注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.19%安でスタート、人民銀が指標金利「LPR」を据え置く
配信日時:2023/08/21 10:54
配信元:FISCO
*10:54JST (中国)上海総合指数は0.19%安でスタート、人民銀が指標金利「LPR」を据え置く
21日の上海総合指数は売り先行。前日比0.19%安の3125.99ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時46分現在、0.48%安の3117.06ptで推移している。中国人民銀行(中央銀行)が最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を市場予想に反して据え置くと発表したことが嫌気されている。市場では、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが4.20→4.05%、銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.55→3.40%に引き下げられると予想されている。また、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題、消費低迷など内部環境の不透明感も引き続き圧迫材料となっている。
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注目トピックス 経済総合
国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは3月実績を下回る見込み
*13:14JST 国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは3月実績を下回る見込み
5月20日-24日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■22日(水)午前8時50分発表予定○(日)4月貿易収支-予想は-3735億円参考となる4月上中旬分の貿易収支は-8500億円。赤字額は前年同期比でやや減少。前年4月の貿易収支は最終的に-4298億円だったことから、今年4月の貿易収支は前年と同程度の赤字幅となる可能性がある。■22日(水)午後11時発表予定○(米)4月中古住宅販売件数-予想は416万戸参考となる3月実績は419万戸。2月に販売件数が急増した反動が出たことや住宅ローン金利の高止まりが影響したようだ。4月については、ローン金利が大きな動きを見せていないため、3月実績を下回る可能性がある。■23日(木)午後5時発表予定○(欧)5月S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI -4月実績は45.7参考となる4月改定値は45.7。速報値から若干改善。ただ、新規受注はさえない状態が続いており、指数を圧迫している。5月については4月時点の新規受注が低調であることから、4月実績と同程度にとどまる見込み。■24日(金)午前8時30分発表予定○(日)4月全国消費者物価コア指数-予想は前年比+2.2%参考となる3月実績は前年同月比+2.6%。原材料価格上昇の転嫁の影響が一段と後退し、コア指数の伸び率は2月実績を下回った。4月については、円安や原油価格上昇の影響はあるものの、前年比での上昇率は3月実績を下回る見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・22日(水):(NZ)NZ準備銀行政策金利発表、(英)4月消費者物価コア指数・23日(木):(米)5月サービス業PMI、(米)4月新築住宅販売件数・24日(金):(米)4月耐久財受注
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2024/05/18 13:14
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NYの視点:FRB高官、インフレは正しい方向も利下げには依然慎重、ドル下値限定的か
*07:54JST NYの視点:FRB高官、インフレは正しい方向も利下げには依然慎重、ドル下値限定的か
連邦準備制度理事会(FRB)の高官は、インフレが今後鈍化するとの見通しだが、目標の2%達成を一段と確信するには長い時間を要する可能性があるとの考えで、一致している。しかし、インフレ動向次第での追加引き締めの可能性に関しては、パウエル議長は「利上げの可能性は少ない」との見解。一方で、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁や米クリーブランド連銀のメスター総裁は、インフレ動向次第で追加引き締めも除外していない。カシュカリ総裁は2024年度の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たないが、メスター総裁は投票権を持っている。米アトランタ連銀のボスティック総裁は4月消費者物価指数(CPI)が3カ月平均を下回り、住居インフレが21年半ば以来の低水準となったことを歓迎したが、改善基調はまだ十分ではなく、「金融当局は辛抱強く警戒を怠らない姿勢が必要だ」と慎重姿勢を維持。ただ、年末にかけて利下げに踏み切るのが適切となる可能性を指摘した。議長や副議長と同じく連邦公開市場委員会(FOMC)で影響力が強いNY連銀のウィリアムズ総裁は「最新のインフレデータは物価上昇圧力が和らいでいることを裏付けているが金利を調整するには更なる証拠が必要」と、利下げに慎重。今、金融政策のスタンスを変える理由があることを示す指標は見当たらないと、政策金利を現状で当面維持することを支持した。また、インフレ率が2%目標に近づくという一段と強い確信が必要だが、近い将来にそれが得られるとは思わない、と当面利下げを見込んでいない。ウィリアムズ総裁はインフレで年末までに2%台前半、2024年は2.5%、来年末は2%に近づくと予想している。FRBの利下げに慎重な姿勢でドルの下値も限定的か。
