注目トピックス 日本株
DDHD Research Memo(5):2020年2月期は最高業績なるも、2021年2月期以降はコロナ禍により後退
配信日時:2022/12/05 16:05
配信元:FISCO
■決算動向
1. 過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大がDDホールディングス<3073>の成長をけん引してきた。特にM&Aによる規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきたと言える。2015年2月期から高収益ブランドを軸とした出店拡大を本格化すると、2018年2月期には大型M&A(ゼットン※及び商業藝術の連結化)を実現し、スケールメリットの追求や業態の多様化等に取り組んだ。また、2020年2月期には、エスエルディー及び湘南レーベルを連結化し、さらなる事業拡大と事業領域の拡充を図った。ただ、2021年2月期以降は、コロナ禍の影響を受けてこれまでの拡大路線から一転し、大きく後退する状況となっている。
※2022年2月に株式の一部を譲渡し連結の範囲より除外した。
利益面では、高収益ブランドの出店拡大等により2017年2月期の営業利益率は5.4%に改善した。その後はウェディング事業への参入などに伴う先行費用の増加により4%~5%で推移したものの、2020年2月期は売上高の拡大とグループ商流集約による原価率低減等が奏功し、過去最高益を更新した。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により2期連続で営業損失を計上した。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率はおおむね20%台で推移してきたが、2021年2月期はコロナ禍の影響を受けて大幅な損失を計上したため期末時点で債務超過に陥る結果となった。しかし、収益体質の強化や資本施策(新株予約権の行使やA種優先株式の発行)を通じて、2022年2月期末時点において債務超過は解消した。
2. 2023年2月期上期の業績概要
2023年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比88.2%増の14,914百万円、営業損失が505百万円(前年同期は4,608百万円の損失)、経常損失が89百万円(同310百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が373百万円(同65百万円の利益)と、コロナ禍からの一定の回復により大幅な増収となり、営業損失が大きく改善した。
売上高は、2022年3月21日にコロナ禍に伴うまん延防止等重点措置が解除され、経済活動の正常化が進むにつれ、「飲食・アミューズメント事業」がともに回復基調となり、緊急事態宣言などにより大きく落ち込んだ前年同期からの大幅な増収を実現した。既存店売上高(上期平均)もコロナ禍前の2020年2月期比65%を超える水準(前年同期は29%)にまで回復してきた。特に5月~7月は同70%を超える水準で推移し、本格的な回復への道筋が見えてきた。ただ、7月に入ってからのコロナ第7波の影響により回復ペースが失速したため、上期の想定値には届かなかったようだ。もっとも9月は再び同70%を超える水準に戻っている。また、「ホテル・不動産事業」については、貸コンテナ事業が安定推移しているうえ、前期に引き続き、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施設としてホテル1棟を提供したことで、地域医療への貢献とともに、大幅な増収となった。
出退店については、新規出店はなく、退店10店舗により、2022年8月末の直営店舗数は340店舗となった。また、不採算店舗4店舗の業態変更を実施した。
損益面では、増収による収益の押し上げやコスト構造改革の継続により営業損失は大きく改善した。物価上昇に伴う影響に対しても、仕入れ食材の適時組み替えやメニュー内容の一部見直しにより原価率の上昇を抑えることができた。一方、経常損益が前年同期比で悪化(損失計上)したのは、助成金収入(営業外収益)※1が減少したことに加え、コロナ第7波の影響も収益の伸び悩みにつながったことによる。最終損益では、立退補償金590百万円※2を特別利益に計上したことにより大幅な増益(黒字)となった。
※1 コロナ禍に伴う助成金収入は468百万円(前年同期は4,831百万円)に減少。
※2 入居施設側の都合による店舗撤退に伴うもの。
財務面では、総資産が未収入金(助成金収入分)の減少により前期末比4.1%減の34,275百万円に減少した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同9.7%増の4,959百万円に増加したことから、自己資本比率は14.5%(前期末は12.7%)に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
1. 過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大がDDホールディングス<3073>の成長をけん引してきた。特にM&Aによる規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきたと言える。2015年2月期から高収益ブランドを軸とした出店拡大を本格化すると、2018年2月期には大型M&A(ゼットン※及び商業藝術の連結化)を実現し、スケールメリットの追求や業態の多様化等に取り組んだ。また、2020年2月期には、エスエルディー及び湘南レーベルを連結化し、さらなる事業拡大と事業領域の拡充を図った。ただ、2021年2月期以降は、コロナ禍の影響を受けてこれまでの拡大路線から一転し、大きく後退する状況となっている。
※2022年2月に株式の一部を譲渡し連結の範囲より除外した。
利益面では、高収益ブランドの出店拡大等により2017年2月期の営業利益率は5.4%に改善した。その後はウェディング事業への参入などに伴う先行費用の増加により4%~5%で推移したものの、2020年2月期は売上高の拡大とグループ商流集約による原価率低減等が奏功し、過去最高益を更新した。2021年2月期以降は、コロナ禍の影響により2期連続で営業損失を計上した。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率はおおむね20%台で推移してきたが、2021年2月期はコロナ禍の影響を受けて大幅な損失を計上したため期末時点で債務超過に陥る結果となった。しかし、収益体質の強化や資本施策(新株予約権の行使やA種優先株式の発行)を通じて、2022年2月期末時点において債務超過は解消した。
2. 2023年2月期上期の業績概要
2023年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比88.2%増の14,914百万円、営業損失が505百万円(前年同期は4,608百万円の損失)、経常損失が89百万円(同310百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が373百万円(同65百万円の利益)と、コロナ禍からの一定の回復により大幅な増収となり、営業損失が大きく改善した。
売上高は、2022年3月21日にコロナ禍に伴うまん延防止等重点措置が解除され、経済活動の正常化が進むにつれ、「飲食・アミューズメント事業」がともに回復基調となり、緊急事態宣言などにより大きく落ち込んだ前年同期からの大幅な増収を実現した。既存店売上高(上期平均)もコロナ禍前の2020年2月期比65%を超える水準(前年同期は29%)にまで回復してきた。特に5月~7月は同70%を超える水準で推移し、本格的な回復への道筋が見えてきた。ただ、7月に入ってからのコロナ第7波の影響により回復ペースが失速したため、上期の想定値には届かなかったようだ。もっとも9月は再び同70%を超える水準に戻っている。また、「ホテル・不動産事業」については、貸コンテナ事業が安定推移しているうえ、前期に引き続き、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施設としてホテル1棟を提供したことで、地域医療への貢献とともに、大幅な増収となった。
出退店については、新規出店はなく、退店10店舗により、2022年8月末の直営店舗数は340店舗となった。また、不採算店舗4店舗の業態変更を実施した。
損益面では、増収による収益の押し上げやコスト構造改革の継続により営業損失は大きく改善した。物価上昇に伴う影響に対しても、仕入れ食材の適時組み替えやメニュー内容の一部見直しにより原価率の上昇を抑えることができた。一方、経常損益が前年同期比で悪化(損失計上)したのは、助成金収入(営業外収益)※1が減少したことに加え、コロナ第7波の影響も収益の伸び悩みにつながったことによる。最終損益では、立退補償金590百万円※2を特別利益に計上したことにより大幅な増益(黒字)となった。
※1 コロナ禍に伴う助成金収入は468百万円(前年同期は4,831百万円)に減少。
※2 入居施設側の都合による店舗撤退に伴うもの。
財務面では、総資産が未収入金(助成金収入分)の減少により前期末比4.1%減の34,275百万円に減少した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同9.7%増の4,959百万円に増加したことから、自己資本比率は14.5%(前期末は12.7%)に改善した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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