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PCNET Research Memo(9):情報システム部門の負担軽減につながるサービスへのニーズは拡大
配信日時:2024/02/16 13:39
配信元:FISCO
*13:39JST PCNET Research Memo(9):情報システム部門の負担軽減につながるサービスへのニーズは拡大
■事業環境
(1) ビジネス向けITサービス市場
国内の民間ITサービス市場については、少子化やDXの必要性などからIT人材不足は深刻化しており、パシフィックネット<3021>のサービス分野であるIT機器の管理・運用保守など、企業などの情報システム部門の負担軽減につながるサービスへのニーズはさらに拡大すると考えられる。加えて、コロナ禍収束後においても、テレワーク対応などからクラウド活用は必須となり、企業のDX投資は持続的に拡大すると想定される。政府や自治体ではDXによる業務のデジタル化などが急務であり、自治体向けIT機器の整備とともにIT機器の更新を促す可能性がある。また、企業においても依然としてサポート対応切れPCの利用は少なくないもようで、定期的な入れ替え需要は存在すると弊社では見ている。加えて「所有から利用へ」の傾向が拡大することにより、同社におけるサブスクリプション型サービスの利用割合がさらに増加することが見込まれる。
(2) ITAD市場
ITAD市場において、回収・データ消去市場はWindows 10をOSとしているPCの入れ替え拡大により使用済みIT機器の排出台数が増加に転じるほか、2019年12月に発生し社会問題となったハードディスク転売事件により適正処分の重要性がクローズアップされたことで、データ消去需要は引き続き拡大が見込まれる。2022年5月期はコロナ禍における影響から排出が予想を大きく下回り、2024年5月期第2四半期終了時点でも本格回復には至らなかったものの、2025年に向けた更新需要に伴い排出量は増えることになる。
IT機器のリユース・リサイクル市場については、高い価値のリユース品は安定した国内流通市場が存在している。一方、低価格のリサイクル品に関しては、バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約)の規制強化などにより有害物質を含むリサイクル品の輸出禁止が厳格化されていることに加え、世界的な廃プラスチック問題や中国などの廃プラスチック輸入禁止措置により、プラスチックを多く含むIT機器の海外での流通が難しい状況となっている。そのため、近い将来、適正処理に対応したサービスへ転換する必要性が高くなると想定されている。同社は、リサイクル品について以前から国内リサイクルや適正処理サービスを推進しているほか、データ消去サービスも強化している。そのため、今後同事業の業界再編が進むとともに同社の優位性が高まり、適正処理サービスの需要拡大が見込まれると弊社では考えている。
(3) ガイドレシーバー市場
ガイドレシーバー市場においては、観光業界がコロナ禍により大きな打撃を受けたが、2022年以降水際対策の緩和が段階的に進み、2023年4月に入国制限の撤廃、同年5月に5類感染症への移行・行動制限の撤廃、他にも継続した観光支援策が実施されるなど、観光業界を巡る環境は急速に改善した。海外旅行やインバウンドが回復基調となり、大規模工場見学や美術館・博物館鑑賞などの旅行以外の需要も伸びていることから、ガイドレシーバー市場の大幅な回復が期待される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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(1) ビジネス向けITサービス市場
国内の民間ITサービス市場については、少子化やDXの必要性などからIT人材不足は深刻化しており、パシフィックネット<3021>のサービス分野であるIT機器の管理・運用保守など、企業などの情報システム部門の負担軽減につながるサービスへのニーズはさらに拡大すると考えられる。加えて、コロナ禍収束後においても、テレワーク対応などからクラウド活用は必須となり、企業のDX投資は持続的に拡大すると想定される。政府や自治体ではDXによる業務のデジタル化などが急務であり、自治体向けIT機器の整備とともにIT機器の更新を促す可能性がある。また、企業においても依然としてサポート対応切れPCの利用は少なくないもようで、定期的な入れ替え需要は存在すると弊社では見ている。加えて「所有から利用へ」の傾向が拡大することにより、同社におけるサブスクリプション型サービスの利用割合がさらに増加することが見込まれる。
(2) ITAD市場
ITAD市場において、回収・データ消去市場はWindows 10をOSとしているPCの入れ替え拡大により使用済みIT機器の排出台数が増加に転じるほか、2019年12月に発生し社会問題となったハードディスク転売事件により適正処分の重要性がクローズアップされたことで、データ消去需要は引き続き拡大が見込まれる。2022年5月期はコロナ禍における影響から排出が予想を大きく下回り、2024年5月期第2四半期終了時点でも本格回復には至らなかったものの、2025年に向けた更新需要に伴い排出量は増えることになる。
IT機器のリユース・リサイクル市場については、高い価値のリユース品は安定した国内流通市場が存在している。一方、低価格のリサイクル品に関しては、バーゼル条約(有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約)の規制強化などにより有害物質を含むリサイクル品の輸出禁止が厳格化されていることに加え、世界的な廃プラスチック問題や中国などの廃プラスチック輸入禁止措置により、プラスチックを多く含むIT機器の海外での流通が難しい状況となっている。そのため、近い将来、適正処理に対応したサービスへ転換する必要性が高くなると想定されている。同社は、リサイクル品について以前から国内リサイクルや適正処理サービスを推進しているほか、データ消去サービスも強化している。そのため、今後同事業の業界再編が進むとともに同社の優位性が高まり、適正処理サービスの需要拡大が見込まれると弊社では考えている。
(3) ガイドレシーバー市場
ガイドレシーバー市場においては、観光業界がコロナ禍により大きな打撃を受けたが、2022年以降水際対策の緩和が段階的に進み、2023年4月に入国制限の撤廃、同年5月に5類感染症への移行・行動制限の撤廃、他にも継続した観光支援策が実施されるなど、観光業界を巡る環境は急速に改善した。海外旅行やインバウンドが回復基調となり、大規模工場見学や美術館・博物館鑑賞などの旅行以外の需要も伸びていることから、ガイドレシーバー市場の大幅な回復が期待される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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