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2024/05/17 07:54
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プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:46JST プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新』と述べています。続けて、『プラチナは、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが高まったところに、供給不足が改めて認識されて、14日に0NYプラチナ(7月限:1048.8ドル) 、15日にOSEプラチナ(5326円)がいずれも年初来高値を更新した。OSEプラチナは円安の支援もあり、上値抵抗線と目されていた5000円の大台を突破した』と伝えています。次に、『4月米雇用統計は、非農業部門就業者数の伸びが前月から大きく縮小したほか、平均時給の伸びも前月から減速するなど労働市場の勢いが鈍化していることを示唆する内容だった。9日に発表された新規失業保険申請は2週連続の悪化となり、労働市場の沈静化が示唆された。FRBが年内にも利下げに踏み切るとの期待が改めて強まり、ドル安を受けてプラチナ相場は上昇した』と解説しています。また、『英精錬大手ジョンソン・マッセイは9日に公表した報告書で、今年の白金市場は過去10年で最大の供給不安に陥っていると明らかにした。前年に高水準を保っていたロシアからの輸出が平年の水準まで減少したことや、工業用の底堅い需要が背景にある』とし、また、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は13日、今年の白金供給不足が市場予想を上回るとの見通しを明らかにした。白金は自動車の排ガス触媒としての需要が高まっており、相場はパラジウムを上回って推移するとも予想された。実際、5月に入り、NY市場ではプラチナ価格はパラジウム価格を上回っている』と伝えています。陳さんは、『大手2社による供給不足見通しを受けて、プラチナ相場は年初来最高値を更新して上昇基調に転じた。押し目買いが続くだろう』と考察しています。今週のレンジについては、NYプラチナが『1000~1100ドル』、OSEプラチナが『4600~5600円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月15日付「プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/16 17:46
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NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃
*07:39JST NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃
労働省が発表した4月消費者物価指数(CPI)は+0.3%となった。伸びは予想外に3月+0.4%から鈍化し1月来で最低。6か月間で初めて伸びが鈍化した。前年比では+3.4%と、予想通り3月+3.5%から伸びが鈍化した。連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視している燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.3%と、予想通り3月+0.4%から伸びが鈍化し昨年12月来で最低となった。前年比では+3.6%。伸びはやはり予想通り3月+3.8%から鈍化し21年3月来で最低となった。燃料コストが1.1%上昇で総合インフレ指数を押し上げ。ガソリン価格が+2.8%(3月+1.7%)と上昇したが、天然ガスや電気代の下落が相殺した。食品価格は横ばい。物のコア指数は-0.1%。中古車価格が―1.4%(3月―1.1%)、新車が―0.4%(-0.2%)。コアサービスインフレも+0.4%と、3月の+0.5%から伸びが減速。賃貸は+0.35%と3月の+0.41%から減速。一方で自動車保険コストは+1.8%、レジャーサービスも+0.3%と3月の+0.1%から加速し、インフレの根強い証拠となった。ただ、遅行指標とされる賃貸にもようやく、ディスインフレの兆候が見られ始めたことは連邦準備制度理事会(FRB)にとり朗報となり、インフレが正しい方向に向けて推移している証拠となった。同時に他の項目での価格の上昇が見られ、インフレ改善に向け、FRBが一段と確信するにはまだ、不十分との見方も少なくない。