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NYの視点:米10月雇用統計:良好な結果に期待、パウエル議長発言もヒント、ネガティブサプライズに注意

配信日時:2022/11/04 07:47 配信元:FISCO
米労働省が発表する最新10月雇用統計で失業率は依然50年ぶりの低水準付近が維持される見込みとなっている。非農業部門雇用者数も前月比+25万人前後の伸びを維持する公算で、労働市場の健全性が明らかになると見られる。米連邦準備制度理事会(FRB)の歴史的にも大幅な利上げが継続しているにもかかわらず、労働市場が減速する兆候はあまり見られず、予想通りの結果はFRBの利上げ継続する方針を後押しする可能性が強い。

雇用統計の先行指標のひとつ民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の10月分は予想を上回る伸びとなった。週次の失業保険申請件数も歴史的な低水準で推移。

ただ、一部先行指標では雇用が若干弱まり始めた兆候も見られる。全米の製造業活動を示すISM製造業景況指数の10月雇用は50と、9月から活動の拡大と縮小の境目を回復したものの若干弱さが伺える。また、米国経済は消費が7割を占めるため注目となる米ISM非製造業景況指数の雇用が49.1と7月以来の50割れとなったことも警戒材料となる。消費者信頼感指数でも、雇用が十分との回答は45.2と、9月49.2、前年54.8から大幅低下。不十分との回答は、42.1と、前月39.7、前年同月34.2から上昇している。また、困難との見方も12.7と前月11.1、前年11.0から上昇。

FRBのパウエル議長が特にタカ派色を強調したのは、10月雇用統計が良好なことを示していると期待感が台頭している。ただ、逆に、ネガティブサプライズとなった場合はドル売りが加速する可能性がある。

■10月雇用統計の先行指標

・米ISM製造業景況指数:雇用:50.0(48.7)
・米・ADP雇用統計:+23.9万人(予想:+18.5万人、9月:+19.2万人←+20.8万人)
・米ISM非製造業景況指数:雇用:49.1(50.2)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):+7.7(9月9.7、6カ月平均+12.6)
週平均就業時間:+3.3(−0.1、6カ月平均+2.1)

6か月先
雇用:+17.8(18.1、6カ月平均22.6)
週平均就業時間:-8.3(-7.5、6カ月平均−6.5)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):28.5(12.0、6カ月平均22.9)
週平均就業時間:10.4(-3.8、7.8)

6か月先
雇用:12.2(22.4、6か月平均19.3)
週平均就業時間:-3.0(10.8、6か月平均5.6)
・消費者信頼感指数(%)

雇用:
十分:45.2(49.2、前年54.8)
不十分:42.1(39.7、34.2)
困難:12.7(11.1、11.0)
6カ月後
増加:19.8(17.4、24.4)
減少:20.8(17.8、18.7)
不変:59.4(64.8、56.9)
所得
増加:18.9(18.3、18.4)
減少:15.1(13.8、11.2)
不変:66.0(67.9、70.4)

・失業保険申請件数


件数       前週比 4週平均 継続受給者数

10/29/22|   217,000|    -1,000|  218,750|   n/a
10/22/22|   218,000|     4,000|  219,250| 1,485,000
10/15/22|   214,000|   -12,000|  212,250| 1,438,000
10/08/22|   226,000|     7,000|  211,000| 1,383,000
10/01/22|   219,000|    29,000|  206,500| 1,364,000
■市場エコノミスト予想
失業率:3.6%(9月3.7%)
非農業部門雇用者数:前月比+26万人(+31.5 万人)
民間部門雇用者数:前月比+27.5万人(+30.8万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+5.0%(+0.3%、+5.2%)

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