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RSテクノ Research Memo(8):半導体業界の成長を上回るスピードで業績拡大が続く見通し(1)
配信日時:2022/10/03 17:18
配信元:FISCO
■今後の見通し
2. 中期経営計画の進捗状況
RS Technologies<3445>が2022年2月に発表した4ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2025年12月期に売上高45,000百万円、営業利益10,000百万円を目標として掲げていたが、前述のとおり2022年12月期に同目標値を達成する可能性が高く、中期業績目標については改めて2022年12月期の本決算発表時に見直す予定にしている。
世界半導体市場統計(WSTS)が2022年8月に発表した市場予測によれば、2022年の半導体出荷額伸び率(ドルベース)は直近予測の16.3%から13.9%に、2023年は同5.1%から4.6%にそれぞれ下方修正された。ウクライナ危機に端を発したエネルギー価格や食料価格の上昇、並びに中国におけるロックダウンの影響により世界的に消費マインドが低下し、パソコンやスマートフォン等の流通在庫が積み上がって一部の半導体の需給が軟化し始めたことが要因だ。特に、メモリについては価格下落により、生産調整の動きが出てきている。一方でパワー半導体など需給がタイトな製品もあり、半導体全般の市況が悪いわけではない。2023年は世界景気の伸び悩みやメモリ価格の下落を背景に半導体成長率の減速が続くものと予測されているが、2024年以降は景気回復により成長率は再加速するものと弊社では予想している。
なかでも、中国市場については今後年率2ケタ台の高成長が期待できる。同社の調べでは、今後世界で12インチウェーハに対応した半導体工場の建設が49ヶ所計画されており、地域別では中国で17工場と最も多く計画されているためだ。最先端の半導体は米政府による製造装置の輸出規制によって製造することは困難だが、デザインルールで28nm以上のレガシーな半導体については規制の影響がないため生産量が拡大していくものと予想される。なお、49工場がすべて稼働すれば、12インチのプライムウェーハで200万枚/月以上、再生ウェーハで40万枚/月以上の需要が見込まれ(1工場当たり5万枚/月で換算)、なかでも中国に両製品の生産拠点を置く同社にとっては事業拡大の好機となる。中国市場における12インチのプライム及び再生ウェーハ事業はSGRSで展開し、収益化の目途が立った段階で連結子会社として組み入れる意向となっており、中長期的に同社の業績を大きくけん引するものと期待される。
(1) ウェーハ再生事業
ウェーハ再生事業については、12インチ再生ウェーハの旺盛な需要に対応するため、日本及び台湾で能力増強を進めていくほか、SGRSの徳州工場でも量産を開始し中国での需要を取り込む戦略となっている。12インチ再生ウェーハを3拠点(日本、台湾、中国)で量産するのは同社が初となる。
能力増強スケジュールとしては、日本が2022年の月間30万枚から2024年には32万枚に、台湾が同20万枚から26万枚にそれぞれ増強する。また、中国については2022年の5万枚を維持する計画だが、状況によっては2024年以降に10万枚まで拡大する可能性がある。期初計画との比較で見ると、台湾の生産能力が主要顧客からの強い要請もあって、1万枚上積みされている。設備投資額について見ると、グループ全体では徳州工場の量産開始に向け設備投資を実施した2021年12月期の47億円がピークで、2022年12月期は23億円、2023年12月期は22億円を計画している。2024年12月期は徳州工場の設備投資計画により変わる可能性がある。
12インチ再生ウェーハの月産能力はグループ全体で2022年12月期末の55万枚から2024年12月期末には63万枚と約1.15倍に拡大し(徳州工場を除けば58万枚で約1.16倍)、徳州工場を除いて年率換算すれば7.7%増となる。中期経営計画において半導体市場全体の成長率は年率5%成長を前提としていたが、12インチ再生ウェーハの成長率が相対的に高いため妥当な水準と考えられる。営業利益率に関しては2021年12月期に37.2%となっており、今後も同程度の水準を維持する計画である。なお、中国の12インチ再生ウェーハ市場については、今後新たな競合としてローカル企業が台頭し、一時的に価格競争が激化する可能性もあるが、技術面や品質面における優位性は変わらないと考えられ、中期的に同社の市場シェアは中国においても3割強の水準を維持できるものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2. 中期経営計画の進捗状況