FRBが最もインフレ指標として注目している31日に発表される4月コアPCEデフレーターはCPIやPPIの結果を受けて、減速の基調を示すと見られている。ブルーンバーグの予想で、コアPCEデフレーターは+0.247%と、第1四半期のレンジ0.26%-0.49%を下回る見通し。前年比では+2.8%と、3月と同水準。パウエル議長が特に注視している住宅を除いたコアサービス、スーパーコアも+0.21%(3月+0.39%)、前年比+3.4%(+3.5%)鈍化が予想されている。ただ、目標の2%は引き続き上回る見込み。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「金融政策が経済にどの程度、下方圧力を加えているかが最大の不確実性となっており、このため、より長く、金利を据え置く可能性が高い」との見解を再表明した。インフレ鈍化を一段と確信するためにはさらなる証拠が必要となる可能性が残る。
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2024/05/16 07:39
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南アフリカランド円今週の予想(5月13日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*17:40JST 南アフリカランド円今週の予想(5月13日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、南アフリカランド円について、『ドル円の堅調地合いもあり、押し目買いが続きそうだ』と述べています。続いて、『先週の南アフリカランド円は、4月スタンダード銀行PMIが50.3と好不況の分岐点50.0を超えたことが好感された。前月は48.4だった。また、南アフリカの主要産品である金とプラチナ価格が堅調に推移したことも交易条件の改善期待を強めた。こうした背景から、南アフリカの主要株価指数が約9ヵ月ぶりの高値圏へと急上昇した。3月製造業生産は-6.4%と予想+0.3%を大幅に下回ったが、市場の反応は小さかった』と伝えています。今週は、南アの第1四半期失業率、3月小売売上高等主要経済指標が発表されます。また、交易関係の深い中国の4月小売売上高、4月固定資産投資、4月鉱工業生産も発表されます。陳さんは、『南ア経済指標が市場予想を上回る場合や、中国経済指標が力強さを示す場合には、南アフリカ経済の回復期待から、南アランドは一段高となりそうだ』と考察しています。また、『5月29日開催予定の南ア総選挙では、与党のアフリカ民族会議(ANC)過半数を割り込むと予想されているが、中長期的に南ア政治の透明化や汚職払拭に繋がるとの期待感が出てきている』と示唆しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.25円~8.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月14日付「南アフリカランド円今週の予想(5月13日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/15 17:40
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NYの視点:米CPIは伸び鈍化期待、4月PPI受け、PCEインフレは高止まりも
*07:40JST NYの視点:米CPIは伸び鈍化期待、4月PPI受け、PCEインフレは高止まりも
米4月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.5%となった。3月-0.1%からプラス改善し伸びは予想+0.3%を上回った。ただ、3月分は-0.1%と、速報の+0.2%から下方修正された。前年比では+2.2%と、予想通り1年ぶり最大の伸びとなった。3月分は+1.8%と、+2.1%から下方修正された。変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数も前月比+0.5%と、3月-0.1%から予想以上に伸びが拡大。3月分は+0.2%から-0.1%へ下方修正。コア指数は前年比+2.4%。伸びは昨年8月来で最大の伸びで予想+2.3%も上回った。結果はディスインフレ兆候が引き続き停滞した証拠となった。ただ、一部PCEの算出に用いられる項目、病院の通院コスト―0.1%、航空券―3.8%と伸びが一服。さらに、医師による診察コストも緩やかな上昇にとどまった。サービスコストは+0.6%と7月来で最大の伸びとなり、PPI指数を押し上げた。物は燃料価格の上昇が影響し+0.4%。航空料金の大幅下落、自動車保険の伸びが横ばいにとどまったため、4月消費者物価指数(CPI)では伸び鈍化が予想されている。ただ、総合PPIが高く、PCEは高止まりする可能性には警戒が必要か。
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2024/05/15 07:40
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潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】
