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ベルシス24 Research Memo(5):2023年2月期第2四半期決算は、コロナ関連業務が大きく貢献(1)
配信日時:2022/12/12 15:05
配信元:FISCO
■ベルシステム24ホールディングス<6183>の業績動向
1. 2023年2月期第2四半期連結業績
2023年2月期第2四半期における日本経済は、コロナ禍の感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進むなか、景気の持ち直しの動きが見られた。一方で、世界的な金融引締めによる金融市場の変動や、不安定な国際情勢による原材料価格の上昇、供給面での制約など、依然として先行きが不透明な状況が続いた。また、雇用環境においては、コロナ禍の収束を見据えた急激な採用活動の活発化により、人手不足が顕著になると共に、人件費の水準は上昇基調となった。
同社グループの主力事業であるCRM事業においては、アウトソーシング需要の高まりを受け、市場規模は堅調に推移した。また、コミュニケーション手段の多様化に伴い、消費者との対話においてもAI(人工知能)等の導入や、分散される顧客対応データの資産化・活用が求められる等、カスタマーサービス分野において、なお一層のサービスの高度化が求められている。
このような経営環境のもと、同社グループでは2021年2月期からスタートした中期経営計画に基づき、「社員3万人の戦力最大化」、「音声データ活用によるDX推進」、「信頼と共創のパートナー成長」の実現に取り組んでおり、着実に成果をあげている。こうした取り組みの結果、同社の2023年2月期第2四半期累計の連結業績は、売上収益78,291百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益8,183百万円(同13.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益5,225百万円(同6.2%増)の増収増益決算となった。通期の業績予想に対する進捗率は、売上高、営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益のいずれも50%以上となる順調な進捗であった。
売上収益は、特にコロナ関連業務の増加に伴い、大幅な増収となった。営業利益段階では、人件費、広告宣伝費、ITシステム費用等の販管費が増加したものの、増収効果に伴う売上総利益の増加が上回り、大幅な増益となった。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、持分法による投資損益の減少に伴い、営業利益に比べて小幅の増益率にとどまった。持分法による投資損益の減少は、主にTBネクストコミュニケーションズのコロナ関連業務の縮小と、タイのTrue Touch社における主要株主True社からの大型業務移管に伴う運営コスト負担増によるものであった。
以上のような好決算は、コロナ禍という非常事態でも、同社が社会インフラとしての役割を十分に果たしている証左と言えよう。この結果、売上収益営業利益率は10.5%に改善した。また、同社の2022年2月期のROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は16.0%、ROA(資産合計税引前利益率)も7.7%と高い。これらの指標は、2022年3月期の東証1部上場会社サービス業平均の売上高営業利益率5.4%、ROE 7.1%、ROA0.7%を、大きく上回っている。同社が属するサービス業には様々なビジネスモデルの会社を含むため、同社と業界平均の単純比較は難しい面があるものの、同社の収益性は極めて高いと評価できよう。
(1) セグメント別の状況
2023年2月期第2四半期累計では、主力のCRM事業の売上収益は77,809百万円(前年同期比7.2%増)、税引前四半期利益は7,712百万円(同7.3%増)となった。売上収益は、依然として先行き不透明な経済状況が続いているものの、社会インフラとしてのスポット需要や前期から業務開始した既存継続案件の売上が拡大したほか、伊藤忠商事及び凸版印刷との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移したこと等により、増収となった。また、税引前四半期利益は、増収による利益の伸長に加え、収益改善活動による効果等もあり、増益となった。
この結果、コア事業であるCRM事業の同社全体に占めるシェアは、売上収益の99.4%、税引前四半期利益の98.6%を占め、税引前利益率は前年同期と同水準の9.9%を維持し、同社全体の好業績を支えている。
CRM事業のうち、基礎業務の売上収益は65,190百万円(同1.5%増)と想定通り着実に増加した。人材・教育関連業務の売上収益が、コロナ禍での人材の流動化の動きの拡大に伴い増加傾向を続けた。非対面関連業務の売上収益も、Eコマース関連業務、デリバリー等関連業務、通販関連業務等が、コロナ禍での非対面サービスの利便性が消費者から一層認識されて、着実に増加している。さらに、キャッシュレス決済関連業務の売上収益も、QR決済等のキャッシュレス決済への潜在的社会需要は根強く、堅調に推移した。また、コロナ関連業務の売上収益は12,620百万円(同51.2%増)と、ワクチン・給付金対応業務を中心に大幅に増加した。
一方、その他では、ポッケの吸収合併に伴いコンテンツ販売収入が減少したため、売上収益は482百万円(前年同期比5.4%減)、税引前四半期利益は111百万円(同31.1%減)で、同社全体に占めるシェアも売上収益が0.6%、税引前四半期利益も1.4%にとどまった。
売上収益における伊藤忠シナジーについては、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用し伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得の継続・拡大を図った。同社が定義する伊藤忠シナジーとは、伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は広大である。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2018年2月期通期の97.6億円から、2022年2月期通期には151.6億円へと、年々順調に増加してきた。2023年2月期第2四半期累計も、82.4億円(前年同期比6.3%増)と、キャッシュレス決済関連業務、非対面関連業務を中心に増加を継続している。今後も新技術活用における連携(出資、提携など)、海外事業展開における連携などによって、伊藤忠シナジーはさらに拡大し続ける見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<NS>
