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アジア投資 Research Memo(2):2023年3月期上期は上場株式売却の一部見合わせ等で計画を下回る
配信日時:2022/12/07 16:22
配信元:FISCO
■決算概要
1. 2023年3月期上期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2023年3月期上期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前年同期比9.3%増の1,112百万円、営業損失が488百万円(前年同期は413百万円の損失)、経常損失が579百万円(同529百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が671百万円(同651百万円の損失)となった。
従来連結基準では、営業収益が前年同期比75.8%増の669百万円、営業損失が598百万円(前年同期は496百万円の損失)、経常損失が640百万円(同538百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が655百万円(同643百万円の損失)と増収ながら損失幅が拡大した。また、期初見込値(及び8月12日公表の修正見込値)に対しても、営業収益、各利益ともに下回る着地となっている。
従来連結基準による業績の概要は以下のとおりである。
国内上場株式やプロジェクト投資(メガソーラープロジェクト1件)の売却が増収に寄与した。営業収益が見込値を下回る着地となったのは、予定していたIPOの期ずれによる影響や、株価低迷に伴う国内上場株式の一部売却の見合わせ、海外の未上場株式における売却手続きの遅れなどが理由である。
また、損益面では、それらによる株式売却益の下振れに加え、投資先に対する引当金の増加※1や植物工場(プロジェクト投資)の黒字化の遅れ※2などが見込値を下回る要因となり、損失幅も拡大した。
※1 事業進捗の大幅遅延先や、回収交渉が長期化した先に対する引当金を計上。
※2 需要拡大に対応すべく、生産ラインを増設(2021年9月竣工)したものの、生産量の拡大が計画に追い付いていないことが原因のようだ。
財務面(従来連結基準)では、「現金及び預金」の減少やメガソーラープロジェクトの売却に伴う「プロジェクト投資」の減少などにより、総資産は前期末比9.3%減の13,576百万円に縮小した。一方、自己資本も損失計上及び上場株式の含み益の減少※に伴い同9.8%減の7,019百万円に縮小し、その結果、自己資本比率は51.7%(前期末は52.0%)とほぼ横ばいで推移した。また、有利子負債残高は前期末比8.3%減の5,448百万円となり、将来の成長に向けた投資資金を確保した上で、着実な圧縮を図っている。
※その他有価証券評価差額金の減少
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は前年同期比23.2%増の361百万円、営業総損失は159百万円(前年同期は1百万円の利益)と増収ながら減益(損失計上)となった。営業収益は、国内上場株式の売却が増加したことで増収を確保したものの、予定していたIPOの期ずれによる影響や、株価低迷に伴う国内上場株式の一部売却の見合わせ、海外の未上場株式における売却手続きの遅れなどにより、見込値を下回る着地となった。また、損益面でも、それらに伴う株式売却益の下振れに加え、想定を超える引当金の計上により減益となった。
(2) プロジェクト投資
営業収益は前年同期比254.0%増の308百万円、営業総利益は同121.6%増の113百万円と増収増益となった。営業収益は、メガソーラープロジェクト(1件)の売却に加え、前期に売却した物流施設の利益配当を受領したことで大幅な増収となった。一方、損益面では、それらを通じた収益の押し上げにより増益となったものの、植物工場の黒字化の遅れや新規プロジェクトの立ち上げに伴うコストの増加により見込値には届かなかったようだ。
2. 2023年3月期上期の総括
2023年3月期上期を総括すると、株価低迷等を背景とした株式売却益の下振れによるところが大きく、とりわけIPOにおけるロックアップ解除後の売却は、株価変動の影響を受けやすいことから、あらためてPE投資における見通しの難しさを感じる結果となった。また、投資先に対する引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れについても今後の動向が気になるところである。一方、プロジェクト投資の売却が順調に進んでいるところはプラスの材料であるほか、IPOの期ずれによる影響についても来期以降の業績に寄与することを勘案すれば、ニュートラルに捉えることもできる。したがって、業績の変動要因についてはさまざまな角度から評価する必要があろう。また、活動面については、プロジェクトの進捗や新規事業への投資などで着実な進展を図ることができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