*16:06JST 潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。習近平の「新質生産力」戦略習近平の「新質生産力」戦略は、半導体業界を取り巻く環境に多大な影響を及ぼしてきた。特に中国国内ではその影響が顕著であり、台湾のパッケージング・テスト大手企業は戦略の練り直しを余儀なくされている。この戦略の登場により、中国政府が新たな質の生産力の育成に力を入れるようになり、半導体業界の競争力学が再構築された。質の生産力の育成が重視されるにつれて、補助金やリソースが国内企業に優先的に配分され、競争環境を変化させたのである。台湾企業はコスト圧力の高まりと失注リスクを受け、競争力を維持し、市場シェアを確保するため中国工場の売却を強いられた。この戦略的な行動は、コスト最適化を容易にするだけでなく、習近平のイニシアチブの目的にも沿う。今後は、中国の国内サプライヤーへの支援が強化されることで、競争環境の再構築が進む可能性がある。半導体などの極めて重要な産業全体で自給自足の強化が推し進められており、中国での事業継続の理由が急速に失われてきている。中国の半導体パッケージング・テスト業界ではここ数年、競争が激化しており、「インボリューション(内巻)」と呼ばれる現象を招いていた。台湾企業の撤退理由の1つに、この現象がある。京隆科技の売却先の1つである通富微電を例に説明する。同社の昨年の収入は、京隆科技のそれをはるかに超える1,000億ニュー台湾ドルに達した。だが、中国政府からの補助金を差し引くと、純利益はわずか2億7,000万元で、京隆科技のそれをはるかに下回る。これは、中国の半導体市場の価格競争の熾烈さを物語っている。さらに、マイクロコントローラユニット(MCU)とパネルドライバICの主要企業による、台湾から中国国内のウェハー製造への戦略的な乗り換えは、半導体バリューチェーンのダイナミクスの変化を如実に表しており、中国国内への生産プロセスの集約が重視されていることがよく分かる。こうした動向を受け、台湾の半導体企業は戦略の優先順位を再評価し、地政学的環境と経済環境の変化に対応する必要がある。現在、半導体業界は習近平の「新質生産力」と中国の技術的野心によってもたらされる複雑な状況で困難な調整を余儀なくされている。競争が激しさを増す環境で企業が生き残るためには、アジリティを高め、イノベーションを起こす必要がある。台湾半導体企業の次なるステップ台湾のパッケージング・テスト企業は、急速に変化する戦略環境に直面しており、課題が増大する中、競争力を維持するためには将来を見据えたアプローチが必要となる。地政学的ダイナミクスが変化する中で台湾の半導体企業が生き残るためには、アジャイルな戦略をとる必要がある。台湾企業は、地政学的緊張による影響と半導体業界の力学の変化に対処しながら、中国の同業他社との技術格差を拡大するための方策を模索せざるを得ない。品質とイノベーションを重視する台湾企業は、厳しい品質要件を持つ顧客から選ばれるパートナーとなるために戦略的な準備を行い、優れた技術力を活かして市場での差別化を図っている。京元電子にとって、蘇州工場の売却は、戦略の道筋の転換点となる。さらに、台湾の半導体テスト施設においては、中国市場に関連する課題に対処しつつ、成長と拡大を目指す代替策を模索している。同社はこうした戦略的な動きに加えて、今年、設備投資額を70%も増やすという野心的な計画を発表した。この積極的な見通しは、高性能コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)など急成長セクターにおいて、今後大きなビジネスチャンスが生まれるという京元電子の確信を示している。同社の高度なテストシステムへの戦略的投資は、重要な顧客である米国企業のニーズの変化に対応し、世界の半導体エコシステムのリーダーとしての地位を強化するという同社の姿勢の表れにほかならない。さらに、台湾の半導体テスト施設は、中国市場がもたらす課題に対処する中で、成長と拡大を図る代替策を模索している。台湾への資金と技術の還流に加えて、これらの企業は東南アジアやメキシコなど新たなアウトソース国に新たなチャンスを見出している。友好的なアウトソース国の出現により、台湾企業は生産拠点を多様化し、地政学的不確実性にともなうリスクを軽減する戦略的チャンスを得ることができた。一方、中国のニアショアアウトソーシング戦略は、ローテク産業あるいは労働集約型産業の国内集約を奨励することで、米国による対中関税引き上げに対抗する、総力を結集しての取り組みにほかならない。こうした戦略のシフトを受け、備品やハードウェアなどの業界では、メキシコへの拠点の移転が急増している。その後押し要因である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)で関税が免除されることから、生産性が急激に向上しており、メキシコではこれら業界が対米輸出で不可欠な存在となった。結論世界の地政学的情勢が複雑化する中、半導体業界は知らぬ間に不確実性の渦に巻き込まれ、京元電子など台湾の大手企業は、戦略の優先順位を徹底的に見直す必要がある。地政学的緊張の高まりに対処するために、将来を見据えたアプローチを取り、リスク軽減と持続的な成長やイノベーションを両立させる代替戦略を模索することが台湾の半導体企業にとって不可欠である。中国子会社の売り急ぎは不確実性に直面する今、賢明な選択に思えるかもしれないが、台湾企業はそうした決定がもたらす長期的な影響を慎重に見極めなければならない。全面的な売却の代わりに、ニアソーシングやフレンドショアリングを有効な代替策として検討する必要がある。