1. 2023年2月期第2四半期連結業績
2023年2月期第2四半期における日本経済は、コロナ禍の感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進むなか、景気の持ち直しの動きが見られた。一方で、世界的な金融引締めによる金融市場の変動や、不安定な国際情勢による原材料価格の上昇、供給面での制約など、依然として先行きが不透明な状況が続いた。また、雇用環境においては、コロナ禍の収束を見据えた急激な採用活動の活発化により、人手不足が顕著になると共に、人件費の水準は上昇基調となった。
同社グループの主力事業であるCRM事業においては、アウトソーシング需要の高まりを受け、市場規模は堅調に推移した。また、コミュニケーション手段の多様化に伴い、消費者との対話においてもAI(人工知能)等の導入や、分散される顧客対応データの資産化・活用が求められる等、カスタマーサービス分野において、なお一層のサービスの高度化が求められている。
このような経営環境のもと、同社グループでは2021年2月期からスタートした中期経営計画に基づき、「社員3万人の戦力最大化」、「音声データ活用によるDX推進」、「信頼と共創のパートナー成長」の実現に取り組んでおり、着実に成果をあげている。こうした取り組みの結果、同社の2023年2月期第2四半期累計の連結業績は、売上収益78,291百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益8,183百万円(同13.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益5,225百万円(同6.2%増)の増収増益決算となった。通期の業績予想に対する進捗率は、売上高、営業利益、親会社の所有者に帰属する四半期利益のいずれも50%以上となる順調な進捗であった。
売上収益は、特にコロナ関連業務の増加に伴い、大幅な増収となった。営業利益段階では、人件費、広告宣伝費、ITシステム費用等の販管費が増加したものの、増収効果に伴う売上総利益の増加が上回り、大幅な増益となった。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、持分法による投資損益の減少に伴い、営業利益に比べて小幅の増益率にとどまった。持分法による投資損益の減少は、主にTBネクストコミュニケーションズのコロナ関連業務の縮小と、タイのTrue Touch社における主要株主True社からの大型業務移管に伴う運営コスト負担増によるものであった。
以上のような好決算は、コロナ禍という非常事態でも、同社が社会インフラとしての役割を十分に果たしている証左と言えよう。この結果、売上収益営業利益率は10.5%に改善した。また、同社の2022年2月期のROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は16.0%、ROA(資産合計税引前利益率)も7.7%と高い。これらの指標は、2022年3月期の東証1部上場会社サービス業平均の売上高営業利益率5.4%、ROE 7.1%、ROA0.7%を、大きく上回っている。同社が属するサービス業には様々なビジネスモデルの会社を含むため、同社と業界平均の単純比較は難しい面があるものの、同社の収益性は極めて高いと評価できよう。
(1) セグメント別の状況
2023年2月期第2四半期累計では、主力のCRM事業の売上収益は77,809百万円(前年同期比7.2%増)、税引前四半期利益は7,712百万円(同7.3%増)となった。売上収益は、依然として先行き不透明な経済状況が続いているものの、社会インフラとしてのスポット需要や前期から業務開始した既存継続案件の売上が拡大したほか、伊藤忠商事及び凸版印刷との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移したこと等により、増収となった。また、税引前四半期利益は、増収による利益の伸長に加え、収益改善活動による効果等もあり、増益となった。
この結果、コア事業であるCRM事業の同社全体に占めるシェアは、売上収益の99.4%、税引前四半期利益の98.6%を占め、税引前利益率は前年同期と同水準の9.9%を維持し、同社全体の好業績を支えている。
CRM事業のうち、基礎業務の売上収益は65,190百万円(同1.5%増)と想定通り着実に増加した。人材・教育関連業務の売上収益が、コロナ禍での人材の流動化の動きの拡大に伴い増加傾向を続けた。非対面関連業務の売上収益も、Eコマース関連業務、デリバリー等関連業務、通販関連業務等が、コロナ禍での非対面サービスの利便性が消費者から一層認識されて、着実に増加している。さらに、キャッシュレス決済関連業務の売上収益も、QR決済等のキャッシュレス決済への潜在的社会需要は根強く、堅調に推移した。また、コロナ関連業務の売上収益は12,620百万円(同51.2%増)と、ワクチン・給付金対応業務を中心に大幅に増加した。
一方、その他では、ポッケの吸収合併に伴いコンテンツ販売収入が減少したため、売上収益は482百万円(前年同期比5.4%減)、税引前四半期利益は111百万円(同31.1%減)で、同社全体に占めるシェアも売上収益が0.6%、税引前四半期利益も1.4%にとどまった。
売上収益における伊藤忠シナジーについては、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用し伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得の継続・拡大を図った。同社が定義する伊藤忠シナジーとは、伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は広大である。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2018年2月期通期の97.6億円から、2022年2月期通期には151.6億円へと、年々順調に増加してきた。2023年2月期第2四半期累計も、82.4億円(前年同期比6.3%増)と、キャッシュレス決済関連業務、非対面関連業務を中心に増加を継続している。今後も新技術活用における連携(出資、提携など)、海外事業展開における連携などによって、伊藤忠シナジーはさらに拡大し続ける見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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