注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:米CPIやFOMC前に手掛けづらい展開
配信日時:2022/12/03 14:26
配信元:FISCO
■景気後退懸念と急速な円高進行を嫌気
今週の日経平均は週間で505.13円安(−1.79%)と反落。ローソク足は2週ぶりに陰線を形成した。
日経平均は週明けから週半ばの11月30日まで120.20円安、134.99円安、58.85円安と下落が続いた。中国でのゼロコロナ政策継続による景気減速や民衆のデモ拡大を受けたサプライチェーン(供給網)混乱に対する懸念から売りが先行。米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派発言も重石となった。
一方、月替わり初めの12月1日は257.09円高と反発。イベント講演で、パウエルFRB議長が早くて12月会合での利上げ幅縮小の可能性を示唆し、長期金利が大幅に低下したことが買いにつながった。ただ、為替の円高進行が重石となり、28500円手前からは戻り待ちの売りで失速。
週末は一転して448.18円安と大幅反落。サプライマネジメント協会(ISM)が発表した米11月の製造業景気指数が景況感の拡大・縮小の境界値である50を割り込んだことで、景気後退懸念が強まった。また、低調な米経済指標を受けた急速な為替の円高進行も嫌気され、輸出企業を中心に株式は全面的に売られた。日銀の上場投資信託(ETF)買いへの思惑から午後は下げ渋ったが、米雇用統計前の様子見ムードが広がる中、買い戻しは限られた。
■米ISM非製造業や米PPIに注目
来週の東京株式市場は弱含みか。翌週に控える米11月消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に模様眺めムードが漂いやすく、指数は膠着感の強い展開を予想する。一方、今週末に発表された米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数が+26.3万人と市場予想(+20万人)を大きく上振れたほか、平均賃金の伸びは前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)の2倍の伸びとなった。労働参加率も10月(62.2%)からの改善(62.3%)が予想されていたが、62.1%とむしろ低下し、総じて逼迫した労働市場が続いている状況を確認する内容となった。
FRBによる利上げ継続の主張を補強するものとして非常に強烈な結果となったが、景気後退懸念が強まる中、米10年債利回りは週末に3.49%と一段と低下。為替も雇用統計の発表直後は一時急伸したが、結局1ドル=134円台前半と、週末の東京時間よりも円高水準で海外時間の取引を終えている。
1日に発表された11月ISM製造業景気指数は49.0と、拡大・縮小の境界値である50を割り込み、市場予想(49.7)も下回った。項目では新規受注が3カ月連続での50割れとなっており、景気後退懸念が強まっている。来週初めの5日(日本時間6日午前0時)には米11月のISM非製造業景気指数も発表される。市場予想は53.5で、拡大・縮小の境界値である50は依然として上回る見込みだが、10月(54.4)からは縮小する予想となっている。今週は、パウエルFRB議長のイベント講演を受けてFRBの利上げペース減速期待が強まる中でも、ISM製造業景気指数の予想比下振れを素直にネガティブに捉える動きが見られたため、非製造業景気指数の方でも注意が必要だ。
一方で、米10月のCPIや卸売物価指数(PPI)、個人消費支出(PCE)コアデフレータではインフレのピークアウト感が見られており、インフレ減速・利上げペース減速への期待は根強く残ると考えられ、株式市場は底堅さを保つと予想される。
週末9日には米11月PPIの発表を控えている。食品・エネルギーを除くコア指数は前月比で+0.2%と10月(+0.0%)から加速する見込みだが、前年比では+5.8%と10月(+6.7%)から大きく減速する見込みとなっている。東京市場で結果を織り込むのは翌週となるうえ、CPIとFOMCを前に様子見ムードに変わりはないとは考えられるが、予想通りの大幅減速の結果となれば、インフレ減速・利上げペース減速への期待感は強まり、相場の下支え要因となろう。
日本株については、急速な為替の円高進行が大きな重石として働いてきている。FRBの利上げペース減速期待に加えて低調な米経済指標を受けて、10月までの記録的な円安・ドル高トレンドの反転が強まっている。日本の貿易赤字に伴う、実需筋によるドル買い・円売りがドル円の下値をある程度下支えするとはいえ、投機筋の売買動向に振らされる要素の方が大きいとみられ、トレンド転換を意識した投機筋のドル売り・円買いの動きが今後も日本株の上値を抑える可能性に注意したい。
■景気・為替動向と連動性低い内需銘柄に着目
こうした中、年前半に資源価格の高騰と円安進行のダブルパンチを被っていた食料品や電気・ガスなどのセクターに属する内需系企業にとっては、資源価格の落ち着きに加えて円高進行が逆に追い風として働くことになるため、今後は内需系ディフェンシブ銘柄などに関心を高めていきたい。また、米10年債利回りの低下基調が続いており、株価バリュエーションへの下押し圧力が和らいでいることから、情報・通信セクターなどに属する内需系グロース株も指数をアウトパフォームすることが期待されよう。
■米ISM非製造業景気指数、10月家計調査など
来週の予定は5日に米ISM非製造業景気指数、6日に10月家計調査、米10月貿易収支、7日に10月景気動向指数、中国11月貿易収支、8日に7−9月期国内総生産(GDP)確定値、11月景気ウォッチャー調査、9日にメジャーSQ(特別清算指数)算出、中国11月CPI・PPI、米11月PPI、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数、などとなっている。