ニアソーシングにより、企業は中国における戦略的プレゼンスを維持しながら、同国の主要市場への近接性と熟練した労働力へのアクセスを活用できる。フレンドショアリングは、米国に本拠を置くサプライヤーとのパートナーシップで明らかなように、サプライチェーンの多様化と、地政学的緊張の高まりに伴うリスクの軽減を図るチャンスをもたらしてくれる。加えて、台湾の半導体企業は、東南アジアやメキシコなどの友好国にアウトソーシングすることで、新たなチャンスを生かすことができる。生産拠点を多様化することで、企業は一つの市場への依存を減らし、地政学的不確実性の高まりにともなうリスクを軽減することができる。また、台湾の各業界は、研究開発とイノベーションに優先的に投資をし、世界の半導体エコシステムにおける競争力を維持すべきである。新しいテクノロジーを採用し、新たな市場トレンドに適応することで、台湾企業は、地政学的課題に関係なく、業界のリーダーとしての地位を確立できる。習近平国家主席が新質生産力の育成に力を入れる今、台湾の半導体業界はアジリティと変化対応力を保持しなければならない。イノベーションと戦略的洞察力を活用することで、台湾企業は急激に変化する地政学的環境に対応し、今まで以上に強力な組織となり、半導体エコシステムにおけるグローバルリーダーとしての地位を確立することができるのである。写真: SPIL(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/14 16:06
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潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】
*16:03JST 潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】
以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに世界的な地政学的情勢が相互に作用し複雑さを増す中、台湾のパッケージング・テスト業界は大きな転機を迎え、課題とチャンスが混在する環境で難しいかじ取りを迫られている。日月光投資控股(ASE)傘下の硅品精密工業(SPIL)が2020年に中国から撤退したことを受け、市場における地位の強化と生産拠点の多様化を目的とした戦略的対応が、業界全体で相次いでみられてきた。ASE、京元電子股分有限公司(KYE)、力成科技股分有限公司、南茂科技股分有限公司などの台湾企業が、中国の拠点から次々と撤退している。米国のQorvo社やSkyworks Solutions社、そして韓国のSFA半導体社も、今年に入り、中国の工場を売却している。この動きを契機に、業界全体で見直しの動きが広がり、地政学的ダイナミクスの変化に直面しながら、SPILなどの企業は戦略の再構築を余儀なくされた。SPIL社は、地政学的な不確実性に対応するため、将来を見据えたアプローチを反映した多面的な戦略を展開している。桃園や彰化、高雄など主要地域での生産拡大による台湾でのプレゼンスの強化だけでなく、フィリピンや韓国、マレーシアなど新たな市場へも果敢に進出している。これらの戦略的な拡大は、世界情勢の不確実性が高まる中で、多角化とリスク軽減に取り組むSPIL社の姿勢を明確に示している。他の企業も地政学的な変化に応じて戦略の練り直しを進めており、業界全体でSPIL社と同様の対応が広く見られる。これは、地政学的な緊張がもたらす課題に直面する業界のレジリエンスと変化への対応力の高さを明確に示している。このような背景から、以下のセクションでは台湾の半導体セクターにおける複雑な状況を深く掘り下げ、京元電子による京隆科技の売却や、習近平の「新質生産力」戦略が業界に及ぼす影響など、主要な動きを検証する。これらを探る中で、台湾の半導体企業が地政学的な課題にどのように対処し、将来の成長と成功に向け態勢を整えているかを把握する。京元電子による京隆科技の売却2024年4月26日、半導体バックエンドテスト業のグローバルリーダーである京元電子は、中国で約15年にわたって営業してきた子会社である京隆科技を217億2,000万元で売却すると発表した。京隆科技は、2002年に中国の蘇州で設立され、現地で急速に増加しているICパッケージングサービスの需要に戦略的に対応してきた。京隆科技は、自社の堅固なインフラと豊富な専門知識を活かし、強力なレベニュードライバーとして、京元電子の昨年の収入全体に対する寄与率が30%に達した。純利益が19億元で、親会社の利益全体に占める割合が30%という予想を上回る業績は、中国当局肝いりの「科創板」への上場という京隆科技の当初の計画の実現を後押しした。しかしながら、京元電子がこの中国子会社の売却を決定したことにより、業界内でさまざまな憶測や議論が巻き起こった。この決定は、地政学的な不確実性に直面する中での、リスク管理と戦略的ポジショニングに対する京元電子の先を見据えたアプローチを反映したものである。中国子会社の売却により、同社は業務効率を最適化し、コアコンピテンシーに注力することで、世界の半導体市場における競争力を強化することを目指す。こうした戦略の練り直しは、ハイエンド製品のテスト能力を台湾で強化することで、世界の半導体分野での競争力を高めるという同社の姿勢を如実に表している。業界は現在、地政学的緊張や経済の不確実性に対処するために困難な局面に直面しており、京元電子のこの決定は、半導体エコシステムのリーダーとしての地位を維持するために、変化への対応力と戦略的洞察力がいかに重要であるかを浮き彫りにした。