する。安全・安心の取り組みの強化では、安定供給基盤、人材、レジリエンスの強化を目指す。経営基盤の強化では、地域活性化へ貢献するほか、CX(カスタマーエクスペリエンス)・DX(デジタルトランスフォーメーション)、働き方改革、事業体制の最適化などを推進する。「中期経営計画2022-2024」策定から2年が経過し、異常気象の常態化や資材の高騰など計画策定時と大きく異なる状況となっているが、重点戦略はおおむね順調に推移しているようだ。
4. ガス原料価格上昇によるスライドタイムラグ(差損)により、減益を予想
2023年12月期の業績は、売上高122,853百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,704百万円(同4,253.4%増)となった。電力小売事業の販売単価の上方調整などにより増収を確保したことに加え、ガス事業の採算が大きく改善したことで大幅な営業増益となった。同社は2024年12月期業績見通しについて、売上高117,400百万円(同4.4%減)、営業利益1,100百万円(同35.4%減)と見込んでいる。売上高についてはガス販売単価の下方調整などにより減収を見込んでいる。利益面では、前年はガス原料価格が下落し、原料費調整制度に基づきガス販売価格の値下がりに先行してガス原料価格が値下がりすることによるスライドタイムラグ(差益)が発生したが、2024年はガス原料価格が上昇することによるスライドタイムラグ(差損)が発生することにより減益を見込んでいる。「中期経営計画2022-2024」がおおむね順調に推移していることから、次期中期経営計画ではそれぞれの領域で収益の柱を確立するなど、業績面での成果を期待したいところである。
■Key Points
・肥沃な千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスを製造・供給・販売
・「長期経営ビジョン2030」では3つの事業領域で4つの重点戦略を展開
・重点戦略はおおむね順調に推移も、2024年12月期は減収減益を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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