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NYの視点:米3月雇用統計:失業率はパンデミック前の水準回復予想、FRBの引き締め加速正当化か

配信日時:2022/03/31 07:37 配信元:FISCO
米国労働省はワシントンで4日、3月雇用統計を発表する。エコノミストの平均予想で、失業率は3.7%と、2カ月連続低下でパンデミック前の水準回復が予想されている。非農業部門雇用者数は49万人増と、2月67.8万人増から伸びが鈍化するものの、歴史的には依然高水準を維持する見通し。平均時給は前月比+0.4%、前年比+5.5%と、それぞれ、横ばい、+5.1%から伸びが拡大すると見られている。

先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の3月分は前月比+45.5万人と、2月+48.6万人から伸びが鈍化も予想を小幅上回った。

米国経済は消費が7割を占めるため、特に注目が集まる全米のサービス業活動を示すISM非製造業景況指数雇用の3月分は48.5と、21年6月以降で初めて50を割り込み活動の縮小を示し、雇用の鈍化兆候を示した。一方で、失業保険申請件数は1969年以降53年ぶり低水準を記録しており、労働市場のひっ迫を示す結果となった。

米国債相場で一部の期間で、長短金利差の逆転が見られ、経済が景気後退入りする可能性への懸念も浮上。米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はバランスシートを縮小することで、利回り曲線がスティープニングすると指摘している。

雇用統計の結果は連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め加速計画を正当化すると見られる。市場の注目は次回の5月連邦公開市場委員会(FOMC)で果たしてFRBが50ベーシスポイントの利上げに踏み切るかどうか。5月までにはまだ、さらに、インフレ指標が発表されるため、結果を睨む。FRBは成長鈍化と、インフレ高進の可能性への対処で、政策で均衡を保つ必要性に迫られる。

■3月雇用統計の先行指標
・米・1月ADP雇用統計:-30.1万人(予想:+18.0万人、12月:+77.6万人←+80.7万人)
・ISM製造業景況指数雇用:53.1(52.9)
・ISM非製造業景況指数雇用:48.5(52.3)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):+14.5(2月23.1、6カ月平均+19.7)
週平均就業時間:+3.5(+10.9、6カ月平均+12.5)

6か月先
雇用:+27.0(25.5、6カ月平均30.5)
週平均就業時間:+15.0(15.3、6カ月平均+13.4)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):38.9(32.3、6カ月平均31.5)
週平均就業時間:21.4(10.8、21.8)

6か月先
雇用:40.7(36.6、6か月平均43.2)
週平均就業時間:14.5(2.4、6か月平均11.6)

・消費者信頼感指数(%)
雇用
十分:57.2(53.5、27.5)
不十分:33.0(34.5、53.2)
困難:9.8(12.0、17.3)

6カ月後
増加:17.4(19.4、35.4)
減少:17.7(19.6、14.8)
不変:64.9(61.0、49.8)
所得
増加:14.9(14.7、18.0)
減少:13.7(13.0、10.1)
不変:71.4(72.3、71.9)

・失業保険申請件数

_件数 前週比 4週平均 継続受給者数

03/19/22|   187,000|   -28,000|  211,750|   n/a
03/12/22|   215,000|   -14,000|  223,250| 1,350,000
03/05/22|   229,000|    13,000|  231,750| 1,417,000
02/26/22|   216,000|   -17,000|  230,750| 1,490,000
02/19/22|   233,000|   -16,000|  236,500| 1,469,000
02/12/22|   249,000|    24,000|  243,500| 1,474,000
02/05/22|   225,000|   -14,000|  253,750| 1,589,000

■市場エコノミスト予想
失業率:3.7%(2月3.8%)
非農業部門雇用者数:前月比+49万人(2月+67.8 万人)
民間部門雇用者数:前月比+49.9万人(+65.4万人)
平均時給:予想:前月比+0.4%、前年比+5.5%(+0.0%、+5.1%)





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