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NSW Research Memo(1):2023年3月期第2四半期累計業績は上期ベースで過去最高業績を更新
配信日時:2022/12/05 15:11
配信元:FISCO
■要約
NSW<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを生かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。なお、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日に日本システムウエア株式会社から商号変更した。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高21,127百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益2,248百万円(同4.0%増)となり、上期ベースで過去最高業績を更新した。期初計画比では売上高で0.6%、営業利益で3.1%それぞれ上回って着地した。セグメント別では、エンタープライズソリューションが前年同期の反動により減収減益となったものの、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションが好調に推移し、増収を確保した。サービスソリューションはデジタルソリューションを中心に、エンベデッドソリューションはオートモーティブを中心に、デバイスソリューションは需要の拡大が続く半導体市場を背景に好調に推移した。以上から、自己資本比率は75.2%(前期末比3.2ポイント上昇)と、2022年3月期の東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い財務の健全性を維持している。また、2022年3月期においては業界平均を上回る高いROA・ROEを確保しており、収益性も極めて高いと評価できる。1株当たり中間配当金は、計画どおり前年同期比5円増額の25円とし、株主還元にも十分に配慮している。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績については、売上高45,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益5,000百万円(同1.6%増)とする期初計画を据え置いた。売上高・営業利益は11期連続となる過去最高の更新を予想するが、前期の補助金申請システム案件の特需が減少することや戦略的投資の継続により、営業利益については小幅の増益予想となっている。セグメント別では、エンタープライズソリューションは増収減益を見込んでいるものの、第2四半期累計で特に売上高が計画を下回っており、売上の確保が課題となっている。ただし、受注残高の積み上がり状況や下期への期ズレを考慮すれば、達成可能であると弊社では見ている。サービスソリューションは増収増益を見込んでいる。第2四半期累計では利益改善が課題となったが、受注残高が大幅に増加したことから、プロジェクト推進体制の再編により低採算案件をなくす計画だ。エンベデッドソリューション及びデバイスソリューションは、第2四半期累計業績は好調に推移したものの、半導体市場の需要が不安定であるほか、円安で景気後退のリスクもあるなど不確定要素が多いことから、おおむね横ばいを見込んでいる。以上から、1株当たり配当金については、期末配当を25円とし、前期と同額の年間配当50円を予定している。同社は従来、保守的な期初予想を発表する傾向が強く、第2四半期累計業績が上期ベースで過去最高業績を更新したことを考慮すると、通期業績についても計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIer※への進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げている。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを経営目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。併せて、これまでどおりサステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
※SIはSystem Integrationの略、SIer(エスアイヤー)はクライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて2023年3月期より事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSWに変更
・2023年3月期第2半期累計業績は増収増益で期初計画を達成、上期ベースで過去最高業績を更新
・2023年3月期は期初計画を据え置き増収増益とするものの、例年保守的な傾向
・中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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NSW<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを生かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。なお、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日に日本システムウエア株式会社から商号変更した。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高21,127百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益2,248百万円(同4.0%増)となり、上期ベースで過去最高業績を更新した。期初計画比では売上高で0.6%、営業利益で3.1%それぞれ上回って着地した。セグメント別では、エンタープライズソリューションが前年同期の反動により減収減益となったものの、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションが好調に推移し、増収を確保した。サービスソリューションはデジタルソリューションを中心に、エンベデッドソリューションはオートモーティブを中心に、デバイスソリューションは需要の拡大が続く半導体市場を背景に好調に推移した。以上から、自己資本比率は75.2%(前期末比3.2ポイント上昇)と、2022年3月期の東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い財務の健全性を維持している。また、2022年3月期においては業界平均を上回る高いROA・ROEを確保しており、収益性も極めて高いと評価できる。1株当たり中間配当金は、計画どおり前年同期比5円増額の25円とし、株主還元にも十分に配慮している。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績については、売上高45,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益5,000百万円(同1.6%増)とする期初計画を据え置いた。売上高・営業利益は11期連続となる過去最高の更新を予想するが、前期の補助金申請システム案件の特需が減少することや戦略的投資の継続により、営業利益については小幅の増益予想となっている。セグメント別では、エンタープライズソリューションは増収減益を見込んでいるものの、第2四半期累計で特に売上高が計画を下回っており、売上の確保が課題となっている。ただし、受注残高の積み上がり状況や下期への期ズレを考慮すれば、達成可能であると弊社では見ている。サービスソリューションは増収増益を見込んでいる。第2四半期累計では利益改善が課題となったが、受注残高が大幅に増加したことから、プロジェクト推進体制の再編により低採算案件をなくす計画だ。エンベデッドソリューション及びデバイスソリューションは、第2四半期累計業績は好調に推移したものの、半導体市場の需要が不安定であるほか、円安で景気後退のリスクもあるなど不確定要素が多いことから、おおむね横ばいを見込んでいる。以上から、1株当たり配当金については、期末配当を25円とし、前期と同額の年間配当50円を予定している。同社は従来、保守的な期初予想を発表する傾向が強く、第2四半期累計業績が上期ベースで過去最高業績を更新したことを考慮すると、通期業績についても計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIer※への進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げている。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを経営目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。併せて、これまでどおりサステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
※SIはSystem Integrationの略、SIer(エスアイヤー)はクライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて2023年3月期より事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSWに変更
・2023年3月期第2半期累計業績は増収増益で期初計画を達成、上期ベースで過去最高業績を更新
・2023年3月期は期初計画を据え置き増収増益とするものの、例年保守的な傾向
・中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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