1. 2023年3月期上期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2023年3月期上期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前年同期比9.3%増の1,112百万円、営業損失が488百万円(前年同期は413百万円の損失)、経常損失が579百万円(同529百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が671百万円(同651百万円の損失)となった。
従来連結基準では、営業収益が前年同期比75.8%増の669百万円、営業損失が598百万円(前年同期は496百万円の損失)、経常損失が640百万円(同538百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が655百万円(同643百万円の損失)と増収ながら損失幅が拡大した。また、期初見込値(及び8月12日公表の修正見込値)に対しても、営業収益、各利益ともに下回る着地となっている。
従来連結基準による業績の概要は以下のとおりである。
国内上場株式やプロジェクト投資(メガソーラープロジェクト1件)の売却が増収に寄与した。営業収益が見込値を下回る着地となったのは、予定していたIPOの期ずれによる影響や、株価低迷に伴う国内上場株式の一部売却の見合わせ、海外の未上場株式における売却手続きの遅れなどが理由である。
また、損益面では、それらによる株式売却益の下振れに加え、投資先に対する引当金の増加※1や植物工場(プロジェクト投資)の黒字化の遅れ※2などが見込値を下回る要因となり、損失幅も拡大した。
※1 事業進捗の大幅遅延先や、回収交渉が長期化した先に対する引当金を計上。
※2 需要拡大に対応すべく、生産ラインを増設(2021年9月竣工)したものの、生産量の拡大が計画に追い付いていないことが原因のようだ。
財務面(従来連結基準)では、「現金及び預金」の減少やメガソーラープロジェクトの売却に伴う「プロジェクト投資」の減少などにより、総資産は前期末比9.3%減の13,576百万円に縮小した。一方、自己資本も損失計上及び上場株式の含み益の減少※に伴い同9.8%減の7,019百万円に縮小し、その結果、自己資本比率は51.7%(前期末は52.0%)とほぼ横ばいで推移した。また、有利子負債残高は前期末比8.3%減の5,448百万円となり、将来の成長に向けた投資資金を確保した上で、着実な圧縮を図っている。
※その他有価証券評価差額金の減少
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は前年同期比23.2%増の361百万円、営業総損失は159百万円(前年同期は1百万円の利益)と増収ながら減益(損失計上)となった。営業収益は、国内上場株式の売却が増加したことで増収を確保したものの、予定していたIPOの期ずれによる影響や、株価低迷に伴う国内上場株式の一部売却の見合わせ、海外の未上場株式における売却手続きの遅れなどにより、見込値を下回る着地となった。また、損益面でも、それらに伴う株式売却益の下振れに加え、想定を超える引当金の計上により減益となった。
(2) プロジェクト投資
営業収益は前年同期比254.0%増の308百万円、営業総利益は同121.6%増の113百万円と増収増益となった。営業収益は、メガソーラープロジェクト(1件)の売却に加え、前期に売却した物流施設の利益配当を受領したことで大幅な増収となった。一方、損益面では、それらを通じた収益の押し上げにより増益となったものの、植物工場の黒字化の遅れや新規プロジェクトの立ち上げに伴うコストの増加により見込値には届かなかったようだ。
2. 2023年3月期上期の総括
2023年3月期上期を総括すると、株価低迷等を背景とした株式売却益の下振れによるところが大きく、とりわけIPOにおけるロックアップ解除後の売却は、株価変動の影響を受けやすいことから、あらためてPE投資における見通しの難しさを感じる結果となった。また、投資先に対する引当金の増加や植物工場の黒字化の遅れについても今後の動向が気になるところである。一方、プロジェクト投資の売却が順調に進んでいるところはプラスの材料であるほか、IPOの期ずれによる影響についても来期以降の業績に寄与することを勘案すれば、ニュートラルに捉えることもできる。したがって、業績の変動要因についてはさまざまな角度から評価する必要があろう。また、活動面については、プロジェクトの進捗や新規事業への投資などで着実な進展を図ることができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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