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ギフトHD Research Memo(4):基本戦略とチェーンストアシステムが強み
配信日時:2022/10/27 15:34
配信元:FISCO
■事業概要
2. 基本戦略と強み
ギフトホールディングス<9279>は、チェーンストアシステムをバックボーンとした「出店戦略」「人材育成」「PB商品」を基本戦略とし、繁盛店を多店舗展開する仕組みを構築してきた。また、これら基本戦略の重要な機能を内製化しており、これが同社のビジネスモデルの特徴の1つとなっている。
(1) 出店戦略
出店戦略のうち、店舗開発は社長と経験豊かな開発要員が担っている。出店する際は、候補地の競合店状況、駅乗降客数、商圏人口、通行量・交通量などの立地特性やブランドとの相性、投資額などを独自基準と照合し総合的に判断しており、ヒット率が高い。また、「人口集中エリアとラーメン高消費エリアの直営店」「地方エリアのプロデュース店」と全国の出店エリアを分ける一方、プロデュース店を含めて同社で一元的な意思決定を行っている。商品力が強いため、従来であれば1等地でなくても十分に収益を稼ぎ出すことができるが、コロナ禍による人流変化の影響を受け、駅近の店舗が全般的に苦戦した。しかしながら、同社は巣ごもり需要が発生した郊外にも店舗展開しているため、相対的に影響が小さかったうえ、超繁華街の好立地物件を安価に確保できるチャンスとなった。首都圏については、ドミナント※出店してきたことから依然として出店余地が大きい。また、西日本や地方での出店も強化しているほか、(株)ラーメン天華のM&Aを機に北関東・東北への出店も開始した。
※出店エリアでの優越性を確保することを目的に、エリアに集中出店することで認知度を上げたり配送を効率化したりする出店方式。エリア全体での収益力を重視している。
(2) 人材育成
同社は従業員教育を内製化しており、社内研修体系を確立している。これにより、店内の元気ある雰囲気やスムーズなオペレーションなど、同水準のサービスを各店舗で提供できている。また、全社員が月に1度集まって店舗単位で課題解消などについてプレゼンし、成功事例の横展開を図っている。評価制度や表彰制度、インセンティブ制度、キャリアアップなどモチベーション向上のための制度もある。このような人材育成に見合った出店ペースを維持することで、運営悪化につながるような事態には陥っていない。
(3) PB商品
個店のラーメン店は通常、麺を製麺メーカーから仕入れるか店内で打ち、生ガラからタレやスープを店内で焚き出す。このため、2店舗目以降は味や品質が安定せず、多店舗展開のスケールメリットが得られにくい。同社がこのような課題を乗り越え、多店舗展開に成功した理由の1つが、ラーメン店にとって最も重要な麺・タレ・スープ・チャーシューなどをPB商品としている点にあると考えられる。麺については、グループ内製造拠点である平塚工場、横浜第一工場、丹波篠山工場、スープは横浜第二工場、チャーシューは綾瀬工場で製造している。また、タレについては、品質管理が行き届き供給力のあるメーカーに製造委託している。一方、配送については、在庫機能のある自社物流センターに集約している。これらの結果、店内ではラーメンをセットアップする作業のみとなり、1)職人の養成を必要としない、2)廃棄ロスが少ない、3)水道光熱費が安い、4)仕込みの人件費を抑えられる、5)低コストで安定した配送が可能となる、6) 出店立地の制約が少ない、といったメリットが得られる。
(4) チェーンストアシステム
同社独特の経営手法は、好きで始めた「生業」に対して、社長自ら科学的なアプローチを続けてきたことが背景にあると考えられる。このバックボーンとなるものがチェーンストアシステムであり、同社の強みの源泉となっている。
同社では、チェーンストアシステム及び基本戦略を基に、「商品改革」「オペレーション改革」「製造・物流改革」の「3つの改革」を実行し、業務・製品の仕組化を推し進めている。
a) 商品改革
商品改革では、商品や調理方法を標準化・単純化することで、安定した品質の商品を提供することを目指している。具体的には、麺・スープ・餃子・チャーシューなどの自社工場生産を開始したことに加え、からあげのPB商品化により、仕込みや包丁作業など店内作業の軽減を図っている。また、ABC分析※によりメニューをブラッシュアップし、主力商品に集中することで、提供速度の向上を進めている。
※売上や販売個数など指標の重要度順にメニューを並べて分析することで、メニューの改廃などに生かす販売管理手法。
b) オペレーション改革
オペレーション改革では、調理工程の簡略化や動線の改善などにより、商品ごと、従業員ごと、店舗ごとの品質や提供速度、サービスのばらつきを解消することを目指している。また、各店のパフォーマンスを最大化するため、フォーラムなどを通じて優れたオペレーションノウハウを共有している。PB商品の拡大もオペレーション改革につながっており、店内作業が大きく減少した。
c) 製造・物流改革
製造改革では、多店舗展開に耐えうる生産体制を構築することで、品質・生産能力向上、安定供給とコスト削減を目指している。物流改革では、多店舗展開を支える物流センターの活用によって、配送頻度低減によるコストメリットや安定供給を実現した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>
