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NYの視点:【今週の注目イベント】中東地政学的リスク、米小売、パウエルFRB議長講演、露プーチン大統領訪中

配信日時:2023/10/16 07:45 配信元:FISCO
*07:45JST NYの視点:【今週の注目イベント】中東地政学的リスク、米小売、パウエルFRB議長講演、露プーチン大統領訪中 今週は9月小売売上高や地区連銀経済報告(ベージュブック)、パウエルFRB議長講演に注目が集まる。9月小売売上高は伸びが縮小し利上げ終了に近づいたことを正当化する可能性がある。また、イスラエルとハマス戦闘深刻化でリスク回避の動きが優勢となると見る。イスラエルは国連にガザ北部からの職員退避を通告、地上戦でイスラム過激派ハマス組織破壊を試みると見られ安全通貨のフラン買いやリスク回避の円買いが優勢。同時に安全資産の米国債にも資金が流入し金利低下でドルの上昇も限定的となると見る。

最新の雇用統計で雇用の伸びが予想のほぼ倍に拡大するなど、労働市場が減速している兆候があまり見られない。経済や雇用が予想以上に強く、高インフレも長期化するとの見通しを背景とし国債相場は急落。10年債利回りは急伸し、2007年以来で最高水準に達するなど激しい動きを受けて、FRB高官は金融政策が十分に引き締まった可能性を指摘し始め、FRBの利上げ終了期待も強まりつつある。もし、パウエル議長が講演で、一部高官と同様に最近の長期債利回りの急伸が金融市場の引き締まった証拠で、金融政策が十分に景気抑制的水準、あるいは近づいたとの見解を示した場合、利上げ終了期待が強まり、ドル買いが後退する可能性はある。しかし、FRBが注視している住宅を除いたコアサービス価格は逆に1年ぶりの大幅な伸びを示しており、インフレ制御は容易ではない。原油価格の上昇で期待インフレも再び上昇。議長はインフレを巡り勝利宣言にはまだ長い道のりと繰り返す可能性が強く、ドルは底堅い展開を継続か。そのほか、イスラエルとハマスの戦闘が深刻化する中、共和党下院は議長選出に苦戦しており、政局混乱はリスク要因となる。

■今週の主な注目イベント
●米国
16日:10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、9月月次財政収支、イエレン財務長官がユーロ圏財務相と会合、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演
17日:9月小売売上高、9月鉱工業生産・設備稼働率、8月企業在庫、10月NAHB住宅市場指数、8月対米証券投資、ウィリアムズNY連銀総裁が司会、バーキン米リッチモンド連銀総裁が講演
18日:9月住宅着工件数・許可件数、地区連銀経済報告(ベージュブック)、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演、ウィリアムズNY連銀総裁が討論会に参加
19日:週次失業保険申請件数、10月フィラデルフィア連銀連銀景況指数、9月中古住宅販売、パウエルFRB議長がNYエコノミッククラブで講演、グールズビー米シカゴ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁講演、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演、ローガン米ダラス連銀総裁が講演
20日:ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演

●日本
16日:鉱工業生産
19日:貿易収支
20日:CPI

●欧州
16日:仏中銀総裁が講演
17日:独ZEW調査
18日:ユーロ圏CPI

●英国
16日:英中銀ピルチーフエコノミストが講演
17日:失業保険申請、失業率
18日:CPI

●中国
17日:北京でフォーラム開催、露プーチン大統領出席予定
18日:GDP、小売売上高、鉱工業生産

●豪州
18日:ブロック豪州準備銀総裁が講演

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