注目トピックス 日本株
Aoba-BBT Research Memo(9):2025年3月期の業績目標達成に向けた施策は順調に進捗(2)
配信日時:2024/01/25 14:49
配信元:FISCO
*14:49JST Aoba-BBT Research Memo(9):2025年3月期の業績目標達成に向けた施策は順調に進捗(2)
■Aoba-BBT<2464>の今後の見通し
c) 英語教育事業系
英語教育事業系は、2025年3月期の売上高で1,271百万円、営業利益で393百万円とチャレンジングな目標を設定している(2022年3月期比売上高3.45倍、営業利益6.55倍)。国内における外国語教室の市場規模は年間3,000億円程度でコロナ禍以降は頭打ちの状況が続いているが、オンライン英語教育サービス市場については着実に成長している。同社グループでは子どもから社会人まで幅広い顧客に高品質なサービスを提供することで高成長を目指す戦略だ。
大学生や社会人を対象とした英語教育サービスでは、グローバル人材の育成にコミットする学習プログラムの開発と優秀な講師の確保に取り組むことで競合サービスとの差別化を図る。また、法人営業部門との連携を強化することで法人経由での生徒獲得に注力する。一方、ブレンディングジャパンについても法人会員(学校、学習塾等)の獲得を強化する。特に公立学校に関しては、自治体単位で導入され、契約期間も複数年にわたることから、注力市場として位置付けている。
d) インターナショナルスクール事業系
インターナショナルスクール事業系については、2025年3月期に売上高4,500百万円、営業利益367百万円を目指す(2022年3月期比売上高1.39倍、営業利益1.54倍)。インターナショナルスクール市場は、国際化の進展並びに英語教育の重要性の高まりを背景に、年々拡大基調が続いている。売上高については、既存キャンパスの充足率向上だけで達成可能な水準である。一方、利益面ではキャンパス新設などの先行投資が一巡したこともあり、計画を上回る可能性も十分あると弊社では見ている。
国内のインターナショナルスクール市場は、既存事業者の校舎拡大や新規事業者の参入といった動きがあるものの、対象顧客層やスクールの特徴(宗教、カリキュラムなど)において、新たな脅威となるような競合の存在は見当たらず、競争環境については大きな変化は生じないものと同社では認識している。また、今後は在留外国人の増加とともに、地方でもインターナショナルスクールの需要増加が見込まれ、提携ビジネスが成長する可能性がある。具体例として、2022年12月にアオバと(学)九州ルーテル学院(熊本県)※が連携協定を締結した。主な提携内容としては、九州ルーテル学院におけるインターナショナル小学部の新設と中高生への国際教育提供、国際カリキュラム(IB等)や国際教育認証機関の取得等、国際教育というインフラを構築するため、アオバが支援するものである。半導体受託製造の世界最大手であるTSMCが、2024年に熊本工場を新設する予定で、同工場に従事する社員の子女等に対して国際教育のサービスを提供することが今回の連携協定の背景にあり、今後も同様のケースが増える可能性がある。
※1926年に前身となる九州女学院を設立。現在は九州ルーテル学院大学、ルーテル学院中学・高等学校、認定こども園ルーテル学院幼稚園、九州ルーテル学院大学附属 黒髪乳児保育園を運営している。英語教育や国際性を育む教育を特色としている。
また、新たな取り組みとしてIBDPのオンライン校のほか、コロナ禍の終息に伴いAJISで4年ぶりに再開したサマースクールが好評だったことから(全プログラム満員)、今後は夏・冬・春の季節スクールを開催する予定で、新たな収益源として期待される。
なお、アオバでは文部科学省からの受託事業として2018年度から取り組んできた「国際バカロレアに関する国内推進体制の整備」事業について、2023年度以降も受託し継続することを2023年9月に発表した(最長5年間)。旧委託期間(5年間)では、政府目標であったIBプログラム導入200校を達成すべく、情報共有を行うポータルサイト「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」の運営や情報発信、シンポジウムやカンファレンスの開催、IBに関心を持つ教育機関への支援などの普及促進に取り組んできた。売上高は年間40百万円程度と直接の業績への影響は軽微だが、今後もIB認定取得を目指す学校が増えてくれば、導入支援サービスの拡大が期待される。
e) ITマネジメント事業系
ITマネジメント事業系は、2025年3月期に売上高1,000百万円、営業利益146百万円を目指す(2022年3月期比売上高2.92倍、営業利益3.65倍)。経営のDXに伴い業種を問わずデジタル人材の育成ニーズが高まっていることで、ITマネジメント領域における人材育成市場の拡大が見込まれる。
成長戦略としては、1) セールス・マーケティングの強化、2) プロダクト・サービスの開発、3) デリバリーリソースの拡充の3点に取り組んでいく。セールス・マーケティング施策としては、DevOpsやアジャイルの国内啓蒙活動強化によるDX研修マーケットの活性化を図るほか、各種ユーザーコミュニティへの貢献の継続、Webサイトのコンテンツ拡充などを推進するほか、同社の法人営業部経由での販売も強化する。プロダクト・サービスの開発では、グローバルの最新コンテンツをいち早く輸入・活用するほか、DXコンテンツ、実践プログラムのラインナップを充実させていく。デリバリーリソースの拡充では、業界経験者や講師陣との契約によるリソースプールの拡大、並びに講師育成プログラムの強化による講師の拡充などに取り組み、旺盛な研修ニーズや講師派遣ニーズに対応する考えだ。
(2) SDGsの取り組み
