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明日の株式相場に向けて=半導体株爆騰でラスボスと対峙へ

配信日時:2024/02/15 17:00 配信元:MINKABU
 きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比454円高の3万8157円と反発。前日は下げるべくして下げた日経平均だったが、下げ幅は260円あまりで1%にも届かない小幅な調整だった。きょうはその軽い押し目を帳消しにして大きなお釣りがくる戻り足をみせ、ついに終値で3万8000円大台を回復した。年初の時点では予想だにしなかった1989年末の史上最高値3万8915円が、現実のターゲットいわゆるラスボスとして粛然と姿を現した感がある。昨年来の強調相場の延長線で、遅かれ早かれ更新するであろうというコンセンサスは醸成されていたが、その「遅かれ早かれ」がこんなに早い段階で意識の中になだれ込んでくるとは誰も思わなかったに違いない。  「陰極まれば陽転す」というのが相場の摂理だが、顧みれば2008年のリーマン・ショックが今の大出直り相場の基点となった。89年末のバブルの頂(いただき)に対し08年10月、そして翌09年3月につけた7000円近辺での2点底がいうなれば「逆バブル」の頂上付近であった。そこから世界的な超金融緩和環境が創生され、デフレの深淵から脱出口へと向かう株式市場復権のステージへと移行した。日本株は史上最高値から約35年の歳月を経てようやく同じ地点まで戻ってきたともいえる。日経平均は銘柄入れ替えによって「ハイテク指数化」しており厳密には当時との株価の連続性は失われているのだが、とはいえ歴史的な大ブーメラン相場の最終章が思わぬタイミングで訪れようとしている。  ちなみにNYダウの89年末は2750ドル台であった。日経平均の大ブーメラン最終章までに使った月日と同じ時間軸でNYダウは何と14倍化した。彼我の差たるや恐るべしである。この間に米国経済は世界一強の座を不動のものとし、日本は中国、そして直近ではドイツに抜かれGDP世界第4位に後退した。円安は株式市場にとっては強力なフォローウインドとなるが、国民にとっては北風以外の何ものでもなく、国力という点で厳しい現実を突きつける。その現実が今のGDPに投影されている。  株式市場は外需で稼ぐ企業の集大成であり、日本の豊かさとは異なるということを痛感させられるが、少なくとも投資家目線ではこれを嘆いていては始まらない。相場牽引の原動力となっている銘柄群に照準を合わせ勝利を収めることこそが、投資家がとるべき正しい選択肢ということになる。いうまでもなく、全盛を極める人工知能(AI)とそれによって生み出されている半導体爆需が現在の相場の最強テーマだ。かつての「ITバブル」と様相が似ているという指摘はあるものの、「崩壊」の2文字が今すぐ眼前で躍るようなことはない。米巨大テック企業の人員削減を促す生成AIの存在が、“AI不況”を引き起こしたとしても、株式市場ではその不況の源泉を買う動きが加速しそうだ。  当欄でも昨年来継続フォローしてきたソシオネクスト<6526.T>がいよいよ本領を発揮してきた。きょうは前場に4000円大台を回復したが、こちらは分割後修正値で昨年6月下旬につけた最高値5666円奪回が目標となる。当時は思惑先行で買われたが、今は地に足のついた上昇トレンドといっても過言ではない。AIの飛躍的な進化に歩調を合わせるべく最先端半導体へのニーズが高まっている。そうしたなか、ソシオネクスは2ナノ製品の開発で台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>やソフトバンクグループ<9984.T>傘下のアーム<ARM>と提携し、フロントランナーとして今後一段と存在感を高める可能性が高い。「異なる性能のチップをブロック化して集結させるチップレットが同社の技術優位性を際立たせることになる」(中堅証券アナリスト)という声も聞かれる。  このほか、レーザーテック<6920.T>、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>、SCREENホールディングス<7735.T>が日本の半導体製造装置メーカーにおける“マグニフィセント・ファイブ”といってよく、この5銘柄の株価動向は全体相場のバロメーターとしても常に目を配っておく必要がある。  あすのスケジュールでは、3カ月物国庫短期証券の入札が午前中に行われるほか、午後取引時間中には12月の第3次産業活動指数が開示される。なお、国内主要企業の決算発表ではブリヂストン<5108.T>が予定されている。海外ではロシア中銀の政策金利発表、1月の米卸売物価指数(PPI)、1月の米住宅着工件数、1月の米建設許可件数、2月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などにマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS

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