2. 基本戦略と強み
ギフトホールディングス<9279>は、チェーンストアシステムをバックボーンとした「出店戦略」「人材育成」「PB商品」を基本戦略とし、繁盛店を多店舗展開する仕組みを構築してきた。また、これら基本戦略の重要な機能を内製化しており、これが同社のビジネスモデルの特徴の1つとなっている。
(1) 出店戦略
出店戦略のうち、店舗開発は社長と経験豊かな開発要員が担っている。出店する際は、候補地の競合店状況、駅乗降客数、商圏人口、通行量・交通量などの立地特性やブランドとの相性、投資額などを独自基準と照合し総合的に判断しており、ヒット率が高い。また、「人口集中エリアとラーメン高消費エリアの直営店」「地方エリアのプロデュース店」と全国の出店エリアを分ける一方、プロデュース店を含めて同社で一元的な意思決定を行っている。商品力が強いため、従来であれば1等地でなくても十分に収益を稼ぎ出すことができるが、コロナ禍による人流変化の影響を受け、駅近の店舗が全般的に苦戦した。しかしながら、同社は巣ごもり需要が発生した郊外にも店舗展開しているため、相対的に影響が小さかったうえ、超繁華街の好立地物件を安価に確保できるチャンスとなった。首都圏については、ドミナント※出店してきたことから依然として出店余地が大きい。また、西日本や地方での出店も強化しているほか、(株)ラーメン天華のM&Aを機に北関東・東北への出店も開始した。
※出店エリアでの優越性を確保することを目的に、エリアに集中出店することで認知度を上げたり配送を効率化したりする出店方式。エリア全体での収益力を重視している。
(2) 人材育成
同社は従業員教育を内製化しており、社内研修体系を確立している。これにより、店内の元気ある雰囲気やスムーズなオペレーションなど、同水準のサービスを各店舗で提供できている。また、全社員が月に1度集まって店舗単位で課題解消などについてプレゼンし、成功事例の横展開を図っている。評価制度や表彰制度、インセンティブ制度、キャリアアップなどモチベーション向上のための制度もある。このような人材育成に見合った出店ペースを維持することで、運営悪化につながるような事態には陥っていない。
(3) PB商品
個店のラーメン店は通常、麺を製麺メーカーから仕入れるか店内で打ち、生ガラからタレやスープを店内で焚き出す。このため、2店舗目以降は味や品質が安定せず、多店舗展開のスケールメリットが得られにくい。同社がこのような課題を乗り越え、多店舗展開に成功した理由の1つが、ラーメン店にとって最も重要な麺・タレ・スープ・チャーシューなどをPB商品としている点にあると考えられる。麺については、グループ内製造拠点である平塚工場、横浜第一工場、丹波篠山工場、スープは横浜第二工場、チャーシューは綾瀬工場で製造している。また、タレについては、品質管理が行き届き供給力のあるメーカーに製造委託している。一方、配送については、在庫機能のある自社物流センターに集約している。これらの結果、店内ではラーメンをセットアップする作業のみとなり、1)職人の養成を必要としない、2)廃棄ロスが少ない、3)水道光熱費が安い、4)仕込みの人件費を抑えられる、5)低コストで安定した配送が可能となる、6) 出店立地の制約が少ない、といったメリットが得られる。
(4) チェーンストアシステム
同社独特の経営手法は、好きで始めた「生業」に対して、社長自ら科学的なアプローチを続けてきたことが背景にあると考えられる。このバックボーンとなるものがチェーンストアシステムであり、同社の強みの源泉となっている。
同社では、チェーンストアシステム及び基本戦略を基に、「商品改革」「オペレーション改革」「製造・物流改革」の「3つの改革」を実行し、業務・製品の仕組化を推し進めている。
a) 商品改革
商品改革では、商品や調理方法を標準化・単純化することで、安定した品質の商品を提供することを目指している。具体的には、麺・スープ・餃子・チャーシューなどの自社工場生産を開始したことに加え、からあげのPB商品化により、仕込みや包丁作業など店内作業の軽減を図っている。また、ABC分析※によりメニューをブラッシュアップし、主力商品に集中することで、提供速度の向上を進めている。
※売上や販売個数など指標の重要度順にメニューを並べて分析することで、メニューの改廃などに生かす販売管理手法。
b) オペレーション改革
オペレーション改革では、調理工程の簡略化や動線の改善などにより、商品ごと、従業員ごと、店舗ごとの品質や提供速度、サービスのばらつきを解消することを目指している。また、各店のパフォーマンスを最大化するため、フォーラムなどを通じて優れたオペレーションノウハウを共有している。PB商品の拡大もオペレーション改革につながっており、店内作業が大きく減少した。
c) 製造・物流改革
製造改革では、多店舗展開に耐えうる生産体制を構築することで、品質・生産能力向上、安定供給とコスト削減を目指している。物流改革では、多店舗展開を支える物流センターの活用によって、配送頻度低減によるコストメリットや安定供給を実現した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>
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