同社グループでは、SDGsの実現に貢献する「グローバル社会で活躍する人材の輩出」を経営ミッションに掲げており、「教育」×「DX」によりSDGs/ESGの課題に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
c) 英語教育事業系
英語教育事業系は、2025年3月期の売上高で1,271百万円、営業利益で393百万円とチャレンジングな目標を設定している(2022年3月期比売上高3.45倍、営業利益6.55倍)。国内における外国語教室の市場規模は年間3,000億円程度でコロナ禍以降は頭打ちの状況が続いているが、オンライン英語教育サービス市場については着実に成長している。同社グループでは子どもから社会人まで幅広い顧客に高品質なサービスを提供することで高成長を目指す戦略だ。
大学生や社会人を対象とした英語教育サービスでは、グローバル人材の育成にコミットする学習プログラムの開発と優秀な講師の確保に取り組むことで競合サービスとの差別化を図る。また、法人営業部門との連携を強化することで法人経由での生徒獲得に注力する。一方、ブレンディングジャパンについても法人会員(学校、学習塾等)の獲得を強化する。特に公立学校に関しては、自治体単位で導入され、契約期間も複数年にわたることから、注力市場として位置付けている。
d) インターナショナルスクール事業系
インターナショナルスクール事業系については、2025年3月期に売上高4,500百万円、営業利益367百万円を目指す(2022年3月期比売上高1.39倍、営業利益1.54倍)。インターナショナルスクール市場は、国際化の進展並びに英語教育の重要性の高まりを背景に、年々拡大基調が続いている。売上高については、既存キャンパスの充足率向上だけで達成可能な水準である。一方、利益面ではキャンパス新設などの先行投資が一巡したこともあり、計画を上回る可能性も十分あると弊社では見ている。
国内のインターナショナルスクール市場は、既存事業者の校舎拡大や新規事業者の参入といった動きがあるものの、対象顧客層やスクールの特徴(宗教、カリキュラムなど)において、新たな脅威となるような競合の存在は見当たらず、競争環境については大きな変化は生じないものと同社では認識している。また、今後は在留外国人の増加とともに、地方でもインターナショナルスクールの需要増加が見込まれ、提携ビジネスが成長する可能性がある。具体例として、2022年12月にアオバと(学)九州ルーテル学院(熊本県)※が連携協定を締結した。主な提携内容としては、九州ルーテル学院におけるインターナショナル小学部の新設と中高生への国際教育提供、国際カリキュラム(IB等)や国際教育認証機関の取得等、国際教育というインフラを構築するため、アオバが支援するものである。半導体受託製造の世界最大手であるTSMCが、2024年に熊本工場を新設する予定で、同工場に従事する社員の子女等に対して国際教育のサービスを提供することが今回の連携協定の背景にあり、今後も同様のケースが増える可能性がある。
※1926年に前身となる九州女学院を設立。現在は九州ルーテル学院大学、ルーテル学院中学・高等学校、認定こども園ルーテル学院幼稚園、九州ルーテル学院大学附属 黒髪乳児保育園を運営している。英語教育や国際性を育む教育を特色としている。
また、新たな取り組みとしてIBDPのオンライン校のほか、コロナ禍の終息に伴いAJISで4年ぶりに再開したサマースクールが好評だったことから(全プログラム満員)、今後は夏・冬・春の季節スクールを開催する予定で、新たな収益源として期待される。
なお、アオバでは文部科学省からの受託事業として2018年度から取り組んできた「国際バカロレアに関する国内推進体制の整備」事業について、2023年度以降も受託し継続することを2023年9月に発表した(最長5年間)。旧委託期間(5年間)では、政府目標であったIBプログラム導入200校を達成すべく、情報共有を行うポータルサイト「文部科学省IB教育推進コンソーシアム」の運営や情報発信、シンポジウムやカンファレンスの開催、IBに関心を持つ教育機関への支援などの普及促進に取り組んできた。売上高は年間40百万円程度と直接の業績への影響は軽微だが、今後もIB認定取得を目指す学校が増えてくれば、導入支援サービスの拡大が期待される。
e) ITマネジメント事業系
ITマネジメント事業系は、2025年3月期に売上高1,000百万円、営業利益146百万円を目指す(2022年3月期比売上高2.92倍、営業利益3.65倍)。経営のDXに伴い業種を問わずデジタル人材の育成ニーズが高まっていることで、ITマネジメント領域における人材育成市場の拡大が見込まれる。
成長戦略としては、1) セールス・マーケティングの強化、2) プロダクト・サービスの開発、3) デリバリーリソースの拡充の3点に取り組んでいく。セールス・マーケティング施策としては、DevOpsやアジャイルの国内啓蒙活動強化によるDX研修マーケットの活性化を図るほか、各種ユーザーコミュニティへの貢献の継続、Webサイトのコンテンツ拡充などを推進するほか、同社の法人営業部経由での販売も強化する。プロダクト・サービスの開発では、グローバルの最新コンテンツをいち早く輸入・活用するほか、DXコンテンツ、実践プログラムのラインナップを充実させていく。デリバリーリソースの拡充では、業界経験者や講師陣との契約によるリソースプールの拡大、並びに講師育成プログラムの強化による講師の拡充などに取り組み、旺盛な研修ニーズや講師派遣ニーズに対応する考えだ。
(2) SDGsの取り組み
同社グループでは、SDGsの実現に貢献する「グローバル社会で活躍する人材の輩出」を経営ミッションに掲げており、「教育」×「DX」によりSDGs/ESGの課題に取り組んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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