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コスモ・バイオ Research Memo(1):2021年12月期は修正予想を上回る大幅増収増益で着地
配信日時:2022/03/10 16:01
配信元:FISCO
■要約
コスモ・バイオ<3386>は世界のライフサイエンス研究に貢献する独立系のバイオ専門商社である。ライフサイエンスに関わる世界の研究者(大学・公的研究機関・検査機関・民間企業・病院などの研究室・検査室など)向けに、基礎研究分野の研究用試薬・機器・消耗品・臨床検査薬を提供している。
1.メーカー機能の自社製造・受託サービスを成長ドライバーと位置付け強化
同社の特徴・強みとしては、グローバルな仕入ネットワーク、業界最大級の品ぞろえとワンストップサービス、グループ内のメーカー機能等がある。特に、2016年12月に本格参入したカスタムペプチド合成・抗体受託製造(以下、カスタムペプチド合成・抗体作製サービス事業)と、2019年7月に開始した「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(以下、鶏卵バイオリアクター事業)の両事業を中心に、成長ドライバーと位置付けるメーカー機能の自社製造・受託サービスを強化している。
2. 2021年12月期は修正予想を上回る大幅増収増益で着地
2021年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.1%増の9,231百万円、営業利益が同39.4%増の1,048百万円、経常利益が同34.5%増の1,099百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.4%増の737百万円だった。2021年7月27日付の上方修正値を上回る大幅増収増益で着地した。売上面は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で一部の営業活動が制約を受けたが、政府予算の執行も背景として需要が堅調に推移し、Web会議を活用して顧客ニーズに合った商品を提案する営業活動を積極展開した。注力商品への販促活動も奏功し、研究用試薬や研究者に代わって試験を行う受託サービスが好調に推移した。利益面は人件費が増加したが、修正予想を上回る増収であったことに加えて自社製造・受託サービスの拡大などでプロダクトミックスが良化したことも寄与した。
3. 2022年12月期は減益予想も保守的
2022年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用により売上高への影響は約50百万円程度、利益への影響はなし)は、売上高が9,400百万円(従来会計基準における前期比との単純比較では1.8%増収)で、営業利益が前期比20.9%減の830百万円、経常利益が同20.9%減の870百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.3%減の580百万円としている。全体として需要は堅調に推移する見込みだが、コロナ禍の影響による不透明感、為替の円安の影響、対面営業再開による営業経費の増加、人件費の増加などを考慮して減益予想としている。主力の研究用試薬が自社製造・受託サービスも含めて順調に推移していることから、弊社は、同社予想は保守的で上振れ余地があると考えている。
4. 自社製造・受託サービスの成長で収益拡大・高収益化に期待
3ヶ年計画(2020年12月期~2022年12月期、経営目標数値は非開示)では、10年後の姿を見据えた事業戦略として、メーカー機能を中心とする第2の収益柱の構築、ライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場への展開を推進する方針を打ち出している。新市場への展開では食品や医薬品などの分野での原料供給なども構想している。自社製造・受託サービスの具体的な売上数値は公表されていないが、単体ベース売上高に占める割合で2割前後の水準まで上昇しているようだ。弊社では、カスタムペプチド合成・抗体作製サービス事業、及び鶏卵バイオリアクター事業を中心とする自社製造・受託サービスの成長で、中長期的に収益拡大・高収益化が期待できると評価している。
■Key Points
・世界のライフサイエンス研究に貢献する独立系のバイオ専門商社
・2022年12月期は減益予想だが保守的で上振れ余地
・自社製造・受託サービスの成長で収益拡大・高収益化に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
コスモ・バイオ<3386>は世界のライフサイエンス研究に貢献する独立系のバイオ専門商社である。ライフサイエンスに関わる世界の研究者(大学・公的研究機関・検査機関・民間企業・病院などの研究室・検査室など)向けに、基礎研究分野の研究用試薬・機器・消耗品・臨床検査薬を提供している。
1.メーカー機能の自社製造・受託サービスを成長ドライバーと位置付け強化
同社の特徴・強みとしては、グローバルな仕入ネットワーク、業界最大級の品ぞろえとワンストップサービス、グループ内のメーカー機能等がある。特に、2016年12月に本格参入したカスタムペプチド合成・抗体受託製造(以下、カスタムペプチド合成・抗体作製サービス事業)と、2019年7月に開始した「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造(以下、鶏卵バイオリアクター事業)の両事業を中心に、成長ドライバーと位置付けるメーカー機能の自社製造・受託サービスを強化している。
2. 2021年12月期は修正予想を上回る大幅増収増益で着地
2021年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.1%増の9,231百万円、営業利益が同39.4%増の1,048百万円、経常利益が同34.5%増の1,099百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.4%増の737百万円だった。2021年7月27日付の上方修正値を上回る大幅増収増益で着地した。売上面は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で一部の営業活動が制約を受けたが、政府予算の執行も背景として需要が堅調に推移し、Web会議を活用して顧客ニーズに合った商品を提案する営業活動を積極展開した。注力商品への販促活動も奏功し、研究用試薬や研究者に代わって試験を行う受託サービスが好調に推移した。利益面は人件費が増加したが、修正予想を上回る増収であったことに加えて自社製造・受託サービスの拡大などでプロダクトミックスが良化したことも寄与した。
3. 2022年12月期は減益予想も保守的
2022年12月期の連結業績予想(収益認識会計基準適用により売上高への影響は約50百万円程度、利益への影響はなし)は、売上高が9,400百万円(従来会計基準における前期比との単純比較では1.8%増収)で、営業利益が前期比20.9%減の830百万円、経常利益が同20.9%減の870百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.3%減の580百万円としている。全体として需要は堅調に推移する見込みだが、コロナ禍の影響による不透明感、為替の円安の影響、対面営業再開による営業経費の増加、人件費の増加などを考慮して減益予想としている。主力の研究用試薬が自社製造・受託サービスも含めて順調に推移していることから、弊社は、同社予想は保守的で上振れ余地があると考えている。
4. 自社製造・受託サービスの成長で収益拡大・高収益化に期待
3ヶ年計画(2020年12月期~2022年12月期、経営目標数値は非開示)では、10年後の姿を見据えた事業戦略として、メーカー機能を中心とする第2の収益柱の構築、ライフサイエンスをベースとした研究試薬以外の新市場への展開を推進する方針を打ち出している。新市場への展開では食品や医薬品などの分野での原料供給なども構想している。自社製造・受託サービスの具体的な売上数値は公表されていないが、単体ベース売上高に占める割合で2割前後の水準まで上昇しているようだ。弊社では、カスタムペプチド合成・抗体作製サービス事業、及び鶏卵バイオリアクター事業を中心とする自社製造・受託サービスの成長で、中長期的に収益拡大・高収益化が期待できると評価している。
■Key Points
・世界のライフサイエンス研究に貢献する独立系のバイオ専門商社
・2022年12月期は減益予想だが保守的で上振れ余地
・自社製造・受託サービスの成長で収益拡大・高収益化に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
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