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今週の日経平均は週間で505.13円安(−1.79%)と反落。ローソク足は2週ぶりに陰線を形成した。
日経平均は週明けから週半ばの11月30日まで120.20円安、134.99円安、58.85円安と下落が続いた。中国でのゼロコロナ政策継続による景気減速や民衆のデモ拡大を受けたサプライチェーン(供給網)混乱に対する懸念から売りが先行。米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派発言も重石となった。
一方、月替わり初めの12月1日は257.09円高と反発。イベント講演で、パウエルFRB議長が早くて12月会合での利上げ幅縮小の可能性を示唆し、長期金利が大幅に低下したことが買いにつながった。ただ、為替の円高進行が重石となり、28500円手前からは戻り待ちの売りで失速。
週末は一転して448.18円安と大幅反落。サプライマネジメント協会(ISM)が発表した米11月の製造業景気指数が景況感の拡大・縮小の境界値である50を割り込んだことで、景気後退懸念が強まった。また、低調な米経済指標を受けた急速な為替の円高進行も嫌気され、輸出企業を中心に株式は全面的に売られた。日銀の上場投資信託(ETF)買いへの思惑から午後は下げ渋ったが、米雇用統計前の様子見ムードが広がる中、買い戻しは限られた。
■米ISM非製造業や米PPIに注目
来週の東京株式市場は弱含みか。翌週に控える米11月消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に模様眺めムードが漂いやすく、指数は膠着感の強い展開を予想する。一方、今週末に発表された米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数が+26.3万人と市場予想(+20万人)を大きく上振れたほか、平均賃金の伸びは前月比+0.6%と市場予想(+0.3%)の2倍の伸びとなった。労働参加率も10月(62.2%)からの改善(62.3%)が予想されていたが、62.1%とむしろ低下し、総じて逼迫した労働市場が続いている状況を確認する内容となった。
FRBによる利上げ継続の主張を補強するものとして非常に強烈な結果となったが、景気後退懸念が強まる中、米10年債利回りは週末に3.49%と一段と低下。為替も雇用統計の発表直後は一時急伸したが、結局1ドル=134円台前半と、週末の東京時間よりも円高水準で海外時間の取引を終えている。
1日に発表された11月ISM製造業景気指数は49.0と、拡大・縮小の境界値である50を割り込み、市場予想(49.7)も下回った。項目では新規受注が3カ月連続での50割れとなっており、景気後退懸念が強まっている。来週初めの5日(日本時間6日午前0時)には米11月のISM非製造業景気指数も発表される。市場予想は53.5で、拡大・縮小の境界値である50は依然として上回る見込みだが、10月(54.4)からは縮小する予想となっている。今週は、パウエルFRB議長のイベント講演を受けてFRBの利上げペース減速期待が強まる中でも、ISM製造業景気指数の予想比下振れを素直にネガティブに捉える動きが見られたため、非製造業景気指数の方でも注意が必要だ。
一方で、米10月のCPIや卸売物価指数(PPI)、個人消費支出(PCE)コアデフレータではインフレのピークアウト感が見られており、インフレ減速・利上げペース減速への期待は根強く残ると考えられ、株式市場は底堅さを保つと予想される。
週末9日には米11月PPIの発表を控えている。食品・エネルギーを除くコア指数は前月比で+0.2%と10月(+0.0%)から加速する見込みだが、前年比では+5.8%と10月(+6.7%)から大きく減速する見込みとなっている。東京市場で結果を織り込むのは翌週となるうえ、CPIとFOMCを前に様子見ムードに変わりはないとは考えられるが、予想通りの大幅減速の結果となれば、インフレ減速・利上げペース減速への期待感は強まり、相場の下支え要因となろう。
日本株については、急速な為替の円高進行が大きな重石として働いてきている。FRBの利上げペース減速期待に加えて低調な米経済指標を受けて、10月までの記録的な円安・ドル高トレンドの反転が強まっている。日本の貿易赤字に伴う、実需筋によるドル買い・円売りがドル円の下値をある程度下支えするとはいえ、投機筋の売買動向に振らされる要素の方が大きいとみられ、トレンド転換を意識した投機筋のドル売り・円買いの動きが今後も日本株の上値を抑える可能性に注意したい。
■景気・為替動向と連動性低い内需銘柄に着目
こうした中、年前半に資源価格の高騰と円安進行のダブルパンチを被っていた食料品や電気・ガスなどのセクターに属する内需系企業にとっては、資源価格の落ち着きに加えて円高進行が逆に追い風として働くことになるため、今後は内需系ディフェンシブ銘柄などに関心を高めていきたい。また、米10年債利回りの低下基調が続いており、株価バリュエーションへの下押し圧力が和らいでいることから、情報・通信セクターなどに属する内需系グロース株も指数をアウトパフォームすることが期待されよう。
■米ISM非製造業景気指数、10月家計調査など
来週の予定は5日に米ISM非製造業景気指数、6日に10月家計調査、米10月貿易収支、7日に10月景気動向指数、中国11月貿易収支、8日に7−9月期国内総生産(GDP)確定値、11月景気ウォッチャー調査、9日にメジャーSQ(特別清算指数)算出、中国11月CPI・PPI、米11月PPI、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数、などとなっている。
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