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ファーマF Research Memo(10):「中期経営計画2026」では「新価値創造 1K」を掲げる
配信日時:2022/10/28 15:50
配信元:FISCO
■成長戦略
ファーマフーズ<2929>は「中期経営計画2026」において「新価値創造 1K」を掲げ、新価値(新製品、新市場、新組織)創造への取り組みにより2026年7月期に売上高1,000億円企業を目指している。売上数値目標の内訳としては、既存事業の成長で700億円、新価値創造で300億円超とし、コミットメントとして2026年7月期までに売上高平均成長率20%以上並びに自己株式取得を含む総還元性向20%目安を掲げている。なお、利益水準の考え方としては、2026年7月期までは単年度における利益率低下を恐れず事業展開を行い、大胆にリスクを取りながら規模を拡大していく方針で、平均的に営業利益率10%を確保できる体制の構築を目指す。
1. 新製品創造
新製品創造では、「ファーマギャバ(R)」「ニューモ(R)育毛剤」「デルマQII(R)」等に続くヒット製品創出に向けて、新規素材の開発(ワインセラミド、リピスマート(R)、シアロ糖鎖、エッグプラセンタ、卵殻膜ペプチド)、新用途・効果の開発(脳機能カクテル理論ドリンク、モリンガ、Wellmune、バナファイン、コラーゲン卵殻膜ペプチド)、次世代抗体開発などの研究開発を推進する。加えて、Scalp&Skin分野(医薬部外品有効成分化、発毛剤、シワ改善、エッグプラセンタ、ELLEブランド化粧品)、医薬品通販、オーラルケア分野の商品開発も推進する。
2021年7月には、「ゴマ」を原料とする中性脂肪吸収抑制の機能性食品素材「リピスマート(R)」について、DM三井製糖ホールディングス<2109>グループの三井製糖(株)と販売契約を締結した。三井製糖との共同開発を通じて、「ゴマ」から「リピスマート(R)」を製造する独自技術(特許出願中)を開発したことにより、メタボリック市場へ初進出した。
2. 新市場創造
新市場創造では、拡大基調である健康市場において、ブランド強化、海外市場開拓(米国市場開拓、越境ECによる中国市場開拓、ハラール認証による東南アジア市場開拓)、国内市場における通販ビジネスの深耕化(100万人超のD2Cプラットフォームを活用した新製品・サービスの展開)、BtoBビジネスからBtoCへの指向(同社ブランド製品をドラッグストアやコンビニエンスストア流通網へ展開)、SDGsへの取り組み(未利用資源のアップサイクル市場創造)、健康サポート機器や医療機器分野への進出(健康器具、美顔器、測定機器、補聴器)などを推進する。
このうち米国市場開拓については、「ファーマギャバ(R)」のFDA(米国食品医薬品局)によるGARS(Generally Recognized as Safe)認証取得を目指す。FDA GARS取得によって、現在のサプリメント対象から一般食品や飲料にも対象が広がるため、米国の大手食品・飲料メーカーへの採用へとつながり、米国市場が急拡大する見込みだ。
未利用資源のアップサイクル市場創造については、未利用の天然由来原料を活用するほか、天然物からの新価値創造技術を農業に活用することも目指す。具体的には、2021年9月に三洋化成工業と、世界の農業危機の解決に向けて両社の開発・技術力を融合させた「アグリ・ニュートリション基本計画」を策定した。2022年に宮崎県新富町で新たな農業システムの構築を目指す実証実験を開始し、2024年に両社の技術を融合したバイオスティミュラントによる多収性、耐性、機能性を高めた高付加価値作物の開発、2025年に高付加価値作物の未利用部位由来の高機能健康食品及び化粧品を同社の通販チャネルで販売開始、2026年にターゲット作物の拡大及び6次産業化、ブランド化の推進、2030年に持続可能な農業システムの開発を目指す計画だ。また2021年12月には、未利用資源の新たなアップサイクル事業として、卵殻膜を高度利用した「繊維」及び「植物活力剤」市場へ参入することを発表した。このアップサイクルにより、国内で年間26万トン廃棄されている卵の殻を高付加価値製品に転換し、持続可能な社会の実現への寄与を目指す。このほか、2022年7月には、卵由来の液体肥料の製造を行うENEGGOにENEOSホールディングスと共同出資し、(株)グリーテクノ21及びその子会社ENEGGOとの業務提携契約を締結した。これにより、国内最大規模の卵殻及び卵殻膜の調達を行い、卵殻膜繊維や液体肥料など化成品分野の強化を目指す。
3. 新組織創造
新組織創造では、安心して働ける給与水準や成長するためのインセンティブなど組織・人事・採用面の改革、海外製造・海外営業拠点構築などGlobal Solution Teamの育成・強化、M&A・アライアンスの実施などを推進する。このうちM&A・アライアンスについては、手元現金と融資枠を活用して、新製品・新市場に関連する売上高100億円規模の企業を視野に入れている。「現在も様々な企業と連携を模索しているので注目してほしい」と同社は述べている。
4. 弊社の見解
同社は、ヒット商品となった「ニューモ(R)育毛剤」がけん引して収益水準が大きく変化したこともあり、市場の一部には「BtoC事業のヒット商品と広告宣伝投資によって業績が変動する企業」といった声がある。しかしながら、BtoC事業では「ニューモ(R)育毛剤」を支える新商品が着実に成長しているほか、BtoB事業では「ファーマギャバ(R)」の圧倒的シェアやCMO事業の拡大、バイオメディカル事業での創薬開発への期待など、ヒット商品への依存度リスク低減が図られている。当面の業績は広告宣伝投資によって変動する可能性があるものの、新製品・新市場創造や積極的な事業展開により、中長期な成長ポテンシャルは高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NS>
