注目トピックス 日本株
サンワテクノス Research Memo(1):2025年3月期に営業利益は2022年3月期比1.5倍増を目指す
配信日時:2022/06/30 16:11
配信元:FISCO
■要約
サンワテクノス<8137>は独立系技術商社で、FA・産業機器業界向けが売上高の約4割を占める。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特長により業容を拡大してきた。取引先数は単体ベースで顧客先が約3,200社、仕入先が約2,100社となり、主な仕入先は安川電機<6506>、オムロン<6645>などである。
1. 半導体関連、産業機械業界向け製品の受注拡大により2022年3月期は4期振りに過去最高業績を更新
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.6%増の154,414百万円、営業利益で同123.2%増の4,804百万円と4期ぶりに過去最高業績を更新した。半導体関連業界や産業機械業界を中心に設備投資が拡大したほか、部材の供給不足による生産への影響を考慮した顧客からの先行手配もあったことが要因だ。地域別売上高では、中国を中心としたアジア向けが前期比47.4%増と大きく伸長した。受注高は前期比44.9%増の199,931百万円、受注残高は前期末比165.1%増の73,081百万円に積み上がっている。なお、2022年3月期より会計基準の変更に伴い有償支給品を売上高に含めない純額表示に変更しており、売上高で17,043百万円の減少要因となっている。同一基準で比較した場合の売上高は前期比27.2%増となる。
2. 2023年3月期業績も豊富な受注残を背景に増収増益が続く見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.7%増の164,700百万円、営業利益で同4.1%増の5,000百万円となる見通し。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)に伴う中国での生産、物流活動への影響や、エネルギー価格上昇に伴う景気全般への影響など外部環境は先行き不透明感が強まっているものの、半導体関連業界を中心に製造業の設備投資は2023年3月期も拡大見通しであることや、受注残が豊富なことから増収増益が続く見通しだ。
3. 新中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を発表
同社は新たな中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を発表した。基本方針として、1)イノベーションが求められる成長分野への注力、2)より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供、3)サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献、の3点に取り組み、最終年度となる2025年3月期に売上高195,000百万円、営業利益7,000百万円を目指す。3年間の年平均成長率は売上高で8.1%、営業利益で13.4%となる。最重要経営指標(KGI)を従来の「売上高」から「営業利益」に変更し、DXによる業務効率化も進めながら利益成長を追求していく。具体的な取り組みとしては、事業ポートフォリオを顧客業界ごとにマッピングし、積極的リソースを投入する分野(半導体製造装置、ロボット・マウンター、工作機械)と選択的リソースを投入する分野(FA装置、車載、設備)、その他分野に分けて戦略を立案・実行することで、売上総利益の拡大を目指す。積極的リソース及び選択的リソース投入分野については年率10%以上(半導体製造装置は15%以上)の利益成長を見込んでいる。また、地域にとらわれず顧客業界ごとに最適な製品・ソリューションを提供する専門営業組織を2022年4月に立ち上げ、新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕を進めていく。海外事業については売上比率で2022年3月期の38%から2025年3月期に40%に引き上げる。中国だけでなくその他アジア地域での事業拡大も目指す方針で、インドにも新たに進出する予定にしている。同社が取り扱う商材は省エネ化・省力化に貢献するものが多いことから、中長期的に右肩上がりの成長が見込まれる。今回の新たな事業戦略によって、こうした需要を取り込み、収益成長につなげていくものと期待される。
■Key Points
・半導体関連、産業機械業界向け製品の受注拡大により、2022年3月期は4期ぶりに過去最高業績を更新
・中国リスクがあるものの、豊富な受注残を背景に2023年3月期も増収増益が続く見通し
・新中期経営計画を発表、営業利益で2025年3月期に2022年3月期比1.5倍増の70億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
サンワテクノス<8137>は独立系技術商社で、FA・産業機器業界向けが売上高の約4割を占める。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特長により業容を拡大してきた。取引先数は単体ベースで顧客先が約3,200社、仕入先が約2,100社となり、主な仕入先は安川電機<6506>、オムロン<6645>などである。
1. 半導体関連、産業機械業界向け製品の受注拡大により2022年3月期は4期振りに過去最高業績を更新
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比14.6%増の154,414百万円、営業利益で同123.2%増の4,804百万円と4期ぶりに過去最高業績を更新した。半導体関連業界や産業機械業界を中心に設備投資が拡大したほか、部材の供給不足による生産への影響を考慮した顧客からの先行手配もあったことが要因だ。地域別売上高では、中国を中心としたアジア向けが前期比47.4%増と大きく伸長した。受注高は前期比44.9%増の199,931百万円、受注残高は前期末比165.1%増の73,081百万円に積み上がっている。なお、2022年3月期より会計基準の変更に伴い有償支給品を売上高に含めない純額表示に変更しており、売上高で17,043百万円の減少要因となっている。同一基準で比較した場合の売上高は前期比27.2%増となる。
2. 2023年3月期業績も豊富な受注残を背景に増収増益が続く見通し
2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.7%増の164,700百万円、営業利益で同4.1%増の5,000百万円となる見通し。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)に伴う中国での生産、物流活動への影響や、エネルギー価格上昇に伴う景気全般への影響など外部環境は先行き不透明感が強まっているものの、半導体関連業界を中心に製造業の設備投資は2023年3月期も拡大見通しであることや、受注残が豊富なことから増収増益が続く見通しだ。
3. 新中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を発表
同社は新たな中期経営計画「SNS2024(Sun-Wa New Stage 2024)」を発表した。基本方針として、1)イノベーションが求められる成長分野への注力、2)より高付加価値な製品と新たなソリューションの提供、3)サステナビリティ経営による持続可能な社会の実現に貢献、の3点に取り組み、最終年度となる2025年3月期に売上高195,000百万円、営業利益7,000百万円を目指す。3年間の年平均成長率は売上高で8.1%、営業利益で13.4%となる。最重要経営指標(KGI)を従来の「売上高」から「営業利益」に変更し、DXによる業務効率化も進めながら利益成長を追求していく。具体的な取り組みとしては、事業ポートフォリオを顧客業界ごとにマッピングし、積極的リソースを投入する分野(半導体製造装置、ロボット・マウンター、工作機械)と選択的リソースを投入する分野(FA装置、車載、設備)、その他分野に分けて戦略を立案・実行することで、売上総利益の拡大を目指す。積極的リソース及び選択的リソース投入分野については年率10%以上(半導体製造装置は15%以上)の利益成長を見込んでいる。また、地域にとらわれず顧客業界ごとに最適な製品・ソリューションを提供する専門営業組織を2022年4月に立ち上げ、新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕を進めていく。海外事業については売上比率で2022年3月期の38%から2025年3月期に40%に引き上げる。中国だけでなくその他アジア地域での事業拡大も目指す方針で、インドにも新たに進出する予定にしている。同社が取り扱う商材は省エネ化・省力化に貢献するものが多いことから、中長期的に右肩上がりの成長が見込まれる。今回の新たな事業戦略によって、こうした需要を取り込み、収益成長につなげていくものと期待される。
■Key Points
・半導体関連、産業機械業界向け製品の受注拡大により、2022年3月期は4期ぶりに過去最高業績を更新
・中国リスクがあるものの、豊富な受注残を背景に2023年3月期も増収増益が続く見通し
・新中期経営計画を発表、営業利益で2025年3月期に2022年3月期比1.5倍増の70億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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