売り急ぎの背景にある理由を探る世界の地政学的情勢が変化する中、半導体業界は未知の領域に進出しており、あらゆる戦略的な作戦行動が市場ダイナミクスと競争環境に大きな影響を及ぼす。京元電子をはじめとする台湾の半導体大手による中国子会社の「売り急ぎ」は、地政学的な不確実性に対する単なる通例的な反応ではない。これは、国際関係の潮目の変化に対する意図的な対応なのである。2018年までは、未開拓の可能性と無限のチャンスを秘めた中国市場の魅力に、世界各地の大手半導体企業が誘い込まれた。だが、米中関係の新時代が始まる中で、貿易摩擦の悪化や規制環境の不確実性の高まりなどにより、地政学的な情勢も風向きが変わった。米国が輸出禁止や追加課税の措置を連発したことで、世界中の半導体業界には大きな衝撃が走り、半導体企業は戦略の優先順位やリスクプロファイルの見直しを迫られることとなった。こうした地政学的変動と時を同じくして、中国政府は国内の半導体エコシステムを強化するために全力を挙げて取り組み始めた。この動きには、外国企業への依存を減らし、中国発のトップ企業を育成する狙いがある。この戦略的な取り組みは、中国で事業を展開する外資系半導体企業に多くの困難をもたらし、規制上の障壁や激しい競争圧力など、過酷さを増すビジネス環境における課題を増やすこととなった。中国子会社を売却し、その資金を台湾に還流させるという京元電子の決断は、地政学的逆風を受けて、レジリエンスとアジリティの向上へと戦略を方向転換させたと言える。この決断により、同社は事業を台湾に集約することで、国際政治の予測のつかない変動による影響を完全にシャットアウトすることができるだけでなく、台湾の強固な半導体エコシステムを活用し、研究開発力と生産力を強化することも可能となる。台湾の半導体企業の「脱中国」は、業界全体に広がる傾向を反映したものであり、企業は世界最大の半導体市場における拠点の見直しを進めている。SPILなどの大手企業に続き、台湾の半導体企業は、不確実性が高く、規制当局の監視も厳しい、危険が潜んでいる可能性のある海域を避けるため、中国の資産の削減を進めている。業界内部関係者からの情報によると、中国に進出した半導体企業が直面している課題とチャンスについて、厳しい現実が浮かび上がってきた。激しい価格競争や国内競合他社への国家主導の支援に直面しながら、外資系企業はダビデとゴリアテの戦いから脱することができず、戦略的なアジリティとイノベーションが生き残りの鍵を握る。結局のところ、中国子会社の売り急ぎは、地政学的な情勢と企業戦略の複雑な相互作用を明確に示している。いかなる動きも、グローバルな力学と経済的必然性の視点から厳密に精査される。半導体業界が荒れ狂う海域を進む今、企業は緊張感を持ち、変化に対応し、将来を見据えた考え方を崩さずに、複雑な地政学的環境に対処し続けなければならない。「潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: SPIL(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/14 16:03
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NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退
*07:41JST NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退
NY連銀が発表した4月分の調査で1年先のインフレ期待は3.26%と、昨年11月来で最高となった。特に連邦準備制度理事会(FRB)が期待インフレ率として注目の5年先のインフレ期待も2.82%と、3月の2.62%から上昇した。住宅価格、ガス料金、食品価格、賃貸、大学の費用など広範にわたり消費者は一段の上昇を予想していることが明らかになった。ただ、賃金の伸びは2.71%と、2.79%から減速が予想されている。また、職を失うことを予想している消費者は減ったが、同時に、労働市場の強さを示すと見られている自主退職の可能性も低下した。さらに、失職後、3カ月内で新たな仕事が見つかるとの期待も低下したことは労働市場のひっ迫が緩和した証拠と見られる。■NY連銀4月調査インフレ見通し1年:3.26%(3月3%)3年:2.76%(2.9%)5年:2.82%(2.62%)住宅価格:+3.29%(+3.05%)ガス料金:4.78%(4.47%)食品:5.31%(5.08%)賃貸:9.12%(8.74%)賃金の伸び:2.71%(2.79%)職を失う可能性:15.12%(15.73%)自主退職の可能性:19.36%(20.64%)3カ月で新たな仕事が見つかる期待:50.88%(51.17%)先週発表された5月ミシガン大消費者信頼感指数でも1年期待インフレ率速報値は3.5%と、4月3.2%から予想外に上昇し昨年11月来で最高となった。5-10年期待インフレ率速報値も3.1%と、予想外に4月3.0%から上昇し昨年11月来で最高となった。FRBは金融政策を決定するうえで、期待インフレの動向を重要視している。長期期待インフレが下げ止まつた場合、利下げも先送りされる可能性が強まる。
<CS>
2024/05/14 07:41
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