ファーマフーズ<2929>は「中期経営計画2026」において「新価値創造 1K」を掲げ、新価値(新製品、新市場、新組織)創造への取り組みにより2026年7月期に売上高1,000億円企業を目指している。売上数値目標の内訳としては、既存事業の成長で700億円、新価値創造で300億円超とし、コミットメントとして2026年7月期までに売上高平均成長率20%以上並びに自己株式取得を含む総還元性向20%目安を掲げている。なお、利益水準の考え方としては、2026年7月期までは単年度における利益率低下を恐れず事業展開を行い、大胆にリスクを取りながら規模を拡大していく方針で、平均的に営業利益率10%を確保できる体制の構築を目指す。
1. 新製品創造
新製品創造では、「ファーマギャバ(R)」「ニューモ(R)育毛剤」「デルマQII(R)」等に続くヒット製品創出に向けて、新規素材の開発(ワインセラミド、リピスマート(R)、シアロ糖鎖、エッグプラセンタ、卵殻膜ペプチド)、新用途・効果の開発(脳機能カクテル理論ドリンク、モリンガ、Wellmune、バナファイン、コラーゲン卵殻膜ペプチド)、次世代抗体開発などの研究開発を推進する。加えて、Scalp&Skin分野(医薬部外品有効成分化、発毛剤、シワ改善、エッグプラセンタ、ELLEブランド化粧品)、医薬品通販、オーラルケア分野の商品開発も推進する。
2021年7月には、「ゴマ」を原料とする中性脂肪吸収抑制の機能性食品素材「リピスマート(R)」について、DM三井製糖ホールディングス<2109>グループの三井製糖(株)と販売契約を締結した。三井製糖との共同開発を通じて、「ゴマ」から「リピスマート(R)」を製造する独自技術(特許出願中)を開発したことにより、メタボリック市場へ初進出した。
2. 新市場創造
新市場創造では、拡大基調である健康市場において、ブランド強化、海外市場開拓(米国市場開拓、越境ECによる中国市場開拓、ハラール認証による東南アジア市場開拓)、国内市場における通販ビジネスの深耕化(100万人超のD2Cプラットフォームを活用した新製品・サービスの展開)、BtoBビジネスからBtoCへの指向(同社ブランド製品をドラッグストアやコンビニエンスストア流通網へ展開)、SDGsへの取り組み(未利用資源のアップサイクル市場創造)、健康サポート機器や医療機器分野への進出(健康器具、美顔器、測定機器、補聴器)などを推進する。
このうち米国市場開拓については、「ファーマギャバ(R)」のFDA(米国食品医薬品局)によるGARS(Generally Recognized as Safe)認証取得を目指す。FDA GARS取得によって、現在のサプリメント対象から一般食品や飲料にも対象が広がるため、米国の大手食品・飲料メーカーへの採用へとつながり、米国市場が急拡大する見込みだ。
未利用資源のアップサイクル市場創造については、未利用の天然由来原料を活用するほか、天然物からの新価値創造技術を農業に活用することも目指す。具体的には、2021年9月に三洋化成工業と、世界の農業危機の解決に向けて両社の開発・技術力を融合させた「アグリ・ニュートリション基本計画」を策定した。2022年に宮崎県新富町で新たな農業システムの構築を目指す実証実験を開始し、2024年に両社の技術を融合したバイオスティミュラントによる多収性、耐性、機能性を高めた高付加価値作物の開発、2025年に高付加価値作物の未利用部位由来の高機能健康食品及び化粧品を同社の通販チャネルで販売開始、2026年にターゲット作物の拡大及び6次産業化、ブランド化の推進、2030年に持続可能な農業システムの開発を目指す計画だ。また2021年12月には、未利用資源の新たなアップサイクル事業として、卵殻膜を高度利用した「繊維」及び「植物活力剤」市場へ参入することを発表した。このアップサイクルにより、国内で年間26万トン廃棄されている卵の殻を高付加価値製品に転換し、持続可能な社会の実現への寄与を目指す。このほか、2022年7月には、卵由来の液体肥料の製造を行うENEGGOにENEOSホールディングスと共同出資し、(株)グリーテクノ21及びその子会社ENEGGOとの業務提携契約を締結した。これにより、国内最大規模の卵殻及び卵殻膜の調達を行い、卵殻膜繊維や液体肥料など化成品分野の強化を目指す。
3. 新組織創造
新組織創造では、安心して働ける給与水準や成長するためのインセンティブなど組織・人事・採用面の改革、海外製造・海外営業拠点構築などGlobal Solution Teamの育成・強化、M&A・アライアンスの実施などを推進する。このうちM&A・アライアンスについては、手元現金と融資枠を活用して、新製品・新市場に関連する売上高100億円規模の企業を視野に入れている。「現在も様々な企業と連携を模索しているので注目してほしい」と同社は述べている。
4. 弊社の見解
同社は、ヒット商品となった「ニューモ(R)育毛剤」がけん引して収益水準が大きく変化したこともあり、市場の一部には「BtoC事業のヒット商品と広告宣伝投資によって業績が変動する企業」といった声がある。しかしながら、BtoC事業では「ニューモ(R)育毛剤」を支える新商品が着実に成長しているほか、BtoB事業では「ファーマギャバ(R)」の圧倒的シェアやCMO事業の拡大、バイオメディカル事業での創薬開発への期待など、ヒット商品への依存度リスク低減が図られている。当面の業績は広告宣伝投資によって変動する可能性があるものの、新製品・新市場創造や積極的な事業展開により、中長期な成長ポテンシャルは高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NS>
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