RS Technologies<3445>が2022年2月に発表した4ヶ年の中期経営計画では、最終年度となる2025年12月期に売上高45,000百万円、営業利益10,000百万円を目標として掲げていたが、前述のとおり2022年12月期に同目標値を達成する可能性が高く、中期業績目標については改めて2022年12月期の本決算発表時に見直す予定にしている。
世界半導体市場統計(WSTS)が2022年8月に発表した市場予測によれば、2022年の半導体出荷額伸び率(ドルベース)は直近予測の16.3%から13.9%に、2023年は同5.1%から4.6%にそれぞれ下方修正された。ウクライナ危機に端を発したエネルギー価格や食料価格の上昇、並びに中国におけるロックダウンの影響により世界的に消費マインドが低下し、パソコンやスマートフォン等の流通在庫が積み上がって一部の半導体の需給が軟化し始めたことが要因だ。特に、メモリについては価格下落により、生産調整の動きが出てきている。一方でパワー半導体など需給がタイトな製品もあり、半導体全般の市況が悪いわけではない。2023年は世界景気の伸び悩みやメモリ価格の下落を背景に半導体成長率の減速が続くものと予測されているが、2024年以降は景気回復により成長率は再加速するものと弊社では予想している。
なかでも、中国市場については今後年率2ケタ台の高成長が期待できる。同社の調べでは、今後世界で12インチウェーハに対応した半導体工場の建設が49ヶ所計画されており、地域別では中国で17工場と最も多く計画されているためだ。最先端の半導体は米政府による製造装置の輸出規制によって製造することは困難だが、デザインルールで28nm以上のレガシーな半導体については規制の影響がないため生産量が拡大していくものと予想される。なお、49工場がすべて稼働すれば、12インチのプライムウェーハで200万枚/月以上、再生ウェーハで40万枚/月以上の需要が見込まれ(1工場当たり5万枚/月で換算)、なかでも中国に両製品の生産拠点を置く同社にとっては事業拡大の好機となる。中国市場における12インチのプライム及び再生ウェーハ事業はSGRSで展開し、収益化の目途が立った段階で連結子会社として組み入れる意向となっており、中長期的に同社の業績を大きくけん引するものと期待される。
(1) ウェーハ再生事業
ウェーハ再生事業については、12インチ再生ウェーハの旺盛な需要に対応するため、日本及び台湾で能力増強を進めていくほか、SGRSの徳州工場でも量産を開始し中国での需要を取り込む戦略となっている。12インチ再生ウェーハを3拠点(日本、台湾、中国)で量産するのは同社が初となる。
能力増強スケジュールとしては、日本が2022年の月間30万枚から2024年には32万枚に、台湾が同20万枚から26万枚にそれぞれ増強する。また、中国については2022年の5万枚を維持する計画だが、状況によっては2024年以降に10万枚まで拡大する可能性がある。期初計画との比較で見ると、台湾の生産能力が主要顧客からの強い要請もあって、1万枚上積みされている。設備投資額について見ると、グループ全体では徳州工場の量産開始に向け設備投資を実施した2021年12月期の47億円がピークで、2022年12月期は23億円、2023年12月期は22億円を計画している。2024年12月期は徳州工場の設備投資計画により変わる可能性がある。
12インチ再生ウェーハの月産能力はグループ全体で2022年12月期末の55万枚から2024年12月期末には63万枚と約1.15倍に拡大し(徳州工場を除けば58万枚で約1.16倍)、徳州工場を除いて年率換算すれば7.7%増となる。中期経営計画において半導体市場全体の成長率は年率5%成長を前提としていたが、12インチ再生ウェーハの成長率が相対的に高いため妥当な水準と考えられる。営業利益率に関しては2021年12月期に37.2%となっており、今後も同程度の水準を維持する計画である。なお、中国の12インチ再生ウェーハ市場については、今後新たな競合としてローカル企業が台頭し、一時的に価格競争が激化する可能性もあるが、技術面や品質面における優位性は変わらないと考えられ、中期的に同社の市場シェアは中国においても3割強の水準を維持できるものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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